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米国や欧州で認知症の発症率が低下しているのはなぜ?2つの仮説

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米国や欧州で認知症の発症率が低下しているのはなぜ?2つの仮説
米国や欧州で認知症の発症率が低下しているのはなぜ?2つの仮説

CDC|unsplash

認知症の発症率、欧米で下がり始めた 科学者が考えた「なぜ」(2020/10/21、朝日新聞)によれば、米国や欧州では認知症の発症率が低下傾向にあるそうです。

アメリカやヨーロッパで認知症の発症率が低下している理由の仮説としては2つあるそうです。

1つは、心血管疾患のリスク要因がコントロールされていること、もう1つは、良い教育を受けていること。

米欧における発症率低下の主な仮説の一つは、特に血圧やコレステロールといった心血管の危険因子の制御が改善されたこと。認知症患者のほぼ全員が、高血圧の結果とみられる血管損傷などの脳の異常も抱えている。

ホフマンによると、高血圧は中年期に最もダメージを招きやすい。若年期に血圧が低く、その後に血圧が高くなった人は認知症を発症する可能性が低くなる傾向がある。

血圧の大幅な変動は、どの年齢でもリスクがある。そうホフマンは付け加えた。

認知症の発症率が低下したもう一つの理由は、より良い教育にあるかもしれない。良質な教育は、たとえば過去に忘れたことのある言葉の同義語を増やした記憶領域など、脳により多くの容量を付与することで保護効果が得られると考えられている。

血圧やコレステロールの制御と同様、教育レベルは過去数十年間で徐々に改善されてきた。「教育は認知症の発症年齢を遅らせるとの仮説があるが、まだそのエビデンス(科学的根拠)は多くない」とホフマンは言う。

■心血管疾患のリスク要因がコントロールされていること

認知症の予防につながる9つのリスク要因によれば、中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病が認知症のリスク要因と考えられています。

そのうちの喫煙・運動不足・高血圧・肥満・2型糖尿病の5つに共通するのは、心臓に良い生活習慣は脳にも良いということです。

国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、脳卒中の経験がある人は、ない人に比べ、認知症のリスクが2・6倍高かったそうですが、脳卒中予防のためのガイドラインと認知症のリスク要因とマッチしている部分が多いです。

高血圧:定期的に血圧を測り、高血圧の人は治療をしましょう。
糖尿病:血糖値を測り、糖尿病または糖尿病予備軍の人は治療を受けましょう。
●不整脈:不整脈が見つかったら、病院に行きましょう。
●タバコ:禁煙しましょう。
●アルコール:飲酒は控えめにしましょう。
コレステロール脂質異常症高脂血症)と診断された人は治療を受けましょう。
●運動:運動することが脳卒中予防につながります。
●塩分・脂肪分:食事の塩分を控えめに、低脂肪の食事をしましょう。
肥満:太りすぎは糖尿病や脂肪肝などの生活習慣病のリスク要因です。
●脳卒中の症状があればすぐに受診。

より具体的に見ていくと、糖尿病と認知症には何らかの関係があるという研究は何度も取り上げてきました。

アルツハイマー患者の脳内、糖尿病と同じ状態に 九大の解剖で判明

(2013/5/7、日本経済新聞)

九州大の生体防御医学研究所によれば、アルツハイマー病患者は、脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に変化することがわかったそうです。

【参考リンク】

糖尿病患者の半数でアルツハイマーの初期症状を確認で紹介した加古川市内の病院に勤務する医師らの臨床研究によれば、糖尿病の通院患者の半数以上に、「海馬傍回(かいばぼうかい)」と呼ばれる脳の部位が萎縮(いしゅく)するアルツハイマー病の初期症状がみられることがわかったそうです。

インスリンには記憶、学習機能を高める作用もあり、糖尿病でインスリン反応性が低下することが、アルツハイマー病発症につながっている可能性があるようです。

インスリン抵抗性を伴った2 型糖尿病にアルツハイマーのリスク|九大研究によれば、インスリン抵抗性を伴った2型糖尿病の場合、アルツハイマーの発症に関係があるとされるプラークが形成されるリスクが高くなるという研究結果が発表されたそうです。

九州大学の研究によれば、血糖値の異常が認められた患者にはプラークが形成されるリスクが高いという結果がでたそうです。

九州大学(Kyushu University)の研究チームは福岡県久山(Hisayama)町の135人(平均年齢67歳)を対象に研究を行った。

対象者に血糖値の検査を行い、その後10~15年間にわたってアルツハイマーの兆候がないか観察した。

研究期間中に対象者の約16%がアルツハイマーを発症した。

対象者の死後に研究チームが脳を調べたところ、65%にプラークが見られたという。

研究チームは、血糖値の異常が認められた患者には、プラークが形成されるリスクが高いとの結果をまとめた。

論文を執筆した九州大学の佐々木健介さんによれば、インスリン抵抗性がプラーク形成の原因と結論するにはさらに研究を進める必要があるものの、糖尿病をコントロールすることによってアルツハイマーを予防できる可能性があるとしています。

糖尿病になると、認知症の発症リスクが2倍高くなる!?で紹介した東京大の植木浩二郎特任教授によれば、糖尿病になると認知症の発症リスクが2倍高くなるそうです。

駆け込みドクター 5月17日|認知症|認知症チェック・認知症予防にアマニ油・デジタル認知症によれば、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクの高さと認知症(アルツハイマー病)には関係があり、アルツハイマー病の発症リスクは、糖尿病だと2倍、高血圧だと2倍、脂質異常症だと3倍になると紹介していました。

糖尿病がアルツハイマーのリスク高める?

(2015/5/26、WSJ)

ワシントン大学の研究者らは、マウスの実験で血糖値を異常に高い値に引き上げたところ、脳内のアミロイドベータの生産も増加し、双方に何らかの相関性があることを突き止めた。

ピッツバーグ大学で実施された約180人の中年の成人を対象とした試験では インスリン依存型(1型)糖尿病の患者は、この疾患を持たない被験者と比べ、はるかに多くの脳内病変が認められ、認知機能は低下していた。

血糖値の高さが脳に影響を及ぼす可能性があることが、2つの研究で示されています。

なぜ血糖値が高いとアミロイドβが生産されアルツハイマーのリスクが高まるのでしょうか。

インスリンはアミロイドから脳を守り、ニューロン(神経単位)と記憶の形成のつながりを改善するとされる。

<中略>

セントルイスのワシントン大学のマウスの実験で医師のデビッド・ホルツマン氏は、糖が脳内のニューロンに刺激を与え、さらにアミロイドが作られると示唆している。

インスリンには血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を調節する働きがありますが、今回の記事によれば、インスリンはアミロイドから脳を守る働きもあるそうです。

アルツハイマー病は、アミロイドβタンパクが脳にたまることで、神経細胞が死滅し、萎縮し、認知機能が低下することから起きると考えられています。

つまり、インスリンの分泌が低下したり、生成されなくなるということは、アミロイドから脳を守ることができなくなり、認知機能が低下してしまうと考えられます。

このように心血管疾患のリスク要因をコントロールすることは脳の健康を守ることにもつながり、生活習慣を改善していることが認知症の発症率低下にもつながっているのではないかと考えられます。

■よい教育

若い時によく勉強した人はアルツハイマー型認知症になりにくい?で紹介したジョンズ・ホプキンス医科大学の研究によれば、高齢になっても認知機能にまったく問題がない修道女は、脳にアルツハイマー型認知症と同じ変化が確認されているにも関わらず、病気の症状が表れにくいことが分かったそうです。

なぜ高い言語技能を習得していることが認知機能の低下を防いでくれるのかはわかっていないものの、結果として認知症を防ぐことにつながっているというのはすごいことです。

実際にはまだエビデンスの段階にまではいっていないものの、良い食事をすること、運動をすること、社会的交流を持つこと、血圧コントロールをすることが認知症予防につながるのではないかと考えられますので、ぜひやっていきましょう!







囲碁・将棋・麻雀などの対戦ゲームをすることは認知症対策に有効!?

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【目次】

■囲碁・将棋・麻雀などの対戦ゲームをすることは認知症対策に有効!?

Continuing Studies

by Simon Fraser University – University Communications(画像:Creative Commons)

MCI(軽度認知障害)の14%が認知症に進み、46%は正常に戻る|国立長寿医療研究センターで紹介した国立長寿医療研究センターによれば、「MCI(軽度認知障害)」の65歳以上の愛知県大府市の住民を4年間追跡調査したところ、14%が認知症に進んだ一方、46%は正常に戻ったそうです。

この調査結果を参考にすると、MCIになったからといって、必ずしも認知症になるというわけではないということですよね。

エゴマ油摂取+脳トレ=認知症予防効果がある!?で紹介した公益財団法人しまね産業振興財団、しちだ・教育研究所、島根えごま振興会、島根大、島根県立大の研究チームが行なった実験によれば、毎日スプーン1杯分のエゴマ油を摂取し、週に1回、計算や読み書きなどの脳トレを実施したグループは何もしないグループよりも記憶力や論理的思考力などの知的柔軟性の評価項目が高くなったという結果が出たそうです。

うつ病性仮性認知症対策|前頭葉の血流を増やす方法は有酸素運動(散歩など)+知的刺激(川柳など)|たけしのみんなの家庭の医学によれば、国立長寿医療研究センターでは、暗算やクイズなどの課題を解きながら速足で歩いたりするような、頭を使いながら有酸素運動する、「コグニション」(認知)と「エクササイズ」(運動)を組み合わせ「コグニサイズ」を勧めており、週1回90分の運動プログラムを10か月間参加したグループでは、認知機能や言語機能が維持されており、また脳の特定部位の萎縮傾向がなかったそうです。

自然と認知機能が回復したのか、それとも検査した住民が頭を使ったり有酸素運動をすることを積極的に行なったために回復したかどうかが気になるところですが、パズルや塗り絵が効果的!認知症の予防方法について(2018年6月)|茨城県メディカルセンターによれば、認知症を予防するためには、頭を働かせる習慣を作ることが効果的と紹介されています。

認知症予防によいものとして、色の識別や図形の認識、記憶といった能力を使う「パズル」、DIYや英会話、パソコンなどの「新しいこと(趣味)を行なう」、「(日記など)読み書きをする」が挙げられています。

クロスワードや読書に認知症進行を遅らせる効果=米研究によれば、クロスワードや読書などの習慣があると、認知症の進行を遅らせる効果があるという研究もあるようですが、過剰に期待させるものでもないという意見もあります。

また認知症の症状が出た人も、「塗り絵や折り紙をする」ことで手先を動かしたり、「昔のことを思い出す」ことで脳が刺激され精神が安定したり、「(囲碁や将棋、麻雀など)対戦ゲームをする」ことがよいそうです。

なぜ「(囲碁や将棋、麻雀など)対戦ゲームをする」ことは認知症に良いのでしょうか?

一つは知的なゲームで頭を働かせることがよいということ。

知的行動習慣とアルツハイマー型認知症の危険度
知的行動習慣とアルツハイマー型認知症の危険度
知的活動とアルツハイマー型認知症の危険度
知的活動とアルツハイマー型認知症の危険度

参考画像:認知症予防・支援マニュアル(平成20年12月、東京都老人総合研究所)

認知症予防・支援マニュアル

(平成20年12月、東京都老人総合研究所)

文章を読む、知的なゲームをするなどの知的な生活習慣が係わっていることも報告されている( Wilson RS ら、2002;Verghese Jら、2003; Wilson RS ら、2007 )。

テレビ・ラジオの視聴頻度、新聞・本・雑誌を読む頻度、トランプ・チェスなどのゲームをする頻度など 7 項目を、 7 点から35点まで点数化してアルツハイマー型認知症の発症危険度を見たところ、 1 点につき危険度が33%減少していたという( Wilson RS ら、2002)(表16 )。

また、チェスなどのゲーム、文章を読む、楽器の演奏、ダンスなどのそれぞれについてよくする人とほとんどしない人を比べると発症の危険度が0.24~0.65と低いことも報告されている(Verghese Jら、2003)(表17 )。

もう一つは、対戦ゲームは相手とのコミュニケーションが必要だということです。

認知症発症率と社会的接触頻度( Fratiglioni ら,2000)
認知症発症率と社会的接触頻度( Fratiglioni ら,2000)

参考画像:認知症予防・支援マニュアル(平成20年12月、東京都老人総合研究所)

認知症予防・支援マニュアル

(平成20年12月、東京都老人総合研究所)

アルツハイマー型認知症の発症には、対人的な接触頻度も大きく関わっていることが明らかになっている。夫婦同居で、子供と週 1 回以上会う、友人または親族と週 1 回以上会う人に比べて、独り暮らしで子供と週 1 回未満しか会わない、友人または親族と週 1 回未満しか会わない、いわば閉じこもりの人は、発症の危険度が 8 倍も高いことが示されている( Fratiglioni L ら、2000)(図 6 )。

認知症の発症リスクが高いのは、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、うつ傾向がある人で紹介した国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、うつ傾向のある人は、ない人の1・6倍認知症を発症するリスクが高いそうです。

社交的な生活が認知症のリスクを減らす可能性=研究によれば、社会的に活発な人はストレスにさらされにくく、孤独で悩みがちな人に比べて、認知症になるリスクは50%低いそうです。

意外に多い高齢者のうつ病|なぜ高齢者のうつ病が多いのか?によれば、高齢者のうつ病が多い理由として次のようなことが挙げられています。

  • 日本人の傾向として、物事を悲観的にとらえる傾向が強いこと
  • 加齢による心身の衰え
  • 重い病気
  • 脳血管障害の後遺症
  • 経済力低下
  • 社会的役割の喪失感
  • 一人暮らしの孤独感

また、一人暮らしの高齢男性、孤食でうつ発症が2・7倍出やすい!?で紹介した千葉大や東京大などのグループによれば、一人暮らしの高齢男性で食事をひとりでとる「孤食」が多い人は、誰かと一緒に食事をすることが多い人に比べて約2・7倍うつ症状が出やすいという研究結果が出ているそうです。

ゴルフで認知症予防!|ゴルフには運動・脳トレ・社会的な交流という認知症予防につながる要素がそろっている!で紹介した国立長寿医療研究センターが2003年に65歳以上だった1万3984人を対象に約9年間健康状態を追跡調査し、社会とのつながりと認知症発症との関係を調べたところ、友人と交流し、地域の活動に参加するなど、社会的なつながりが多い高齢者は、認知症の発症リスクが46%低下するとの研究結果を発表しています。

認知症のリスク要因にはいくつかありますが、うつや孤独はその要素の一つであり、「対戦ゲーム」をすることによって社会的なつながりを持つことは認知症対策にとって重要なのだと思います。

【関連記事】

■認知症のリスクを減らす方法は運動・食事・脳を柔軟にする・人生の目的を持つこと

Boost Your Brain Health|Rush University Medical Center(ラッシュ大学医療センター)によれば、認知症のリスクを減らす方法として、運動・食事・脳を柔軟にする・人生の目的を持つことを挙げています。

簡単に言うと、好奇心をもって、社会とつながりを持ち、健康的なライフスタイルを送ることが認知症を予防する方法だということではないでしょうか?

より具体的に言うと、わからないことがあったら調べる、誰かに尋ねるようにしたりして、日々学習し、自分が関心があるグループと交流を持ち、心臓に良い健康的な生活習慣に変えていくと、自然と認知症予防につながるということです。

認知症予防・対策のためにも、ボードゲームなど大人数と関われるゲームをするグループに参加してみてはいかがでしょうか?

■注目のボードゲーム「私の世界の見方」

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「私の世界の見方」は、様々なお題に対して言葉のカードを使って答えていくワード系パーティゲームです。

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ゴルフで認知症予防!|ゴルフには運動・脳トレ・社会的な交流という認知症予防につながる要素がそろっている!

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【目次】

■ゴルフで認知症予防!

ゴルフが認知症予防に 倉本氏「教本、テキストを」

(2018/3/23、日刊スポーツ)

毎週1回、90分の練習セッションを14回、その後120分間のコースセッションを10回行い、その結果、単語記憶(30点満点)が13点から約14点へ、論理的記憶が約15点から16点半ばへと、いずれも事後の方が数字がアップした。

国立長寿医療研究センター、東大、杏林大、ウィズ・エイジングゴルフ協議会との共同研究で、65歳以上でゴルフ未経験の106人を対象に6か月間に週1回のゴルフ練習を行なったグループは単語記憶や論理的記憶の数字がアップしたことから、ゴルフが認知症予防に役立つことが期待されるそうです。




■なぜゴルフをすることが認知症予防につながるの?

なぜゴルフをすることが認知症予防につながると考えられるのでしょうか?

国立長寿医療研究センター・予防老年研究部の島田裕之部長は「運動不足はアルツハイマー発症の1番の危険因子。ゴルフには運動、脳トレ、社会的活動と認知症予防になる要素がそろっており、ゴルフは認知症の予防になる」と説明した。

今回のポイントは、認知症予防になる要素として、運動・脳トレ(数字の計算)・社会的な交流が挙げられていることです。

認知症の予防につながる9つのリスク要因によれば、|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病が9つのリスク要因として挙げられています。

●運動

中年期の運動によって脳の萎縮や認知機能の低下を予防できる!?によれば、米ボストン大学などの研究チームによるランニングマシンで運動してもらうテストによれば、運動成績が悪かった人は脳が萎縮していることがわかったそうです。

軽い運動でも脳の認知機能は向上する!?によれば、筑波大学体育系の征矢英昭教授らの研究で、ジョギングに相当する運動を短時間行うと脳の中の判断力や注意力を支配する部分の活動が活発になることがわかっており、またウォーキング程度の軽い運動を短時間行なっても脳の認知機能が高まることがわかったそうです。

【関連記事】

●脳トレ

うつ病性仮性認知症対策|前頭葉の血流を増やす方法は有酸素運動(散歩など)+知的刺激(川柳など)|たけしのみんなの家庭の医学によれば、国立長寿医療研究センターでは、暗算やクイズなどの課題を解きながら速足で歩いたりするような、頭を使いながら有酸素運動する、「コグニション」(認知)と「エクササイズ」(運動)を組み合わせ「コグニサイズ」を勧めており、週1回90分の運動プログラムを10か月間参加したグループでは、認知機能や言語機能が維持されており、また脳の特定部位の萎縮傾向がなかったそうです。

また、エゴマ油摂取+脳トレ=認知症予防効果がある!?によれば、公益財団法人しまね産業振興財団、しちだ・教育研究所、島根えごま振興会、島根大、島根県立大の研究チームが行なった実験によれば、毎日スプーン1杯分のエゴマ油を摂取し、週に1回、計算や読み書きなどの脳トレを実施したグループは何もしないグループよりも記憶力や論理的思考力などの知的柔軟性の評価項目が高くなったという結果が出たそうです。

●社会的な交流

社会的つながり多い高齢者、認知症リスク46%減 国立長寿医療研究センターが研究結果

(2017/11/23、日本経済新聞)

国立長寿医療研究センターが2003年に65歳以上だった1万3984人を対象に約9年間健康状態を追跡調査し、社会とのつながりと認知症発症との関係を調べたところ、友人と交流し、地域の活動に参加するなど、社会的なつながりが多い高齢者は、認知症の発症リスクが46%低下するとの研究結果を発表しています。

社交的な生活が認知症のリスクを減らす可能性=研究によれば、社会的に活発な人はストレスにさらされにくく、孤独で悩みがちな人に比べて、認知症になるリスクは50%低いそうです。

■まとめ

今回の研究によれば、ゴルフには運動、脳トレ、社会的活動と認知症予防になる要素が揃っているため、ゴルフは認知症の予防が期待できるということですので、運動する機会がなくて、認知症予防をしたい方はゴルフを始めてみましょう!







【参考リンク】
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【主治医が見つかる診療所】蛭子能収さん、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の合併症と診断

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Newholme Gardens celebrates 20th anniversary

by Bromford(画像:Creative Commons)

2020年7月9日放送の「主治医が見つかる診療所」で、記憶力低下が心配された蛭子能収さんの妻やマネジャーが番組に相談し検査を実施したところ、物忘れや幻視などの症状からレビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の合併症と診断されました。

◎レビー小体型認知症とは?

長引く便秘が「認知症(レビー小体型認知症)」の前兆だった!?|#その原因Xにありによれば、レビー小体とは不要なタンパク質の一つで、これが、脳全体に溜まることで、神経細胞が破壊され認知症状を起こします。

レビー小体型認知症の特徴は「視覚障害」で物が歪んで見え、字が書けなくなったり、幻視症状(いるはずのない人が目の前に現れる)があります。

2016 年3月 コラム 「レビー小体病は全身病」DLBSN 東京 協力医 福井俊哉(かわさき記念病院)によれば、レビー小体型認知症は体のいたるところに症状が現れる全身病と考えた方がよいようです。

◎レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症の症状として、次のような症状が現れるそうです。

  • 脳貧血(立ちくらみのように立ち上がったときに血圧が下がり気分が悪くなる)
  • 血圧の変動
  • 食欲の変動
  • 排泄の問題
  • 体感温度の異常
  • 発汗過多
  • 何でもないところでよく転ぶ
  • 匂いや味がわかりにくい
  • レム睡眠行動異常症

レビー小体型認知症介護ガイドブックによれば、認知機能の変動や幻視、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害、認知機能障害、抑うつ症状、自律神経症状、薬に対する過敏症などが特徴的な症状として挙げられています。

これらの症状が一つだけ現れた時や初期段階の場合は、他の病気と間違えてしまうような症状があります。

◎レビー小体型認知症チェックリスト

  1. 物忘れがある
  2. 頭がはっきりしているときと、そうでないときの差が激しい
  3. 実際にはないものが見える
  4. 妄想がみられる
  5. 鬱的である
  6. 動作が緩慢になった
  7. 筋肉がこわばる
  8. 小股で歩く
  9. 睡眠時に異常な言動をとる
  10. 転倒や湿疹を繰り返す

五個以上該当すれば、レビー小体型認知症の可能性あり!

◎レビー小体型認知症の対処法

レビー小体型認知症の薬と治療方法(幻視やパーキンソン病との関連性)(2018/4/20、NHK健康ch)

  • ドネペジル・リバスチグミン・ガランタミン・などの「抗認知症薬」で症状を改善・進行を遅らせるそうです。
  • 漢方薬
  • 抗精神病薬
  • パーキンソン病の薬(小刻み歩行・ふるえ・筋肉のこわばりがある場合)

◎認知症を予防する生活習慣

マイホスピタル(2014 vol.43)では認知症を予防する生活習慣が提案されています。

  • 糖質や動物性脂肪の摂りすぎを避けて、糖尿病脂質異常症を防ぐ
  • 活性酸素を撃退するビタミンCやビタミンE、βカロチンが豊富な野菜・果物をとる
  • オメガ3脂肪酸(シソ油・エゴマ油、アジ・サバ・イワシなどの青魚に含まれるDHA・EPA)の摂取
  • ウォーキングなどの運動(細胞の新陳代謝を高める成長ホルモンの分泌を促す)







うつ病性仮性認知症対策|前頭葉の血流を増やす方法は有酸素運動(散歩など)+知的刺激(川柳など)を行う「コグニサイズ」|たけしの家庭の医学

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2015年9月1日放送のたけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学のテーマは「腸内フローラ」と「新型認知症」です。

「腸内フローラ」「新型認知症」|たけしのみんなの家庭の医学 9月1日




■新型認知症

Look at that!

by Gabriel Rocha(画像:Creative Commons)

解説 朝田隆 先生

認知症予防|たけしのみんなの家庭の医学 3月10日では、「白質病変」について取り上げましたが、今回は、新型認知症。

新型認知症の特徴は、物忘れ以外には、5つ。

  1. 便秘が多い
  2. 肩こり・頭痛に悩まされている
  3. 食欲が落ち体重が減ってきた
  4. 睡眠中に目が覚める
  5. 以前より疲れやすい

※物忘れ以外に2つ以上当てはまった人は要注意です。

新型認知症とは、「うつ病性仮性認知症」。

うつ病性仮性認知症は、高齢者うつ病から認知症のような物忘れ症状などを発症する病気です。

うつ病性仮性認知症は、前頭葉の血流が下がっていることが原因。

前頭葉の血流を増やすためには、有酸素運動(散歩など)+知的刺激(川柳など)。

軽度認知障害、運動で防ぐ 暗算しながらで効果増

(2015/8/23、日本経済新聞)

運動プログラムとして同センターが推奨しているのが、単に体を動かすだけでなく、頭を使いながら有酸素運動をするというやり方だ。暗算やクイズなどの課題を解きながら速足で歩いたりする。「コグニション」(認知)と「エクササイズ」(運動)を組み合わせ「コグニサイズ」と呼んでいる。

国立長寿医療研究センターでは、頭を使いながら有酸素運動すること、例えば、暗算やクイズなどを解きながら速足で歩いたりすることを勧めているそうです。

このことを「コグニション」(認知)と「エクササイズ」(運動)を組み合わせ「コグニサイズ」と呼んでいるそうです。

週1回90分の運動プログラムを10か月間参加したグループでは、認知機能や言語機能が維持されており、また脳の特定部位の萎縮傾向がなかったそうです。

認知症予防運動プログラム「コグニサイズ」|国立長寿医療研究センター

1. 運動は全身を使った中強度程度の負荷(軽く息がはずむ程度)がかかるものであり、脈拍数が上昇する(身体負荷のかかる運動)
2. 運動と同時に実施する認知課題によって、運動の方法や認知課題自体をたまに間違えてしまう程度の負荷がかかっている(難易度の高い認知課題)
コグニサイズの目的は、運動で体の健康を促すと同時に、脳の活動を活発にする機会を増やし、認知症の発症を遅延させることです。

コグニサイズのポイントは課題が上手くなることではなく、脳へのちょうどいい負荷をかけることで脳の活動を活発にすることです。

そのため創意工夫によって課題の内容を変えていくこと、また一緒にコグニサイズを取り組む仲間と間違えても笑いながら、試行錯誤して楽しんでいくことが大事なんですね。

→ 認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







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