森喜朗元首相(現在88歳)が急激に老け込んだとSNSで話題になっています。
以前の恰幅の良い姿(ラガーマン出身)や東京五輪組織委員会での姿の印象が強く、その後表舞台に立つ機会が少なくなったことから、急激に痩せて老け込んだ印象を持つ方が多いのではないでしょうか?
森さんは2002年に前立腺がん、2015年に肺がんの手術を受けていることから、がんの治療をしながら、以前の姿を維持していたこと自体がすごかったのかもしれません。
「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!|厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。
高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。
■サルコペニアとは?定義・予防・対策のやり方(運動・栄養)!
サルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)とは、筋肉が減り筋力が衰えた状態のことです。
近年中高年を中心に増加しているサルコペニアは、寝たきりや認知症を引き起こす原因とされ、健康寿命を縮める一因となっています。
最近は若い人にもサルコペニア予備軍が増えていて、無理なダイエットによる栄養の偏りなどが原因と考えられるそうです。
サルコペニアの原因は、加齢・運動不足・栄養の偏りの3つ。
管理栄養士によれば、若い時には偏っていてもなんとかカバーできていても、年を重ねるとそれもできなくなり、なおかつ食事の量も減っていくため、筋肉量や骨格筋が減っていき、サルコペニアのリスクが高まるそうです。
特に肺がん経験者では、癌性悪液質(cachexia)で筋肉・脂肪が急激に失われやすく、炎症や代謝異常が原因で、治療後数年経っても進行する場合があります。
森さんのように過去にがんを患った高齢者はリスクが高いです。
【参考文献】
- Williams GR, Dunne RF, Giri S, Shachar SS, Caan BJ. Sarcopenia in the Older Adult With Cancer. J Clin Oncol. 2021 Jul 1;39(19):2068-2078. doi: 10.1200/JCO.21.00102. Epub 2021 May 27. PMID: 34043430; PMCID: PMC8260902.
また、最近の研究では、老化は「少しずつゆっくり進む」ものではなく、特定の年齢で急激に変化すること、また人によって老化の速度に大きな差があることもわかっていて、そのことが一気に老ける理由として挙げられます。
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■サルコペニア予防・対策
●運動でサルコペニア対策
高齢者の筋内脂肪の蓄積はサルコペニアと運動機能低下に関係する|名古屋大学で紹介した名古屋大学総合保健体育科学センターの秋間広教授、田中憲 講師、同大学院生らの研究グループは早稲田大学と行なった共同研究によれば、高齢者の筋肉内に霜降り上に蓄積する脂肪(筋肉脂肪)が、加齢に伴う筋力の減少(サルコペニア)や運動機能低下と関係していることがわかりました。
高齢者は、定期的に運動をすることによって、加齢による筋肉量の減少と運動機能低下を軽減し、筋内脂肪の蓄積の抑制をすることが期待されます。
【名医のザ太鼓判】つかまりスクワットとハチミツで骨筋力アップし、骨折予防・サルコペニア予防・垂れ尻改善!で紹介したサルコペニア対策のエクササイズは「つかまりスクワット」。
骨・筋力アップする「つかまりスクワット」とは前側に置いたイスにつかまりながら行うスクワットのこと。
【つかまりスクワットのやり方】
イスの背もたれを持って立つ。
膝がつま先より前に出ないようにして、ゆっくりと腰を落とす。
ポイントは声を出しながらゆっくり行なうこと。
※回数の目安は1セット15回で一日3セットです。
筑波大学の久野譜也先生によれば、つかまらずに行う方法とほぼ同じ効果が得られ、またつかまることで安心してできること、正しい姿勢でできるためにオススメなのだそうです。
●たんぱく質でサルコペニア対策
たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省によれば、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは3年後の筋力の低下と関連し、さらに高齢女性の3年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されているそうです。
また、日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされています。
これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。
適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。
低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。
今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。
たんぱく質並びにアミノ酸の介入研究|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省では、サルコペニア予防および改善の観点から、高たんぱく質食品、プロテインやアミノ酸などのサプリメント、β─ ヒドロキシ─β─ メチル酪酸(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate:HMB)を単独もしくはアミノ酸と配合したサプリメントを補給する介入研究が紹介されています。
→ アミノ酸の効果・効能・種類・アミノ酸を含む食べ物 について詳しくはこちら
→ なぜ筋肉をつけるにはタンパク質(アミノ酸)の摂取が必要なの?【論文・エビデンス】 についてくわしくはこちら
「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」
この街を初めて訪れた方へ
この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。
この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。
ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。
この街では、
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「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。
もし、
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この考え方の全体像(意味のハブ)
この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。
▶ 料理から見る健康
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