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糖尿病になりやすい県ランキングワーストワン!青森県はなぜ糖尿病になりやすい県なのか?その理由|#サタプラ

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2016年10月22日放送のサタデープラス(#サタプラ)では「糖尿病になりやすい県・なりにくい県ランキング」を取り上げました。

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■糖尿病になりやすい県ワースト1.青森県

ねぶた

by Christopher Liang(画像:Creative Commons)

なぜ青森県は糖尿病になりやすい県なのでしょうか?

●糖質の摂取が多い

青森県の食事には甘い味付けのものがあり、赤飯や茶碗蒸し、卵焼きなどにも砂糖を入れた甘い味付けなのだそうです。

【参考リンク】

また、青森県では、朝からラーメンを食べることも珍しくないそうで、カップ麺の購入量も全国1位なのだそうです。

糖尿病というと、甘いもの=糖分の摂り過ぎをイメージされる方も多いと思いますが、炭水化物は体内で糖質に変わるので、摂り過ぎると糖質の過剰摂取になります。

青森県の食習慣にはおかずを大皿に盛りつけるという「大皿料理」があり、好きなものを好きなだけ食べて偏ってしまったり、1人分をひと皿に盛った定食スタイルよりも、カロリーを多めにとって食べ過ぎてしまうことがあると考えられます。

【参考リンク】

●運動をしない

青森県民はスポーツする人の割合ランキングでもワースト1位なのだそうで、運動をしないそうです。

血糖値の急上昇を防ぐためには「食後30分後のウォーキング」がおすすめです。

食後30~60分頃に血糖値が上がりますので、食後30分のタイミングでウォーキングなどの運動をすると、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれるそうです。

また、インスリンを出すすい臓の負担も軽くしてくれるとも考えられます。

血糖値を下げる方法|血糖値を抑える食べ方|たけしの家庭の医学によれば、食後一時間以内に運動や入浴をすると、、エネルギーとして糖分が消費され、血糖値は抑えられるそうです。

【補足】

第一部基礎知識編(青森県スポーツ健康課、PDF)によれば、厚生労働省「国民栄養調査」(平成7~11年)によれば、都道府県別の一日の歩数ランキングによれば、男性38位7795歩、女性45位6578歩と青森県民の歩数の少なさは男女とも全国トップクラスです。

また、文部科学省「全国体力・運動能力,運動習慣等調査」(平成21年)によれば、都道府県別小学生における日曜日の運動習慣ランキングは、男性32位、女性36位で、また都道府県別中学生における日曜日の運動習慣ランキングは、男性47位、女性46位と子供の時から運動不足であることがわかります。

【参考リンク】

●健康意識が低い
なぜ、青森県が平均寿命最下位なのか?|青森県を長寿県にするための方法とは?で紹介した厚生労働省の平成22年都道府県別生命表によると、青森県の平均寿命は男性が77・3歳(全国平均79・6歳)、女性が85・3歳(同86・4歳)といずれも全国平均を下回っているそうです。

脱!短命県「市区町村別平均寿命発表」 | NHK青森放送局で紹介されているデータを見ても、喫煙者の割合が高い、飲酒習慣者の割合が高い、食塩摂取量が多い、一日の歩数が少ない、肥満者の割合が多い、健康診断の受診率も低い、病院にかかるのが遅いといったことが挙げられています。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら

→ 血糖値(正常値・食後血糖値・空腹時血糖値)・血糖値を下げる食品 について詳しくはこちら







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なぜ、青森県が平均寿命最下位なのか?その理由・原因|短命県の青森県を長寿県にするための方法とは?




【目次】

■なぜ青森県が平均寿命最下位なのか?その理由・原因|短命県の青森県を長寿県にするための方法とは?

長寿県が○○県という話題はよく目にしますが、反対にどの県が平均寿命が最下位という取り上げられ方は目にしません。

実際、どの県が平均寿命全国最下位なのでしょうか?

それは、「青森県」!

都道府県別にみた平均余命|平成27年都道府県別生命表の概況|厚生労働省
都道府県別にみた平均余命|平成27年都道府県別生命表の概況|厚生労働省

参考画像:都道府県別にみた平均余命|平成27年都道府県別生命表の概況|厚生労働省|スクリーンショット

都道府県別にみた平均余命|平成27年都道府県別生命表の概況|厚生労働省によれば、青森県は男女とも最下位で、男性が78.67歳、女性が85.93歳でした。

ちなみに、男性の1位は滋賀県(81.78歳)、女性の一位は長野県(87.67歳)で、全国平均は男性は80.77歳、女性は87.01歳でした。

表1 性、都道府県別年齢調整死亡率(人口 10 万対)の推移(全死因)|平成29年度人口動態統計特殊報告 平成27年都道府県別年齢調整死亡率の概況|厚生労働省によれば、都道府県別にみた2015年の死亡率は、青森の男性585・6人、青森の女性288・4人で男女ともに青森が最も高いという結果が出ています。

→ <がん死亡率>青森県、11年連続ワースト|がんの部位別死亡率「大腸」「胆のう・胆道」「膵臓」で全国ワースト について詳しくはこちら

なぜ、青森県が平均寿命最下位(短命県)なのか、ここに健康になるヒントが隠されているのではないかと思い、調べてみました。

■青森県の平均寿命

平均寿命全国最下位「脱短命県」へ健康施策 県民の意識向上不可欠

(2015/3/15、産経ニュース)

厚生労働省の平成22年都道府県別生命表によると、青森県の平均寿命は男性が77・3歳(全国平均79・6歳)、女性が85・3歳(同86・4歳)といずれも全国平均を下回っている。

平均寿命について取り上げるときに忘れてはいけないのは、平均寿命が短いということは、お年寄りの寿命が短いということではなくて、子どもも働き盛りの世代も亡くなっている人が多いということです。

そこで、青森県全体の健康意識が低いのではないかという仮説をもとにデータを見てみたいと思います。

■青森県の生活習慣に関するデータ

●野菜摂取量

厚労省の24年国民健康・栄養調査によると、青森県内成人の1日当たり野菜摂取量は、男性が296グラムで全国23位、女性は292グラムで同14位と、同省が呼びかける350グラムを下回っている。

記事の中では、塩分の摂取量が全国2位であるにもかかわらず長寿県の長野県と比較しており、長寿の秘訣は、野菜の摂取量が男女とも350グラムを上回っていることにあるのではないかとしています。

●たばこ・喫煙者の割合

たばこに関しては厚労省の25年の国民生活基礎調査によると、青森県民の喫煙率は男性が40・3%で全国1位、女性は14・3%で同2位。

喫煙率は男女とも高いという結果が出ています。

脱!短命県「市区町村別平均寿命発表」 | NHK青森放送局で紹介されているデータを見ても、喫煙者の割合が高い、飲酒習慣者の割合が高い、食塩摂取量が多い、一日の歩数が少ない、肥満者の割合が多い、健康診断の受診率も低い、病院にかかるのが遅いといったことが挙げられています。

<喫煙者の割合>…44.8%(1位)
<飲酒習慣者の割合>…51.6%(1位)
<食塩摂取量>…13g(2位)
<1日の歩数>…5976歩(ワースト2位)
<肥満者の割合>…38%(8位)

健康診断の受診率も39位と低く、病院にかかるのも遅く、病気が進行しているケースも多いとのこと。

●子供の肥満が全国トップレベル

子ども肥満3年連続トップレベル 【青森】で紹介した文部科学省「2008年度学校保健統計調査速報」によれば、青森県の子供の肥満割合が3年連続で全国トップレベルにあり、15歳の5人に1人が肥満という状況なのだそうです。




■青森県を長寿県にするために考えるべきこと

寄り添う

by nubobo(画像:Creative Commons)

●冬は雪が降って運動する機会が減る。運動する機会を増やすにはどうしたらよいか?

→冬にできる運動・スポーツを流行らせる

●お酒の量を減らすにはどうしたらよいか?

寒いことと娯楽が少ないことから、お酒に手を伸ばすということが考えられます。

→お酒の代わりとなる娯楽

●寒い地域は塩分の多い食品をとりがち

日本人の体温が下がった理由とはによれば、塩分は、筋肉の収縮作用に必要であり、また体を温める効果が高く、塩分が不足すると低体温だけでなく痙攣まで起こるそうです。

大事なことは、運動やゆっくりとお風呂に入ることで水分と塩分を排出し、体温を上げる食生活(旬の食材でバランス良い食事)の中で水分や塩分を摂取するという良いサイクルをつくることです。

そのためにも、塩分を排出するのに欠かせないカリウムを含む野菜の摂取量を増やすことは良いことなのではないでしょうか。

●病院嫌いが多いのはなぜか?

病院が好きという人は少ないと思いますが、定期的に病院で診てもらうことで病気を早期発見・早期治療することが大事だと思います。

また、娯楽が少ないことも生活習慣の悪化に関係しているようですので、病院自体を楽しめるエンタメ施設のようにするのはどうでしょうか。

【関連記事】

●喫煙率が高いのはなぜか?

→娯楽のなさが喫煙率につながっているのかもしれない。

「所得と生活習慣等に関する状況」のグラフから見えてくるものー厚生労働省調査によれば、性別を問わず、年収が高いと喫煙率は低い、もしくは喫煙率が低いと年収が高いといえそうです。

●所得が低い

青森「平均寿命」ワーストワンの原因 塩分取りすぎ、運動不足、喫煙、飲酒では当然(2013/3/1、Jcastニュース)によれば、経済的理由によって亡くなる人が多いそうで、そのことも平均寿命が全国平均を下回ることに関係しているようです。

●野菜の摂取量が少ない

「所得と生活習慣等に関する状況」のグラフから見えてくるものー厚生労働省調査によれば、男女問わず、年収が高い人ほど野菜摂取量が多い、もしくは、野菜摂取量が多い人ほど年収が高いといえます。

低収入ほど野菜不足-厚労省栄養調査で紹介した厚生労働省が発表した2011年の国民健康・栄養調査によれば、低収入ほど野菜の摂取量が不足しているという結果が出たそうです。

また、低所得者ほど生活習慣に問題=野菜食べず、運動しないという記事によれば、低所得者ほど野菜を食べる量が少なかったり、運動の習慣がなかったりと、生活習慣に問題がある傾向があることがわかったそうです。

■2017年改善の兆しがみられる

【追記(2017/7/25)】

短命県返上へ 青森県、肥満や喫煙改善の兆し(2017/7/24、河北新報)によれば、青森県では改善の兆しが見られます。

■年齢調整死亡率(10万人当たり)

※カッコ内は全国平均

●男 2010年662.4(544.3)→ 2015年585.6(486.0)

●女 2010年304.3(274.9)→ 2015年288.4(255.0)

■健康あおもり21目標項目の達成状況

肥満傾向にある子供

●男子 策定時(10年度)9.0%→現状(13-16年度)8.1%

●女子 策定時(10年度)5.8%→現状(13-16年度)5.7%

妊娠中の喫煙率

策定時(10年度)6.5%→現状(13-16年度)3.5%

大腸がん受診率

●男 策定時(10年度)31.1%→現状(13-16年度)42.0%

●女 策定時(10年度)29.0%→現状(13-16年度)36.5%

食塩摂取量

策定時(10年度)10.5g→現状(13-16年度)9月公表予定

喫煙率

●男 策定時(10年度)36.1%→現状(13-16年度)9月公表予定

●女 策定時(10年度)7.9%→現状(13-16年度)9月公表予定

全ての項目が公表されていませんが、子供の肥満傾向や妊娠中の喫煙率においては改善が見られ、また大腸がんの受診率も高まっています。

ただ、気になるのは飲酒の項目です。

生活習慣病のリスクを高める量の飲酒している人の割合

●男 策定時(10年度)31.4%→現状(13-16年度)32.4%

●女 策定時(10年度)16.9%→現状(13-16年度)19.4%

青森県では全国との健康における差を縮めるように対策を進めているようですが、飲酒に関しては対策が行き届いていないのが現状のようです。

沖縄県内の男性の4割が生活習慣病になるリスクが高いお酒の飲み方をしているで紹介した全国健康保険協会沖縄支部が、WHOの「アルコール使用障害同定テスト(AUDIT)」を用いて国立病院機構琉球病院と共同で分析した「飲酒に関するアンケート結果と健診結果の分析(中間報告)」によれば、沖縄県内の男性の4割が生活習慣病になるリスクが高い飲み方をしている「問題飲酒群」と分類されたそうです。

「問題飲酒群」は肝機能異常や高尿酸血症、メタボリックシンドロームなどの有病率が高いということですので、青森県でもしっかり対策を行なってほしいところです。

■まとめ

改善点があるということは、「伸びしろが多い」ともいえます。

一つ一つ改善していくことが健康で、長寿になる方法だと思います。

→ 青森県、死亡率改善率も全国ワースト|改善する方法について考えてみた について詳しくはこちら







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青森県、死亡率改善率も全国ワースト|改善する方法について考えてみた




■青森県、死亡率改善率も全国ワースト|改善する方法について考えてみた

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by Forrest O.(画像:Creative Commons)

青森県、改善率も最下位/全国ワーストがん死亡率

(2015/11/14、Web東奥)

人口10万人当たりのがん死亡数を示すがん年齢調整死亡率(75歳未満)で2014年まで11年連続全国ワーストに低迷している青森県は、05年から14年までの10年間の死亡率改善率が5.0%にとどまり、全国ワーストとなったことが県のまとめで分かった。

青森県は短命県という汚名を返上するために、がん予防や生活習慣病予防対策に力を入れているはずなのですが、がんの死亡率改善率は全国ワーストなのだそうです。

表1 性、都道府県別年齢調整死亡率(人口 10 万対)の推移(全死因)|平成29年度人口動態統計特殊報告 平成27年都道府県別年齢調整死亡率の概況|厚生労働省によれば、都道府県別にみた2015年の死亡率は、青森の男性585・6人、青森の女性288・4人で男女ともに青森が最も高いという結果が出ています。

【関連記事】

■まとめ

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)では変化を起こす方法として3つの基本フレームワークが紹介されています。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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1 象使いに方向を教える(理性に訴えかける3つのコツ)

●ブライト・スポットを見つける-成功例を探して真似る方法

上手くいっている部分を探し、真似しよう。

●大事な一歩の台本を書く-全体像で考えるのではなく具体的な方法を定める方法

●目的地を指し示す-変化の目的や価値を理解させる方法

目的地はどこか、そこへ向かうメリットは何かを理解すれば、変化は楽になる

2 象にやる気を与える(感情に訴えかける3つのコツ)

●感情を芽生えさせる-変わりたいという感情を生み出す方法

知識だけでは変化を引き起こすには不十分。感情を芽生えさせよう。

●変化を細かくする-変化を細分化して少しずつ積み重ねていく方法

象が怯えないくらいまで、変化を細分化しよう。

●人を育てる-アイデンティティや柔軟な考え方を養う方法

アイデンティティを養い、しなやかマインドセットを育もう。

3 道筋を定める(変化しやすい環境を整える3つのコツ)

●環境を変える-環境を変えて行動の変化を促す方法

環境が変われば行動も変わる。環境を変えよう。

●習慣を生み出す-行動を習慣化させる方法

行動が習慣になれば、象使いの負担はなくなる。習慣を促す方法を探そう。

●仲間を集める-仲間を集めて行動を広める方法

行動は伝染する。行動を広めよう。

生活習慣を改善しようというのはもちろんのことなのですが、それだと漠然としてしまって取り組めない人もいるのではないでしょうか。

また、あまりにも改善項目が多すぎると多すぎて面倒だと思う人もいるかもしれません。

一つ一つに改善項目を絞って推進していくことが重要です。

例えば、香川県の糖尿病死亡率が大幅に下がっている|厚生労働省の人口動態統計によれば、12年の国民健康・栄養調査で野菜摂取量は男性は上から17位、女性が16位と大幅に改善したように、まず最初に野菜摂取量を増やすことを1年の目標としてみるというのはどうでしょうか。

→ なぜ、青森県が平均寿命最下位なのか?|青森県を長寿県にするための方法とは?







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青森市に個人が20億円寄付!「短命県」の返上へ

ねぶた

by POHAN CHEN(画像:Creative Commons)




■青森市に個人が20億円寄付!「短命県」の返上へ

「短命」返上に使って=個人が20億円寄付-青森市

(2018/1/17、時事通信)

青森県の平均寿命が男女とも全国最下位にあることから、寄付者は「短命」の汚名返上を目指して市民の健康づくりやスポーツ振興に使ってほしいと申し出たという。

青森市は、昨年末に市内在住の個人から「短命」の汚名返上を目指して20億円の寄付があったことを明らかにし、20億円を体育施設整備と食育事業に使う方針なのだそうです。

青森県は短命県というのをご存知でしたか?

参考画像:都道府県別にみた平均余命|平成27年都道府県別生命表の概況|厚生労働省|スクリーンショット

都道府県別にみた平均余命|平成27年都道府県別生命表の概況|厚生労働省によれば、青森県は男女とも最下位で、男性が78.67歳、女性が85.93歳でした。

そこで、青森県では全国との健康における差を縮めるように対策を進めており、改善の兆しが見えてきています。

今回の寄付者は市民の健康づくりやスポーツ振興に使ってほしいと寄付を行なったそうですが、おそらく「冬は雪が降って運動する機会が減るため運動する機会を増やしたほうがよい」と考えたのではないでしょうか?

青森市側は、塩分の摂りすぎや野菜摂取量不足を考えて、食育事業に使う方針なのだと思います。

少しずつ改善に向かっていくといいですね。

→ なぜ、青森県が平均寿命最下位なのか?その理由・原因|短命県の青森県を長寿県にするための方法とは? について詳しくはこちら







【関連記事】

がんによる死亡率が12年連続ワースト1青森県の胃がん・大腸がん検診で4割見落とされた可能性があった!?

Medical check-up

by Army Medicine(画像:Creative Commons)




■がんによる死亡率が12年連続ワースト1青森県の胃がん・大腸がん検診で4割見落とされた可能性があった!?

以前からこのブログでは青森県はがん死亡率ワースト1(12年連続)というニュースを紹介してきました。

【関連記事】

そこで、その理由の仮説として青森県の生活習慣に問題があるのではないかと思い、その原因に関するデータや改善案を紹介してきましたが、NHKのニュースによれば、がん検診で見落としがあったそうです。

胃がん・大腸がん 検診で“4割見落とされた可能性” 青森県

(2017/6/29、NHK)

検診を受けて異常なしと判定されたのに1年以内にがんと診断された人を見落としの可能性があると定義し、その割合を調べたところ、検診の段階でがんを見落とされた可能性がある人はバリウムによるX線検査を行った胃がんで40%、便に含まれる血を調べる「便潜血検査」を行った大腸がんで42.9%、子宮の入り口の細胞を調べた子宮頸がんで28.6%に上ることを示す分析結果がまとまりました。

平成23年度に自治体によるがん検診を受けた青森県内の住民2万5000人を追跡調査したところ、胃がん大腸がんのおけるがん検診の段階で患者の4割が見落とされていた可能性があることがあることがわかったそうです。

がんの発見率を100%にしようとすると、がんでない多くの人に本来必要でない精密検査を行うことで結果として健康被害を引き起こすおそれがあるためで、20%程度であれば多くの場合、初期のがんでもあり次回の検診で見つければ影響も少ないためだということです。

20%程度であれば次回の検診で見つければ影響も少ないため問題ないと考えられますが、胃がん・大腸がんの場合は40%を超えているため、がん検診の質(仕様書通りに検診が行なわれていないなど)が低いというような何らかの問題が隠されているのではないかというのが今回の報道のポイントです。

また、今回は青森県の追跡調査だけでわかったことですが、もしかすると、全国的に調べれば、同じようなガンの見落としが見つかる可能性もあります。

【参考リンク】

■国立がん研究センターの声明「検診に見落としがあったという評価をするのは難しい」

【追記(2017/7/14)】

青森県のがん検診での見落としに関する報道について

(2017/7/13、国立がん研究センター)

本調査により示されている見落としの割合は、10市町村での予備的なものであり、40市町村ある青森県全体の実態を反映するものではありません。また、調査期間が短く、症例数が10例以下と少なく、さらには見落としに含めるべきではない症例も含められている可能性があります。

1)事業対象自治体が少なく、がんの数が非常に少ない
2)十分な観察期間が確保できていない
3)偽陰性(見逃し)として計上されたがんに偽陰性として計上するべきでないがんが含まれている

国立がん研究センターによる青森県のがん検診での見落としに関する報道についての全文をお読みいただくとして、ポイントとしては、調査は予備的なものであり、また調査期間が短く、症例数も少なく、見落としに含めるべきでない症例も含まれている可能性があるため、検診に見落としがあったという判断をするのは難しいということです。

がん検診を受ける側の私たちにとっては、がん検診による見落としをゼロにしてほしいと単純に思ってしまいますが、完全にゼロにすることはできないそうです。

検診の感度を上げて「見落とし」を抑えることにのみ注目すると、逆に、がんではないのにがん疑いとされる受診者(偽陽性者)が多く発生することになります。

例えば、乳がん検診への関心高まる|乳がん検診が推奨されるのは40代以上、その理由とは?によれば、乳がんの早期発見のためには乳がん検診を受けることが重要なのですが、実際には乳がんではないのに、「疑いあり」と診断される偽陽性で無駄な検査を受けたり、診断が確定するまでの間に精神的に不安になったりすることや、X線による被曝(ひばく)リスクが高まることなどで、乳がん検診による「不利益」が「利益」を上回るとされるため、20から30代は乳がん検診は推奨されていません。

つまり、がん検診においては、偽陽性を最小化することが重要なのです。

偽陽性を最小化にすることと見落としを少なくしていくこと、両方を目指す必要があるので大変だとは思いますが、今回の報道により、がん検診に対する関心が高まり、より良い方向に進むといいですね。




■まとめ

日本のがん検診受診率は上昇傾向にあるものの、欧米に比べて低い!?|平成28年国民生活基礎調査で紹介した平成28年国民生活基礎調査によれば、男性の胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診の受診率は上昇傾向にあるのがわかります。

また、女性の胃がん検診、肺がん検診、大腸がん検診、子宮がん検診(子宮頸がん検診)、乳がん検診の受診率も上昇傾向にあるのがわかります。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることでも書きましたが、医療費が増え続けている現在、今後予防医療は重要なカギとなると考えられますので、がん検診の質が向上していくことが望まれます。

大腸ポリープ・大腸がんの早期発見率98%!AIを活用したリアルタイム内視鏡診断サポートシステム|国立がん研究センター・NECによれば、大腸がんの予防には、いかにして内視鏡検査時に前がん病変であるポリープの段階で見つけ摘除することが重要なのですが、医師による見逃しの例があるという報告があります。

国立がん研究センターとNECは、約5,000例の内視鏡画像をNECのAI技術に学習させることにより、前がん病変としてのポリープと早期がんの発見率は98%というリアルタイム内視鏡診断サポートシステムを開発したそうです。

肉眼では見つけにくいことや大腸がん内視鏡検査を行う医師の技術が不足しているために見逃していたということをテクノロジーの力で補助するようになっていくのでしょうね。

バリウムによるX線検査を行った胃がんで40%、便に含まれる血を調べる「便潜血検査」を行った大腸がん42.9%の見落としの原因が解明され、それがもしガイドラインに沿って行われていなかったというような行動が原因だとしたら、それをテクノロジーの助けを借りて支援していくことが必要なのではないでしょうか。







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