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もち麦10日間生活&トイレぶらぶら体操で内臓脂肪を減らす!(FUJIWARA原西孝之さん、ニッチェ近藤さん、ナダルさん)【名医のTHE太鼓判】

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■【名医のTHE太鼓判】もち麦10日間生活&トイレぶらぶら体操で内臓脂肪を減らす!(FUJIWARA原西孝之さん、ニッチェ近藤さん、ナダルさん)|7月9日

365.240: Lamb and barley redux

by Jessica Spengler(画像:Creative Commons)

2018年7月9日放送の「名医のTHE太鼓判」では「もち麦10日間生活&トイレぶらぶら体操で内臓脂肪を減らす!」を特集していました。

もち麦には食物繊維が豊富に含まれていて、管理栄養士の浅野まみこさんによれば100gあたり13gの食物繊維が含まれているそうです。

これはゴボウの2倍、白米と比べると26倍なのだそうです。

例:もち麦100g→ゴボウ1.5本

例:もち麦100g→レタス4個

もち麦は、昆布や納豆、にんにく、りんごなどの水に溶けやすい食物繊維とごぼうやサツマイモ、カボチャ、こんにゃくなどの水に溶けにくい食物繊維の両方を持つバランスの良い食材なのだそうです。

もち麦は水溶性食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維「βグルカン」は水を加えるとゲル状になって、後から入ってくる糖分や脂質の吸収を邪魔するだけでなく、絡めて排泄する働きがあります。

→ 食物繊維の多い食品|水溶性食物繊維・不溶性食物繊維 について詳しくはこちら

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もち麦農家の方は、白米7:もち麦3の割合でもち麦ご飯として食べたり、もち麦団子やもち麦味噌汁、もち麦団子、もち麦五平餅、もち麦茶として食べているそうです。

もち麦は食物繊維が豊富なため便秘解消にも効果があります。

もち麦を食べる時のポイントは2つ。

1.朝食べると、余分な糖質を吸収する効果が昼まで続くので、毎朝食べること!

2.もち麦を食べる時は毎食中コップ一杯の水(200ml)を飲むことで満腹感が出て間食防止になる!

■トイレぶらぶら体操のポイント

トイレに行くときに、お腹に力を入れ、姿勢を正し、体をブラブラさせながら歩くだけ。

ベースとなる考え方はスロージョギングの考え方で、普通に歩くより3倍のカロリーを消費してくれるそうです。

一日平均6-8回トイレに行くため、運動量が飛躍的に上がるそうです。

FUJIWARA原西孝之さん、ニッチェ近藤さん、ナダルさんがもち麦10日間生活&トイレぶらぶら体操で内臓脂肪を減らすことに成功しました!

→ 内臓脂肪を減らすには|内臓脂肪の落とし方 について詳しくはこちら







ハーバード公衆衛生大学院の「健康的な食事プレート」を健康的でバランスの良い食事をする参考にしてみてはいかが?




【目次】

■「健康的な食事プレート」|ハーバード公衆衛生大学院

健康的な食事プレート (Japanese)|Harvard T.H. Chan School of Public Health

ハーバード公衆衛生大学院の栄養学専門家とハーバードヘルス出版の編集者たちによって作られた「健康的な食事プレート」は健康的でバランスの良い食事をする手引きです。

野菜と果物をできるだけ多くする-プレートの2分の1

全粒穀物を選ぶ-プレートの4分の1

タンパク質のちから-プレートの4分の1

健康的な植物性油-ほどほどに

水、コーヒー、お茶を摂取する

活動的でいる

ハーバード公衆衛生大学院のサイトでは、「健康的な食事プレート」をコピーして冷蔵庫に貼って、健康的でバランスの良い食事をする際の参考に使ってほしいと紹介されています。

■食事バランスガイド

日本にも、厚生労働省・農林水産省が「何をどれだけ食べたら良いのか」について、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示した「食事バランスガイドがあります。

食事バランスガイド|農林水産省
食事バランスガイド|農林水産省

参考画像:食事バランスガイド|農林水産省|スクリーンショット

バランスの良い食事をしている人ほど、病気の死亡リスクが減る|脳血管疾患なら2割減

 ◇「食事バランスガイド」で示す料理の分量(1日分)

主食(ご飯、パン、麺)…ご飯中盛り4杯程度

副菜(野菜、キノコ、イモ、海藻料理)…野菜料理5皿程度

主菜(肉、魚、卵、大豆料理)…3皿程度

牛乳・乳製品…牛乳なら1本程度

果物…ミカンなら2個程度

食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で紹介した国立がん研究センターの多目的コホート研究によれば、食事バランスガイドの遵守得点が高いほど総死亡のリスクが低下し、遵守得点が10点増加するごとに総死亡リスクが7%減少するという結果が出ているそうです。

死因別に見てみると、食事バランスガイドへの遵守得点が10点増加するごとに、循環器疾患死亡リスクが7%減少、脳血管疾患死亡リスクが11%減少しています。

また、このほかにもバランス良い食事をするアイデアとして、1975年型の食事、できるだけ多くの食材の組み合わせをキーワードにした「まごわやさしい」や「オサカナスキヤネ」というものもあります。




1975年型の日本食を食べると健康になる!ヒトの実験でも証明|その食事の特徴とは?|東北大

1975年型食事が健康によい!?(都築毅)|#世界一受けたい授業
によれば、1975年型の食事メニューを粉末化し、餌に混ぜてマウスに8カ月間食べさせたところ、内臓脂肪が蓄積しにくく、血中のコレステロールの値も低いことが分かったそうです。

【1975年の食事】

  • 1975年の食事は、果実類、海藻類、魚介類が豊富で、卵や豆類、砂糖なども使われていた。
  • 肉ではなく魚介類からタンパク質や脂質を主に摂取している
  • ワカメやヒジキなどの海藻を多く食べており、食物繊維が豊富にとれていた
1975年型の日本食の献立例
1975年型の日本食の献立例

参考画像:健康的な日本食の健康有益性を検証~1975 年の特徴を有した健康的日本食のヒト介入試験より~|PDF(2016/9/12、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

健康的な日本食の特徴(多様性・調理法・食材・調味料・形式)
健康的な日本食の特徴(多様性・調理法・食材・調味料・形式)

参考画像:健康的な日本食の健康有益性を検証~1975 年の特徴を有した健康的日本食のヒト介入試験より~|PDF(2016/9/12、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

第1として、「多様性」で、いろいろな食材を少しずつ食べていました。主菜と副菜を合わせて3品以上ありました。第2として、「調理法」で、「煮る」、「蒸す」、「生」を優先し、次いで、「茹でる」、「焼く」を、「揚げる」、「炒める」は控えめでした。第3として、「食材」で、大豆製品や魚介類、野菜(漬物を含む)、果物、海藻、きのこ、緑茶を積極的に摂取し、卵、乳製品、肉も適度に(食べ過ぎにならないように)摂取していました。第4として、「調味料」で、出汁や発酵系調味料(醤油、味噌、酢、みりん、お酒)を上手く使用し、砂糖や塩の摂取量を抑えていました。第5として、「形式」で、一汁三菜 [主食(米)、汁物、主菜、副菜×2] を基本として、いろいろなものを摂取していました。

■まごわやさしい

脂肪肝の改善方法では、出来る限り多くの食材を使うようにすることが肝臓にやさしい食事ということを紹介しましたが、1975年型の食事は多くの食材を少しずつ食べることが実践できていたと考えられます。

さまざまな食材の組み合わせのキーワードは「まごわやさしい」。

  • 「ま」は、豆類。
  • 「ご」は、ゴマ類。
  • 「わ」は、わかめなど海藻類。
  • 「や」は、野菜類。
  • 「さ」は、魚(魚介類)。
  • 「し」は、しいたけなどきのこ類。
  • 「い」は、いも類。

■オサカナスキヤネ

【あさイチ】女性が注意したい脂肪肝の原因(甘いものの食べ過ぎ)|オリーブオイルと脂肪肝|肝臓を守る方法は「おさかなすきやね」

  • オ:オリーブオイル
  • サ:魚類
  • カ:海藻類
  • ナ:納豆
  • ス:酢
  • キ:キノコ
  • ヤ:野菜類
  • ネ:ネギ類

■まとめ|「バランスの良い食事にしましょう」は最も正しいメッセージであり、最も伝わりづらいメッセージ?

バランスの良い食事をすることは健康に良いということは多くの人はわかっていると思います。

ただ、多くの人に健康的な生活をしてもらうようにするためには、もっと皆さんの生活の現状を知り、人々の心理を知ることが大事だと思います。

例えば、ミシェル・オバマ大統領夫人が推奨する「ダイエット・プロジェクト」とは?で紹介した元アメリカ大統領夫人のミシェル・オバマ夫人のシカゴ時代のエピソードが興味深いです。

疲れた夜にドライブスルーの誘惑

ミシェル・オバマ夫人が、記者団に語るシカゴ時代の自分自身のエピソードにこんなものがあります。

「弁護士の仕事を持つ母親として、会議と子供たちのサッカーやバレー教室と駆け回った日の夜には、簡単で安いファーストフードのドライブスルーや、電子レンジで温めるだけの栄養バランスのとれていない食事を子供たちに出していた」--。

自分がそうだったからこそ、多くのアメリカ人が、栄養バランスのとれた食事の大切さは知ってはいるものの、新鮮な野菜や魚などを買うための支出と、手に入れた素材を調理する手間と時間を考えるとき、それよりも数百円で手に入れることができる完成したファーストフードの魅力が大きいと感じてしまう。

これは実感としてとてもよく理解できることだ、というのです。

健康について関心がある人は、新鮮な魚や野菜を買って、料理を作った方が良いということはわかっていると思います。

しかし、仕事・家事をして疲れてしまうという生活をしていると、調理する時間や家計のことを考えてしまい、ファストフードの魅力を感じてしまう人も多いと思います。

そこで、手軽で安いファストフードや冷凍食品に頼りがちの生活になってしまいがちです。

貧乏な人ほど生活習慣は不健康!?|人は(時間・お金・食べ物など)不足を認識したとき行動が変わる!で紹介した歴史家のルトガー・ブレグマンさんの動画で紹介されているプリンストン大学のエルダー・シャフィア教授によれば、人は不足(時間・お金・食べ物を含む)を認識したとき行動が変わるそうです。

貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である|TED

その人が愚かだから 愚かな選択をしているのではなく どんな人であっても 愚かな選択をしてしまうような 状況に置かれているからです

つまり、低所得者の人たちはわざわざ野菜を摂取しないライフスタイルを選択しているわけではなく、低所得だからこそ野菜を摂取しないライフスタイルを選択してしまうような状況に置かれているということです。

そのように考えると、バランスの良い食事というのは個人の問題ではなく、社会の問題ということが分かります。

それではどのような対策をしたらよいのでしょうか?

東京との足立区の取り組みが興味深いです。

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルによれば、東京都足立区の平均年収は23区で最も低い300万円台前半(港区の3分の1程度)で、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多いそうです。

そこで足立区は区民が「自然と」健康になるようにする対策として行なったのが、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたそうです。

この取り組みによって、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。

このように、個人の選択に任せるのではなく、社会全体として自然と健康的な食事を摂ってしまうような社会に変えていくというアイデアが考えられます。

もう一つは、「バランスの良い食事=できるだけ多くの食材を使って健康になりましょう。」というのは簡単ですが、「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージは実は伝わりにくいのです。

会社の目標は「虫歯ゼロ」という1メッセージは伝わりやすい!会社の健康目標を立ててみませんか?で紹介した『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

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つまり、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

ではどのようにしたらよいのでしょうか?

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)ではこのような提案がされています。

例:アメリカ人に健康的な生活をさせるには?
「もっと健康的に行動しよう」と訴えるのではなく、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」というべきなのだ。
飲食行動を変える必要でなく、購入行動を変える。
「もっと健康的に行動しよう」と伝えても、解釈の仕方はいくらでもある。

よくテレビで紹介されているような、○○の不足が病気の原因となる恐れがあるので、△△を食べましょうというのは、見ている人に伝わりやすく、行動を変えやすいということなんですね。

デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったそうです。

しかし、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

「魚は幸運の印である」という地元の俗説を利用して、カントロップという魚の形に成形した鉄の塊(Lucky Iron Fish)を調理中の料理にしたところ、Lucky Iron Fishを使っている地域では鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

普段食べている食事にLucky Iron Fishという鉄の塊を入れるだけで鉄欠乏性貧血が解消するというのは実にわかりやすい方法です。

そして、メッセージは1つのほうが相手は受け取ってくれます。

紙をいくつか丸めて相手に投げてみることをイメージしてみてください。

丸めた紙がいくつもあると、相手は受け取れず、落としてしまいます。

そう、その丸めた紙こそが「メッセージ」なのです。

つまり、「バランスの良い食事にしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあるので、もっとシンプルで効果的なワン・メッセージを考えていく必要があるのでないでしょうか?







*良い情報が入るたびに今後アップデートしていきます。

【おすすめの健康的ライフスタイル10箇条】
続きを読む ハーバード公衆衛生大学院の「健康的な食事プレート」を健康的でバランスの良い食事をする参考にしてみてはいかが?

断熱改修等で室温を安定させることが高血圧予防につながる!

> 健康・美容チェック > 生活習慣病 > 高血圧 > 血圧を下げる方法 > 断熱改修等で室温を安定させることが高血圧予防につながる!




【目次】

■断熱改修等で室温を安定させることが高血圧予防につながる!

断熱改修等による居住者の健康への影響調査によれば、室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧(最高血圧、最低血圧ともに)の季節差が顕著に小さく、安定しているということがわかってきているそうです。

※野菜(よく食べる)、運動(なし)、喫煙(なし)、飲酒(毎日)、降圧剤(なし)、BMI/ 塩分チェック得点/ 睡眠の質/ 睡眠時間/ 前夜の飲酒有無(男性調査対象者の平均値を投入)

また、局所暖房(例:居間のみを暖める暖房)よりも、住宅全体を暖房する方が高血圧予防の観点から見ると好ましいということも示唆されています。

つまり、住宅全体を暖房することにより室温を安定させることが血圧の安定、高血圧予防につながるということですよね。

■まとめ

断熱改修等で室温を安定させることが高血圧予防につながる!
断熱改修等で室温を安定させることが高血圧予防につながる!

unsplash-logoGerson Repreza

よく血圧が高い人は寒暖差に注意が必要といわれますよね。

冬(1月・2月)は心筋梗塞・脳梗塞が起こりやすい季節!?で紹介した死亡月別にみた心疾患-脳血管疾患死亡(厚生労働省)によれば、月別の死亡者数を比較すると、心筋梗塞などの心疾患、脳卒中・脳梗塞などの脳血管疾患による死亡は冬(1月・2月)に多いことがわかります。

また、家の中の温度差や熱い風呂で心筋梗塞|たけしのみんなの家庭の医学 1月25日によれば、温度の高い場所では熱を放出しようと広がり、温度の低い場所に移動すると、今度は熱を逃がさぬよう収縮するため、血圧が急激に上昇し、この温度差が大きいほど血圧は上がり、危険度が増してしまうのです。

今回のデータによれば、室温を安定させることが高血圧予防につながることがわかりました。

血圧を安定させるためにも、断熱改修を行って室温を安定させるのも一つのアイデアとして考えてみましょう!

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら







【関連記事】

健康診断の新たな基準値(血圧・BMI・肝機能・総コレステロール・LDLコレステロール)とは?|健診基準値が厳しすぎて健康な人でも上限超えてしまう!?|2017-2018

日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は、健康な人であっても、性別や年齢によっても基準値を超えてしまうことがあり、現在使われている基準値は厳しすぎるとの研究結果をまとめました。

現在の健康診断に使われている基準値とはどのようになっているのでしょうか?




【目次】

■2018年4月1日より日本人間ドック学会の判定区分表が一部改訂

【追記(2017/12/26)】

2018年4月1日より日本人間ドック学会で定める基本検査項目表及び判定区分表が一部改訂されるそうです。

判定区分表2018年4月1日改定版|日本人間ドック学会

詳しくはご覧いただくとして、A異常なしについての数値の項目を紹介させていただきます。

BMI 18.5-24.9
腹囲(男性)84.9cm以下 (女性)89.9以下
収縮期血圧 129以下
拡張期血圧 84以下
心拍数(仰臥位)45-85
呼吸機能(スパイロメトリー)一秒率(%)70.0以上 %一秒量80.0以上(一秒率70.0%以上) %肺活量(%) 80.0以上
総たんぱく(g/dL)6.5-7.9
アルブミン(g/dL)3.9以上
クレアチン(mg/dL)(男性)1.00以下(女性)0.70以下
eGFR 60.0以上
尿酸(mg/dL)2.1-7.0
HDLコレステロール(mg/dL)40以上
nonHDLコレステロール(mg/dL)90-149
LDLコレステロール(mg/dL)60-119
中性脂肪(mg/dL)30-149
AST(GOT)(U/L)30以下
ALT(GPT)(U/L)30以下
γGTP(U/L)50以下

■健康診断の新たな基準値(血圧・BMI・肝機能・総コレステロール・LDLコレステロール)とは?|健診基準値が厳しすぎて健康な人でも上限超えてしまう!?

Doctor Themed Cupcakes

by Clever Cupcakes(画像:Creative Commons)

健診基準値、厳しすぎる…健康な人でも上限超え

(2014/4/4、読売新聞)

その結果、例えば最大血圧は、解析したデータの上限は男女とも147で、学会が定めた基準値129を上回っていた。一方、中性脂肪は女性の場合、基準値(30~149)の範囲に収まっていたが、男性は上限が大幅に上回り、男女差が見られた。

また、悪玉と言われるLDLコレステロールや、糖尿病の診断に使われるヘモグロビンA1c(エーワンシー)は、男女とも上限値が基準値を上回った。

いずれの項目も、男性では年齢による差はなかったが、女性は年齢が上がるにつれて数値も高くなった。

日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は、健康な人であっても、性別や年齢によっても基準値を超えてしまうことがあり、現在使われている基準値は厳しすぎるとの研究結果をまとめました。

健診を受けることで健康かどうかをわかりやすくするための基準値を設けるというのは重要だと思いますが、現在の検診の状況というのは、本末転倒であって、健診を受けることで、健康な人が不安になってしまい、健康を損ねてしまうという状況を生み出しています。

総合的に判断できるように何らかの方法を考える必要があるのではないでしょうか。




■現行の判断値と新しい基準値の比較

【追記(2014/4/7)】

「健康」基準、緩めます 血圧・肥満度など、学会見直し

(2014/4/5、朝日新聞デジタル)

20140405健康診断の新たな基準範囲(日本人間ドック学会調べ)

参考画像:朝日新聞デジタル

■現行の判断値

収縮期血圧 130mmHg未満

拡張期血圧 85mmHg未満

肥満(BMI値) 25未満(男女とも)

肝機能(ALT<GPT>) 0-30

総コレステロール 140-199

LDLコレステロール 60-119

■新しい基準値

収縮期血圧 88-147mmHg

拡張期血圧 51-94mmHg

肥満(BMI値) 男性18.5-27.7 女性16.8-26.1

肝機能(ALT<GPT>) 男性10-37 女性8-25

総コレステロール 男性151-254 女性(30-44歳)145-238 女性(45-64歳)163-273 女性(65-80歳)175-280 

LDLコレステロール 男性72-178 女性(30-44歳)61-152 女性(45-64歳)73-183 女性(65-80歳)84-190 

健康診断の新たな基準範囲が発表されました。

肝機能は、男性が緩和されているのに対して、女性は少し厳しくなっています。

理由としては、アルコールを分解する肝臓の大きさも男性より小さいため肝障害のリスクが高いからと考えられます。

→ 脂肪肝 について詳しくはこちら

→ 肝臓 について詳しくはこちら

→ 肝臓の病気 について詳しくはこちら

→ → NASH(非アルコール性脂肪性肝炎) について詳しくはこちら

【関連記事】

総コレステロール・LDLコレステロールは、男性女性ともに基準値が大幅に緩和されており、女性の場合は、年齢で三段階設けられています。

→ コレステロール について詳しくはこちら

→ 悪玉コレステロール について詳しくはこちら







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脂肪燃焼体質を作るには寒さの感知とエピゲノムの変化が重要|ベージュ脂肪細胞に誘導することで肥満や2型糖尿病、生活習慣病の治療や予防につながる期待【論文・エビデンス】




■脂肪燃焼体質を作るには寒さの感知とエピゲノムの変化が重要|ベージュ脂肪細胞に誘導することで肥満や2型糖尿病、生活習慣病の治療や予防につながる期待

恒温動物には、寒冷環境に適応するしくみ(持続的な寒さに対し、体には脂肪を燃焼し、熱を産生し、体温を維持するしくみ)が備わっています。

急激に環境の温度が低下すると交感神経系が活性化し、褐色脂肪細胞で脂肪が燃焼され、熱が産生されます。

白色脂肪組織は、エネルギーを脂肪として貯める役割を持っていますが、熱産生能を有しておらず、熱産生に関与する遺伝子も発現していないそうです。

しかし、寒冷環境が長期に持続すると、白色脂肪組織でも、脂肪燃焼と熱産生に関わる遺伝子が誘導され、寒冷環境に個体が耐えられるよう適応していくそうです。

細胞には、「エピゲノム」というゲノムの後天的な調節機構が備わっており、エピゲノムのしくみにより細胞の種類ごとに働く遺伝子(活動中)と働かない遺伝子(休止中)が明確に決められています。

エピゲノムとは、後天的なゲノム(生命の設計図)への化学修飾のことで、すべてのゲノム遺伝情報のうち、実際に働く領域(活動中)と働かない領域(休止中)、すなわち RNA として転写される領域と転写されない領域があり、これらは後天的にゲノムにほどこされる化学修飾によって決められています。

環境の変化に個体が適応するために、エピゲノムは環境によって様々に変化し、遺伝子の発現を調節し、細胞の形質を変化させているのです。

つまり、さまざまな環境の変化に適応できるのは「エピゲノム」のおかげというわけです。

→ エピジェネティクスとは?意味|簡単にわかりやすくまとめました【入門編】 について詳しくはこちら

それでは、恒温動物が長期の寒冷刺激を受けると、どのようにして遺伝子に寒冷環境に適応した体質への変化を促すのでしょうか?

脂肪燃焼体質を作るには、寒さの感知とエピゲノムの変化が重要 エピゲノム(遺伝子の後天的修飾)を介した寒冷環境への適応機構の解明

(2018/4/20、東北大学プレスリリース)

今回の研究から、寒冷環境への適応のしくみについて、(1)恒温動物が寒さに直面すると、褐色脂肪組織の JMJD1A が寒さを感知することで急速な熱産生を行い、(2)寒さが長期に持続すると白色脂肪組織の JMJD1A が寒さをエピゲノムに伝え、脂肪を燃焼し熱を産生する「誘導型」のベージュ脂肪細胞を新たにつくる、ということがわかりました。

また、白色脂肪組織のベージュ化では、寒さの感知による JMJD1A のリン酸化(第一段階)、ヒストン脱メチル化によるエピゲノムの変化(第二段階)、という機構を介して、「休止中」の脂肪燃焼と熱産生に関わる遺伝子を「活動中」にし、慢性的な寒さに適応することが初めて明らかとなりました。

東京大学先端科学技術研究センター/東北大学大学院医学系研究科の酒井寿郎教授、群馬大学生体調節研究所の稲垣毅教授、学術振興会特別研究員の阿部陽平、東京大学大学院薬学系研究科大学院生の藤原庸佑および東京大学大学院医学系研究科大学院生の高橋宙大らの研究グループは、遺伝子がエピゲノムによって通常は「休止中」となっている「白色脂肪組織(脂肪の蓄積を行なう)」に着目し、慢性の寒冷刺激による脂肪組織のベージュ化過程におけるエピゲノム解析を行なったところ、寒冷刺激を受けるとアドレナリン作用によってヒストン脱メチル化酵素 JMJD1A(エネルギー消費、性決定、腫瘍形成、低酸素による応答など、環境変化に多様に応答して機能する)がリン酸化され、寒冷刺激が持続すると必要な機能を獲得した JMJD1A がエピゲノム変化を介して「休止中」だった脂肪燃焼と熱産生に関わる遺伝子群を「活動中」にし、遺伝子を発現させて、ベージュ化を誘導し、寒冷環境に慢性的に適応する仕組みがあることが分かりました。

■エピゲノム変化と細胞の質の変化がもたらす寒い環境への慢性的な適応のしくみ

図:エピゲノム変化と細胞の質の変化がもたらす寒い環境への慢性的な適応のしくみ|東北大学
図:エピゲノム変化と細胞の質の変化がもたらす寒い環境への慢性的な適応のしくみ|東北大学

参考画像:脂肪燃焼体質を作るには、寒さの感知とエピゲノムの変化が重要 エピゲノム(遺伝子の後天的修飾)を介した寒冷環境への適応機構の解明(2018/4/20、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

個体が急激に寒さにさらされると、褐色脂肪細胞で熱産生遺伝子の発現が急上昇し、熱産生容量が急速に増加する。

→ この寒さが慢性的に持続すると、白色脂肪組織に熱産生遺伝子が発現し、熱産生能を獲得し、慢性的な寒さに適応する。

急性の寒冷刺激では、褐色脂肪組織の JMJD1A がリン酸化され、「ほどけたクロマチン構造」を持つ「活動中」の状態にある熱産生遺伝子の高次構造を変化させ、転写を 急速に誘導します。

クロマチン:ゲノム DNA はヒストンに巻き付いて存在する。クロマチンとはこのヌクレオソームと呼ばれる最小単位は繊維状につながった構造体。クロマチンは何重にも巻いた複雑な構造をとってクロモソーム(染色体)として核内にとして収まっている。クロマチン繊維が構造的にほどけている領域は遺伝子が活発にはたらく領域(活動中)で、凝集している領域は遺伝子がはたらかない領域(休止中)となる。クロマチンの一部にメチル化酵素によって「休止中を示すメチル化標識」がつけられると、凝集したクロマチン繊維となり遺伝子がはたらかない領域になる。一方、この「休止中を示すメチル化標識」が脱メチル化酵素によってはずされますと、ほどけたクロマチン繊維となり、遺伝子が活発にはたらく領域となる。

エピジェネティクスとは?意味|簡単にわかりやすくまとめました【入門編】によれば、人間の体には50兆個ほどの細胞が体にあり、その全部に1.8メートルのDNAが「ヒストン(Histone)」と呼ばれるタンパク質の集合に巻き付ける方法で、40万分の1サイズの細胞の核に納められているいるそうです。

ヒストンは「分子の糸巻き」に例えられ、細胞の中にはヒストンが約3千万個入っているそうです。

ヒストンにDNAが巻き付いたものは「クロマチン(Chromatin)」と呼ばれるそうです。

遺伝子がクロマチン構造の中に固くぎゅっとしまっているときには遺伝子がそこにあるにもかかわらず遺伝子は解読できない状態にあるのですが、ここでエピジェネティクスが関係します。

エピジェネティック・マーク(Epigenetic Marks)はクロマチン上に存在する小さな科学的符号で構造を締めるか緩めるかというクロマチンへの命令を補助するもので、それらの命令は細胞がどのようにDNAに書かれた細胞の働きや分化に関する情報である遺伝コードを読み取るかに影響します。

例えば、クロマチンの凝縮を促進するエピジェネティック・マークがあると、潜在的遺伝子は妨害され、細胞は遺伝情報の解読ができない、つまり、遺伝子をオフにするのです。

クロマチンの脱凝縮(緩めること)を促進するエピジェネティック・マークがあると、細胞内で遺伝子への到達しやすさが増す、つまり、遺伝子読解をオンにするのです。

「凝集」した「休止中」の状態にある皮下白色脂肪組織の熱産生遺伝子が JMJD1A のリン酸化とヒストン脱メチル化活性によって「休止中」のヘテロクロマチンから、「活動中」のほどけた構造をもつユークロマチンへと変化し、これによって白色脂肪組織がベージュ脂肪細胞へと形質が変えることで、個体が慢性的な寒冷環境に適応するします。

■まとめ

今回の研究結果により、ベージュ脂肪細胞は、熱産生のために糖や脂肪を活発に消費することから、肥満2型糖尿病などの生活習慣病に対する治療法や予防法への応用が期待されます。

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