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緑内障の新治療法!?眼圧を一定に保つ「埋め込み式マイクロポンプシステム」を開発中

Eye spy

by Ali T(画像:Creative Commons)

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■現状把握

眼を傷つけない緑内障・眼球癆の対処法が実現か!? 違和感も感じない「埋め込み式マイクロポンプ」

(2015/7/10、Futurus)

緑内障のような、眼内圧の異常による疾患は、最悪の場合、失明につながるにもかかわらず、長期的に有効な治療法が存在しなかったという。

緑内障とは、目が正常な機能を保てる「適正な眼圧」以上の眼圧のために、視神経が障害され、視野が欠けてくる病気です。

緑内障の原因としては、前房内の房水が隅角からうまく排出されず、眼球内の圧力が高くなることにあります。

緑内障の治療法は様々なものが検討されていますが、確実な治療法はでてきておりません。

■問題提起

現在の対処法は、その進行を遅らせるものであって、限られた期間しか有効性を発揮しない。またそのほかにも問題がある。

目薬で眼圧を下げる方法によって緑内障の進行を抑える方法や手術によって治療する方法があります。

ただし、その方法も確実とは言えません。

たとえば緑内障の場合は、外科手術によって人工的に眼球内の液を放出させる方法をとるなどする。ただし、4人にひとりは眼内液の放出をさまたげる傷ができてしまい、狙った効果をあげられないという。

■解決策の提案

定期的に眼圧を検査してポンプを調整することで、その患者に最適な眼内液の供給/排出ができる。将来的に埋め込み式センサーと連動して作動するようにできれば、自動的に眼内液の供給/排出が調整できるようになるという。

『フラウンフォーファー研究機構』が考えたのは、埋め込み式のマイクロポンプシステムです。

目に本来備わっている供給・排出のための通路を活用して、眼内液の供給・排出を行なうことで、眼圧を調整するというものです。

この仕組みにセンサーを連動させれば、自動的に眼圧の調整をできるようになることが期待されています。

■まとめ

緑内障は、実は、40歳以上の17人に1人がかかる身近な目の病気で、近年、緑内障は若年化・増加傾向にあるといわれています。

今後根治する治療法が見つかることが期待されますが、それまでには時間がかかるかもしれませんので、ぜひ今回のアイデアが実用化することを期待しています。

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視力再生治療で技術革新続く|老眼に針穴(ピンホール)効果・健康な部分を残す「パーツ移植」・iPS細胞活用

TBI care

by Army Medicine(画像:Creative Commons)

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技術革新続く視力再生治療 リング埋め込み、熱で角膜調整、部分移植…

(2010/8/3、産経新聞)

■老眼に針穴(ピンホール)効果

「ピンホール(針穴)効果を活用した、まさにローテクとハイテクの融合が実現した」

慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授がこう説明するのは、老眼治療に国内では昨年導入されたばかりの「アキュフォーカス・リング」を使う方法。ピンホール効果とは、テレホンカードの使用度数を示すような小さな穴から向こうを覗(のぞ)くと、近視や老眼の人でもよく見えること。

小さな穴によって網膜に届く光が細くなり、手前から奥までのピントの合う距離の幅が広がるためだ。

老眼は、目のピント調整を担う水晶体が年齢とともに弾力性を失い、近くのものにピントが合いにくくなって起こる。

そこで、角膜(黒目)の中にピンホール効果を持つ穴の開いたアキュフォーカス・リング(直径3・8ミリ)を手術で埋め込む。

穴の直径は1・6ミリで、厚さは一般的な紙の約10分の1。「度が進んでも老眼鏡のように買い替える必要もない。いやになったら取り外せる」と坪田教授。

このほか、老眼では近年、熱で角膜周辺のカーブを調整する「コンダクティブ・ケラトプラスティ」▽角膜が遠近両用メガネと同じ効果を持つようレーザーで形作る「老眼レーシック」▽左右の目で、近くを見る目と遠くを見る目を使い分けるようにする「モノビジョン・レーシック」-といった精密さを要する治療が可能という。

これまでは、老眼になれば老眼鏡というイメージでしたが、新しい老眼の治療法が出来ているそうです。

その新しい治療法とは、角膜の中にピンホール効果を持つ穴の開いた「アキュフォーカス・リング」を手術で埋め込むというものなのだそうです。

この方法であれば、老眼鏡のように買いかえる必要がないそうです。

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■■健康な部分を残す「パーツ移植」が可能に

角膜が濁ったり傷付いたりした場合や、角膜が眼圧で突出する「円錐(えんすい)角膜」が進行すると、角膜移植の必要が生じる。

角膜を丸ごと移植するのではなく、健康な部分をなるべく残す「パーツ移植」が可能になってきた。

坪田教授は「拒絶反応や手術後の乱視が軽減できる」と話す。

また、紫外線照射(しょうしゃ)で角膜を固くして円錐角膜の進行を遅らせるといった方法もあり、移植しなくても済むケースが増えているという。

角膜移植といえば、角膜まるごと移植するものと思っていましたが、記事によれば、現在では、健康な部分をなるべく残す「パーツ移植」が可能になってきたそうです。

このパーツ移植には、拒絶反応が軽減できるといったメリットがあるようです。

坪田教授は「大災害時にメガネが手元になかったら、高度近視などの人にとっては生死にかかわる。

超高齢社会を迎える意味でも、視力再生は大切な分野。眼科の未来に期待してほしい」とアピールする。

地震などの災害が起きたときにもしメガネがなくなったとしたら、安全に大きく関わってきます。

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眼科の分野の医療進歩に期待したいですね。

そういった意味においても、眼科における医療進歩にiPS細胞が活用されるようになるかもしれません。

■iPS細胞活用も

角膜を移植するのではなく、患者の皮膚などから体のどの組織にもなる能力を持ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り、これをもとに角膜のパーツを作る研究も進められている。

坪田教授は「iPS細胞から角膜全体を作るのは大変だが、パーツならできるのではないか。

将来、iPS細胞を使った角膜移植ができれば、拒絶反応の心配がなくなるはずで、必ず成功させたい」と説明する。

iPS細胞を使った角膜移植に対する研究が進んでいるので、近い将来うれしいニュースが聞ける日も近いのではないでしょうか。

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■緑内障の診断前「自覚なし」44%

緑内障患者の4割超が診断前に不調を感じていなかったことが、緑内障の啓発に取り組む患者組織「緑内障フレンド・ネットワーク」の調査で分かった。

調査は会員744人から回答を得た。

診断前に「視界に入っているはずの物を見落とす」など56%が見えづらさを感じたが、44%は不調を感じていなかった。

緑内障は眼圧が上がって視神経が傷付き、視野が徐々に欠けて失明の危険がある。

北澤克明・岐阜大学名誉教授は「緑内障は片方の目の視野が欠けても、片方が補うため気付きにくい。カメラのファインダーを覗くなどして偶然気付くことがある」と説明する。

緑内障と診断された時、すでに66%の人は視野が欠けていたともいわれていますので、定期的に眼科で診てもらうことをお勧めします。

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6月7日は「緑内障を考える日」

Oriol Pujol. Campanya contra el glaucoma

by Convergència Democràtica de Catalunya(画像:Creative Commons)

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【目次】

  1. 6月7日は「緑内障を考える日」
  2. 緑内障とは
  3. 緑内障の症状
  4. 眼圧が上昇する原因
  5. 緑内障のリスクファクター
  6. 緑内障の予防
  7. 緑内障の治療

■6月7日は「緑内障を考える日」

6月7日は緑内障を考える日|47ニュース

視神経の障害で起きる緑内障による失明を減らそうと、5年前から啓発運動を続ける患者団体「緑内障フレンド・ネットワーク」が6月7日を「緑内障を考える日」とし、日本記念日協会に登録した。6と7で「りょくない」を表すという。

「緑内障フレンド・ネットワーク」が6月7日を「緑内障を考える日」と制定したそうです。

■緑内障とは

緑内障とは、目が正常な機能を保てる「適正な眼圧」以上の眼圧のために、視神経が障害され、視野が欠けてくる病気。

緑内障は失明原因の1位の目の病気です。

岐阜県多治見市で行われた疫学調査によれば、40歳以上の20人に1人が緑内障だったそうです。

→ 緑内障の症状・原因・眼圧・予防 について詳しくはこちら

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■緑内障の症状

緑内障は、視野が欠損したり、視力が低下しますが、タイプによりそのスピードは異なり、徐々に進む症状と急速に悪化する症状があります。

一般的に緑内障は、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多いようです。

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■眼圧が上昇する原因

人間の目は、目から入った情報を網膜で感知し、視神経を介して脳に信号を送り、見たものを認識しています。

眼圧は眼球内を満たしている「房水(ぼうすい)」という液体で、一定に保たれており、房水は、隅角(ぐうかく)という出口から眼球外に排出されています。

しかし、房水の流れに障害が起こることで、眼圧が上昇すると、視神経が圧迫されて、血液の循環が悪くなり、「視野が狭くなる」「視野が欠ける」といった症状が現れます。

緑内障の発症メカニズムから大きく分けると、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障の2つのタイプに分けられます。

緑内障の原因(眼圧が高くなる) はこちら

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■緑内障のリスクファクター

  • 血縁者に緑内障の人がいる。(遺伝性要因)
  • 加齢(岐阜県多治見市で行われた疫学調査によれば、40歳以上の20人に1人が緑内障)
  • 強度の近視
  • 低体温
  • 冷え性
  • 低血圧
  • 頭痛持ち
  • 糖尿病

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■緑内障の予防

緑内障は、早期発見が大事ですので、眼科での定期的な検査(緑内障ドック)が一番の予防法といえます。

緑内障は、眼圧測定だけではわからないため、眼底検査、視野検査などが必要となります。

眼科検診で失明が36%減少する!|緑内障・糖尿病網膜症・変性近視・加齢黄斑変性・白内障が失明の主な原因で紹介した杏林大学大学院医学研究科の山田昌和教授(眼科)によれば、眼科検診によって5つの病気の発見率や失明の減少率を調べたところ、失明は緑内障で45%減したそうです。

中高年になると、目の病気になる人が増えてきますので、失明を防ぐためにも、40歳をめどに一度眼科検診を受けてみて、定期的に眼科で診てもらうことをオススメします。

また、緑内障は、ぶつかって眼圧が上昇する場合や生まれつき(隅角が未発達)でない場合には、生活習慣(糖分の摂りすぎ、血液がドロドロ、眼精疲労、ストレス、運動不足など)と何らかの関係があるのではないかと考えられています。

緑内障の治療・予防には、栄養補助食品(ルテイン・カシス等)や生活習慣の見直しなどによる日頃からのケアが重要です。

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■緑内障の治療

緑内障の治療は、薬を(目薬)使って眼圧を下げることにより、眼圧をコントロールしていきますが、十分に効果が出ない場合は、手術やレーザー治療を行います。

緑内障の治療(目薬・手術) はこちら

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■まとめ

緑内障とは、目が正常な機能を保てる「適正な眼圧」以上の眼圧のために、視神経が障害され、視野が欠けてくる病気で、失明原因の1位の目の病気です。

40歳以上の20人に1人が緑内障ですので、身近な目の病気ともいえます。

ぜひ緑内障について考えてみてくださいね。

→ 緑内障の症状・原因・眼圧・予防 について詳しくはこちら







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緑内障は自覚症状を感じにくいので、40歳過ぎたら眼底検査を受けましょう!

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by 176th Wing Alaska Air National Guard(画像:Creative Commons)

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■緑内障は自覚症状を感じにくいので、40歳過ぎたら眼底検査を受けましょう!

緑内障(上) 乏しい自覚症状 40歳過ぎたら眼底検査を

(2009/12/4、東京新聞)

緑内障は、眼圧(目の中の圧力)などが視神経にダメージを与えて、視野が欠けたり、狭くなったりすると考えられている。多くを占める「開放隅角緑内障」は、長い時間をかけて進行するため、自覚症状を感じにくい。

緑内障は、自覚症状が感じにくいため、発見が遅れやすく、治療が必要になった時には、手遅れというケースもあるようです。

緑内障は以前「眼圧の高さ」がポイントとされてきましたが、正常眼圧でも緑内障になる人は多いのです。

かつては「眼圧が高いと緑内障」という“常識”があった。

一方で、臨床医たちは通常の診察で「正常眼圧でも緑内障の人は多い」と感じていた。

それをデータで証明したのが、日本緑内障学会が二〇〇〇年から〇一年にかけて実施した疫学調査「多治見スタディ」だった。

無作為抽出した四十歳以上の四千人の住民を対象に緑内障検診を実施した結果、四十歳以上の5%が緑内障と診断された。

その中の八割近くを占める「開放隅角緑内障」のうち九割以上が、正常眼圧だった。

常識を疑ってみたことで、正常眼圧緑内障が発見されたということですね。

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さらに緑内障と診断された人のうち、約九割がそれまでも未受診で気付いてもいなかった。

「この調査で、眼科医は緑内障を意識して、じっくり視神経を診なくてはいけないという理解が再確認された」と同学会理事の山本哲也岐阜大眼科教授は評価する。

緑内障外来を開く東京大学付属病院眼科講師の相原一医師も「驚くのは九割は気付いていなかったということ。緑内障がいかに見つかりにくい病気か、はっきりした」と指摘する。

また、この調査では、緑内障だと診断された人のうち、約9割が気づいていないということもわかったそうで、いかに発見するのが難しい病気かということがわかります。

フィリングイン機能(視野を補う)により、緑内障になっても気づきづらい|みんなの家庭の医学によれば、人間は、片方の目に見えない所があっても、もう片方の目で補っており、両目でも視野が欠けているところがある場合、周りの風景から情報を作り出し、あたかも見えているように補正する機能を持っています。

それが、フィリングインという機能なのだそうです。

緑内障は、人間にフィリングイン機能があることにより、視野を補ってしまうため、失明寸前まで視野の欠損に気づきづらいのです。

山本教授によると、緑内障は影が見える、ゆがむなどの「見え方の異常」ではなく、ある部分を感じなくなる「感じ方の異常」。

手を後ろに持っていくと見えなくなる。

それと同じことが目の前で起きている。

急に起きれば誰でも気付くが、何年もかかって少しずつ起きていくので分からない。

さらにもう一方の目が補ってしまうので、上半分ほどの視野が欠けて初めて「何となく見えない気がする」という自覚症状になる。

一度損傷を受けた視神経は元には戻らない。

早く見つけて進行を止めることが、一番の治療。

早期に治療すれば、進行速度を三分の一~四分の一にできるという。

治療成績は「十年で失明するような状態の人が三、四十年に延びる」(山本教授)という。

緑内障は早期発見・早期治療により、進行速度を遅くすることが可能だということです。

ただし、自覚症状が乏しいため、自分で発見するのは難しい病気です。

そのため、定期的に検診を受けることが重要だと言えます。

40歳を過ぎると、緑内障の患者が増加するといわれていますので、40歳を過ぎたら、一度、眼底検査をすることができる検診、または、眼科専門医に診てもらいましょう。

→ 緑内障の症状・原因・眼圧・予防 について詳しくはこちら

■まとめ

緑内障は、視野が欠けていき、失明にもつながる恐れもある目の病気で、40歳以上の20人に一人(17人に一人とも言われています)がかかっているといわれています。

しかし、多くの場合は自覚症状が乏しく発見が遅れやすい傾向にあるようです。

誰にでもなる可能性がある目の病気ですので、ぜひ緑内障検診を受けてください。

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緑内障の症状・原因・治療-大鹿哲郎さん筑波大教授基調講演

Murphy Lecture 11.08.12

by Southern Arkansas University(画像:Creative Commons)

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筑波大学教授(眼科学) 大鹿哲郎さんによる基調講演をまとめたこの記事では、緑内障の症状・原因・治療について詳しく紹介されています。

緑内障 についてはこちら。

この記事から緑内障のポイント・特徴を抜き出してみたいと思います。

 

基調講演 (3) 「早期発見が重要な緑内障」

(2010/6/11、読売新聞)

■緑内障とは

視神経が障害を受け、少しずつ視野が欠けてくる病気です。

進行すると、すべて見えなくなってしまうこともあります。

緑内障は失明する危険を伴う大変怖い病気です。

患者はどれくらいいるのか。岐阜県多治見市で行われた世界的にも有名な疫学調査によると、40歳以上の日本人で、実に驚くべきことに20人に1人、5%が緑内障でした。しかも、その5%のうち、事前に緑内障と診断されていたのは100人のうち11人だけ。9割の人は自分が緑内障とは知りませんでした。緑内障が隠れている人は非常に多いのです。

岐阜県多治見市の疫学調査によれば,40歳以上の20人に1人が緑内障だったそうです。

しかし、そのうち、事前に緑内障と診断されていた人は少なく、9割の人が自分が緑内障だとは気づいていなかったそうです。

このことからわかるのは、緑内障が初期の段階では気づきにくいということです。

緑内障は視覚障害、失明原因の第1位です。第2位が糖尿病網膜症。それで、緑内障になったら、失明宣言されたのと同じと思われるかも知れません。

緑内障が原因の失明は約8・2万人とされています。緑内障の患者は約340万人ですから、全体の2・4%です。全員が失明するわけではない。きちんと発見して治療すれば、ほとんどの方は失明せずに生涯を過ごすことができます。

緑内障は失明原因の1位ですが、定期的に検査を受けて、早期発見・早期治療をすることが緑内障による失明を防ぐことができるそうです。

 

■緑内障の原因

眼圧が原因だとされてきました。眼圧とは目の中の圧力です。タイヤやボールと同じように、目も中に圧力があって膨らんでいる。どの程度の圧力かというと、10から21ミリ水銀柱です。血圧でだいたい上が140未満、下が90ミリ水銀柱未満が正常といわれていますが、眼圧はそれより1ケタ少ない。21ミリ水銀柱以下が正常値。21より上だと高い。

眼圧は1日のうちでも2~3ミリ水銀柱は変動するんですが、逆立ちやストレス、近くのものを根を詰めて見るなどでも眼圧は上がります。夏より冬に上がる。お酒は下げる方にはたらきます。

緑内障の原因は眼球内の圧力が高くなることといわれています。

ただ、後でも紹介されております通り、正常範囲の眼圧でも緑内障になる正常眼圧緑内障というものがあるため、眼圧だけで緑内障かどうかを決めることはできないようです。

 

■緑内障の種類

眼圧は眼球内を満たしている「房水」という透明な液体で、一定に保たれています。房水は、隅角という出口から眼球外に排出されますが、隅角が広いのが開放型、狭いのが閉塞型と、大ざっぱに2種類に分類されます。開放型の方が多く、ゆっくり進行する。その中に高眼圧タイプと正常眼圧タイプがあります。

閉塞型はそんなに数は多くないが、隅角が詰まってしまい、発作が起きることがあります。発作が起きると、目も痛い、頭も痛い、吐き気もする。夜中でも何でも、救急車を呼んで眼科に行った方がいい。我慢すると、失明ということもあります。

緑内障で視野が欠けるのは、眼圧によって視神経がやられてしまうからです。しかし、正常眼圧緑内障というタイプは、眼圧は10~21ミリ水銀柱の正常範囲です。ただ、視神経が普通の眼圧にも耐えられないほど弱いために傷んでしまう。だから眼圧だけで緑内障かどうかは決められませんが、高眼圧と正常眼圧のどちらの緑内障も、症状や治療法は同じです。

視神経の障害は治りません。視神経は生き返りません。それに対応する視野は戻りません。これが緑内障で一番怖いところです。早期発見、早期治療が非常に重要です。

緑内障の種類を分類すると、

●開放型

└ 高眼圧タイプ

└ 正常眼圧タイプ(正常眼圧緑内障)

●閉塞型

 

●緑内障を早期発見・早期治療するには

片方の目の視野が欠けても、両方の目で見ていると、補い合って気付きにくい。片方ずつ、チェックしないと気がつきません。視野の障害は、初期や中期ではなかなか自覚症状がありません。発作が起こることがある閉塞型ではなく、開放型では、少しずつ進行するので気がつかない。視野の4分の1が欠けても、気がつかないこともある。病院に来たら、末期だったということもあります。

それだけに、40歳を過ぎたら、眼科でも、健康診断でもいいですから、目のチェックを受けてください。

片方の目の視野が欠けても、もう片方の目が補ってしまって初期の段階では気づきにくいようです。

40歳を過ぎると、緑内障になる人が増えるということですので、40歳を過ぎたら眼科で診てもらうようにしましょう。

 

■緑内障の治療

どんな治療をするか。患者の多い開放隅角緑内障では、眼圧を下げる目薬が基本です。正常眼圧型も高眼圧型も同じです。まず目薬をつける。1本で効きが悪ければ、2本、3本と増やす。それでもだめなら、飲み薬、レーザー、最後は手術です。たいていは目薬だけでコントロールできる方が多い。

薬は色々あります。代表的な交感神経β受容体遮断薬は目だけではなくて、心臓や気管支にも作用してしまう。心臓に病気がある人やぜんそくの人は使いづらい。

どうしても使わなければならないときは、点眼した後に、鼻にいかないように目頭を押さえる。そうすれば、全身に吸収されることはありません。

一番良く使われているのがプロスタグランジン関連薬です。これは夜1回使ってください。1日1回でいい。夜が一番効きます。

これには副作用があります。目の周りにこぼれると、色素沈着で少し黒くなります。まつげが長くなったりします。これは男性に多い。なぜかというと、顔を洗わないからです。点眼した後に、顔を洗うか、タオルでよく拭く。お風呂に入る前に点眼すればいいのです。

今年、新しい合剤が売り出されます。今までは、交感神経β受容体遮断薬とプロスタグランジン関連薬を5分以上の間隔をあけて点眼しなさいと言われていた。合剤は二つの薬が一つの瓶に入っている。これによって非常に楽になるでしょう。

目薬を付け忘れると、眼圧がすぐに上がってしまいます。1回忘れたぐらいでクヨクヨすることはないが、調査では、4人に1人は忘れています。本当に忘れないでほしい。

緑内障の症状がないと、面倒くさいから、もう薬はやめようと思うこともあるようですが、症状がなくてもちゃんと使いましょう。症状が出てきたら、もう遅い。症状がないことは、いいことなんです。

点眼で進行が抑えられない場合や、点眼でも眼圧が下がらない場合には、手術をしますが、白内障と違って、手術をしたから治るというものではありません。

眼圧を下げて、それ以上進行しないための手術です。しかも1回では済まなくて、効果が出ない場合は2回、3回とやる場合もあります。手術はあくまで最後です。なるべく点眼で進行を抑えておいた方がいい。

緑内障とうまく付き合うためには、毎日使っている薬の名前を覚えましょう。一病息災のつもりで、根気よく付き合ってください。緑内障は1回なったら治ることはないので、一生付き合わなければならない。逆に、緑内障のおかげで、ほかの目の病気は早期発見できるからいいと思うことにする。症状がないからといって、自分で治療を中断しない。疑問な点があれば、主治医によく質問してください。

緑内障の治療は、目薬⇒飲み薬⇒レーザー⇒手術と段階を経ていくようです。

まず大事なことは、目薬を忘れないこと。症状がないため、忘れがちなようです。

ただ、緑内障は症状が出てからでは遅く、症状がないことはいいことだと思うようにした方が良いようです。

点眼で進行が抑えられない、または眼圧が下がらない場合には、手術となるようですが、白内障の手術と違い、手術をしたからといって、治るというものではなく、あくまで眼圧を下げてそれ以上進行させないようにするというものなのだそうです。

手術の段階にならないためにも、進行を抑えるようにきちんと点眼を忘れないようにしましょう。

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