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■肝硬変の3割にNASHが関連している!?
by Bibay Cordero(画像:Creative Commons)
ウイルス性肝炎に匹敵?非アルコール性脂肪肝炎
(2010/12/20、ダイヤモンド・オンライン)
NASHとは非アルコール性脂肪肝炎のこと。
脂肪肝の重症例と考えればよい。
ひと昔前までは、脂肪肝は良性疾患と片づけられていた。
しかし最近はNASHから、肝硬変や肝がんに進展する危険性が明らかになり、肝硬変の3割を占める「原因不明例」の多くにNASHが関係していると考えられている。
肝硬変の3割にNASHが関係しているそうです。
■NASHから身を守るには?
肝臓は「沈黙の臓器」として知られ、再生能力が高く、多少の損傷は物ともしないで働き続ける。
そのため自覚症状が出たときは、すでに病状が悪化していることが多い。
肝機能検査値を手がかりにして普段から自衛が大切だ。
肝機能は主に、ALT(GPT)とAST(GOT)の2項目で判定される。
これらは血液中に流れ出た肝細胞内の酵素の濃度を意味し、肝細胞の破壊が強いほど上昇する。
NASHの前段階、つまり脂肪肝では、まず、ALTが上昇する。
ASTは正常でも、ALTが基準ギリギリから異常値だったら要注意。
また、メタボ健診で引っかかった人はほとんどが脂肪肝になっている。
検査値の警告を無視し、同じ生活習慣を続けると、次はALT、AST共に異常域に入る。
もしASTのほうが大きくなったら赤信号点滅。
NASHの疑いが強まる。
この段階では肝臓のあちこちで、炎症を修復しようと繊維形成が始まっている。
肝臓の繊維が増えるとさすがの肝細胞の再生力も弱まり、あとは肝硬変へまっしぐらだ。
肝臓を守るには、肝機能検査の数値をしっかりと見ていく必要があるようです。
メタボ健診での検査での数値をきちんとみて判断していくといいかもしれません。
■NASHを予防するには?
アルコール性肝炎の原因は「飲み過ぎ」。
たいていは本人に自覚があり、対策も断酒と明解だ。
一方、NASHでは「肥満」が悪いとわかっていても、対策が「生活習慣全般の見直し」と漠然としているので結局放置されてしまう。
しかし、肝硬変末期の治療は肝臓移植だ。
地道に進行を抑えるしかない。
NASHはアルコール性肝炎の対策と違い、生活習慣の改善と漠然としているため、対策をしないでおくことが多いのかもしれません。
NASH予防の原則は、脂肪肝からNASHへの進展を食い止めること。
肥満や脂肪肝と診断されたら食生活を改善し、運動で体重を落とすことが重要だ。
最近では十分な睡眠も大切とされている。
病院では、脂肪肝に対して、肝臓保護の目的でビタミンEや大豆の成分でもあるリン脂質、糖尿病や脂質異常症の治療薬などが処方されるが、基本は生活習慣の改善だ。
ウオツカ大国のロシアの諺に、「若い頃は酒で肝臓を痛めつけ、老いては肝臓に痛めつけられる」というのがある。「酒」を「不健康な生活習慣」に置き換えるとNASHが見えてくる。
NASHを予防するには、肥満や脂肪肝の段階で、食事を改善し、運動をして体重を落とすということが重要なようです。