「脳の病気」カテゴリーアーカイブ

子供における脳腫瘍は携帯電話の影響ではない?

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by Jason Lander(画像:Creative Commons)




携帯電話はがんの原因にならない…方に、新たな一票!

(2011/8/1、GIZMODE)

今回わかったのは、少なくとも幼児やティーンエイジャーにおける脳腫瘍は、携帯電話の影響ではないということです。

これは、スイス熱帯公衆衛星研究所のマーティン・ルースリ氏らが、ノルウェイ・デンマーク・スウェーデン・スイスの7歳から19歳までの子供1000人に対して行った調査に基づく結果です。

調査対象となった子供のうち、痛ましいことですが352人は脳腫瘍を発生してています。

その子供たちと同じデモグラフィックスの健康な子供たち646人が比較されました。

研究チームによる分析の結果、携帯電話利用と脳腫瘍には何も関係が見つかりませんでした。また、脳だけでなく頭部全体の腫瘍の増加に関しても携帯電話との関係は発見されませんでした。

スイス熱帯公衆衛星研究所のマーティン・ルースリ氏らが、子供1000人に対して行った調査に基づく結果によれば、携帯電話と脳腫瘍には関係がなかったそうです。

ただし研究チームでは、この結果は子供たちが携帯電話で通話よりメールやテキストメッセージの方を多用している傾向に影響されている可能性があるとしています。

子供たちの携帯電話の利用方法がメール中心である傾向から、はっきりと携帯電話と脳腫瘍都の間には関係がないとは言い切れないようです。







脳内金属の研究、アルツハイマー病などの解明の手がかりに

The question

by Samuel Hearn(画像:Creative Commons)




脳内金属の研究、アルツハイマー病などの解明の手がかりに

(2012/2/2、ウォール・ストリート・ジャーナル)

鉄、銅、亜鉛などの脳内金属の研究が、アルツハイマー病やパーキンソン病といった変性疾患の謎を解き明かす一助となるかもしれない。

こうした病気の患者の脳には、正常なレベルを上回る鉄分と銅が蓄積されているようだ。

先月29日に公表されたオーストラリアの新たな研究では、脳内の過剰な鉄分を減らすことで、アルツハイマー病のような症状を緩和できる――少なくとも実験用ラットについて――ことが示された。

オーストラリアの研究によれば、鉄・銅・亜鉛などの脳内金属の研究がアルツハイマー病やパーキンソン病などの解明の手がかりになるかもしれないそうです。

 

■金属のメリット・デメリット

幾つかの金属は人体で不可欠な役割を果たしているが、病気になることでそのバランスが崩れ、害を及ぼす。

体の健康にとって欠かせないものであっても、病気になることでバランスが崩れることで害になると考えられるようです。

●鉄

正常な機能: 酸素の運搬に関わる。細胞のエネルギー生成に必要。
脳内での影響: 鉄分過多は、アルツハイマー病とパーキンソン病に関連。タンパク質と鉄分の供給や吸収に絡む変異は、ルー・ゲーリック病と多発性硬化症に関連があるとみられる。

鉄分が不足すると貧血のような病気を招きます。

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しかし、脳内で鉄分が多すぎると、アルツハイマーやパーキンソン病に影響を与えてしまうようです。

また、C型肝炎NASHの患者さんの場合も、鉄の摂取を制限する必要があります。

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C型肝炎/NASHの場合は、鉄が過剰に貯まる。=鉄過剰

※鉄過剰

肝臓にたまった鉄が酸化する

⇒肝臓に炎症を引き起こす

C型肝炎/NASHの患者さんの場合には、鉄の摂取を制限する

⇒6mg/日以下に抑える

体にとってどんなに大事な栄養素であっても、その時の状況によって、必要なモノがそうでないモノになってしまうんですね。

 

●銅

正常な機能: 酸素の運搬を助ける。しばしば鉄とともに作用。
脳内での影響:ウィルソン病は、銅の体外排出ができなくなり、言語障害や震え、筋肉のこわばりを生じる。銅の調節の乱れはメンケス病を引き起こし、銅のレベルは異常に低くなる。

 

亜鉛

正常な機能:DNAとRNAの生成を助ける。細胞死を調節する。短期の記憶と学習の役割を果たす。
脳内での影響: 亜鉛のレベルが低かったり、通常みられない部分に亜鉛が存在したりすると、記憶障害を引き起こすと考えられている。

また、ミシガン大学の名誉教授ジョージ・ブルーワー氏とニューヨーク州立大学オルバニー校のエドワード・フィッツジェラルド氏が昨年、「アメリカン・ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディディーズ・アンド・アザー・ディメンシアズ」に発表した論文によると、鉄分の増加に加え、正常値を下回る亜鉛のレベルが、アルツハイマー病とパーキンソン病の患者で認められた。

マサチューセッツ工科大学(MIT)、デューク大学、トロント大学で化学の教鞭を取るスティーブン・リッパード教授は、学習と記憶に関わる脳の領域である海馬で、亜鉛がニューロンの伝達を助けていることを発見した。この伝達が妨げられたり、亜鉛が本来存在しないところに導かれたりすると、記憶形成に影響を及ぼしたり、てんかん発作を起こしたりする可能性があるという。

正常値を下回る亜鉛のレベルであったり、本来存在しない場所に亜鉛が存在すると記憶障害を起こしてしまう可能性があるそうです。

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アルツハイマー病予防には焼き魚を|米ピッツバーグ大学

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by fto mizno(画像:Creative Commons)




アルツハイマー病予防には焼き魚を、米研究

(2011/12/6、AFPBB)

魚を食べると認知能力低下やアルツハイマー病を予防し、脳の健康増進に役立つ可能性があるという研究が前週、北米放射線医学学会(Radiological Society of North America、RSNA)で発表された。

魚を食べると、アルツハイマー病の予防に役立つ可能性があるという研究が発表されたそうです。

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今回の実験内容は以下のとおり。

米ピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)の研究チームは、心臓血管に関する国の研究「Cardiovascular Health Study」の被験者から260人を抽出した。

うち163人が毎週魚を食べており、その多くは週1回から4回食べていることが分かった。

脳の健康を調べるため、磁気共鳴画像撮影装置(MRI)を用いて、被験者の脳の灰白質の位置と大きさを調べた。

その後、モデルを使って灰白質と魚の摂取との関係を分析し、10年後の脳の構造を予測した。

その結果、少なくとも週1回、焼いた魚を食べている人は、アルツハイマー病の発症にかかわる脳の領域の灰白質が大きいことが分かった。

乾燥させた魚には認知能力の低下を予防する効果は見られなかったという。

研究チームによると、脳の構造とアルツハイマー病の直接的関係を発見したのは、今回の研究が初めてという。

灰白質の大きさは、脳の健康にとって極めて重要で、健康な脳ほど灰白質が大きい。

灰白質の減少は、脳細胞が縮んでいることを意味する。

米ピッツバーグ大学の研究によれば、少なくとも週1回、焼いた魚を食べている人は、アルツハイマー病の発症にかかわる脳の領域の灰白質が大きいこと(灰白質の大きさは、脳の健康にとって極めて重要で、健康な脳ほど灰白質が大きい)が分かったそうです。

魚を食べる機会がない人は、ぜひ食べるようにしたいですね。







恋をすると脳内はどんな状態になるの?|脳内物質が精神状態を変化させる?

要注意!「恋わずらい」はコカイン中毒と同じ状態だという事実

(2011/12/15、Gow!Magazine(ガウ!マガジン))

■恋をすると脳内はどんな状態に?

恋に落ちると、男女ともに『オキシトシン』という脳内ホルモンが分泌されます。

『オキシトシン』は“抱きしめホルモン”とも呼ばれていて、男女間で接着剤のような役割を果たします。

これがふたりに強い絆をもたらし、協力して出産と子育てに備える準備をするのです。

また、セックスしたい衝動を引き起こす『テストステロン』、快感ややる気を引き出す『ドーパミン』も、大量に分泌されます。

これら数種類の脳内物質は、精神をハイにし通常とは異なる精神状態へと導きます。

それがいわゆる『恋わずらい』の状態なのです。
(参照:「脳内麻薬の仕組み」より)

恋に落ちると、脳内では次のような変化が起こるようです。

  • 男女ともに『オキシトシン』という脳内ホルモンが分泌
  • セックスしたい衝動を引き起こす『テストステロン』が分泌
  • 快感ややる気を引き出す『ドーパミン』が分泌

つまり、恋をすると、さまざまな脳内物質が分泌され、いつもとは違う精神状態になるということです。

 

【関連記事】

キス、それは化学反応の問題=米研究

キスをすると複雑な化学反応が引き起こされるとの研究結果が発表されました。

<中略>

このテスト結果によると、愛のホルモンともいわれるオキシトシンは男性では急増しましたが、女性では減少したそうです。

また、ストレスホルモンであるコルチゾールはすべての人で減少したそうです。

 

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男性の脳は「女性の裸」を非常に速く処理していることが明らかに

男性の脳は「女性の裸」を非常に速く処理していることが明らかに

(2011/12/1、ロケットニュース24)

ある研究によると、男性が女性の裸を見るのは単に好き嫌いの問題ではないということはわかったそうだ。

実験の結果、男性が女性の裸にいち早く反応できるのは、脳が他の視覚情報より女性の裸の視覚情報をより速く処理できるためだということが判明した。

この研究はフィンランドのUniversity of TampereとAalto Universityの共同で行われたものだ。

実験では男女の被験者に男女それぞれの着衣状態、水着、全裸写真を見せ脳波を測ったところ、大脳が最も速く反応したのが裸体、次に水着、そして着衣の順であった。

裸体と着衣では反応に0.2秒もの差があったそうだ。

中でも男性が女性の裸の写真を見たときの反応が最も顕著だったとのことである。

なお、女性被験者は男女どちらの裸の写真を見ても反応に大差はなかったという。

男性の脳は、他の視覚情報に比べて女性の裸の視覚情報をより速く処理できるという結果が出たそうです。

男女ともに裸、水着、着衣の順で反応したものの、特に男性の場合は、女性の裸の写真を見た時の反応が顕著だったそうです。

 

P.S.

好きな人を見ると瞳孔が開く!?

あるテレビの番組で、この瞳孔のテストをしました。

男性に3枚のポスターを見せました。
1 ブルースリーの写真
2 可愛い子犬の写真
3 上半身裸の女性のヌード

すると、どの男性の瞳孔も 3 のヌード写真は全開になりました。

たとえば男性は、どんな女性のヌードを見ても瞳孔が大抵30%は拡大します。

しかし女性の場合、知らない男性のヌードを見ても、瞳孔は開きません。

この記事(好きな人を見ると瞳孔が開く!?)によれば、男性は男性ホルモン「テストステロン」の働きにより、女性を見ると、瞳孔が開くようですが、他の視覚情報に比べて女性の裸の視覚情報をより速く処理できるというのも関連があるのでしょうか。