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タンパク質「AIM」を使った腎臓病の猫用新薬が完成





<独自>タンパク質「AIM」を使った腎臓病のネコ用新薬が完成、令和9年春にも実用化へ(2025年3月22日、産経新聞)によれば、タンパク質「AIM」を使った腎臓病の猫用新薬が完成し、早ければ令和9年春ごろの実用化を目指す意向なのだそうです。

【たけしの家庭の医学】スーパー健康長寿物質「AIM(エーアイエム)」の効果|メタボのブレーキ「AIM」に肝臓がんを抑制する働きを発見|AIMで急性腎不全(AKI)を治療|中性脂肪を溶かす【論文・エビデンス】によれば、血液中のタンパク質 AIM(apoptosis inhibitor of macrophage;CD5L とも呼ばれる)は急性腎不全を治癒させる機能を持つが、ネコはAIMが先天的に機能しないため、腎臓内にごみが蓄積し、腎臓病になりやすいことを明らかになっています。

ネコにAIMを投与することで急性腎不全を速やかに改善させ、慢性化する危険を回避することが可能であると考えられます。

「AIM医学研究所」の宮﨑徹所長は「愛猫家の応援に恩返しするため、できるだけ早く、安価で提供したい」と話しているので、期待ですね。







食事中のコレステロール摂取量が1日あたり300mgを超えると心筋梗塞のリスクが15%増加する!




アメリカ心臓協会(American Heart Association)の機関誌JAHAに掲載された論文によれば、食事中のコレステロール心筋梗塞リスクの関連について180,156人の退役軍人のデータを分析したところ、食事中のコレステロール摂取量が1日あたり300 mg を超えると、心筋梗塞のリスクが15%増加し、コレステロール摂取量が1日あたり100mg増えるごとに、心筋梗塞のリスクが5%増加することがわかったそうです。

この結果によれば、食事中のコレステロール摂取量を減らすことにより、心筋梗塞の発症リスクを減らすことができるということができます。

具体的に言えば、DASH食に沿った食生活の変更と、肉や卵の摂取量を減らすことで、心筋梗塞の発症リスクを軽減する可能性があります。

【参考リンク】

■まとめ

これまでにもコレステロールと心筋梗塞の関連性について紹介してきました。

【関連記事】

コレステロールの摂取制限は必要ないと言ったり、必要あると言ったりと答えが変わってしまうと混乱しますよね。

女性は閉経後に血中コレステロールが高くなる場合があるので、注意してくださいね。

→ 悪玉コレステロールを減らす方法|LDLコレステロールを下げる食品・食事 について詳しくはこちら。

→ HDLコレステロールを増やす方法と善玉コレステロール吸う力をアップする方法 について詳しくはこちら。







あなたの腸内は肉派?野菜派?どんな食べ物を食べているかで腸内細菌叢が変わる!その影響は健康や環境にも関わってくる!




学術誌「Nature Microbiology」で発表された研究によれば、食べ物によって腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう;マイクロバイオーム)が変わり、そしてそれが健康に直結していることがわかります。

【参考リンク】

今回紹介する論文は「普段の食事がおなかの中の細菌である腸内細菌叢(gut microbiota)にどう影響するか」を大規模に調べた研究で、具体的には、雑食(肉・乳製品・野菜なんでも食べる)、ベジタリアン(肉は食べない)、ビーガン(肉も乳製品も食べない)の3つのグループを比べて、腸内細菌がどう違うかを5つの多国籍コホート(合計21,561人)のデータを用いて分析しています。

■【補足】腸内細菌叢って何?

腸内細菌叢は、腸に住む何兆もの微生物のコミュニティで、消化や免疫、心臓代謝の健康に深く関わっており、食べ物の種類によって細菌の種類や働きが大きく左右するため、食習慣が健康や病気リスクにどうつながるかを理解する鍵になります。

■研究の方法

研究では、イギリス、アメリカ、イタリアから集めたデータを統合し、雑食(19,817人)、ベジタリアン(1,088人)、ビーガン(656人)の便を調べて、細菌のDNAを解析し、「どんな食事を普段してますか?」というアンケートをもとに3つのタイプに分類しました。

雑食:肉、乳製品、野菜なんでも食べる。

ベジタリアン:肉はNGだけど、乳製品や野菜はOK。

ビーガン:肉も乳製品も一切食べず、植物性のものだけ。

■わかったこと

●食事で細菌が変わる!

雑食:牛肉などの赤肉と関連が強い細菌(Ruminococcus torques、Bilophila wadsworthiaなど)が優勢で、これらは心臓代謝マーカー(血圧やコレステロール)と負の相関(マイナスの影響)で、健康リスクと関連。

ビーガン:野菜や果物を食べると増える、植物繊維を分解する細菌(Lachnospiraceae、Roseburia hominisなど)が多く、心臓代謝マーカー(心臓とエネルギー代謝)に良い影響。短鎖脂肪酸(SCFA)の産生が活発で、炎症抑制や腸バリア強化に寄与。

ベジタリアン:中間的な特徴で、乳製品由来の細菌(Streptococcus thermophilusなど)が目立つ。

●肉 vs 植物:細菌の機能が対照的

肉をたくさん食べる雑食の人は、細菌が肉を分解するのに慣れていて、雑食の細菌は、肉のたんぱく質を分解して(タンパク質発酵)、トリメチルアミン(TMA)を生成し、これがTMAO(心血管疾患リスク因子)に変換される。

ビーガンの細菌は、植物多糖を分解して「短鎖脂肪酸(SCFA)」という健康にいい物質を作り、健康的な腸環境をサポート。ポリフェノール代謝も活発で、抗炎症作用、腸を強くする効果が期待できる。

●食べ物から細菌が入ってくる

乳製品を食べる雑食やベジタリアンでは、ヨーグルトやチーズの細菌(S. thermophilusなど)が腸に定着。

ビーガンでは、野菜についた土壌細菌(Enterobacter hormaecheiなど)が多く、野菜経由で移行してる可能性。

●健康への影響

雑食の細菌は、心臓や血管の病気リスクと少し関連がありそうで、ビーガンの細菌は、心臓代謝のマーカーが良くて、病気予防に役立つ可能性が高い。

■まとめ

今回の研究のポイントは、食事で細菌をコントロールできる、例えば肉多めだと心臓リスクが上がる細菌が増え、植物多めだと健康的な細菌が育つということです。

腸内細菌を「細菌の町」だとたとえてみると、雑食の人は「肉屋」が多くて、ビーガンは「八百屋」が多く、ベジタリアンはその中間で「乳製品屋」もあるイメージ。町の住人(細菌)は、どんなお店が多いかで決まる。

腸内細菌を「生態系」と捉えてみると、雑食は「肉食動物が支配する森」、ビーガンは「植物が豊かな草原」、ベジタリアンは「乳製品の牧場もある中間地帯」で、どんな食事をするかでどんな生態系を作るか、そして健康になるかが決まる。

【補足】

腸を健康に保つ秘訣、意外と簡単な食事のポイントとは、最新研究から専門家がアドバイス(2025年3月18日、ナショナルジオグラフィック)では今回の研究に関連して3つ気になることが書かれていました。

1)同じ野菜ではなくいろんな野菜を食べることで体に良い影響がある

もし毎日ケールのサラダばかり食べているとしたら、ケールを好む細菌だけが餌をもらっていることになる。キャベツを好む細菌もいれば、メキャベツを好む細菌、キヌアを好む細菌もいる。さまざまな微生物に餌を与えることで、さまざまな短鎖脂肪酸が作られ、体にさまざまな良い影響をもたらす。

研究の中では野菜をとることが腸内細菌叢にとってよいことだということでしたが、同じ野菜ばかりを食べていてはその野菜を好む細菌だけが餌をもらっていることになるため、腸内細菌叢をよくするためにはいろんな野菜を食べたほうがいいということですね。

2)フィトケミカル(ファイトケミカル)

 また、カラフルな植物はファイトニュートリエント(植物栄養素、ポリフェノールやカロテノイドなど)の宝庫でもある。例えばその一つであるさまざまな抗酸化物質は、炎症を防ぐ細菌の増殖を促すなどして、慢性疾患から体を守る働きをする。

がんリスクを下げる抗ガン食材とはどんな食べ物なの?で紹介した野菜の色の成分「フィトケミカル(ファイトケミカル)」とは、植物性食品に含まれる物質の総称のこと。

植物性食品には、ビタミンやミネラルなどの栄養素、食物繊維などが含まれていますが、フィトケミカルとは、「色」「香り」「苦味」といった今まで栄養素とは考えられていなかった成分のことをいいます。

食物の5大栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルであり、近年、食物繊維が第6の栄養素として注目を集めました。

そして、今まで食物繊維同様、栄養素と考えられていなかった「色」「香り」「苦味」等の植物性食品の成分のフィトケミカルが第7の栄養素として取り上げられるようになりました。

「色」「香り」「苦味」が実は栄養素であり、同じ野菜ばかりを食べるのではなく、いろんな色の、香りの、苦みの野菜を食べることが健康に良いのではないでしょうか?

【関連記事】

3)ヴィーガンの腸内にはプロバイオティクスがない

セガタ氏らはさらに、ビーガンの腸内にはチーズ、ヨーグルトなどの発酵乳製品に含まれる有益なプロバイオティクス(腸内微生物叢の多様性を高める生きた微生物)がないと指摘している。

発酵乳製品をとらない食生活と摂る食生活で腸内細菌叢が変わるのは間違いがなく、それがどのような影響を与えるのかが気になるところです。

【関連記事】







オレンジなど柑橘類を1日1個食べるとうつ病リスクが20%低下する可能性/ハーバード大学




ハーバード大学の研究によれば、オレンジを1日1個食べると、うつ病のリスクが20パーセント低下する可能性があるそうです。

これは、柑橘類が人間の腸内に生息する細菌の一種であるフェカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(F.プラウスニッツィイ)の増殖を刺激し、神経伝達物質である幸せホルモン(セロトニンとドーパミン)を作りやすくしてくれて、それが脳に届き気分を良くしてくれるそうです。

今回のポイントは、同じリンゴやバナナなどの果物には同じ効果は見られなかったのですが、オレンジやミカンのような柑橘類にだけ見られたそうです。

■【補足】Dietary flavonoid intake and risk of incident depression in midlife and older women123

「食事でとるフラボノイドっていう成分が、うつ病を予防できるのか?」を調べた研究で、フラボノイドの種類(アントシアニンとかフラバノンとか)や、それが入ってる食べ物(ベリーとかオレンジとか)をたくさん食べる人が、うつ病になりにくいか、また65歳以上の看護師さんたちに絞って、お年寄りのうつ病にも効くかをチェックしたところ、フラボノイドをたくさん食べる人は、うつ病になる確率が少し減るそうです。

特に、アントシアニン(ブルーベリーとかに多い)やフラバノン(オレンジとかに多い)が効いていると考えられ、またお年寄りでも同じ傾向が見られました。

つまり、果物や野菜をいっぱい食べると、うつ病になりにくくなる可能性があるということです。

■まとめ

オレンジを1日1個食べるだけでうつ病リスクが20%下がる!

脳腸相関(腸から脳への神経伝達を通じて中枢神経へ働きかけること)という腸と脳の強いつながりを示唆する研究がありますが、これまで柑橘類と脳に関連があるとはわかっていませんでした。

魚は脳の栄養だとよく言われますが、これからは柑橘類も脳の栄養だといわれるようになるかもしれませんね。

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P.S.

起こせ!みかんmovement!みかんレシピの開発で日本のみかんを盛り上げたい!によれば、みかんの消費量は全盛期から77%ダウンになっています。

こころの病気の患者数の状況(平成30年版厚生労働白書)
こころの病気の患者数の状況(平成30年版厚生労働白書)

平成30年版厚生労働白書のこころの病気の患者数の状況を見ると、気分障害の患者数が年々増加傾向にあります。

疑似相関かもしれませんが、ミカンの消費量が減って、気分障害の患者数が増えている現状を考えると、予防的に柑橘類を食べる習慣を身につけるというのは大事なことかもしれません。

そしてもう一つ、こころの病気ではなく脳の病気であるということを改めて見直さないと本当の意味で予防はできないのではないでしょうか?

【参考リンク】

いしだあゆみさん、甲状腺機能低下症のため死去

【訃報】いしだあゆみさんが死去「ブルー・ライト・ヨコハマ」が大ヒットし日本アカデミー賞最優秀主演女優賞も(2025年3月17日、FNN)によれば、いしだあゆみさんが甲状腺機能低下症のため亡くなったことが分かりました。76歳でした。

声優・宮村優子さんはバセドウ病や橋本病にかかっていたことを告白!『コナン』の和葉役を降りて一時は声優引退を考えたことも!によれば、甲状腺機能低下症になると、全身の代謝が低下することによって、無気力、疲れやすさ、全身のむくみ、寒がり、体重増加、便秘、かすれ声などが生じ、女性では月経過多になることがあります。また、うつ病や認知症と間違われることもあります。

気になったのは甲状腺機能低下症を死因として挙げられている点です。

甲状腺機能低下症は直接的な死因になるというよりも、それが引き起こす心血管疾患(心不全や動脈硬化など)などが死因となるケースが多いそうです。

例えば、甲状腺ホルモンが不足すると、心臓や血管に影響を与え、心拍数が低下(徐脈)したり、血圧が上昇したり、コレステロールの代謝が低下し、血中のLDL(悪玉コレステロール)トリグリセリド(中性脂肪)が増加することにより、動脈硬化のリスクが高まり、心筋梗塞などの心血管系疾患のリスクを高めます。

ただ、日本内分泌学会によれば、粘液水腫性昏睡という重度の甲状腺ホルモン不足(甲状腺機能低下症)に際しておこる合併症があり、甲状腺ホルモン薬を勝手に飲むのをやめたり飲むのをわすれたりしたときに発症し、重症で危険な状態ですので、約30%のかたがお亡くなりになると報告されているそうです。