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新型コロナウイルス感染症対策としてのステイホームやリモートワークが高尿酸血症や痛風の有病率および受診率に及ぼす影響 ―医師338名への緊急アンケートから見えてきた現状―(2020/9/29、日本生活習慣病予防協会)によれば、新型コロナ禍対策としてのステイホーム(自粛生活)やリモートワーク(在宅勤務)期間中に高尿酸血症や痛風の患者が増えていると感じている医師が3割以上いるそうです。
また、今後この状態が続くことで高尿酸血症や痛風の患者さんが増えると考えられますか?という質問に対して、「増える」(50名)、「やや増える」(272名)、合計322名(95%)と回答しています。
なぜステイホームやリモートワークによって高尿酸血症や痛風になる人が増えると医師は予測しているのでしょうか?
それは、自粛生活による運動不足、食事の偏り、ストレス、アルコール摂取量の増加を訴える患者さんの増加を実感しているから。
尿酸値対策として医師が挙げているのは「乳製品」でその中でも多かったのは「ヨーグルト」。
理由は、安全性が高く、副作用が少ないことのエビデンスがあり、高尿酸血症の増悪を抑止できる可能性があるからなのだそうです1)。
【参考リンク】
- 1) Hyon K. Choi et al. N Engl Med 2004;350:1093-1103 “Purine-Rich Foods, Dairy and Protein Intake, and the Risk of Gout in Men“
ちょっと気になったのは、このニュースは元々2020年9月に発表されたものですが、なぜか2021年6月末にテレビで話題になっているということ。
その理由の一つは、水分不足になりがちな夏に痛風の患者さんが増えるからなのではないでしょうか?
痛風がコロナ禍で3割超増!ビール以外にも危険な「飲み物」とは(2021/6/24、ダイヤモンドオンライン)
「水分不足になりがちな初夏から秋に初めて痛風発作を起こす患者が増える傾向があります」(くきどめ整形外科・久木留伸典院長)
痛風防止のためにプリン体を多く含む食べ物・飲み物を控えようという人も多いと思いますが、水分補給もお忘れなく!
■痛風とは?
痛風とは、血液中の尿酸が過剰になり、結晶化して関節にたまり炎症を起こす病気のことを言います。
痛風は、風が吹いても痛いということから由来が来ているそうですが、痛風の症状は、足の指が腫れ、針で刺したようにジンジンとした痛みが現れます。
尿酸は、プリン体が主に肝臓で分解されてできます。
この結晶を異物として排除しようと体が闘い始めるために、足の親指の付け根やかかと、くるぶしなど足の関節を中心に、激しい痛みの発作が起こります。
症状が進行すると、「痛風結節(つうふうけっせつ)」というこぶができ、骨を変形させて身体の動きが不自由になったりします。
また、腎臓の機能低下、動脈硬化などを進行させることもあり、糖尿病や心筋梗塞、脳血管障害などの生活習慣病を合併しやすいので、注意が必要です。
そして、防衛医大などのチームによれば、お酒に強い遺伝子(=体内でアルコールを分解する酵素ALDH2を作る遺伝子)を持つ人は、そうでない人よりも約2.3倍痛風のリスクが高いということがわかったそうです。
つまり、お酒に強い遺伝子を持つ人は痛風リスクが高く、お酒に弱い遺伝子を持つ人(Lysアレルの数が多いほどお酒に弱い)は痛風を発症しにくいということです。
お酒に強い人はそれだけ飲酒量が多くなってしまい、そのため痛風になりやすいのかもしれないと考えるところですが、その後の研究により、お酒を飲まない人でも痛風の発症にALDH2遺伝子が関与している可能性が示唆されることから、お酒に強い人はお酒を飲まなくても痛風になりやすいと考えられます。
お酒に強い人は、痛風になりやすいと考えて、尿酸値をチェックする、痛風の原因となる肥満には注意するなどの対策を行なっていきましょう。
→ 痛風とは|症状(足の痛み)・原因・食事 について詳しくはこちら
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