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女子アスリートの5人に一人が疲労骨折を経験、「無月経」の状態の人も多い




Mile 3, leading ladies

by Erin Halasz(画像:Creative Commons)

■女子アスリートの5人に一人が疲労骨折を経験、「無月経」の状態の人も多い

女子アスリート およそ5人に1人が疲労骨折

(2015/8/29、NHK)

日本産科婦人科学会などが、大学などでスポーツに取り組む女子アスリート1600人を対象に調査したところ、およそ5人に1人が疲労骨折を経験し、月経が3か月以上ない「無月経」の状態の人も多いことが分かりました。

アスリート調査:女子選手2割が疲労骨折、やせ形で顕著

(2015/8/30、毎日新聞)

BMI(体格指数)が18.5未満の「やせ」の選手では、疲労骨折の経験や無月経の割合が高くなった。

<中略>

調査を担当した久保田俊郎・東京医科歯科大教授は「運動量に対して栄養が不足しているなど、体重制限が厳しい競技の特性が影響している可能性がある。

女子アスリートの5人に一人が疲労骨折を経験し、また「無月経」の状態の人も多いことがわかったそうです。

このことは、練習量や栄養のバランスなど指導法に問題があるということですね。

女性アスリートを対象としたアンケート調査|日本産科婦人科学会によれば、次のような特徴があることがわかります。

●競技レベル別の無月経の頻度は、トップを目指して頑張る、全国・地方大会出場レベルのアスリートに、無月経が多い

●年齢別に見た疲労骨折の件数によれば、16~17 歳の件数が(全体の 40.2%)が最も多い

●競技系列別での無月経の頻度は、持久系(21.7%)と審美系(12.2%)が多い

●競技系列別での既往疲労骨折の頻度は、持久系で(49.1%)が高い

●BMI 低値群で無月経頻度や既往疲労骨折頻度が有意に高い

女性アスリートが陥る3つの障害は「栄養不足」「月経(月経不順や無月経)」「骨」で紹介した順天堂大学付属浦安病院の「女性アスリート外来」で婦人科を担当する窪麻由美さんと中尾聡子さんによれば、陸上選手は貧血症状で診察を受けたところ、月経不順や無月経と診断される人が多いそうです。

10代選手の低体重と無月経、一生を左右=東大病院「アスリート外来」の能瀬さやか医師

(2017/10/2、時事ドットコム)

エネルギー不足による低体重や無月経に伴う低エストロゲン(女性ホルモンの一種)状態は、若い人でも骨量減少や骨粗しょう症のリスクを秘め、骨密度低下による骨折や、将来の不妊につながる恐れがある。

やせすぎも注意 月経異常、骨粗しょう症 子どもの健康に影響によれば、過度なダイエットをすると月経が止まり、低血圧疲れやすくなったり、便秘になったり、思考や記憶力も低下するそうです。

低栄養の原因はアルブミン不足|ためしてガッテン(NHK)によれば、タンパク質の一種で、血液を流れている血清タンパク質のおよそ6割を占めている「アルブミン」が足りないと、血管や免疫細胞、筋肉などの組織がスムーズに作られなくなり、体にさまざまなトラブルが起こってしまうそうです。

  • 赤血球の材料が少ない→「貧血」
  • 血管を作る材料が少ない→「脳出血」
  • 免疫細胞を作る材料が少ない→「肺炎」「結核」
  • 筋肉を作る材料が少ない→「転倒」→「骨折」

アスリートに対してどのような栄養指導が行われているのかわかりませんが、基本的に運動量に比べて栄養が不足している可能性がありますし、競技によっては体重制限が厳しくそのために栄養が不足している可能性もあります。

栄養不足とスポーツの成績との関係についてこれまでにも取り上げてきました。

血液中のフェリチン値が低い「貧血」と診断された選手は、入賞の可能性が低くなる|愛媛県体育協会によれば、血液中のフェリチン値が低い、貧血と診断された選手は、入賞の可能性が低くなるそうです。

プロを目指すスポーツ選手になりたい子供たちは「栄養」について学びましょう!によれば、仙台の佐々木匠(18)選手は過度の練習と鉄分不足から貧血低血圧の状態に陥り、練習に参加できないこともあったそうですが、どのように食事をとれば栄養になるのかなどの勉強をしたことで、アクシデントを乗り越えたそうです。

どんなに才能のある選手であっても、優れたテクニックを持った選手であっても、身体に必要な栄養を摂っていなければ、身体に不調が現れてしまい、プレーをすることができません。

なぜ、リオネル・メッシは、今シーズン、ケガしなくなったのか?(2009/3/2)では、チームによるメッシの体質を改善するための特別プログラムを行なったことで、ケガしやすかった体質を食事やマッサージによって改善したそうです。

  1. 魚・野菜・果物を多く摂ること

  2. 練習後、クラブハウスで昼食をとること(チームによる食事の管理)

  3. フィジオテラピスト(理学療法士)によるマッサージや疲労度を測る定期的な検査を受けること

しかし、メッシが好調だったのは肉体改造・ダイエットに成功したから?(2015/6/5)によれば、メッシのようなすごい選手であっても、数年たつと、ピザを食べて太ってしまいコンディションが落ちてしまったそうです。

どんなに優れた選手であってもコンディションが落ちてしまえば、試合で活躍することができなくなってしまうというわかりやすい例だと思います。

もちろんコンディショニングはサッカーだけに限ったことではありません。

瀬戸大也選手の不調の原因は栄養不足だった!?|水泳によれば、不調の原因を栄養士に相談すると、原因は単なる栄養不足だったことが判明したそうです。

その後、朝、練習前後、練習中にサプリメントを必ず摂取したり、食事もどんぶり飯大盛りから、どんぶり飯2杯とハーフ麺と炭水化物を増やし、豆類などのミネラルも欠かさず食べるようになったことで調子が上がってきたそうです。

また、スポーツにおいて月経について語ることはタブー?|生理による鉄欠乏症がスポーツでのパフォーマンスに影響している!?によれば、初潮がきていない「原発性無月経」になると、オリンピックを目指すようなアスリートでは、骨の成長の面でも競技成績の伸びの面でも、厳しくなる可能性があるそうです。

10代選手の低体重と無月経、一生を左右=東大病院「アスリート外来」の能瀬さやか医師

(2017/10/2、時事ドットコム)

女性が生涯で最大の骨量を獲得するのは、通常20歳の頃だ。それまでに適切な骨量を確保しないと、20歳以降いくら治療を行っても、一般女性の平均値まで骨量が回復することは少ない

また、女性のやせすぎは、骨粗しょう症など自身の健康だけでなく、不妊症など将来の子供の健康にも影響する恐れがあるので、そのことは心配ですね。

→ アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!? について詳しくはこちら







P.S.

オリンピック選手も要注意!?アスリートの3人に1人がかかる病気とは?で紹介した『日本オリンピック委員会』が行った調査によると、国際大会期間中にアスリートがかかる病気のうち、かぜ症候群が全体の35.2%を占め、国際大会期間中にアスリートの3人にひとりは風邪で体調を崩しているそうです。

アスリートほど風邪で体調を崩しやすいというのは興味深いですよね。

【関連記事】

フィギュアスケート村主章枝さんは現役時代生理不順(無月経)に悩まされていた!女性アスリートの健康について見直そう!




フィギュアスケート村主章枝さんは現役時代生理不順(無月経)に悩まされていた!女性アスリートの健康について見直そう!
フィギュアスケート村主章枝さんは現役時代生理不順(無月経)に悩まされていた!女性アスリートの健康について見直そう!

LOGANWEAVER|unsplash

フィギュアスケートの村主章枝さんは現役時代5年ほど生理が止まっていたそうです。

ただ生理不順を治すための服薬ができず、3年かけてようやく生理がくるようになったそうですが、女性ホルモンが増えたことで、体型が丸みを帯びてきて、瞬発系の動きに対応するのが難しくなってそうです。

#フィギュアスケート #鈴木明子 さんは現役時代「拒食症(摂食障害)」に悩まされていた!|#仰天ニュースによれば、速くたくさん回転するには凹凸がなく、体の軸が細いほうが物理的に速く回れるため、胸やお尻といった女性らしい曲線が出てくると、高難度のジャンプを跳ぶのが難しくなってくるそうです。

村主さんや鈴木さんの話を聞くと、なぜフィギュアスケート界で低年齢の選手の活躍が目立つのかの意味が分かります。

この状況を改善するためには、一つはフィギュアの採点の方法が変わる必要があるのでしょうね。

健康的な体の方が魅力的な演技が見せられるということをベースにした採点に変われば、現在のような高難度のジャンプを飛ぶことができる選手が輝けるのではなく、また違った面の女子フィギュアのすばらしさを伝えていけるのではないでしょうか?

もう一つは、女性アスリートの健康についてもう一度見直す機会が必要です。

日本の女子中高生の8割超が無月経などに陥る「フィーメール・アスリート・トライアド(FAT)」のリスクを抱えている!|順天堂大学女性スポーツ研究センターによれば、日本の女子中高生の8割超が「フィーメール・アスリート・トライアド(FAT:運動量に対するエネルギー不足から、女性が無月経や骨粗しょう症などに陥る)」のリスクを抱えているそうです。

女子アスリートの5人に一人が疲労骨折を経験、「無月経」の状態の人も多いで紹介した女性アスリートを対象としたアンケート調査|日本産科婦人科学会によれば、次のような特徴があることがわかります。

●競技レベル別の無月経の頻度は、トップを目指して頑張る、全国・地方大会出場レベルのアスリートに、無月経が多い

●年齢別に見た疲労骨折の件数によれば、16~17 歳の件数が(全体の 40.2%)が最も多い

●競技系列別での無月経の頻度は、持久系(21.7%)と審美系(12.2%)が多い

●競技系列別での既往疲労骨折の頻度は、持久系で(49.1%)が高い

●BMI 低値群で無月経頻度や既往疲労骨折頻度が有意に高い

女性アスリートが陥る3つの障害は「栄養不足」「月経(月経不順や無月経)」「骨」で紹介した順天堂大学付属浦安病院の「女性アスリート外来」で婦人科を担当する窪麻由美さんと中尾聡子さんによれば、陸上選手は貧血症状で診察を受けたところ、月経不順や無月経と診断される人が多いそうです。

栄養不足とスポーツの成績との関係について他にも取り上げてきました。

例えば、血液中のフェリチン値が低い「貧血」と診断された選手は、入賞の可能性が低くなる|愛媛県体育協会によれば、血液中のフェリチン値が低い、貧血と診断された選手は、入賞の可能性が低くなるそうです。

高木美帆選手、貧血の症状として立ちくらみに悩まされたが食事の改善で体が変わってきた実感がある!|スピードスケートによれば、高木美帆選手は以前は貧血の症状として立ちくらみに悩まされることがあったそうですが、栄養面でのアドバイスを受け、食事やサプリメントをとるタイミングや量を調整したり、自炊の時には貧血に良いとされるシジミを味噌汁に入れるなどして体が変わってきている実感があるそうです。

男性アスリートでも、プロを目指すスポーツ選手になりたい子供たちは「栄養」について学びましょう!によれば、仙台の佐々木匠(18)選手は過度の練習と鉄分不足から貧血低血圧の状態に陥り、練習に参加できないこともあったそうですが、どのように食事をとれば栄養になるのかなどの勉強をしたことで、アクシデントを乗り越えたそうです。

【関連記事】

このように、アスリートの健康に対するサポート(食事・栄養面を含めて)が上手くできていないことが原因でベストパフォーマンスを発揮できないケースが多々あるんですね。

だからこそ、アスリート自身だけでなく、コーチが少しでも食事・栄養を指導することができれば、よりよいパフォーマンスを発揮するサポートができるようになるはずです。







【やり投げ金メダル】北口榛花選手の栄養補給とゲン担ぎのアイテムは「カステラ」!どこのカステラが話題に!アスリートの栄養補給とカステラの相性は?【パリオリンピック2024】




パリ五輪・陸上女子やり投げ・決勝で北口榛花選手が金メダルを獲得しました!

その際に話題になったのが「カステラ」を食べるシーン。

もぐもぐタイム 金メダル・北口榛花のパワー補給は「カステラ」 陸上女子やり投げ【パリオリンピック2024】(2024年8月11日)

なぜカステラを食べているのでしょうか?

北口榛花 パティシエ父のカステラより「安心できるブランドの方が…笑」げん担ぎカステラで金

(2024/8/11、日テレNEWS)

このカステラを食べる行為、北口選手にとって“げん担ぎ”と知られ、過去には「他の選手はあんまり食べてないんですけど、競技時間が長いので合間に時間があるので食べる。最初に日本記録出したときにカステラを食べていて、そこからいい記録が出たから続けて」とその理由を話していました。

栄養補給とゲン担ぎでカステラを食べているようですが、カステラとアスリートの食の相性はどうなのでしょうか?

高齢者でも食べやすいカステラ「なめらかすてら」の開発|高齢者の低栄養の問題と嚥下障害の問題を解決する|ゆめカステラプロジェクトによれば、カステラはエネルギー量が高いため、栄養量やタンパク量が不足しがちな高齢者にとって理想的な食品として注目されていることを紹介しました。

カステラとスポーツ(アスリート)との関連について調べてみると、いろんな企業がアスリートの補食としてのカステラを提案しています。

カステラ×スポーツ(福砂屋)

石 川:カステラが、試合前の補食として良いという情報は、スポーツ栄養の世界ではかなり以前からあるものです。 その理由は、エネルギー源としての炭水化物が、原材料の小麦粉や砂糖などで、消化の良い状態で摂取できるから、だと思います。

石 川:ものは口に入れただけではなく、小腸で吸収されなければいけません。吸収するには、食べたものを吸収される形にしなければいけないのと、食べたものが、9~10mもある消化管を進みながら小腸まで運ばれないと吸収できないのです。 実は、運動した直後というのは唾液も出にくいし胃も動きにくいという、交感神経優位の状況になっています。そのため私は通常、運動の直後に固形物を食べてはダメ、と言っているんです。この条件では、カステラが食べられる範囲ぎりぎりのものです。

スポーツカステラ(千鶏カステラ本舗)

カステラは栄養学的にみると三大栄養素の「糖質・脂質・タンパク質」はもちろん、卵に含まれる「必須アミノ酸」を効率的に摂れる「完全栄養食」なのです。

エネルギー補給食品としての長崎カステラの問題点は、エネルギーの質は申し分ないのですが、その補給が一時的で長続きしないという点にありました。
これを解決したのが三井製糖㈱が世界で初めて量産化に成功した消化・吸収速度が穏やかに進む天然の糖質「パラチノース」です。

スポーツのための補食用カステラ「V!CASTELLA」(文明堂)

「たんぱく質の補給ができる行動食がほとんどない」「極地の冒険では運ぶことのできる食糧の量・質が限られる」といったこれまでの制約下に於いて、弊社が提供した製品は、「極寒の北極圏という特殊な環境下でも凍結することなく手軽に、たんぱく質、エネルギーを美味しく摂取できる有効な行動食」であることが明らかになりました。

これらの情報をまとめると、次の通り。

  • カステラはスポーツ栄養的に試合前の補食としてよい。理由は消化の良い状態で摂取できるため。
  • 消化・吸収するためには小腸まで運ばれないと吸収できないが、運動直後は唾液も出にくくいも動きにくいため、本来固形物を避けた方がよいが、カステラは食べられる範囲ギリギリの食べ物

■「どこのカステラ?」が話題に!

北口選手のそのほかの記事ではお父さんがパティシエでお父さんが作ったカステラと思いきや「ブランドのモノ」ということだったので、セブンイレブンのような大手コンビニチェーン、先ほど紹介したメーカーのカステラの可能性が高いのではないでしょうか?

■まとめ

錦織圭選手のコンディショニング戦略(栄養管理・ピリオダイゼーション・ケガの予防)によれば、アスリートにとって最も重要なのは、試合や練習までに、いかに多くのエネルギー源=糖質を蓄えておけるかであり、運動で空になった糖質と、筋肉の材料となるたんぱく質をいかに素早く摂取できるかという点にあるそうです。

そして、特に気を付けたのが、運動直後の栄養補給

身体に備わっている回復力が最も発揮されるこのタイミングで、十分な糖質とタンパク質を取れていれば確実な回復ができますが、そうでなければ回復できる幅が狭くなってしまうそうです。

 「たとえば練習と試合では、特別なドリンクを用意している。もちろん選手ごとの好みがあるので、すべて強要するわけではない。話し合いのうえで水のみを飲む選手もいる。だが、科学的見地から、何を口にすべきかはある程度のスタンダードができつつあるんだ」

マンチェスター・シティでは血液検査をして選手に食品のアドバイスや栄養ドリンクを準備しているによれば、マンチェスター・シティでは、血液検査を行なって、必要な食品のアドバイスを行ったり、選手一人ひとりに合わせて作られた栄養ドリンクを用意しているそうです。

「練習・試合における栄養補給」はパフォーマンスを維持する・高めるだけでなく、ケガをしづらい体を作るためにも重要なので、アスリート自身だけでなく、アスリートを支えるコーチやチーム、子供の時は親御さんがしっかり学んでいきたいですね。







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大谷選手が巨人岡本選手にした食事面のアドバイスとは?大谷選手はダルビッシュ選手の影響が大きい?




「技術があってもカラダがついてこなかったら使えない」岡本和真“食生活の改善”に大谷翔平の言葉(2024/2/4、日テレNEWS)によれば、巨人の岡本和真選手はロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手から「フィジカルがないと、つけたい技術が先行してもそれができない」と言われて食生活を気を付けるようになったそうです。

具体的には揚げものやパンを避けたり、ドレッシングをかけずにサラダ食べたり、ブロッコリーを食べたりして、食事を管理したことで体脂肪率が14-18%になり、コンディションが良くなっていったそうです。

だからと言って大谷選手も人間です。

説得力しかない…!! 大谷翔平、ストイックな食生活を明かす。我慢しているものは?【2023年回顧】(2023/12/27、Buzzfeed)によれば、食欲に負けないように欲と戦っていて、甘いものをあまり食べないように、これくらい食べるというように全体的なカロリー(食べる量)を決めて食べるなどクリーンな食生活を心がけているそうです。

具体的には、どんな食事をしているのでしょうか?

【独自解説】大谷選手の食生活は「食事を楽しむより栄養摂取」ゆで卵3つ、タンパク質60g、苦手はトマト!?二刀流パワーの源をMLB専門家が解説(2023/4/4、読売テレビ)によれば、大谷選手は「毎回ゆで卵を3つ食べていた」(侍ジャパンの高橋宏斗投手談)、「1日に60gのたんぱく質をいかにして摂取するか」を考えて栄養を摂取しているそうです。

大谷選手、ダルビッシュ選手のアドバイスを受け、1日6、7食で体重100キロに到達!(2016年)によれば、当時大谷選手はダルビッシュ有選手とトレーニングを行ない、栄養面についてのサポートを受け、好物のお菓子、甘い物を封印し、プロテイン摂取などを含め1日6、7食の食生活を続けたそうです。

大谷選手にとってダルビッシュ選手の食事に対する考え方の影響は大きいようですね。

なぜダルビッシュ有は体重(筋肉)増トレーニングをするのか?によれば、ダルビッシュ選手は登板に合わせてベストコンディションを維持しなければならないという考えのもとから、身体を鍛えて、体力をつける必要性を感じたそうです。

その実力を上げるために、筋肉も10kg以上増やしたし、当然ながら筋力も強くなった。

どんな競技であれ、技術を活かすのは身体であり、アスリートにとって、身体は資本である。今ではウェイトトレーニングとサプリメント摂取は、レベルアップには絶対に必要だと納得して実践している。

ここで最初の岡本選手に対する大谷選手のアドバイスを振り返ってみましょう。

「フィジカルがないと、つけたい技術が先行してもそれができない」

ダルビッシュ選手と大谷選手が言っていることはほとんど一緒でつまり「技術を活かすのは身体」ということなんですね。

なぜ筋肉をつけるにはタンパク質(アミノ酸)の摂取が必要なの?

【あさイチ】プロテイン&たんぱく質|摂取量の目安・摂り方!プロテインで体重が増えた?

プロテインを摂れば筋肉ができるの?|プロテインの効果的な選び方・注意点

一般人なら1日に体重1kgあたり1gのたんぱく質で十分ですが、筋肉量が多いスポーツ選手は体重1kgあたりおよそ2gのたんぱく質が必要です。







サッカー日本代表 吉田麻也選手「育成年代の日本代表に遅れているのは身体づくり・栄養の取り方」




サッカー吉田麻也選手「育成年代の日本代表に遅れているのは身体づくり・栄養の取り方」
サッカー吉田麻也選手「育成年代の日本代表に遅れているのは身体づくり・栄養の取り方」

AllianceFootballClub|unsplash

サッカー日本代表、試合前の勝負メシは「うなぎ」 専属シェフのツイッターが好評(2022/12/5、産経新聞)によれば、日本代表の専属シェフを務めている西芳照さんが代表選手に提供しているメニューがSNSで話題になっています。

三食丼については「良質なタンパク質と疲労回復に鶏ムネ肉は欠かせません」「ほうれん草とマッシュルームのソテーにはサラダ油を使用しバターなどの油脂は使いません」などとツイート。

このように選手のパフォーマンスをアップさせること、ケガの予防のためには栄養の取り方が大事ということですね。

「日本はすごく遅れている」吉田麻也が“ずっと言いたかった”育成年代の課題とは?「古い固定概念がはびこっている」 (2022/7/2、サッカーダイジェスト)では、サッカー日本代表の吉田麻也選手が若い世代での身体づくり・栄養の取り方について遅れていると警鐘を鳴らしています。

スポーツで身体づくり・栄養の取り方について遅れているなという印象を受けたニュースがいくつかあります。

1)プロを目指すスポーツ選手になりたい子供たちは「栄養」について学びましょう!で紹介した仙台の佐々木匠選手は過度の練習と鉄分不足から貧血低血圧の状態に陥り、練習に参加できないこともあったそうですが、どのように食事をとれば栄養になるのかなどの勉強をしたことで、アクシデントを乗り越えたそうです。

2)瀬戸大也選手の不調の原因は栄養不足だった!?|水泳によれば、不調の原因を栄養士に相談すると、原因は単なる栄養不足だったことが判明したそうです。

その後、朝、練習前後、練習中にサプリメントを必ず摂取したり、食事もどんぶり飯大盛りから、どんぶり飯2杯とハーフ麺と炭水化物を増やし、豆類などのミネラルも欠かさず食べるようになったことで調子が上がってきたそうです。

3)高木美帆選手、貧血の症状として立ちくらみに悩まされたが食事の改善で体が変わってきた実感がある!|スピードスケートによれば高木美帆選手は以前は貧血の症状として立ちくらみに悩まされることがあったそうです。

そこで、栄養面でのアドバイスを受け、食事やサプリメントをとるタイミングや量を調整したり、自炊の時には貧血に良いとされるシジミを味噌汁に入れるなどして体が変わってきている実感があるそうです。

4)女性アスリートが陥る3つの障害は「栄養不足」「月経(月経不順や無月経)」「骨」で紹介した順天堂大学付属浦安病院の「女性アスリート外来」で婦人科を担当する窪麻由美さんと中尾聡子さんによれば、陸上選手は貧血症状で診察を受けたところ、月経不順や無月経と診断される人が多いそうです。

カロリーは摂れていても食事内容がよくなかったり、栄養バランスが悪かったり、体重制限などで食事を減らしていることによって、栄養不足になっていると考えられます。

→ 貧血に良い食べ物・食事 について詳しくはこちら

→ 鉄分|鉄分の多い食品・鉄分不足からくる症状 についてはこちら

5)大橋悠依選手は極度の貧血を食事改善で乗り越え金メダル2冠獲得!競泳女子200M/400M個人メドレーによれば、大橋悠依選手は19歳のころ原因不明の不振に悩まされていたそうです。

体に原因があるのか、泳ぎに原因があるのか、努力が足りないから、メンタルのせいなどいろんなことを考えたそうですが、病院で検査を受けた結果わかったのは重度の貧血。

「ヘモグロビンの値も凄く低かったんですけど、鉄を貯蔵するために必要な『フェリチン』が本当に底をつきそうな値だった」。

女性アスリートに多い「鉄欠乏性貧血」ですが、元々体力があるせいで人並みに動けてしまうことから貧血だと気づきにくく、また大橋選手自身甲殻類アレルギーを持っていたことから食が限られていたこと、大学に入ってから練習量が一気に増えたことに対してその分の食事が不足していたことが原因だと考えられます。

原因がわかった後は食事を改善し、寮で出されるものに加え、実家の母が冷凍で送ってくれるヒジキやアサリ、シジミを食べるようにしたり、鉄分やビタミン補給のため、最初の1か月は毎食後に薬を服用するようにして、ハードな練習に耐えられるようになったそうです。

血液中のフェリチン値が低い「貧血」と診断されたスポーツ選手は、入賞の可能性が低くなる|愛媛県体育協会で紹介した愛媛県体育協会が行なった調査結果によれば、血液中のフェリチン値が低い、貧血と診断された選手は、入賞の可能性が低くなるそうです。

フェリチン値とは、血液中に貯蔵されている鉄の量のことをいいます。

フェリチンが不足すると、うつや睡眠障害だけでなく肌荒れ、イライラ、疲労感などが起こることがあるそうです。

新型鉄不足(フェリチン不足)で肌荒れ、不眠、うつ状態、疲労感?|#あさイチ ・ためしてガッテン(NHK)によれば、鉄分が体に吸収されると、身体の中の様々なところでフェリチン(鉄入りの倉庫をイメージ)に貯蔵されるのですが、フェリチンの鉄が不足していると、細胞増殖などの身体における様々な反応を手助けすることができずに、肌荒れしても新しい細胞に入れ変わらなかったり、免疫細胞が減少してしまったり、脳の働きに欠かせないセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が不足してしまったりするそうです。

→ フェリチンの多い食品・食べ物・サプリ について詳しくはこちら

6)【ガッテン】だるさ・スタミナ切れ・乾燥肌の原因は貧血?|酸素不足で体調不良|ラグビー選手と貧血の関係|鉄分補給のコツによれば、東洋大学陸上部と帝京大学ラグビー部を栄養面で支えていた管理栄養士の虎石真弥さんの提案で帝京大学のラグビー部の選手全員が献血に行ったところ、貧血の選手が見つかったそうです。

普段は赤血球についている鉄分が酸素をくっつけて全身の細胞に酸素を届けているのですが、貧血になる=赤血球の鉄が少ないと、酸素を運ぶ量が少なくなり、細胞内のミトコンドリアに酸素が行き渡らなくなります。

ミトコンドリアは酸素を受け取りエネルギーを作っているのですが、酸素不足になるとミトコンドリアが働かずエネルギーを作りことができずに、体がだるいといった不調が現れてしまうのです。

番組ではマラソンランナーとパーカッション奏者が一時間パフォーマンスを行なう実験をおこなったところ、貧血の度合いを示す数値が下がっていました。

マラソンランナーとパーカッション奏者とラガーマンに共通する点は「衝撃」!

鉄分は、便や尿、汗、皮膚のはがれ、月経だけでなく、衝撃(赤血球が壊れる)によっても減ってしまうそうです。

激しい運動をするアスリートは鉄分をしっかりと補給する必要があるのです。

■まとめ

このようにしてみると、オリンピックを目指している選手たちでさえ栄養不足に陥っていて、そのサポートが得られていなかったということであり、つまり、アスリートの身体づくり・栄養の取り方について遅れているということがわかります。

どんなに優れた選手であってもコンディションが落ちてしまえば、試合で活躍することができなくなってしまうというわかりやすい例がサッカーのリオネル・メッシ選手の例です。

なぜ、リオネル・メッシは、今シーズン、ケガしなくなったのか?(2009/3/2)では、チームによるメッシの体質を改善するための特別プログラムを行なったことで、ケガしやすかった体質を食事やマッサージによって改善したそうです。

  1. 魚・野菜・果物を多く摂ること

  2. 練習後、クラブハウスで昼食をとること(チームによる食事の管理)

  3. フィジオテラピスト(理学療法士)によるマッサージや疲労度を測る定期的な検査を受けること

しかし、メッシが好調だったのは肉体改造・ダイエットに成功したから?(2015/6/5)によれば、メッシのようなすごい選手であっても、数年たつと、ピザを食べて太ってしまいコンディションが落ちてしまったそうです。

ユース世代からの身体づくりはもちろんのこと、日々のコンディショニングにおいても栄養補給が大事になってきます。

錦織圭選手のコンディショニング戦略(栄養管理・ピリオダイゼーション・ケガの予防)|テニスによれば、錦織選手は栄養管理の基本戦略を立てています。

  • 必要な各栄養素の量や試合時間から逆算した補給のタイミング
  • 試合や練習までに、いかに多くのエネルギー源=糖質を蓄えておけるか
  • 運動で空になった糖質と、筋肉の材料となるたんぱく質をいかに素早く摂取できるか
    身体に備わっている回復力が最も発揮されるこのタイミングで、十分な糖質とタンパク質を取る

「練習・試合における栄養補給」はパフォーマンスを維持する・高めるだけでなく、ケガをしづらい体を作るためにも重要なんですね。

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プロを目指すスポーツ選手になりたい子供たちは「栄養」について学びましょう!