低体温になると不調を招く理由とは?|免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減ることで免疫力が落ちてしまう

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【目次】




■低体温になると不調を招く理由とは?

sneezy

by kaex0r(画像:Creative Commons)

低体温になると体にさまざまな不調を招きますが、その理由とは何なのでしょうか。

運動不足の人に“低体温”解消体操

(2010/11/18、日経ウーマン)

低体温になると様々な不調を招く。

その第一の理由は、「免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減るので、カゼなど様々な病気になりやすくなるから」と新潟大学大学院医歯学総合研究科の安保徹教授は指摘する。低体温になると疲れやすくなるのもそのためだ。

新潟大学大学院医歯学総合研究科の安保徹教授によれば、低体温になると、免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減ることで免疫力が落ちてしまうために、風邪などにかかりやすく、疲れやすくなると考えられるそうです。

また、血の巡りが悪くなっているので、体中の細胞が必要とする栄養素や酸素をスムーズに運搬できない。そのため、体全体の機能が低下してしまう。

例えば、肌にはツヤがなく顔色も悪く、肩や首の凝りがひどくなる。体の内側では、胃や腸などあらゆる器官の働きが落ち、下痢、食欲減退などにつながる。体の中で働く酵素も37℃くらいで最も活性が高まるので、低体温ではその働きが落ちる。

また、血行が悪いために体の細胞が必要とする栄養素や酸素が運搬できないために、体の機能が低下してしまうそうです。

体の低下の例としては、肌の艶がなくなったり、顔色が悪くなったり、肩こりや首のコリがひどくなり、下痢や食欲減退などが挙げられます。

女性にとって怖いのは、低体温がホルモンバランスの崩れにつながるということだ。

「事実、不妊に悩む女性には低体温の人が多い。低体温が解消したら妊娠できたというケースも多い」とクリニックハイジーアの矢崎智子院長は指摘する。体温をコントロールする自律神経系とホルモン系は関わりが深く、自律神経の働きが乱れるとホルモンのバランスにも影響すると考えられる。

低体温によって、自律神経の働きが乱れ、ホルモンバランスが崩れてしまうことにより、不妊に悩む人が増えているそうです。

クリニックハイジーアの矢崎智子院長によれば、低体温が解消したら妊娠ができたというケースも多いそうです。

→ 体温を上げる方法 についてはこちら

→ 低体温|低体温の改善・原因・症状 についてはこちら




■低体温改善方法

冷たい食べ物や甘い食べ物をあまり食べないようにする

糖分には体を冷やす作用があり、低体温の原因となるので、できるだけ食べないようにする。

温かい飲み物を飲んで低体温改善!

旬の野菜や果物を摂取して低体温改善!

食べない系ダイエットは避ける

食事をすると、体内に吸収・分解される際に、熱が発生します。

食事誘発性熱産生といいます。

たんぱく質は熱に変わりやすいので、たんぱく質の摂取を忘れない

基礎代謝をアップして痩せやすい身体を作る4つの方法によれば、筋肉をつけるためには、運動することだけではなく、筋肉を作る材料となるたんぱく質を摂取することが大事です。

低体温の人が増えている理由の一つには、デスクワークが増えたり、運動する機会が減るなどして、筋肉量が減少していることが挙げられます。

たんぱく質を摂取し、運動する機会を増やして、熱のもととなる筋肉を付けたいですね。

運動で低体温改善!

運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、低体温の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えましょう。

第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎが動き、そのポンプ作用で血流が良くなります。

また筋肉を使うことで体温が上がります。

ウォーキングやスクワット・スロトレなどがオススメ。

お風呂にゆっくり浸かる

お湯に浸かると、身体が温まり、血液の循環がよくなり、疲れもとれ、健康にもダイエットにも効果的。

また、ストレスがかかりやすい現代人の生活の中ではリラックスする方法としてもお風呂の時間を大事にしたいものです。

お風呂にゆっくりつかることで体が温まるだけではなく、リラックスすることで自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが整うことが期待されます。

さらには、低体温になると、血流が悪くなり、肌に栄養がいきわたらず、老廃物の代謝が低下してしまうため、肌の不調が出てくるので、美容のためにも、お風呂にゆっくりつかるのはよいのではないでしょうか。

●オススメ入浴法:ストレッチ入浴法

40度~42度のちょっと熱いと感じる程度のお湯を用意し、入浴時間は10分間。

最初の5分は寝るようにして首までしっかり浸かり、残りの5分は起き上がり座った姿勢で胸元を出してリラックス。

※入浴前は足元からかけ湯を行うこと。

1.お湯は40~42℃で2分間首まで浸かる。

2.2分経ったら上半身のストレッチ

両肘を後ろに突っ張り胸をはる

左右の肩甲骨をくっつけるように背筋を伸ばし5つ数える(2回)

(思いっきり力を入れて背筋を伸ばすのがポイント)

3.下半身のストレッチ

入浴から5分後起き上がり胸元まで体を出す

坐禅のように脚を組む

足の指先を手で握り引き寄せるように足指を伸ばす

5つ数えたら手を離し足を伸ばす。(2~3回)

(足を伸ばすことで血液がしっかり流れる)

4.10分たつまでゆっくり浸かる

【参考記事】

お酒の飲みすぎに気をつける

タバコを控える

タバコは急激に血管を収縮させてしまい、血液の流れが悪くするともに基礎代謝も低下させてしまうためです。

 ヘスペリジン

グリコ健康科学研究所によれば、冷えを感じる女性が「ヘスペリジン」に糖を結合させた「糖転移ヘスペリジン」を摂取すると冷水で冷やした手の皮膚表面温度の回復を早めることが分かったそうです。

また、あらかじめ糖転移ヘスペリジンを摂取しておくと、冷房が効き過ぎていても、手足の冷えが抑えられるそうです。

【関連記事】

冷え性のツボ

足の冷え解消のツボ:築賓(ちくひん)の位置・押し方

足の冷えと腰痛解消のツボ:胞肓(ほうこう)の位置・押し方

下腹の冷え解消・更年期障害・月経不順のツボ:三陰交(さんいんこう)の位置・押し方

足の冷え改善のツボ:八風(はちふう)の位置・押し方

下半身の血流改善のツボ:臀中(でんちゅう)の位置・押し方

マッサージ

冷えと肌荒れに共通するのが、血行不良。

冷えは血行不良が原因の一つであり、血行が悪いと新陳代謝が落ちるため、肌荒れが起きやすくなるそうです。

また、ユースキン製薬が男女約800人に調査したところ、かかと荒れがある人のうち約8割が「冷えの自覚がある」と答えています。

冷えと肌荒れ防止のために、マッサージクリームを使ってマッサージをすると、冷え対策・肌荒れ対策になり一石二鳥ですよね。

特に、ふくらはぎのマッサージを入念にやるとよいそうです。

ふくらはぎは血液を送るポンプの役割を果たしていて、ふくらはぎをマッサージをするとその機能を補うことが出来ます。

【参考記事】

→ 体温を上げる方法!温活・低体温改善方法(食事・運動) について詳しくはこちら







【補足】

免疫をになう細胞「マクロファージ」が体温で活発になる仕組みを解明―過酸化水素によって温度センサーTRPM2がスイッチ・オンする分子メカニズム―

(2012/4/10、自然科学研究機構 生理学研究所)

普段、体温ではTRPM2は反応しませんが、病原体にたいする免疫反応で過酸化水素が産生されるとTRPM2のスイッチがオンになり、体温でも働くようになります。さらに発熱すると、その働きが強まることがわかりました。

自然科学研究機構・生理学研究所の加塩麻紀子研究員と富永真琴教授は、免疫反応によって産生される過酸化水素によって温度センサーであるTRPM2(トリップ・エムツー)が体温で活性化するようになる仕組み、そしてTRPM2が体温を感じてマクロファージ(免疫を担い病原体や異物と戦う)の働きを調節する仕組みを明らかにしました。

病気になったときに発熱することがありますが、このTRPM2が体温でマクロファージの働きを調整する仕組みが、発熱によって免疫力が上がるメカニズムに関係しているかもしれないそうです。

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