「Health」カテゴリーアーカイブ

これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの?

個人としても「健康」が大事な時代ですが、企業としても「健康」がキーワードになっているのを感じます。

そのことを感じるようになったのは「健康経営」という言葉が出てきたからです。

「健康経営」にはどんな意味があるのでしょうか?




【目次】

■これからの企業の目標は「健康経営」!?

生活習慣病サービスの確立や、社会全体で健康寿命の延伸を支える仕組み~健康経営の促進~|新産業構造ビジョン(経済産業省)
生活習慣病サービスの確立や、社会全体で健康寿命の延伸を支える仕組み~健康経営の促進~|新産業構造ビジョン(経済産業省)

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版)|経済産業省

このため、「従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること。」である、「健康経営」の実施が重要となっている(図表3)

なお、株式会社日本政策投資銀行では、健康経営を、「従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法」と定義している。

健康経営とは、経営の視点から従業員の健康維持・増進について取り組むことが企業にとっての収益性・生産性向上につながるという考え方です。

【参考リンク】

  • 「健康経営宣言」制定のお知らせ(2017/1/25、アフラック)
  • 経済産業省および日本健康会議主催「健康経営優良法人~ホワイト500~」に認定(2017/2/21、明治安田生命保険相互会社)

■「健康経営」への関心が高まっている背景にあるのは何?

Cydcor Conference 2013

by Cydcor(画像:Creative Commons)

生産年齢人口の減少や生活習慣病患者・メンタルヘルス不調者の増加といった社会情勢の変化によって、労働力の確保が困難になったり、従業員の健康悪化が企業経営に大きく影響を及ぼすことがわかってきていることから、企業が従業員の健康づくりを支援して、健康悪化による経営リスクを引き下げようという動きが健康経営に注目が集まっている背景にあります。

●生産年齢人口の減少

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省

総務省の国勢調査によると、2015年の人口は1億2,520万人、生産年齢人口は7,592万人である。。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2048年に1億人を割り、2060年には8,674万人にまで減少すると推計されている

総務省の国勢調査によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、生産人口が減少し、総人口も減少を始めています。

●生活習慣病患者の増加

●メンタルヘルス不調者の増加

メンタルヘルス不調者「増加」=産業カウンセラーの7割が指摘(2009/6/1)で紹介した日本産業カウンセラー協会のアンケート調査によれば、企業で働くカウンセラーの約7割が、職場でメンタル面の不調を訴える人が増加したと考えているそうです。

【関連記事】

●健康と生産性の関係

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

また、喫煙や肥満も生産性を失う要因であり、ダウ・ケミカルのCEOアンドリュー・リバリスによれば「我々が使う機械と同様に、社員も十分にケアすれば、有病率が減り、医療費、業務遂行障害、生産量低下によるコスト(=損失)が削減できる」と語っています。

■「健康経営」による企業へのメリット

●生産性の向上

健康経営に取り組むことにより、体調不良を感じない社員が増えることにより労働生産性の向上や欠勤率の低下が見込まれます。

●医療費負担の軽減

社員割引でダイエット応援|従業員が健康を改善することで企業の医療費の削減につながる|米WHOLE FOODS MARKET(2009/12/9)によれば、アメリカでは多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているため、企業の医療費の削減するためにも、減量や大幅な健康改善に成功した従業員に対し、報酬として社内販売の割引率をアップするという取り組みを行なっています。

健康経営に取り組むことによって、疾病手当の支払いの減少や健康保険料負担の抑制によって、医療費の負担軽減が見込まれます。

●リスクマネジメント

勤務時間が長かったり、責任が重かったりすることなどによる肉体的ストレス・精神的ストレスによって、ミスや事故が生まれてしまったり、労災発生を未然に防ぐことが期待されます。

【関連記事】




■「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいのか?

それでは、企業側は「健康経営」のためにどのように取り組んだらよいのでしょうか?

一般的な例としては、従業員に定期健康診断の受診を勧奨したり、職場環境の課題の改善、従業員自身が行なっている健康維持・増進活動の支援などが挙げられます。

【関連記事】

ただ、食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で取り上げましたが、例えば「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージは実は伝わりにくいメッセージなのです。

「バランスの良い食事」というのは具体的にどうしたらいいかがわかりませんし、目標も立てづらいですよね。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

新品価格
¥886から
(2017/3/31 11:53時点)

つまり、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

ではどのようにしたらよいのでしょうか?

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)ではこのような提案がされています。

例:アメリカ人に健康的な生活をさせるには?
「もっと健康的に行動しよう」と訴えるのではなく、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」というべきなのだ。
飲食行動を変える必要でなく、購入行動を変える。
「もっと健康的に行動しよう」と伝えても、解釈の仕方はいくらでもある。

よくテレビで紹介されているような「○○の不足が病気の原因となる恐れがあるので、△△を食べましょう」というのは、批判もありますが、見ている人に伝わりやすく、行動を変えやすいということなんですね。

例えば、デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったそうです。

しかし、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

「魚は幸運の印である」という地元の俗説を利用して、カントロップという魚の形に成形した鉄の塊(Lucky Iron Fish)を調理中の料理にしたところ、Lucky Iron Fishを使っている地域では鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

普段食べている食事にLucky Iron Fishという鉄の塊を入れるだけで鉄欠乏性貧血が解消するというのは実にわかりやすい方法です。

つまり、「バランスの良い食事にしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあるので、一つにフォーカスを当てて、一年一年改善していくほうが「健康経営」を行ううえで、遠回りなようで近道なのです。

会社の目標は「虫歯ゼロ」という1メッセージは伝わりやすい!会社の健康目標を立ててみませんか?で紹介した「虫歯ゼロの会社」というアイデアというのは、一つの目標にフォーカスをしていて行動をとりやすいですよね。

■「健康経営」で企業が得をする時代になる!?

最近では、健康な人ほど得をする保険が出てきていますが、この動きは企業にも広がりつつあります。

東京海上日動「健康経営」なら保険料割引 大手初

(2017/3/31、Sankei Biz)

 経済産業省が実施する、健康増進の取り組みを評価する制度で、優良法人に選ばれた企業を対象に、従業員の業務上のけがなどを補償する企業向け保険の保険料を5%安くする。

東京海上日動火災保険は、「取引先企業の生産性や業績を健康経営で向上させたい」という目的で、社員の健康増進に取り組む「健康経営」を行なう企業に対し、保険料の割引特典をつけた制度を始めるそうです。

保険会社では、個人向けにですが健康増進活動に対するインセンティブを与えるというところも出てきています。

「ずっともっとサービス」に「健康サポートマイル」を導入|健康増進に取り組むとサンクスポイントが貯まる仕組み|日本生命保険相互会社によれば、日本生命保険相互会社は、健康・介護・育児の無料相談等を備えた「ずっともっとサービス」に「健康サポートマイル」を導入するそうです。

「あるく保険」|健康増進活動に応じて保険料をキャッシュバックする業界初の商品|東京海上日動あんしん生命保険によれば、東京海上日動あんしん生命保険株式会社(あんしん生命)はNTTドコモと共同で、保険加入者にウェアラブルデバイスを貸与し、アプリで計測された健康増進活動に応じて保険料の一部をキャッシュバックする商品「あるく保険(新医療総合保険 健康増進特約付加)」を開発しました。

SBI生命保険、健康管理や生活習慣改善のためのFiNCアプリのサービス対象者を保険加入者全員に拡大によれば、目標達成状況に応じたポイントが付与される「健康インセンティブプログラム」が提供されていて、貯まったポイントはウェルネス・ヘルスケア商品に特化したECサイト「FiNC モール」で利用できるそうです。

【関連記事】

「健康ポイント制度」に医療費を抑制する効果があることが初めて実証されるによれば、運動や検診など健康づくりに取り組んだ人がポイントを受け取って商品券などに交換する「健康ポイント制度」に、医療費を抑制する効果があることが初めて実証されたそうです。

企業も、このように健康増進活動に応じてキャッシュバックしたり、ポイントを付与する仕組みを活用して行くようになっていくのではないでしょうか?

従業員が健康でいることが企業が好調であるという「健康経営」が広がっていくといいですね。

もしかすると、今後は健康経営を行なっている企業のブランド価値が向上し、健康経営の指標が会社選びの重要な基準になる時代も来るかもしれません。







続きを読む これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの?

【ゆるスポーツ】棒サッカーのようなユニバーサルスポーツを「生きがい」にしてみては?棒サッカーは認知症予防にもつながる!?




【目次】

■「棒サッカー」についてご存知ですか?

「棒サッカー」を知ったのはこのツイートがきっかけです。

棒サッカーについては、ぜひ日本棒サッカー協会のページで一度チェックしてほしいのですが、素晴らしいと思ったのは、このスポーツが座ることや棒を振る力があれば、誰でもいつまでもプレーすることができるユニバーサルスポーツだということです。

棒サッカーは高齢者施設でのレクリエーションの一環としてスタートしたそうですが、老若男女問わず、またハンディキャップの有無を問わず、要介護の高齢者でも楽しむことができるスポーツにまで進化しています。

棒サッカー第1回大会

■棒サッカーのようなユニバーサルスポーツを「生きがい」にしてみては?

意外に多い高齢者のうつ病|なぜ高齢者のうつ病が多いのか?によれば、高齢者のうつ病を予防する方法として、社会的役割を持ち続けること、人のために役立っているという生きがいを持つことが重要であると紹介しました。

働く理由
働く理由

参考画像:働く理由|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

厚生労働省政策統括官付政策評価官室委託「高齢社会に関する意識調査」(2016年)によれば、働く理由についてたずねたところ、「経済上の理由(68.1%)」が最も多かったものの、次いで「生きがい、社会参加のため(38.7%)」があり、働くことを通じて、生きがいをもったり、社会とつながりたいという意識を持っている人も多いようです。

働くことだけではなく、スポーツ自体を「生きがい」としてみてもいいのではないでしょうか?

■棒サッカーは認知症予防にもつながる!?

棒サッカー
棒サッカー

参考画像:棒サッカー第1回大会|YouTubeスクリーンショット

Boost Your Brain Health|Rush University Medical Center(ラッシュ大学医療センター)によれば、認知症のリスクを減らす方法として、運動・食事・脳を柔軟にする・人生の目的を持つことを挙げています。

囲碁・将棋・麻雀などの対戦ゲームをすることは認知症対策に有効!?によれば、対戦型ゲームが認知症予防を予防することに役立つ理由として、1.知的なゲームで頭を働かせることがよいから、2.対戦ゲームは相手とのコミュニケーションが必要だから、という理由が挙げられています。

棒サッカーはチームスポーツであり、チームのメンバーが勝つという目標のために協力してコミュニケーションをとっていく必要があります。

認知症予防のために棒サッカーをするのではなく、棒サッカーというスポーツを楽しむことが結果として認知症予防につながるというのがいいとおもいます。

→ 認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

■「ゆる(YURU)」の考え方

■まとめ

40代・50代になると、次第に思ったように体が動かせなくなり、スポーツから遠ざかったりする人もいるのではないでしょうか?

「棒サッカー」に限らず、多くの人が参加できるユニバーサルスポーツにこれからますます注目が集まりそうです!







P.S.

Is this Japanese concept the secret to a long, happy, meaningful life?

(2017/8/9、World Economic Forum)

While there is no direct English translation, ikigai is thought to combine the Japanese words ikiru, meaning “to live”, and kai, meaning “the realization of what one hopes for”.

「生きがい」とは、「生きる理由」の概念や人生の目的を持つ考えの意味ですが、英語には直接的に「生きがい」に当たる言葉はないそうです。

【参考リンク】

超高齢社会の医療課題への準備状況を示した評価指数において日本は13か国中最下位|患者と医療従事者における認識のギャップや新しい医療技術に関する認知不足|#Philips




■超高齢社会の医療課題への準備状況を示した評価指数において日本は13か国中最下位|患者と医療従事者における認識のギャップや新しい医療技術に関する認知不足|#Philips

超高齢社会での医療課題が浮き彫りに 13か国意識調査で日本が最下位
超高齢社会での医療課題が浮き彫りに 13か国意識調査で日本が最下位

参考画像:超高齢社会での、日本が抱える医療課題が浮き彫りに~フィリップスの13か国意識調査で最下位~(2016/6/9、フィリップス・ジャパン)|スクリーンショット

超高齢社会での、日本が抱える医療課題が浮き彫りに~フィリップスの13か国意識調査で最下位~

(2016/6/9、フィリップス・ジャパン)

世界13か国(オーストラリア、ブラジル、中国、フランス、ドイツ、日本、オランダ、シンガポール、南アフリカ、スウェーデン、アラブ首長国連邦、イギリス、米国)において、各国の医療環境に対する患者、医療従事者の意識調査「The Future Health Index:How can connected care help answer the Global health challenge?」(未来の医療環境指数:コネクテッド ケアは医療課題にどう対応できるか?)の調査結果によれば、13か国の評価指数の平均が56.5ポイントでしたが、日本の評価指数は13か国中最も低い数値で49.0ポイントでした。




1.医療アクセス

健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアへのアクセスについて、患者と医療従事者の間で意識の乖離が存在
健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアへのアクセスについて、患者と医療従事者の間で意識の乖離が存在

参考画像:超高齢社会での、日本が抱える医療課題が浮き彫りに~フィリップスの13か国意識調査で最下位~(2016/6/9、フィリップス・ジャパン)|スクリーンショット

・「一連のヘルスケアプロセス」(健康な生活、予防、診断、治療、ホームケア)において、医療に関する情報やリソースへアクセスできると考えている患者の割合はいずれの項目も4割を下回り、医療従事者との間にかい離が存在

「一連のヘルスケアプロセス」(健康な生活、予防、診断、治療、ホームケア)において、「家族/自らの病気に必要な医療リソース」(アクセスできると考える割合:患者18%、医療従事者38%)、「健康的に生活する為の情報/リソース」(患者27%、医療従事者52%)、「病気の予防を助ける薬や治療」(患者34%、医療従事者67%)、「診断の為の検査」(患者37%、医療従事者76%)、「現在/将来の病状に必要な治療」(患者30%、医療従事者68%)となり、医療に関する情報やリソースへアクセスできる(入手・利用ができる)と考えている患者の割合は、医療従事者を大きく下回り、また医療従事者と患者との間には意識に顕著な差が見られました。

・医療従事者は在宅医療へのリソースとアクセスの改善、患者は医療費のコスト削減を求める割合が高い

患者の71%、医療従事者の90%は高齢化を日本の医療が抱える最大の課題と認識しており、高齢化問題への対応について、医療従事者では「在宅医療へのアクセスの改善」を求める意見が最も多く、32%に上ったのに対し、患者では「医療コストの削減」が55%で最多という結果になりました。

・提供されている医療の水準に対するコストについて、医療従事者と患者の意識が異なっている。

患者と医療従事者の意識差は、医療費の自己負担においても顕著に表れており、患者の57%が、提供される医療の水準に比べて、コストが高すぎると回答する一方で、医療従事者の半数に当たる51%は提供する医療の内容とコストのバランスは「適正」と考えており、医療コストについて医療従事者と患者の意識が異なっています。

2.医療の統合

医療の統合の現状について、患者、医療従事者の半数前後が「まったく統合されていない/あまり統合されていない」と回答
医療の統合の現状について、患者、医療従事者の半数前後が「まったく統合されていない/あまり統合されていない」と回答

参考画像:超高齢社会での、日本が抱える医療課題が浮き彫りに~フィリップスの13か国意識調査で最下位~(2016/6/9、フィリップス・ジャパン)|スクリーンショット

・患者、医療従事者の半数前後が、医療の統合が進んでいないとの認識

「医療の統合」(医療界の関係者がそれぞれ独立して患者に対応するのではなく、効果的なコミュニケーションを行いながら、連携して患者の治療に当たる)について、現状については「まったく統合されていない/あまり統合されていない」(患者:46%、医療従事者:59%)と回答しています。

・医療の統合効果として、患者の医療費負担への影響については意見が割れているものの、質の改善については、患者、医療従事者の過半数が有効と考えている

統合がコストに与える影響について、患者では、統合によりコストが「上昇する」と考える人の割合が39%で、「低下する」(32%)、「影響はない」(29%)を上回り、医療従事者では「低下する」(46%)が最も多く、「上昇する」(29%)、「影響はない」(25%)となっています。

【関連記事】

3.「コネクテッドケア技術」の導入

コネクテッドケア技術の導入について、患者、医療従事者ともに半数が賛成
コネクテッドケア技術の導入について、患者、医療従事者ともに半数が賛成

参考画像:超高齢社会での、日本が抱える医療課題が浮き彫りに~フィリップスの13か国意識調査で最下位~(2016/6/9、フィリップス・ジャパン)|スクリーンショット

医療ICTなどを活用し、医療システムの関係者間(医師や患者、病院、保険会社、政府など)における医療情報の共有を可能にする医療技術である「コネクテッドケア」については、在宅医療の推進や、医療の質の向上などに寄与すると考えられているそうです。

・コネクテッド ケアは、患者、医療従事者ともに現状ではほとんど認知がないものの、将来的な技術の導入については半数以上が賛成

日本はコネクテッドケア技術の導入に関する指数が38.4ポイントにとどまり、13か国の平均指数(47.8ポイント)を大きく下回っています。

コネクテッド ケア技術の認知度については、患者の84%、医療従事者の80%が「よく知らない」と回答し、認知度の低さが浮き彫りとなっています。

ただ、コネクテッド ケア技術の導入については、半数の患者(56%)、医療従事者(50%)が賛成しています。

・海外においてはオンラインビデオ診断などのサービスが始まりつつある一方、日本においては患者、医療従事者の半数以上が対面診療を重視

・オンラインの活用については、対面診療に代わるサービスではなく、補完するものとして関心が寄せられている。

コネクテッド ケアに関連して、オンラインを活用した患者と医療従事者のコミュニケーションのニーズについても質問したところ、患者(54%)、医療従事者(59%)が対面診療によるコミュニケーションを希望しました。

また、対面診療をサポートするオンラインサービスの活用法については、「診察予約」(患者:69%、医療従事者55%)、「検査結果の受け取り」(患者:56%、医療従事者48%)、「医学的な質問」(患者:56%、医療従事者44%)に関心があることが分かりました。




■まとめ

今回の意識調査では、将来の医療課題に対する各国の準備状況として、医療アクセス、「医療の統合」に向けた現状、および「コネクテッド ケア技術」の導入状況に対する患者、医療従事者の意識を検証し、「評価指数」として算出したところ、日本は調査対象となった13か国で最も指数が低いことがわかりました。

調査結果からは、患者と医療従事者における認識のギャップや、新しい医療技術に関する認知不足といった、超高齢社会を支えるための医療環境の整備における課題が明らかになりました。

私たちは高齢化に伴う健康や金融リスクを低く見積もりがち!?|英エコノミスト「リアリティ・チェック:健康・経済プラン・QOLが映し出す未来像と現実のギャップ」で紹介した英国の国際経済誌「The Economist」グループの調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が、メットライフ生命の協力の下で、8カ国・地域(オーストラリア・中国・香港・インド・日本・マレーシア・韓国・米国)の計1600人を対象としたアンケート調査を実施し、回答者が考える平均余命や、最も不安に感じている疾患、また退職後の所得に関する自国・地域の相対的なランクなど健康管理や金融資産などに関してまとめた国際調査報告書「リアリティ・チェック:健康・経済プラン・QOLが映し出す未来像と現実のギャップ」によれば、人びとは高齢化に伴う健康や金融リスクを低く見積もっているようです。

国民皆保険制度により、多くの国民が比較的低負担で医療にアクセスできることは、日本の医療制度の大きな特徴なのですが、国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

【関連記事】

日本はもっと現状を知り、患者と医療従事者のあいだの認識のギャップを埋め、新しい医療技術に関して知る努力をし、高齢化社会を迎えるための医療システム改革が必要なのではないでしょうか?

Why Artificial Intelligence is the Future of Growth
Why Artificial Intelligence is the Future of Growth

参考画像:Why Artificial Intelligence is the Future of Growth – Accenture|スクリーンショット

AIで日本の経済成長率が3倍に?–2035年の成長予測をアクセンチュアが発表

(2016/11/18、cnet japan)

日本では、AIシナリオにおけるGVA成長率が、ベースラインシナリオの場合に比べて3倍以上になる可能性

アクセンチュアが発表した「Why Artificial Intelligence is the Future of Growth」によれば、2035年の各国の経済規模について2つのシナリオで予測を行っており、日本では「AIシナリオ(AIの影響力が市場に浸透した場合に期待される経済成長を示す)」における粗付加価値(GVA)成長率は、「ベースラインシナリオ(従来予想の経済成長を示す)」と比べると3倍以上になる可能性があるそうです。

ほかの国と比べても日本はAIを活用することによる恩恵が得られるという予測が立てられているのですが、反対に考えると、日本はそれだけ労働生産性が低いとも考えられます。

このことが全て医療システムに当てはまるわけではないでしょうが、高齢化社会を迎えるにあたって、医療システム改革は必須であるので、これまで以上に医療アクセスや医療統合、コネクテッドケアについて関心をもつ必要があるのではないでしょうか?







【遠隔医療 関連記事】
続きを読む 超高齢社会の医療課題への準備状況を示した評価指数において日本は13か国中最下位|患者と医療従事者における認識のギャップや新しい医療技術に関する認知不足|#Philips

「時間がない」という言い訳はできない?1分間の激しい運動が45分間の穏やかな運動と同じ効果がある!?




【目次】

■1分間の激しい運動が45分間の穏やかな運動と同じ効果がある!?

adidas by Stella McCartney FW09 _ p53_gymyoga

by adifansnet(画像:Creative Commons)

全力で1分間の運動、軽めの45分と効果同じ?

(2016/5/24、CNN)

実験では座ってばかりいた若い男性9人に、1日合計1分間の激しい自転車こぎを週3回、12週間続けてもらった。全力で自転車をこぐ運動は20秒ずつに分割して行い、間に2分間、軽めの自転車こぎをはさんだ。1回の運動時間の合計はウォーミングアップの2分とクールダウンの3分を含めて10分だった。
別の10人は軽めの自転車こぎを45分間、週3回のペースで継続した。
12週目に両グループの運動効果を測定して何もしなかった6人と比較したところ、血糖値や持久力、筋力などについて、激しい運動をしたグループと適度な運動のグループとで同程度の改善が見られたという。

カナダのマクマスター大学の研究チームによれば、1分間の激しい運動を継続すれば、軽めの運動を45分間したのと同じくらいの効果があるそうです。

【参考リンク】

運動をしない理由として、「時間がないから」という人や「運動はある程度の時間、体を動かさないと効果がないから」という人がいると思います。

しかし、運動は短時間でもしっかりと効果を発揮してくれることが以前からわかっています。




■運動は短時間でも効果あり

糖尿病の予防には週に7分の運動でも効果がある=英研究(2009/1/28)によれば、週に7分間の運動でも体内の血糖値を下げるインスリンの働きを改善してくれることにより、糖尿病の予防に役立つ可能性があることを紹介しました。

<糖尿病>1日の歩行時間30分未満、糖尿病のリスク2割増で紹介した国立がん研究センターによれば、1日の歩行時間が30分未満の人は、2時間以上の人と比べて糖尿病になっているリスクが2割高いということがわかったそうです。

ためしてガッテン(NHK)5月12日 AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる

・宮下政司 次席研究員 (早稲田大学スポーツ科学学術院)が、有酸素運動の効果に関して画期的な研究成果を発表したそうです。

自転車こぎ 3分間の運動を一日に10回をしてもらいます。

翌日、脂肪を多く含んだ食事をとってもらい、血液中の中性脂肪の量を詳しく調べたところ、前日運動しない場合に比べ、中性脂肪値が下がっていることがわかったそうです。

運動後1日たっても筋肉に脂肪がたまりにくくなっていたということです。

脂肪を燃やす有酸素運動は、一般的に長い時間行わなければいけないといわれていますが、3分間細切れに行なった運動でも中性脂肪を低下させる効果が出るということです。

・藤井宜晴教授(首都大学東京)

筋肉を動かすと、AMPキナーゼが活性化し、糖や脂肪を効率良くエネルギーに変えてくれることがわかったそうです。

インスリンと同等くらい強力なのだそうです。

・宮地元彦 (国立健康・栄養研究所 運動ガイドラインプロジェクトリーダー)

どんな運動でも筋肉に刺激が入るので、筋肉に刺激が入れば、好ましい結果が得られる。

■まとめ

運動は短時間でもしっかりと効果を発揮してくれますので、生活習慣病を予防するためにも運動を始めてみてくださいね。

→ 糖尿病の運動療法 について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む 「時間がない」という言い訳はできない?1分間の激しい運動が45分間の穏やかな運動と同じ効果がある!?

オンライン診療と対面治療の組み合わせによる禁煙治療の治療継続効果は1.5倍に




■オンライン診療と対面治療の組み合わせによる禁煙治療の治療継続効果は1.5倍に

参考画像:遠隔診療の課題と今後の展望(2017/4/27、内閣府)

「オンライン診療の導入で、禁煙治療の継続効果は1.5倍に」

(2017/9/12、日経デジタルヘルス)

メドレーの川田裕美医師と自治医科大学 地域医療学センターの小谷和彦氏によって論文化が進められている臨床研究によれば、オンライン診療と対面診療を組み合わせた禁煙プログラムは、対面診療のみの治療と比べるとて約1.5倍の治療継続効果が高いという結果が得られているそうです。

なぜ対面診療のみよりもオンライン診療と対面診療を組み合わせた禁煙治療のほうが治療継続効果が高いのでしょうか?

「そもそも対面のみの禁煙外来は、最後まで通院しきる人は半数に満たず、通院の負担やストレスから離脱する。オンライン診療と組み合わせると1.5倍程度の治療継続が可能という結果が得られた」。

今回の研究では、オンライン診療を組み合わせたことで通院の負担やストレスが軽減されたことによって、治療を継続したそうです。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまる|なぜ治療が続けられないのか?によれば、患者の大半がその治療方針を理解し、治療の重要性を認識しているものの、治療に伴う経済的な負担や治療継続へのストレスから治療を続けていくことができないようです。

【関連記事】

治療継続を促すためにも、声をかけ続けることが大事なようで、糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がる|国立病院機構京都医療センターで紹介した国立病院機構京都医療センターによれば、糖尿病予備軍の人に電話で予防のアドバイスを続けることで、発症率が4割下がったそうです。

【関連記事】

Does telemedicine improve treatment outcomes for diabetes? A meta-analysis of results from 55 randomized controlled trials.によれば、オンライン診療を受けた糖尿病患者のほうが血糖値(HbA1c)の改善効果があったという成果もえられているそうですので、オンライン診療を組み合わせることにより、これまで治療継続できなかった人が治療継続をすることによって、治療効果が高まるのであれば、今後は、こうした方法が主流になっていくのではないでしょうか?




【関連記事】

■まとめ

これまでにも遠隔医療につながるサービスについていくつも取り上げてきました。

202×年 空想保険

ライフネット生命が考える、2020年代の近未来の生命保険のサービスを映像にしてみた動画によれば、運動をした特典として保険料の割引が行なわれていたり、病気の治療にテクノロジーが密接に関わるようになることを予想しているように、医療とテクノロジーを組み合わせることによって、より医療が身近なものとなっていくことが期待されます。

今回の研究では、遠隔医療(オンライン診療)治療継続効果を上げることに役立つという研究でしたが、これからは、治療する前の段階の病気の予防・早期発見・病気に対する啓発にも遠隔医療が役立つのではないでしょうか?

例えば、最近では、AmazonのAlexaを搭載したスマートスピーカー「Amazon Echo」やLINEのClovaが搭載されたスマートスピーカー「WAVE」などスマートスピーカーに注目が集まっていますが、このスマートスピーカーと医療アプリを組み合わせて、ユーザーがつぶやいた言葉を記録しておき、その言葉がある一定以上の条件に当てはまると、医療情報が出てきたり、アプリの医療相談ができるような仕組みになると、面白そうですよね。

このようになっていけば、病院へのハードルが低いものとなり、深刻な病気になる一歩前の段階での治療につながっていくのではないでしょうか。

→ 【#未来予測】【#HEALTHTECH】スマートスピーカー×音声分析サービス×AIを活用した病気診断支援システムで予防医療 について詳しくはこちら







【参考リンク】
続きを読む オンライン診療と対面治療の組み合わせによる禁煙治療の治療継続効果は1.5倍に