by mendhak(画像:Creative Commons)
> 健康・美容チェック > 肝臓の病気 > 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH) > NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)はどんな人が注意したい病気!?
■NASHとは
【検証 メタボリックシンドローム】NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)
(2010/1/13、msn産経)
「同じ肝障害でもアルコール性肝炎と違って急変する病気ではない。
NASHは、内臓肥満をベースとした脂肪肝が何十年とかけ徐々に進行して、肝硬変から最後には肝臓がんにも至る可能性もある怖い病気なのです」と西原教授は警告する。
アルコールを普段飲まない人でも脂肪肝になることがあります。
それが、非アルコール性脂肪性肝炎、通称NASHとよばれる肝臓の病気です。
NASHは、肝硬変へと進行し、さらには肝臓がんになるおそれのある怖い病気です。
■どれくらいの方がNASHにかかっているのでしょうか?
西原教授によると、全国各地の報告を集計すると、「NASH」の罹患(りかん)者は、成人の1%超、約150万人と推定される。
米国では成人人口の約3%とされており、BMI(体格指数)30以上だと、10%がNASHの危険群だといわれる。
成人の1%、約150万人がNASHにかかっているそうです。
■NASHはどのように発症するのでしょうか?
西原教授によれば、ちょっと太めで脂肪肝のある人が要注意。
血液検査では、肝細胞が壊れて血液に流出する酵素「ALT」の値が高く、空腹時にもかかわらず、血糖値を下げるインスリン値が上昇している。
この段階は脂肪肝であり、日本肝臓病学会のガイドラインでは、脂肪がたまった肝細胞が、100個の細胞のうち10個あれば、脂肪肝と判定することになっている。
体重を3キロほど落とせばよくなる可能性が高い。
少し太めで脂肪肝のある方が要注意なのだそうです。
しかし、この段階では体重を3キロほど落とせばよくなる可能性が高いそうですので、そういった方は是非注意して体重を落とすようにしましょう。
ただし、そのままにしておくと、病気が進行していきます。
さらに、肥満状態が続くと、肝臓に炎症が起きてくる。
そういう慢性肝炎の状態が、『NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)』といわれる。
こうした慢性肝炎が何年も続くと、肝細胞が風船みたいに膨らんだり、線維化が進むNASHに移行し、肝硬変に行き着く。
その途中でC型肝炎のように、肝がんを発症することもある。
NASHの人が、体重を落とさずに、肥満の状態が続くと、肝臓に炎症がおき、慢性肝炎となる。
そして、慢性肝炎 ⇒ NASH ⇒ 肝硬変 ⇒ 肝臓ガン となるおそれもあるそうです。
■NASHとメタボリックシンドローム
西原教授は「いずれにしても内臓肥満がベースになっていることは間違いありません。
40代後半から50代のメタボリックシンドロームの人には、NASHが隠れていると考えていい。
NASHは、メタボリックシンドロームの肝臓での表現型といえるわけです」と話す。
NASHの指標であるALTなどの検査値は、ほとんど生活習慣病の検査値異常と重なる。
つまり、生活習慣病の進行と同時に、肝障害も進んでいるわけだ。
日本では、BMI25以上の肥満患者では、6~7割がNAFLDの範囲に入る脂肪肝とされ、そのうちほぼ2割がNASHといわれている。
NASHもメタボリックシンドロームも内臓肥満がベースとなっており、40代から50代のメタボリックシンドロームの人は、NASHが隠れていると言っても過言でないようです。
■NASHを予防するにはどうしたらよいのでしょうか?
治療法というと-。
「BMIが増えるのが最初のステップなので減量するのが一番です。まずメタボリックシンドロームを解消すること。
糖尿病では、少しぐらい体重を落としても効果はないが、NASHでは、3キロ減でも随分、ALTなどの数値がよくなります。
肝臓は沈黙の臓器ともいわれ、黙々と働きつづけますが、いったん壊れてしまったら後戻りはできないので、その前にしっかりした対策が肝心なのです」と西原教授。
まずはメタボリックシンドロームを解消することが大事。
NASHの場合には、3キロの減量でも数値が改善されるようです。
まず食事と体重管理が大切。
糖尿病の人は別にして、1日1500キロカロリー。
1日体重50グラムずつ減る勘定で1カ月1キログラム強の減量がベストだ。
運動についても毎食前後に、とにかく15分くらい体を動かすこと。
強い運動でなくて、それぐらいでも体にたまった脂肪の燃焼には効果がある。そして、高血糖、脂質異常などの生活習慣病の改善。
とにかくメタボを解消して体重を落とすことが大事なのだ。
メタボを解消するためにも、運動と食事の改善でダイエットすることが大事ですね。
しかし、自分で、体重管理ができず、ALTの数値が上がってくるような場合には、薬物治療が追加されるそうです。
メタボリックシンドロームでNASHが気になる方は、予防するためにも、まずは、1ヶ月1キロのペースで3キロのダイエットを行いましょう。
肝臓関連ワード
■肝臓とは|肝臓の機能・働き・位置(場所)
■肝臓の病気|肝臓病の初期症状・種類・原因
■脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方
■肝炎とは|肝炎(B型・C型・アルコール性)の症状・原因・チェック
■NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の症状・食事・改善方法
■NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)とは・症状・原因
■肝硬変とは|肝硬変の症状・原因・食事
■肝臓がん|肝臓がんの症状(初期・末期)
■肝機能障害の症状・原因・食事・肝機能の数値
■肝臓の数値・検査値|ALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTP
■ALT(GPT)の基準値|ALTが高い原因
■AST(GOT)の基準値|ASTが高い原因
■γ-GTPの基準値|γ-GTPが高い原因
■胆管とは|胆管がんの症状
■胆のうの位置・働き(機能)・病気(胆嚢炎・胆のうがん)
■肝臓に良い食べ物|肝臓と食事
■亜鉛を含む食べ物・食品|亜鉛不足チェック・摂取量
■タウリンとは|タウリンの効果・効能|タウリンの多い食品・食べ物
■コレステロールとは|コレステロール値を下げる食品・食事
■中性脂肪とは・数値(正常値)・高い原因・下げる(減らす)