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ブルーベリーのサプリメントによって高脂肪食ラットの腸内細菌叢のバランスの改善、全身の炎症が減り、インスリン抵抗性が改善




ある論文によれば、高脂肪食を食べたラットにブルーベリーを与えると、腸内細菌のバランスが改善し、腸の健康が守られ、全身の炎症が減り、インスリン抵抗性が改善されることがわかりました。

【参考リンク】

■背景

肥満になると、腸内細菌のバランスが崩れ、慢性的な炎症が起こることが知られています。

この炎症は、インスリン抵抗性(インスリンが効きにくくなる状態)など、肥満に関連する健康問題を引き起こします。

ブルーベリーには「アントシアニン」という抗炎症作用のある成分が豊富に含まれており、腸内細菌のバランスを整える可能性があると考えられています。

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■実験結果

ブルーベリーのサプリメント摂取により、高脂肪食(HF)を与えられたラットの腸内細菌叢が変化し、全身性炎症が軽減され、インスリン抵抗性が改善されるという仮説を立てて、実験した結果、次のような結果が出ました。

1)腸内細菌の変化

ブルーベリーを食べたラット(HF_BB)では、ガンマプロテオバクテリアという細菌の量が増え、腸内細菌のバランスが変化しました。

2)腸の健康

高脂肪食(HF)を与えたラットでは、腸(回腸)の絨毛の高さが約15%低くなりましたが、ブルーベリーを加えると回復しました。

ムチン2(腸の粘膜を保護する物質)の遺伝子発現は、ブルーベリーを食べたラットで高脂肪食だけのラットより約150%高くなりました。

3)炎症の軽減

高脂肪食を与えたラットでは、内臓脂肪で炎症に関わる物質(TNFαやIL1β)の遺伝子発現が300~500%増加しましたが、ブルーベリーを食べたラットではこれが正常レベルに戻りました。

4)インスリン感受性の改善

高脂肪食のラットでは、肝臓でのインスリン感受性が低下していましたが、ブルーベリーを食べたラットでは改善しました。

■結論

高脂肪食を食べたラットにブルーベリーを与えると、腸内細菌のバランスが改善し、腸の健康が守られ、全身の炎症が減り、インスリン抵抗性が改善されました。

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ブルーベリーを食べると、体重や血糖値の管理(糖尿病予防)に役立つだけでなく、腸内環境を整えることで健康をサポートすることが判明!




ブルーベリーを週2-3回食べている人は糖尿病にかかる割合が低くなる!【あさイチ】が話題でしたので、ブルーベリーがどう糖尿病リスクを下げることに役立っているのかについて調べたところ、興味深い論文がありました。

■ブルーベリーの成分が肥満と代謝を改善する仕組み

ブルーベリーには「ポリフェノール」が含まれており、これが肥満や関連する代謝の病気(例えば糖尿病など)を防ぐのに役立つ可能性があることが知られています。

しかし、どの種類のポリフェノールが効果的なのか、また腸内細菌(腸内細菌叢)がどのように関わっているのかはよく分かっていませんでした。

今回の研究では、ブルーベリーに含まれる2つの主要なポリフェノール、「プロアントシアニジン(PAC)」と「アントシアニン(ANT)」が、肥満やインスリン抵抗性(血糖値を下げるインスリンが効きにくくなる状態)にどう影響するかを調べました。

さらに、腸内細菌の役割を明らかにするために、「糞便細菌叢移植(FMT)」という方法も使っています。

■実験結果

体重の変化:

プロアントシアニジン(PAC)を摂取したマウスは、高脂肪・高ショ糖食(HFHS)のマウスよりも体重が少なく、痩せていました。

エネルギー摂取量は同じでしたが、プロアントシアニジン(PAC)グループのマウスは身体活動量が多かったことも分かりました。

この効果は、プロアントシアニジン(PAC)グループの腸内細菌を移植された無菌マウスでも見られました。

インスリンの改善:

プロアントシアニジン(PAC)とアントシアニン(ANT)を摂取したマウスは、ブドウ糖負荷試験でインスリンの反応が改善していました。

つまり、血糖値を下げる能力が向上していたのです。

この効果も、腸内細菌を移植された無菌マウスで再現されました。

■結論

この研究から、ブルーベリーに含まれるプロアントシアニジン(PAC)とアントシアニン(ANT)に3つのことがわかりました。

1)食事による体重増加を抑える。

2)インスリン感受性を改善し、血糖値のコントロールを助ける。

3)これらの効果は、腸内細菌叢の調整によるものと考えられる。

つまり、ブルーベリーの成分であるプロアントシアニジン(PAC)とアントシアニン(ANT)は、肥満や代謝の問題を改善する可能性があり、その仕組みには腸内細菌が重要な役割を果たしていると考えられます。

ブルーベリーを食べると、体重や血糖値の管理に役立つだけでなく、腸内環境を整えることで健康をサポートしてくれるというわけなんですね!

ブルーベリーを食べましょう!

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砂糖の摂りすぎで腸内細菌叢が変化し脂質代謝異常(脂肪肝や高脂血症)やメタボリックシンドロームが起きている!?




砂糖の摂りすぎによる脂肪肝や高中性脂肪血症は腸内細菌叢の変化が起こしている
砂糖の摂りすぎによる脂肪肝や高中性脂肪血症は腸内細菌叢の変化が起こしている

参考画像:砂糖のとりすぎによる脂質代謝異常(脂肪肝、高脂血症)は腸内環境の変化が鍵であった(2021年3月26日、名古屋大学)

砂糖のとりすぎによる脂質代謝異常(脂肪肝、高脂血症)は腸内環境の変化が鍵であった(2021年3月26日、名古屋大学)で紹介されている小田裕昭准教授らの研究によれば、砂糖(ショ糖、スクロース)のとりすぎによって起こるメタボリックシンドロームへつながる脂質代謝異常(脂肪肝)、高中性脂肪血症が腸内環境の変化によるものであることがわかりました。

この研究の前にこれまでの新しくわかってきたことを一つを紹介しておく必要があります。

それは、これまでメタボリックシンドロームは、食べ過ぎ、特に油のとりすぎが原因として考えられてきましたが、最近になって、砂糖(ショ糖や異性化糖)などのフルクトースを含む糖が大きな原因であるとわかってきたことです。

今回の研究によれば、砂糖の摂りすぎにより大腸の腸内細菌叢が変化していること、腸内細菌叢の変化が脂肪肝や高中性脂肪血症の原因であることを突き止めました。

【参考リンク】

砂糖の摂り過ぎによる脂質代謝異常の原因菌5つを特定 メタボなどの予防法確立へ重要なステップ(2025年3月31日、名古屋大学)によれば、砂糖の摂り過ぎによって起こるメタボリックシンドロームへつながる脂質代謝異常(脂肪肝、高中性脂肪血症)の原因となっている腸内細菌を5つ見つけました。

これらの腸内細菌をターゲットにすることにより、砂糖の摂りすぎによる脂質代謝異常やメタボリックシンドロームを腸内環境を整えることにより予防できる可能性が出てきました。

【参考リンク】

■まとめ

あなたの腸内は肉派?野菜派?どんな食べ物を食べているかで腸内細菌叢が変わる!その影響は健康や環境にも関わってくる!によれば、食事で腸内細菌叢は変わるし、健康にかかわってくることがわかっています。

つまり、食事を変えて、腸内細菌叢を変えることができれば、脂肪肝などの脂質代謝異常やメタボリックシンドロームを予防できる可能性があるわけです。







最近の腸内細菌(腸内細菌叢)のニュースをまとめてみました!




最近は腸内細菌(腸内細菌叢)に関するニュースに注目が集まっています。

そこで、今回は腸内細菌に関するニュースをまとめてみたいと思います。

今一番の注目のニュースはコレ!

日本人の大腸がん患者の5割に腸内細菌のコリバクチン毒素が関与か/若年者の大腸がん発症増との関連も

日本人の大腸がん患者の5割に、一部の腸内細菌から分泌されるコリバクチン毒素による変異パターンが存在することであり、コリバクチン毒素による変異パターンは、高齢者症例(70歳以上)と比べて若年者症例(50歳未満、大腸がん全体の約10%を占める)に3倍多い傾向がみられ、日本をはじめ世界的に問題視されている若年者大腸がんの重要な発症要因である可能性が示唆されました。

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック はこちら

砂糖の摂りすぎで腸内細菌叢が変化し脂質代謝異常(脂肪肝や高脂血症)やメタボリックシンドロームが起きている!?

砂糖(ショ糖、スクロース)のとりすぎによって起こるメタボリックシンドロームへつながる脂質代謝異常(脂肪肝)、高中性脂肪血症が腸内環境の変化によるものであることがわかりました。

今回の研究によれば、砂糖の摂りすぎにより大腸の腸内細菌叢が変化していること、腸内細菌叢の変化が脂肪肝や高中性脂肪血症の原因であることを突き止めました。

あなたの腸内は肉派?野菜派?どんな食べ物を食べているかで腸内細菌叢が変わる!その影響は健康や環境にも関わってくる!

学術誌「Nature Microbiology」で発表された研究によれば、食べ物によって腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう;マイクロバイオーム)が変わり、そしてそれが健康に直結していることがわかります。

腸内細菌叢は、腸に住む何兆もの微生物のコミュニティで、消化や免疫、心臓代謝の健康に深く関わっており、食べ物の種類によって細菌の種類や働きが大きく左右するため、食習慣が健康や病気リスクにどうつながるかを理解する鍵になります。

大事なことはあなたが選択する食べ物によって腸内細菌が変わるということであり、健康になれるかどうかも決まるということ。

日本人の食物繊維摂取量が少なくなっている!その理由とは?

日本人は食物繊維が不足していて、WHOの摂取基準は「1日25g以上」に対して、日本人の若者は13gほどしか摂っていないことや「フレイル」の高齢者は圧倒的に食物繊維の摂取量が少ないことなどが紹介されています。

血液透析患者においてグラノーラの摂取による血圧の低下や腸内環境の改善を確認/カルビーと順天堂大学の研究

カルビーと順天堂大学の共同研究によれば、血液透析患者においてグラノーラの摂取による血圧の低下や腸内環境の改善を確認したそうです。

血液透析を受けている患者さんは、腎臓の機能が低下していて塩分や果物・野菜の摂取を厳しく制限する必要があるため、食物繊維が不足して腸内環境が悪化し、便秘症状を抱えていて、腸内環境の悪化は高血圧にも関与していることがわかっていることから、塩分が少なくなおかつ食物繊維が多い食品を摂るのが良いのではないかと考えられます。

オレンジなど柑橘類を1日1個食べるとうつ病リスクが20%低下する可能性/ハーバード大学

ハーバード大学の研究によれば、オレンジを1日1個食べると、うつ病のリスクが20パーセント低下する可能性があるそうです。

これは、柑橘類が人間の腸内に生息する細菌の一種であるフェカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(F.プラウスニッツィイ)の増殖を刺激し、神経伝達物質である幸せホルモン(セロトニンとドーパミン)を作りやすくしてくれて、それが脳に届き気分を良くしてくれるそうです。

■まとめ

最近の研究では、食べ物によって腸内細菌叢が変化し、健康(体も心も)に影響を与えることがわかってきていています。

あるものを摂りすぎると病気になり易かったり、あるものを食べるとうつ病リスクが低下したりと腸内細菌(腸内細菌叢)を意識することが大事なんですね。

メタボリックドミノを予防するカギは「腸と腎臓」!腸の炎症と慢性腎臓病を避けるにはどんな食事をするといいの?肥満になっても腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい!?|慶大で紹介した慶應義塾大学医学部内科学教室の川野義長助教、中江淳特任准教授、伊藤裕教授らが行なったマウスの実験によれば、高脂肪食の過剰摂取による大腸の慢性炎症がインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病の発症につながるという新たな糖尿病発症メカニズムを解明しました。

この研究のポイントは、「肥満になっても、腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい」ことを示すものです。

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肥満になったからと言って必ず糖尿病になるわけでではなく、腸管で炎症が起こらないと糖尿病にはなりにくい、つまり腸管での炎症がポイントになるんですね。

また、腸の炎症を抑制するとメタボの症状が引き起こされないこともわかったことにより、メタボリックドミノは腸の炎症から始まるということもわかりました。

そして、腸の炎症が起こりやすくなる食べ方も分かったそうです。

 脂肪と糖分を同時に摂取すると、腸の炎症が起こりやすくなることがわかりました。糖分の過剰摂取は腸内細菌の働きを抑制し、腸内の免疫細胞が持つ防御力を弱めます。その後、腸管の表面を覆う細胞によって作られる防御壁が壊れ、そこから脂肪が体内に入りやすくなるのです。体内に脂肪が入り込むと、炎症を引き起こす化学物質「炎症性サイトカイン」が大量に分泌され、腸炎を起点としたメタボリックドミノの最初の駒が倒れはじめます。脂肪と糖分は過剰に摂取すると体に悪いのはもちろん、一気にメタボリックドミノを進めてしまうのです。

糖分の過剰摂取
→腸内細菌の働きの抑制・腸内の免疫細胞の防御力が弱まる
→腸管の表面を覆う細胞によってつくられる防御壁が壊れる
→脂肪が体内に入りやすくなる
→炎症性サイトカインが大量に分泌
→腸の炎症
→メタボリックドミノの進行

つまり、腸の炎症を起こさないような食事としては脂肪と糖分を同時に摂取しないようにすることが大事ということなんですね。

また、「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギにで紹介した東北大学大学院医学系研究科の阿部高明教授と三島英換医学部助教、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授らのグループによる研究よれば、腸管は腎臓と相互に影響を及ぼしているという「腸腎連関」の存在が近年明らかになりつつあること、そして、腸内細菌叢が腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性を有しており、腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の進展予防に重要であると考えられると紹介しました。

腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが間接的に病気の予防になるということもわかってきています。

このように考えると、もっと腸内細菌を改善する生活習慣を意識することが大事になるので、しっかりと実践していきましょう!







くるみの摂取で腸内環境が改善し、ストレスの軽減や睡眠の質が改善する可能性




ある研究によれば、大学生に1日56gのクルミ(約14個)を16週間にわたり摂取してもらったところ、クルミを摂取したグループは腸内環境が改善する兆候が見られ、メンタルヘルスや睡眠の質が改善し、学業ストレスによる悪影響を軽減することがわかりました。

クルミを食べたグループでは、腸内に健康に良いとされる細菌(例:ローズバリア属)が増え、腸内環境が改善する兆候が見られました。

■なぜクルミが効果的なの?

オメガ3脂肪酸:脳の健康や抗炎症作用に関係。

ポリフェノール:抗酸化作用があり、ストレスによるダメージを軽減。

食物繊維:腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える。

これらの成分が、ストレスへの対処や腸内細菌のバランスを整えるのに役立ったと考えられます。

→ オメガ3脂肪酸|オメガ3の効果・効能・食べ物(オイル)・ダイエット について詳しくはこちら

【参考リンク】

■まとめ

朝食に50gのクルミを食べると脳の反応速度が速くなり、一日の後半の記憶力が向上する!で紹介されているレディング大学の研究によれば、朝食に50gのクルミをとったときは、ナッツ抜きで同じカロリーの朝食を食べた時と比べて、一日を通して脳の反応時間が速くなり、一日の後半の記憶力が向上することがわかりました。

2つの研究を合わせると、1日に約50gのクルミを食べると、脳(記憶力)にも良いし、メンタルヘルスにも、腸内環境にも良い影響を与える可能性があるということですから、リカバリー食の一つともいえそうです。

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あなたの腸内は肉派?野菜派?どんな食べ物を食べているかで腸内細菌叢が変わる!その影響は健康や環境にも関わってくる!によれば、食べ物によって腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう;マイクロバイオーム)が変わり、そしてそれが健康に直結していることがわかります。

どんな食べ物を選ぶかで、自分自身の健康を選択できるということなので、せっかくならよい食べ物を選びたいですね。