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認知症になりやすい人の共通点とは何?なぜ心房細動と肺機能の低下が認知症に関係するの?




認知症にならないため、今できる7つのこと 世界の研究でわかったポイントを脳神経内科教授が解説(2025年1月18日、メーテレ)では認知症になりやすい人の共通点が紹介されています。

・糖尿病
・高血圧
・脳梗塞
・意識障害が起きるほどの頭のけが
・心房細動
・肺機能の低下
・社会的孤立

12の危険因子を知って認知症を予防しよう!では認知症を予防する方法として、難聴への対策、高血圧対策(減塩推進や降圧薬の普及)、過度のアルコール摂取を避ける、肥満対策(高脂血症薬による治療の普及)、禁煙、社会的孤立を防ぐ、運動不足を解消する、糖尿病予防(女性における糖尿病患者の減少)を紹介しました。

【子供・青年期】

1)子供たちに初等・中等教育を提供する

【中年期】

2)難聴への対策(補聴器など)
3)外傷性脳損傷を防ぐ(頭部のけがを防ぐ)
4)高血圧対策
5)過度のアルコール摂取を避ける
6)肥満対策

【晩年期】

7)禁煙
8)うつ病予防
9)社会的交流・社会的接触を増やして社会的孤立を防ぐ
10)大気汚染を減らす
11)運動不足を解消する
12)糖尿病予防

今回の記事で新しいのが、心房細動と肺機能の低下です。

■心房細動と認知症

脈をとって脳梗塞の原因となる心房細動を見つけよう!によれば、通常心臓は規則的に一分間に60から100回拍動しますが、心房細動になると、心臓は不規則に300回以上拍動します。

<不整脈>飲酒量の増加で危険性高まるによれば、心房細動が起きると、心臓内の血がよどんで血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが脳の血管に詰まると重症の脳梗塞につながるそうです。

血栓の原因は心房細動や動脈硬化でフィブリンが固まってしまうことにあった!?|ためしてガッテン 8月24日によれば、血栓ができる時の心臓の動きをよく観察すると、動きが悪くて鼓動が不規則の状態(「心房細動」という不整脈の一種)になっており、心臓の中で血液がよどんで固まりやすくなっているそうです。

人によって異常なタンパク質がたまりやすい人、たまりにくい人がいますが、異常タンパク質がたくさんたまった人は、ごく小さな脳梗塞で認知機能が一気に下がることがあります。

異常タンパク質がたくさんたまった人は、ごく小さな脳梗塞で認知機能が一気に下がることがあること、そして心房細動は脳梗塞のリスクを高めるものであることから、心房細動が認知症リスクを高めるというわけなんですね。

■肺機能の低下と認知症

神経細胞が電気信号を出すエネルギーは、酸素と糖です。肺の機能が下がると脳内の酸素が減って、認知機能が落ちやすくなります。

認知症予防には「禁煙」がありましたが、それは高血圧や糖尿病の人が喫煙すると心臓発作や脳梗塞、コレステロールや血圧の上昇、血糖値の上昇などのリスクが高まるからだと考えていました。

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しかし、今回の記事によれば、肺の機能が下がると脳内の酸素が減って認知機能が落ちてしまうということ。

つまり、喫煙が直接的に認知症のリスクを高めてしまうんですね。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

■まとめ

最後に記事の中では認知症にならないために今できることとして7つ紹介されているのですが、

1. 積極的に社会と関わる
2. 知的興味を持ち続け、訓練する
 麻雀や囲碁・将棋、料理などはいいですね。自分で計画して旅行をするのもおすすめです。
3. 豊かな感情を維持する
 いつもニコニコして、感謝を忘れず、家族や隣人と仲良くしましょう。憂鬱な気分にならないことです。
4. 有酸素運動を続ける
5. 頭にけがをしない
6. 新たな挑戦をやめない、あきらめない
7. 生活習慣病の治療を絶対やめない

1・2・3・6は社会的孤立を防ぎ、知的好奇心を持って、いろんなことに取り組む姿勢が大事ということなのでしょう。

4は肺機能の低下を防ぐため、生活習慣病予防のために、運動する習慣を持ちましょうということでしょうね。

高血圧患者には有酸素運動、高血圧予備軍にはアイソトニック運動(動的筋トレ)が効果的によれば、高血圧患者には有酸素運動が効果的であり、高血圧予備軍にとってはアイソトニック運動(動的筋トレ)が効果的なのだそうです。

7は生活習慣病が心血管疾患の危険因子であるので、良い生活習慣を持ちましょうということですね。

もう一つポイントとなるのが「5.頭にけがをしないこと」です。

脳震盪を繰り返し起こした人は、アルツハイマー病やパーキンソン病、ALSなどの神経変異疾患のリスクが高くなる!?によれば、脳震盪を繰り返し起こした人は、アルツハイマー病やパーキンソン病、ALSなどの神経変異疾患のリスクが高くなるそうです。

また、脳震とうは小さな衝撃の蓄積でも生じる場合があることもわかっているそうです。

ヘディングと認知症には関連がある!?なぜヘディングが認知症の原因になるの?で紹介した英グラスゴー大学の調査によれば、元サッカー選手は一般人に比べ、神経変性疾患による死亡率が約3.5倍高く、またサッカー選手は一般人に比べ、パーキンソン病の発症率が2倍、運動ニューロン疾患(MND)の発症率が約4倍、アルツハイマー病の発症率が5倍も高いそうです。

なぜ頭の怪我が認知症の原因となるのでしょうか?

仮説1)脳が動いて打撲する

スコットランド、子供のヘディング練習禁止へ 認知症リスクの可能性(2020/1/20、BBC)で紹介されている研究者によれば、サッカーボールが頭に当たると頭蓋骨内で浮いている脳が後頭部の骨にぶつかり、打撲傷ができるそうです。

ただ、NFL(アメフト)では「CONCUSSION(脳震とう)」問題が起きている!?|脳震盪によって起こる脳損傷・脳しんとう対策とはによれば、頭蓋内には脳髄液が満たされていてほとんど余分な空間がないため、脳はほんの少ししか動いていないと考えられるそうです。

脳震盪は衝突によって頭が左右に動いたときに起こる可能性が高く、脳震盪が起きた時に右脳と左脳をつなぐ脳梁に力が伝わって、右脳と左脳間でのかい離が起こることにより、脳震盪の症状が現れると考えられるそうです。

仮説2)脳細胞にダメージを及ぼすたんぱく質の血中レベルが上昇する

また、スコットランド、子供のヘディング練習禁止へ 認知症リスクの可能性(2020/1/20、BBC)によれば、ヘディングをした後には脳細胞にダメージを及ぼすたんぱく質の血中レベルが上昇するとの結果が、ブリティッシュ・コロンビア大学の2018年の研究で出ているそうです。

「認知症の原因タンパク質が脳炎症を起こす仕組みを解明」(2021/11/15、東京医科歯科大学)

アルツハイマー病と前頭側頭葉変性症の一部では、タウ蛋白質が神経細胞の中で蓄積・凝集して神経細胞死を誘発すると同時に、タウ蛋白質は神経細胞から細胞外に放出されて、脳の炎症を誘発する、あるいは脳の離れた場所の神経細胞に取り込まれるなどして悪影響を与えると考えられています。

認知症の原因タンパク質が頭のケガで神経細胞から細胞外に放出されて脳の炎症を誘発された結果、認知症が引き起こされるのかもしれません。

はっきりと頭のケガによって認知症になりやすくなるメカニズムはわかっていないものの、頭のケガがある人は認知症になりやすい傾向にあるので、注意が必要ですね。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







フレイルにより認知症を発症するリスクが高い!身体活動と認知機能は互いに影響を及ぼし合っている!




なぜばあちゃん(母)は座っているときに左に傾き、立っているときは背中が丸くなる(円背)のか?その原因を調べてみた!
なぜばあちゃん(母)は座っているときに左に傾き、立っているときは背中が丸くなる(円背)のか?その原因を調べてみた!

CDC|unsplash

恐ろしい…「身体が弱る」と「認知症リスクが上がる」根深いワケ【専門医が解説】(2022/7/17、幻冬舎)によれば、フレイルにより認知機能も低下しやすくなり、認知症を発症するリスクが高いことが報告されているそうです。

また、認知機能が低下すると筋力や身体活動量、ADL(日常生活動作)が低下し、フレイル状態を招きやすくなり、うつや不安など精神面にも悪影響を及ぼすために、人との交流が少なくなりひきこもってしまうなど社会的なつながりも薄くなってしまい、身体活動と認知機能は互いに影響を及ぼし合っているそうです。

12の危険因子を知って認知症を予防しよう!によれば、中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病・過度のアルコール消費・外傷性脳損傷・大気汚染が認知症の12の危険因子なのですが、このうち喫煙・運動不足・高血圧・肥満・2型糖尿病の5つに共通するのは、心臓に良い生活習慣は脳にも良いということです。

国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、脳卒中の経験がある人は、ない人に比べ、認知症のリスクが2・6倍高かったそうですが、脳卒中予防のためのガイドラインと認知症のリスク要因とマッチしている部分が多いです。

高血圧:定期的に血圧を測り、高血圧の人は治療をしましょう。
糖尿病:血糖値を測り、糖尿病または糖尿病予備軍の人は治療を受けましょう。
●不整脈:不整脈が見つかったら、病院に行きましょう。
●タバコ:禁煙しましょう。
●アルコール:飲酒は控えめにしましょう。
コレステロール脂質異常症高脂血症)と診断された人は治療を受けましょう。
●運動:運動することが脳卒中予防につながります。
●塩分・脂肪分:食事の塩分を控えめに、低脂肪の食事をしましょう。
肥満:太りすぎは糖尿病や脂肪肝などの生活習慣病のリスク要因です。
●脳卒中の症状があればすぐに受診。

また、意外に多い高齢者のうつ病|なぜ高齢者のうつ病が多いのか?によれば、高齢者のうつ病が多い理由として次のようなことが挙げられています。

  • 日本人の傾向として、物事を悲観的にとらえる傾向が強いこと
  • 加齢による心身の衰え
  • 重い病気
  • 脳血管障害の後遺症
  • 経済力低下
  • 社会的役割の喪失感
  • 一人暮らしの孤独感

脳卒中予防のためのガイドラインと認知症のリスク要因とマッチしている部分が多かったり、高齢者のうつ病と加齢による心身の衰え・重い病気が関連していたりと、身体の健康と認知症には大きな関係があるのでしょうね。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

■フレイルとは?

多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥る|厚生労働省
多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥ります。加齢に伴う変化(食欲の低下・活動量の低下・社会交流の低下・筋力低下・認知機能低下・多くの病気をかかえている)→危険な加齢の兆候(低栄養・転倒・サルコペニア・尿失禁・軽度認知障害(MCI))

参考画像:高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進について|厚生労働省スクリーンショット

要介護者等の状況|平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

そこで、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できるというのが今注目されている考え方です。

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2040年の認知症患者584万人!認知症の有病率が低下した背景には何があるの?




認知症の高齢者2040年に584万人、7人に1人…九州大などの研究チーム推計(2024/5/8、読売新聞)によれば、全国の認知症の高齢者は2040年に584万人、軽度認知障害(MCI)の高齢者数も612万人になると推計されているそうです。

世帯構造別にみた65歳以上の者のいる世帯数の構成割合の年次推移|グラフで見る世帯の状況|国民生活基礎調査(平成25年)の結果から|厚生労働省
世帯構造別にみた65歳以上の者のいる世帯数の構成割合の年次推移|グラフで見る世帯の状況|国民生活基礎調査(平成25年)の結果から|厚生労働省

参考画像:世帯構造別にみた65歳以上の者のいる世帯数の構成割合の年次推移|グラフで見る世帯の状況|国民生活基礎調査(平成25年)の結果から(平成26年、厚生労働省)

高齢世帯は2040年に44.2%に、一人暮らしの高齢者も増加|「日本の世帯数の将来推計」厚労省推計で紹介した国立社会保障・人口問題研究所が行なった2018(平成30)年推計の「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によれば、全世帯主に占める 65 歳以上世帯主の割合は2015年の36.0%から2040年には44.2%を占めるそうです。

今回のニュースのポイントは厚労省が推計する認知症の高齢者数が大幅に下回っていることです。

認知症の高齢者は2025年には730万人と推計|認知症に役立つ食べ物と生活習慣によれば、2025年には認知症の高齢者は多い場合で730万人に達すると推計されるとしていましたが、今回のニュースではその数字を大きく下回っています。

参考画像:高齢者の健康・福祉|内閣府

認知症の有病率が低下した背景には何があるのでしょうか?

有病率が低下した背景について、研究チーム代表の二宮利治・九州大教授(疫学)は「喫煙率の低下や、高血圧、糖尿病など生活習慣病管理の改善などによって、認知機能低下の進行が抑制された可能性がある」と分析した。

MCI(軽度認知障害)の14%が認知症に進み、46%は正常に戻る|国立長寿医療研究センターで紹介した国立長寿医療研究センターによれば、「MCI(軽度認知障害)」の65歳以上の愛知県大府市の住民を4年間追跡調査したところ、14%が認知症に進んだ一方、46%は正常に戻ったそうです。

MCI(Mild cognitive impairment:軽度認知障害)とは、認知症の前段階で、認知機能が年相応といえない程度に低下している状態を指しますが、MCIになると必ず認知症になるわけではなく、正常に戻るケースも多々あることがわかっています。

12の危険因子を知って認知症を予防しよう!を参考にしてみると、難聴への対策、高血圧対策(減塩推進や降圧薬の普及)、過度のアルコール摂取を避ける、肥満対策(高脂血症薬による治療の普及)、禁煙、社会的孤立を防ぐ、運動不足を解消する、糖尿病予防(女性における糖尿病患者の減少)といったことによって、MCIの人も認知症にならずに正常に戻る可能性があるということではないでしょうか?

【子供・青年期】

1)子供たちに初等・中等教育を提供する

【中年期】

2)難聴への対策(補聴器など)
3)外傷性脳損傷を防ぐ(頭部のけがを防ぐ)
4)高血圧対策
5)過度のアルコール摂取を避ける
6)肥満対策

【晩年期】

7)禁煙
8)うつ病予防
9)社会的交流・社会的接触を増やして社会的孤立を防ぐ
10)大気汚染を減らす
11)運動不足を解消する
12)糖尿病予防

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

予防可能な認知症危険因子の寄与
予防可能な認知症危険因子の寄与
老年期・中年期血圧レベル別にみた病型別認知症の発症リスク
老年期・中年期血圧レベル別にみた病型別認知症の発症リスク
耐糖能レベル別にみた病型別認知症の発症リスク
耐糖能レベル別にみた病型別認知症の発症リスク

参考画像:認知症のリスク因子について|首相官邸

MCI(軽度認知障害)は女性の方が速く悪化し、腎機能の低下という特徴がみられる|東大教授の調査で紹介した東大教授の岩坪威さんらのグループによれば、軽度認知障害(MCI)の女性は男性よりも症状が悪化しやすく、また、認知障害の悪化が早い女性には腎機能の低下がみられるという特徴がみられたそうです。

軽度認知障害(MCI)の女性は症状が悪化しやすく、また認知障害の悪化が早い女性には腎機能の低下がみられるという特徴があることを参考にして、予防対策をとっていくということも認知症を防ぐ一つの手段になるでしょう。

また、「認知症予防アプリ」|歩行速度を測定し認知症・MCI(軽度認知障害)のリスクが高い場合に通知する|太陽生命によれば、歩行速度を継続的に測定し、将来の認知症・MCI(軽度認知障害)のリスク予兆が発見された場合に本人と家族に通知するアプリがあるそうです。

つまり、歩行速度を将来の認知症・MCI(軽度認知障害)の一つのサインとして対策を行なっていくことも考えられます。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!によれば、高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

つまり、今回紹介したような、歩行速度に着目してMCIを早期発見するアプリのように、要介護状態になる前段階である「フレイル(フレイルティ)」の段階で、MCIの予防につながることを行なうことによって、認知症を防ぐことができれば、それだけ要介護状態になる高齢者を減らすことにつながることが期待されます。

今回のニュースでは生活習慣の改善によって認知症の有病率が低下した可能性もあるので、社会としてしっかりと認知症対策に取り組んでいくことが大事ですね。

→ 認知症の症状|認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







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認知症予防のために毎日食べたい!抗炎症力や抗酸化力を持つ○○科の野菜とは何?




認知症予防に欠かせない「アブラナ科の野菜」。パワーを最大限に引き出すためのコツを紹介(2024年12月15日、毎日が発見ネット)によれば、認知症リスクを減らすために毎日食べたい食材としてアブラナ科の野菜を紹介しています。

その理由としては、アブラナ科の野菜には、認知症予防に欠かせない「抗炎症力」「解毒力」「抗酸化力」という3つの力が備わっているから。

■抗炎症力

炎症が認知症の主な原因であることは述べたとおりですが、アブラナ科の野菜の成分は、不要な炎症を抑える力に優れます。 たとえば葉酸(ビタミンB9)などのビタミンB群は、「ホモシステイン」の上昇を抑えるほか、脳の神経細胞に働きかけて記憶力や思考力の低下を防ぎます。

アブラナ科野菜と全死亡および疾患別死亡との関連について(国立がん研究センター)でもアブラナ科野菜に多く含まれるイソチオシアネートや抗酸化性ビタミンの持つ抗炎症および抗酸化作用が死亡リスクの低下に寄与している可能性を指摘しています。

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【あさイチ】【ガッテン】動脈硬化・認知症対策に!?葉酸フル活用術

葉酸塩

多くの観察研究により、ホモシステイン濃度の上昇とアルツハイマー病および認知症の発生率との間に正の相関が示されている[18,47-48]。すべてではないが、多数の観察研究により、血清中葉酸塩濃度の低下と、認知機能の低下や認知症およびアルツハイマー病のリスクの上昇との相関関係も認められた[47,48,50]。

菜食者の血清葉酸濃度に及ぼす因子の検討

高齢者では、葉酸やビタミンB12が血液中のホモシステイン濃度の上昇を抑制し、認知能力の低下、痴呆の予防に関連しており、葉酸の欠乏はアルツハイマー病や血管性痴呆の危険因子となり、血漿ホモシステインの上昇は認知機能低下の危険因子となる可能性が報告されている。血清葉酸濃度を低下させない食事は、動脈硬化の予防だけではなく認知能力低下の予防につながる可能性が高いと考えられる。

【参考文献】

  • Duthie SJ, Whalley LJ, Collins AR, Leaper S, Berger K, Deary IJ. Homocysteine, B vitamin status, and cognitive function in the elderly. Am J Clin Nutr. 2002 May;75(5):908-13. doi: 10.1093/ajcn/75.5.908. Erratum in: Am J Clin Nutr. 2003 Feb;77(2):523. PMID: 11976166.
  • Ueland PM, Refsum H, Beresford SA, Vollset SE. The controversy over homocysteine and cardiovascular risk. Am J Clin Nutr. 2000 Aug;72(2):324-32. doi: 10.1093/ajcn/72.2.324. PMID: 10919921.
  • Quadri P, Fragiacomo C, Pezzati R, Zanda E, Forloni G, Tettamanti M, Lucca U. Homocysteine, folate, and vitamin B-12 in mild cognitive impairment, Alzheimer disease, and vascular dementia. Am J Clin Nutr. 2004 Jul;80(1):114-22. doi: 10.1093/ajcn/80.1.114. PMID: 15213037.

■抗酸化力

クレソンに含まれるイソチオシアネートの抗酸化作用でがん予防|みんなの家庭の医学によれば、アブラナ科の野菜には抗酸化作用を持つ「イソチオシアネート(Isothiocyanate)」という栄養素が含まれているそうです。

イソチオシアネートが体内に入ると、抗酸化物質が大量に作られ始め、抗酸化物質が、全身の細胞内にある有害な活性酸素を無毒化してくれます。

■まとめ

今回の記事では、アブラナ科の野菜には野菜の色の成分「フィトケミカル(ファイトケミカル)」と呼ばれる植物性化学物質の一種の「イソチオシアネート」という成分が多く含まれているのもポイントと紹介されていましたが、がんリスクを下げる抗ガン食材とはどんな食べ物なの?では抗酸化作用を持ちがん細胞の増殖や転移を抑える働きを持つ栄養素の一つとしてスルフォラファンがあり、代表的なものにキャベツやブロッコリー(ブロッコリースプラウトも)などのアブラナ科の野菜を紹介しました。

アブラナ科の野菜は体にいいといわれてきていて、最近ではどういった成分が体にいいかが具体的にわかってきましたが、最近行われた「国民健康・栄養調査」によれば野菜の摂取量が男女とも過去最少であり、心配されます。

野菜摂取量の平均値の年次推移
野菜摂取量の平均値の年次推移
野菜摂取量の平均値(20 歳以上、性・年齢階級別)
野菜摂取量の平均値(20 歳以上、性・年齢階級別)

【関連記事】

積極的にアブラナ科の野菜を摂っていきたいですね。

■アブラナ科の野菜とは?

アブラナ科の野菜には青汁で有名なケール、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、クレソン、大根、白菜、小松菜、水菜、チンゲン菜、菜の花などが含まれます。

→ ケールの効果・効能 について詳しくはこちら







ナッツが認知症リスクを下げる可能性がある!?毎日ナッツを食べた人々は認知症の発症リスクが12%低い!




普通の「おつまみ」で認知症リスクが低下する可能性【最新研究】(2024年11月9日、ニューズウィーク)で紹介されている「GeroScience」誌に発表された研究によれば、ナッツの摂取が認知症リスクの低減に強い関連性があることが分かったそうです。

【参考リンク】

研究によれば、毎日ナッツを食べた人々は認知症の発症リスクが12%低く、ナッツの中でも無塩ナッツのほうが効果的だというデータが出たそうです。(観察データなのでナッツが認知症を防ぐことを明確に示すものではない)

ナッツの健康・美容効果|カシューナッツ・ピーナッツ・アーモンド・ピスタチオ・クルミ・マカダミアナッツ|#世界一受けたい授業では、ナッツには認知機能向上に役立つという論文を紹介しました。

【参考リンク】

  • Chauhan, A.; Chauhan, V. Beneficial Effects of Walnuts on Cognition and Brain Health. Nutrients 2020, 12, 550. https://doi.org/10.3390/nu12020550

記事の中では2014年に「栄養・健康・加齢雑誌(Journal of Nutrition, Health, and Aging)」で発表された研究で少なくとも週5回ナッツを食べた人が、食べなかった人よりも認知機能テストで良い成績を収めたという研究であったり、2023年に「臨床栄養学(Clinical Nutrition)」誌で発表された研究では16週間にわたり1日に2握りの(くるみ、ピスタチオ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツを含む)ミックスナッツを食べた高齢者の記憶力が改善し、また脳への血流が大幅に改善したという研究が紹介されています。

■まとめ

厚生労働省の研究班によれば、2025年には日本の認知症の高齢者は多い場合で730万人に達すると推計されるそうです。

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認知症の高齢者は2025年には730万人と推計|認知症に役立つ食べ物と生活習慣

世界の認知症患者、2050年に1億3200万人

2040年の認知症患者584万人!認知症の有病率が低下した背景には何があるの?

また、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクの高さと認知症(アルツハイマー病)には関係があるそうです。

今回の研究では、ナッツの何が認知症を防ぐことに役立っているのかまでは紹介されていませんが、これまでにブログで取り上げてきたことを参考にすれば、2つほど仮説が考えられます。

1)くるみに含まれるオメガ3が役立っているのではないか?

えごま油で認知症対策&うつ病予防|#林修の今でしょ講座

えごま油は、脳の神経細胞に良い働き

認知症→脳の「神経細胞」が老化やストレスなどで死んでしまっている状態

認知症対策→神経細胞を減らさないことが大事

えごま油には、α-リノレン酸(体内では作ることができない必須の脂肪酸)が含まれていて、体内に入ると脳に大切な栄養素であるEPA・DHAに変化し、弱った「神経細胞」に刺激が与えて活発になるそうです。

ナッツ類のクルミもオメガ3を含む食品であり、このナッツが役立っているのではないでしょうか?

2)ナッツに含まれる何らかの栄養素(脂肪やビタミンE)が血圧や炎症を低下させる可能性があり、血管の健康を改善しているのではないか?

先ほど糖尿病高血圧脂質異常症などの生活習慣病のリスクの高さと認知症(アルツハイマー病)には関係があると考えられると紹介しましたが、糖尿病・高血圧・脂質異常症は動脈硬化を悪化させる要因であり、つまり血管を傷つける要因と認知症リスクを高くする要因が一緒の可能性があります。

そこで一つ考えられるのが動脈硬化を防ぐ生活習慣をすることが認知症予防につながるのではないかということであり、そこにナッツに含まれる何らかの栄養素が役立っているからこそ、ナッツが認知症予防に役立っているのではないかと考えられます。

アルツハイマー病・脳梗塞・認知症予防にアボカド(ビタミンE)+カレー(カルダモンとディルで脳の血の巡りが良くなる)で紹介したアメリカ・コロンビア大学の研究によると、ビタミンEが中程度のアルツハイマー病の進行を遅らせる効果があったそうです。(田村哲彦薬学博士)

→ 認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

スモークミックスナッツ5袋セット
3種のナッツ(アーモンド、カシューナッツ、クルミ)をおつまみの定番として親しんでいただけるようクセの少ない桜のチップで燻製し、ほどよい塩味に仕上げました。

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