「Health」カテゴリーアーカイブ

糖尿病の合併症を患うコージー冨田さん(58歳)、弱視で、神経障害で足の感覚がなく、腎臓が機能していないので人工透析を受けている!




「もうほとんど目が見えない」ものまね芸人・コージー冨田が明かす“ビールが永遠に飲める”糖尿病の恐怖とそれでもポジティブに闘病できているワケ(2025年4月12日、集英社オンライン)ではコージー冨田さん(58歳)の糖尿病の症状・合併症が詳しく書かれています。

  • 25-26歳のころ、やたら喉が渇いて、糖尿病を疑い、血糖値を測定したところ270(基準が110)で糖尿病と診断される。原因は食べすぎ。
  • 40歳ごろから足の神経障害、目の衰え、腎臓が悪くなり、インスリン注射を行う
  • 58歳の今は、弱視で、神経障害で足の感覚がなく、腎臓が機能していないので人工透析を受けている

[コージー冨田さん](上)糖尿病でほとんど目が見えず…「恐ろしい病気とわかっていても目を背けていた」 発覚後に浴びるほど酒を(2025年8月17日、読売新聞)によれば糖尿病と診断された26歳(1993年)から2007年まで病院から薬が出ても飲んだり飲まなかったりと何もせず、また26歳まで飲んでいなかったビールをのどが渇いているからどんどん飲むようになったそうです。

【追記(2026年4月15日)】

「表情は一切わからない」コージー冨田(59)、糖尿病で“視力の大半”を失い人工透析を続ける日々。26歳で発症も放置した後悔(2026年4月14日、SPA)によれば、2007年ごろに靴下を履かずにホットカーペットで寝ていたら足の指に低温やけどからくる水ぶくれができたそうですが、神経障害のために熱さに気づかなかったそうです。

また、同時期に飛蚊症がひどくなり、その後白内障にもなりほとんど見えなくなったそうです。

飛蚊症は糖化によってなりやすくなる!?/糖尿病患者は飛蚊症になりやすい!?によれば、糖尿病や慢性的な高血糖がある人は、硝子体のコラーゲンが糖化されて硬くなり、構造が乱れやすいため、飛蚊症が出やすくなります。

糖尿病になると緑内障になりやすい|血糖値コントロールと眼科検診で失明予防で紹介した米国眼科学会(AAO)のアドバイスによれば、糖尿病によって、糖尿病網膜症、緑内障、白内障といった目の病気になりやすく、失明を予防するためにも血糖値コントロールと定期的な眼科検診が重要なのだそうです。

コージーさんは2019年頃に腎臓も悪くなってから週3回、1回4時間の人工透析を続けているそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら

■有名人で糖尿病の合併症に悩まれていたケース

■グレート義太夫さんと糖尿病

糖尿病の合併症を患うグレート義太夫さん、視力の低下、糖尿病性腎症による慢性腎不全になり、腎臓が機能していないので人工透析を受けている!/グレート義太夫さんに現れた糖尿病の症状のサインとは?

■森永卓郎さんと糖尿病

🍅夏の熱中症の原因は高血糖にもある!?|梅雨からの高血糖予防&熱中症対策にトマト|#その原因Xにあり(2017年)によれば、森永卓郎さんは糖尿病を告白しており、血糖値は400mg/dL、HbA1cは11.4%で、のどの渇きをコーラやジュースで水分補給をしたり、一口だけならいいかとお菓子をつまんだ生活を送っていたそうです。

その後「脚のかゆみ」という症状・違和感を感じて病院で診てもらったところ、森永さんの空腹時血糖値は600mg/dLだったそうで、森永さんに起こった脚のかゆみのような違和感は、高血糖により起こった神経障害と考えられ、神経障害があると感覚が鈍くなり、痛みを感じにくくなり、ひどい時には壊死を起こしてしまい、脚を切断しなければならない場合もあるそうです。

→ 糖尿病性神経障害 について詳しくはこちら

理想的な血糖値の幅は空腹時70mg/dL~満腹時140mg/dLなのだそうですが、つまみ食いをしたときの血糖値の変化は血糖値が下がらないことで、常に高血糖の状態が続き、膵臓が疲弊し、インスリンの分泌や働きが悪くなるそうです。

■元近鉄&中日の佐野慈紀さんと糖尿病

ピッカリ投法で人気だった元近鉄&中日の佐野慈紀さん、糖尿病からの感染症が進み、右腕切断手術へ

元近鉄&中日の佐野慈紀さんは糖尿病の影響で感染症が進み、右腕を切断する手術を行なうそうです。

これまでにもブログによれば、2023年4月に「重症下肢虚血」による感染症で緊急入院し、右足中指を切断し、24年1月には「心臓弁膜症の発覚 血流の悪さに懸念が増える。動脈硬化が激しく回復がままならない。糖尿病による影響は恐ろしい。これ以上感染を広げない為に洗浄の繰り返し。毎回激痛が走る」と説明しています。

■まとめ

糖尿病を長い間治療などを行なわず、そのままにしておいた結果、ひどくなると糖尿病の合併症が起こります。

糖尿病の症状ははじめのうち、痛みなどの自覚症状がないため、検査で血糖値が高かったり、治療が必要といわれたことがあっても、そのまま治療を受けない人が多いです。

しかし、糖尿病を長い間そのままにしておき、ひどくなると糖尿病の合併症を引き起こします。

【糖尿病の合併症の例】

〇糖尿病神経障害

糖尿病による腎臓障害で人工透析を始める人も多く、また糖尿病が原因の視覚障害や糖尿病神経障害(手足のしびれ・壊疽など)が発生することもあります。

糖尿病の合併症の中で最も早く出てくるのが「糖尿病神経障害(とうにょうびょうしんけいしょうがい)」です。

糖尿病神経障害の初期症状として、「足の裏のしびれ」や「疼痛(とうつう)」(ズキズキとうずくような痛み)が起こります。

その後、「手の指の先のしびれ」の症状が現れます。

人によって症状はさまざまで、ひどくなるとケガや火傷の痛みに気づかなくなることもあります。

痛みに気づかなくなるというのは怖いことで、足の痛みが感じなくなることで靴擦れや足の傷ができても気づきにくく、また、細菌の感染への抵抗力が弱くなることによって、足が壊死してしまい、切断にまで至ってしまうこともあるそうです。

特に足の冷えを感じて、糖尿病の人は、危険なのだそうです。

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症は、糖尿病の三大合併症の一つ。

糖尿病網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症を3大合併症と呼びます。

糖尿病網膜症は、日本の中途失明原因の第2位で、年間約3000人がこの疾患で失明しているともいわれるそうです。

アメリカの糖尿病患者の約3割が糖尿病網膜症にかかっている!?で紹介した米疾病対策センター(CDC)などの研究チームによれば、アメリカの糖尿病患者のうち3割近くが糖尿病網膜症にかかっているそうです。

糖尿病腎症

糖尿病性腎症になると、尿を作る腎臓の「糸球体(しきゅうたい)」の毛細血管が悪くなり、だんだんに尿が作れなくなります。

すると人工透析(機械で血液の不要な成分をろ過して、尿を作る)を行なわなければなりません。

週に2~3回、病院などで透析を受けるようになるので、日常生活に大きな影響を及ぼします。

現在、人工透析になる原因の1位がこの糖尿病性腎症です。

糖尿病は怖い病気なので、まずは予防を、そして糖尿病と分かったら早めに治療を行ないましょう。







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

この街を初めて訪れた方へ

この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。

ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

この話が、全体の中でどこに位置づくのか

が少しでも気になったら、
この街の歩き方をまとめたページがあります。

▶ はじめての方は
👉 この街の歩き方ガイドから全体を見渡すのがおすすめです。

この街の地図を見る(全体像を把握したい方へ)

※ 無理に読まなくて大丈夫です。
 気になったときに、いつでも戻ってきてください。

この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

料理から見る健康

この街の考え方について

この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。

この街の中心に置いている憲法を読む

投稿日: 2025年12月8日 14:02

糖尿病の人の皮膚の傷が治りにくい原因の一つが「OSM-OSMRβ経路の低下」だった!




糖尿病で治りにくい傷を治す新しい仕組みを発見―OSMというタンパク質が傷をふさぐ細胞を助ける―(2025年10月31日、和歌山県立医科大学)で紹介されている和歌山県立医科大学の近藤稔和教授らのグループの研究によれば、糖尿病の傷が治りにくい原因の一つが「OSM-OSMRβ」という信号の弱まりだとわかり、この信号を補うと傷の治りが大幅に改善したそうです。

【参考文献】

■背景

健康な人の場合、傷ができると、白血球が炎症を起こし、線維芽細胞(せんいがさいぼう)が活性化して、コラーゲンを作り、新しい組織を作り、血管が新しくできて(血管新生)、肉芽組織ができ、皮膚が再生します。

しかし、糖尿病の人は、血流が悪かったり、炎症によって、線維芽細胞の働きが弱くなるため、傷がいつまでも治らない「難治性創傷(なんちせいそうしょう)」が起こり、場合によっては足などにできた傷が感染や壊疽を起こし、切断に至る場合があります。

しかし、なぜ糖尿病で傷が治りにくくなるのか、その分子レベルの原因はこれまで十分にわかっていませんでした。

糖尿病患者は日本で約1000万人にとって大きな問題となっています。

【関連記事】

■研究の目的

• 糖尿病になると、けがや傷がなかなか治らなくなりますが、その原因となる「治す力」がどのように失われているのかを
明らかにすること。

• 特に、皮膚の修復を担う「線維芽細胞」という細胞の働きに注目し、どのような仕組みで傷が治るのかを調べる。

• 「オンコスタチンM(OSM)」という傷の修復を指示する「メッセージ物質」が「OSM受容体β(OSMRβ)」を通して、線維芽細胞を活性化させ、血管の新生や肉芽組織(傷をふさぐ組織)をつくる働きを助けていることを解明する。

• 糖尿病ではこのOSM–OSMRβ(線維芽細胞の表面にある「受信アンテナ」)の働きが弱まり、治癒に必要なタンパク質であるHGF(血管を作る成長因子)やTIMP-1(コラーゲンを壊しすぎないように抑える物質)などが十分に作られず、結果として治りが遅くなることを明らかにする。

• この仕組みを理解することで、糖尿病などで治りにくい傷を「早く治す」新しい治療法(たとえばOSMを使った薬)を開発する基盤をつくる。

■実験結果

1)OSMRβがないマウスは普通のマウスより(HGFとTIMP-1の量が減っているため)明らかに傷の治りが遅い

→ OSMRβが傷の治癒に必須であることが証明されました。

2)OSMが線維芽細胞を刺激してHGFとTIMP-1を誘導し、血管新生と肉芽形成を促進

糖尿病マウスにOSMを直接塗る傷にOSMを塗っただけで、HGFとTIMP-1が増加し、血管新生と肉芽形成が回復、傷の治りが大幅に速くなったことから、外からOSMを補うと線維芽細胞のスイッチが入り、治癒が促進されることがわかりました。

3)OSMRβ欠損マウスでは線維芽細胞も新生血管も少なかった

■まとめ

糖尿病の人の傷が治りにくいのは、線維芽細胞に「治して!」という信号(OSM→OSMRβ)が届きにくくなっているからということがわかりました。

OSMを塗ることにより、この信号を人工的に補えば、傷を早くふさぐことができることがわかったことにより、糖尿病の傷を治すことだけではなく、将来的には、高齢者の褥瘡(床ずれ)や手術後の傷など、他の難治性創傷にも応用できる可能性がありそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

この街を初めて訪れた方へ

この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。

ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

この話が、全体の中でどこに位置づくのか

が少しでも気になったら、
この街の歩き方をまとめたページがあります。

▶ はじめての方は
👉 この街の歩き方ガイドから全体を見渡すのがおすすめです。

この街の地図を見る(全体像を把握したい方へ)

※ 無理に読まなくて大丈夫です。
 気になったときに、いつでも戻ってきてください。

この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

料理から見る健康

この街の考え方について

この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。

この街の中心に置いている憲法を読む

遺伝子組み換えを使わずに鉄を多く含む米の開発に成功!/東京農業大学・九州大学・千葉大学・東京大学




研究成果(共同)「遺伝子組換えを使わず、鉄を多く含むコメの開発に成功」 | 農芸化学科 齋藤 彰宏 助教ら(2026年3月25日、東京農業大学)

東京農業大学の齋藤彰宏助教らの研究グループ(九州大学・千葉大学・東京大学との共同研究)によれば、遺伝子組換えを使わずに鉄を多く含むコメ(イネ)の系統を開発しました。

■背景

世界では約20億人が鉄欠乏性貧血に苦しんでいます。特に発展途上国では、主食であるお米から鉄があまり摂取できないのが大きな原因です。

お米の鉄分を増やす方法として「バイオフォーティフィケーション」(作物自体を栄養強化する技術)がありますが、従来は遺伝子組換え(GM)技術を使うものが多く、社会的な受け入れや規制の壁がありました。

■この研究のポイント

〇この研究のポイントは、遺伝子組換えを一切使わず、自然な突然変異と従来の交配だけで鉄分を大幅に増やした実用的なイネを作ったことです。

〇鉄をたくさん蓄積する「tetsu」という変異体を発見し、その変異体を調べたところ、HRZ1という遺伝子に新しい変異があることが判明。HRZ1は普段、植物が「鉄が足りない!」と感じたときの反応を抑える役割(負の制御)をしています。この変異でHRZ1の働きが弱まり、鉄の吸収・運搬に関わる遺伝子が強く働き続けるようになりました。この変異体を黒米品種と交配させて、鉄分が増えた実用的な系統を作成。

■結果

〇葉や玄米(もみ殻を除いた米)の鉄含量が、普通の品種の約2〜3倍に増加。

〇重要なのは白米(胚乳)部分にも鉄がちゃんと蓄積されたこと(食べる部分に鉄が入る)。

〇鉄だけでなく、亜鉛や銅も同時に少し増えました。

〇一方で、カドミウムなどの有害重金属は増えませんでした(安全性が高い)。

〇鉄が不足しやすいアルカリ性の土壌でも、普通に育ち、収量が保たれました。

〇黒米との交配で、抗酸化作用のあるポリフェノール類も一緒に増えました。

つまり、栄養価がアップしつつ、普通の田んぼで普通に育てられる実用的なイネができたということです。

■家庭料理の視点から

デザインとアイデアでカンボジアの人を鉄分不足・貧血から救った鉄製の魚「ラッキーアイアンフィッシュ」によれば、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していて、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったそうです。

そこで、調理中の料理に鉄を入れると、食品に混ざることで、鉄分不足が解消されるというアイデアによって、鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

鉄分を強化した小麦粉で鉄欠乏症・貧血を予防している国がある!|#たけしの家庭の医学によれば、鉄欠乏症を予防するためにも、鉄分を加えた強化小麦粉を義務付けている国があり、アメリカもそのうちの一国。

アメリカのシリアルの中にはFDA(アメリカ食品医薬品局)が推奨する一日の鉄分摂取量を100%満たすものがあるなど、ほとんどのシリアルに鉄分が豊富に含まれているそうです。

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|NHKスペシャルによれば、イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

この3つの事例のポイントは、1)馴染み深いものを活用することで鉄分不足を解消、2)普段食べているものに鉄分の強化を義務付けることで鉄欠乏症を予防、3)国が減塩に取り組むように指導することで脳卒中や虚血性心疾患の志望者の減少に成功していることです。

つまり、個人の健康意識や行動に頼ることなく、選んでいるものが自然と健康なものにするように社会を変えていっているということですね。

今回のケースでいえば、普段のお米を鉄分強化米に替えることで自然と鉄欠乏症の予防になるということ。

スポーツにおいて月経について語ることはタブー?|生理による鉄欠乏症がスポーツでのパフォーマンスに影響している!?で紹介した1800人以上の女性競技者を調査してきたブルインベルスさんによれば、生理による鉄欠乏症がスポーツでのパフォーマンスに影響しているのではないかと考えられるそうです。

血液中のフェリチン値が低い「貧血」と診断されたスポーツ選手は、入賞の可能性が低くなる|愛媛県体育協会で紹介した愛媛県体育協会が行なった調査結果によれば、血液中のフェリチン値が低い、貧血と診断された選手は、入賞の可能性が低くなるそうですが、こうしたことが減って、スポーツの成績が自然とアップする人が増えていくかもしれませんね。

■まとめ

遺伝子組み換えを遣わずに鉄分の多いコメを作ることに成功したことで、サプリメントや薬に頼らずに、鉄欠乏を改善できる可能性があります。

【参考文献】

→ 貧血に良い食べ物・食事 について詳しくはこちら

→ 鉄分の多い食品・鉄分不足からくる症状 についてはこちら







【関連記事】
続きを読む 遺伝子組み換えを使わずに鉄を多く含む米の開発に成功!/東京農業大学・九州大学・千葉大学・東京大学

低タンパク質食 × 腸内細菌でベージュ細胞を誘導! 肥満治療の新しい可能性/慶應義塾大学




ベージュ細胞を誘導する食餌と腸内細菌を同定

(2026年3月5日、慶應義塾大学)

慶應義塾大学の本田賢也教授が、2026年3月に世界的な科学誌『Nature』に発表した研究成果によれば、「食べ物(低タンパク質食)」と「腸内細菌」が協力して、私たちの体脂肪を「溜め込むモード」から「燃やすモード」に変える仕組みを明らかにしました。

■背景

私たちの体には「白色脂肪」(エネルギーを溜め込む普通の脂肪)と「褐色脂肪」(エネルギーを燃やして熱を作る脂肪)、その中間に位置する「ベージュ脂肪細胞」(beige adipocytes;白色脂肪の中に現れてエネルギーを消費する「燃焼モード」の脂肪細胞)があります。

このベージュ細胞を増やす(褐色化=browning)と、肥満や糖尿病、脂肪肝などの代謝疾患の改善が期待されます。

これまでの研究で、低タンパク質の食事(タンパク質を制限した食事)がベージュ細胞を誘導することがわかっていましたが、なぜ起こるのか、特に腸内細菌がどう関わっているかは不明でした。

■結果

〇低タンパク質食がベージュ細胞を強く誘導する

マウスに低タンパク質食を与えると、皮下の白色脂肪組織でベージュ細胞がたくさん現れ、エネルギー消費が増えました。

体重増加や脂肪肝の抑制にもつながります。

〇腸内細菌が「必須」である

腸内細菌を全く持たない無菌マウスでは、低タンパク質食の効果が大幅に弱まりました。

つまり、食事だけではなく、腸内細菌が一緒に働いてベージュ細胞を作っていることがわかりました。

また、ヒト由来の4つの菌株(Bilophila属、Adlercreutzia属、Eubacteriaceae科、Romboutsia属)が特に重要であることが判明しました。

これら4菌株を無菌マウスに定着させ、低タンパク質食を与えると、ベージュ細胞の誘導がしっかり再現されました。

■メカニズム

腸内細菌が低タンパク質食のシグナルを感知して、2つの主な経路で体に指令を出します。

1)胆汁酸-FXR経路

細菌が胆汁酸(肝臓で作られる消化液の成分)を代謝し、脂肪細胞の前駆細胞にあるFXRという受容体を活性化。

これがベージュ細胞への分化(変化)を促進します。

2)アンモニア-FGF21経路

特にBilophilaなどの細菌が、低タンパク質条件下でアンモニアを産生(nrfA遺伝子が関与)。

アンモニアは門脈を通って肝臓に届き、FGF21というホルモンの産生を促します。

FGF21は血流に乗って白色脂肪組織に届き、ベージュ細胞の誘導を強力に引き起こします。

つまり、腸(細菌)→ 肝臓 → 脂肪組織という臓器間のネットワークが働いているのです。

【関連記事】

■まとめ

今回の研究で分かったことは、脂肪を燃やすには、「ただ低タンパク質食にすればよい」ということではなくて、腸内細菌の状態をチェック・改善、具体的には、特定の細菌(プロバイオティクス的な菌株カクテル)と低タンパク質食を組み合わせた「マイクロバイオーム製剤」が、肥満・糖尿病脂肪肝の新しい治療法になるかもしれません。

【参考文献】

  • Tanoue T, Nagayama M, Roochana AJA, Zimmerman S, Ashenberg O, Jain T, Igarashi R, Sasajima S, Takeshita K, Hetherington N, Okahashi N, Ueda M, Konishi M, Nakayama Y, Minoda A, Skelly AN, Minokoshi Y, Pucci N, Mende DR, Arita M, Yamamoto H, Watanabe S, Miura K, Behie SW, Suda W, Sato T, Atarashi K, Matsushita M, Kajimura S, Plichta DR, Saito M, Xavier RJ, Honda K. Microbiota-mediated induction of beige adipocytes in response to dietary cues. Nature. 2026 Mar 4:10.1038/s41586-026-10205-3. doi: 10.1038/s41586-026-10205-3. Epub ahead of print. PMID: 41781619; PMCID: PMC13051337.







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

この街を初めて訪れた方へ

この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。

ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

この話が、全体の中でどこに位置づくのか

が少しでも気になったら、
この街の歩き方をまとめたページがあります。

▶ はじめての方は
👉 この街の歩き方ガイドから全体を見渡すのがおすすめです。

この街の地図を見る(全体像を把握したい方へ)

※ 無理に読まなくて大丈夫です。
 気になったときに、いつでも戻ってきてください。

この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

料理から見る健康

この街の考え方について

この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。

この街の中心に置いている憲法を読む

元日本テレビアナウンサーの多昌博志さん、多発肝腫瘍のため死去。多発肝腫瘍とはどんな肝臓の病気?

元日本テレビアナウンサーの多昌博志さん、63歳で死去…プロ野球などスポーツ実況で活躍(2026年4月10日、読売新聞オンライン)によれば、元日本テレビアナウンサーの多昌博志(たしょう・ひろし)さんが多発肝腫瘍で亡くなったそうです。

多発肝腫瘍とはどのような病気なのでしょうか?

再発性と多発性肝臓がんのゲノム診断(理化学研究所)

肝臓がん発生の原因である慢性肝炎や肝硬変は強い発がんリスクがあるため、同じ肝臓内にがんが独立して多発する可能性があります(多発性発がん、多中心性発がん)。

転移性肝がん(東京科学大学病院)

転移性肝がんとは、肝臓以外の臓器にできたがん(原発巣)が肝臓に転移したものを意味します。ほぼすべてのがんにおいて、肝臓へ転移する可能性がありますが、実際には消化器系がん(大腸がん、胃がん、膵がんなど)、乳がん、肺がん、頭頸部のがん、婦人科(子宮や卵巣)のがん、腎がんなどが肝臓への転移を認めることが多いとされています。

多発肝腫瘍とは、肝臓内に複数の腫瘍(しこり)が発生している状態を指します。

多発肝腫瘍には大きく2つに分けられます。

一つは原発性肝がんの多発性。

わかりやすく言えば肝臓自体から発生したがんが肝臓内で複数独立してできるものを指します。

慢性肝炎(特にB型・C型肝炎ウイルス感染)や肝硬変が原因となり、肝臓が炎症・再生を繰り返す中でガン細胞が発生しやすい状態にあります。

もう一つは転移性肝がん。

肝臓以外の臓器、例えば、消化器系がん(大腸がん、胃がん、膵がんなど)、乳がん、肺がん、頭頸部がん、婦人科がん(子宮・卵巣)、腎がんなどが血液の流れに乗って肝臓に転移したものです。

肝臓は血液が集まりやすい臓器のため転移しやすく、多発しやすい傾向にあるようです。

私たちにできる予防策としては、肝炎ウイルス検査を受けること。

肝炎ウイルス検査を一度もしたことがないという方は、肝硬変肝臓がんなどの肝臓の病気の予防のためにも、一度献血を受けてみてもいかがでしょうか。

→ 肝臓がん|肝臓がんの症状(初期・末期) について詳しくはこちら

「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

この街を初めて訪れた方へ

この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。

ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

この話が、全体の中でどこに位置づくのか

が少しでも気になったら、
この街の歩き方をまとめたページがあります。

▶ はじめての方は
👉 この街の歩き方ガイドから全体を見渡すのがおすすめです。

この街の地図を見る(全体像を把握したい方へ)

※ 無理に読まなくて大丈夫です。
 気になったときに、いつでも戻ってきてください。

この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

料理から見る健康

この街の考え方について

この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。

この街の中心に置いている憲法を読む