園児の紐を結べない、箸が使えないといった日常生活の技能が低下|手を動かすことが、いかに脳を使うことにつながっているか

Sarah ties Jack's shoes

by PROMichael Newton(画像:Creative Commons)

■園児に、紐を結ぶ、箸を正しく持って使うといった日常生活の技能の低下が起きている

ひも結べない、箸使えない… 園児の「生きる力」生活技能が低下 文科省が「幼稚園教育要領」を改善へ

(2016/8/10、産経新聞)

「身についていない」とされた技能は「ひもを結ぶ」が最多で、保護者の77・7%、教員の76・2%に上った。「箸を正しく持って使う」(保護者39・3%、教員の66・7%)も多かった。「ふきんを絞る」や「物を包む」も保護者、教員ともに4割前後が課題とした。

全国国公立幼稚園・こども園長会が公表した調査によれば、幼稚園に通う子供たちに、紐(ひも)を結ぶ、箸(はし)を正しく持って使うといった日常生活の技能の低下が起きているそうです。

しかし、このことは数年前からわかっていて、現代の幼児は、泳ぐことや靴紐を締めることよりも早く、ITスキルを覚える(2012/2/5)で紹介したセキュリティ・ソフトウェア・ベンダーの米AVG社が米国、カナダ、英国、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、日本、オーストラリア、ニュージーランドの、2歳から5歳の子供を持つ2200人の親たちを対象に調査を行ったところ、2歳から3歳の幼児のうち、自分で靴の紐を締められるのはわずか9%に過ぎなかったそうです。

なぜこのようなことが起きているのでしょうか?




■手先を使う経験が減ったことによる技能の低下

こうした技能は生活の中で手先を使う動作を繰り返し、器用な動かし方や力加減を経験的に学んでいく。

<中略>

ひもを結ばずに済む靴の普及や、弁当箱を風呂敷に包む習慣も廃れつつある。「握る」ことが必要なジャングルジムなどの遊具も減少傾向で、手足を使う遊びの機会も少なくなっているのが実情だ。

紐を結ばずに済む靴が普及したことや握る動作が必要なジャングルジムなどの遊具の減少によって、手足を使う遊びの機会が少なくなり、手先の器用な動かし方や力加減を学びにくくなっているようです。




■手を動かすことが、いかにたくさん脳を使うことにつながっているか

手先を使う動作が減ったことで、生活技能が低下していることが心配されていますが、もう一つ心配されるのは手や指を動かすことが脳の発達とも関係している点です。

こちらの画像は有名なホムンクルス人形です。

homunculus

by Mike(画像:Creative Commons)

「海馬 脳は疲れない」(著:池谷裕二・糸井重里)によれば、ホムンクルス人形(体のそれぞれの部分を支配している「神経細胞の量」の割合を身体の面積で示した図)によれば、手や舌に関係した神経細胞が非常に多いそうです。

海馬―脳は疲れない (新潮文庫)

新品価格
¥680から
(2017/3/30 10:28時点)

また、「愛撫・人の心に触れる力」(著:山口創)でも同様の説明がなされています。

解剖学者のワイルダー・ペンフィールドによる有名なホムンクルスの図である。様々な身体部位を司る脳の部位は異なっており、その大きさも異なる。そこで、それぞれの身体部位に占める脳の割合の大きさから逆算して、体の大きさを描いたものである。これをみると、脳の中で背や腹よりもいかに手と口の周辺が占める割合が大きいかがよくわかるだろう。

愛撫・人の心に触れる力 (NHKブックス)

中古価格
¥61から
(2017/3/30 10:36時点)

「海馬 脳は疲れない」(著:池谷裕二・糸井重里)によれば、指をたくさん使えば使うほど、指先の豊富な神経細胞と脳とが連動して、脳の神経細胞もたくさん働かせる結果になるそうです。

現代の幼児はスマホやタブレットなどを簡単に使いこなしているため、手先が器用なように見えるかもしれません。

しかし、同じような動作ばかりではなく、さまざまな手先を使う動作を繰り返し、器用な動かし方や力加減を覚えていくことが重要なのではないでしょうか?

「手を動かすことが、いかにたくさん脳を使うことにつながっているか」

大人が一度考える問題なのではないでしょうか。

【関連記事】







【教育 関連記事】

男性の喫煙率初めて3割割れ、女性は微増も喫煙者率は過去最低19・3%|JT調査

No Smoking Please!

by Jun(画像:Creative Commons)

男性の喫煙率初めて3割割れ、喫煙者率も過去最低19・3% JT調査

(2016/7/28、産経新聞)

日本たばこ産業(JT)が28日発表した平成28年の「全国たばこ喫煙者率調査」で、20歳以上の成人男性の喫煙者率が対前年比1・3ポイント%減の29・7%で、昭和40年の調査開始から初めて30%を割り込んだ。成人女性は同0・1ポイント増の9・7%。男女計は0・6ポイント減の19・3%で過去最低となった。

なぜ喫煙率が下がっているのに肺がん死が増えているのか?によれば、日本人男性の喫煙率は60年代半ばから年々下がり、09年は39%にまで下がっており、今回JTが行なった平成28年の「全国たばこ喫煙者率調査」によれば、男性の喫煙者率が調査開始から初めて30%を割り込んだそうです。

また、男女を合わせた喫煙率も過去最低の19.3%となったそうです。

【関連記事】




■香港の喫煙率は11%

なぜ香港は平均寿命世界一になれたのか?|日本人の平均寿命過去最高によれば、香港の喫煙率は11%まで下がっているようです。

最新たばこ情報|成人喫煙率(厚生労働省国民健康栄養調査)

現在習慣的に喫煙している者の割合は、19.3%である。性別にみると、男性32.2%、女性8.2%であり、男女ともに10年間で減少傾向にある。

日本も喫煙率は減少傾向にありますが、19.3%あるそうで、いかに香港が低いのかがわかります。

がんによる死亡者数20%減の目標達成困難となった2つの理由によれば、国立がん研究センターは、がんによる死亡者数を2015年までの10年間に20%減らすという国の目標の達成は困難との見通しを示しましたが、その理由の一つとして、喫煙率の減少が目標に届かなかったことが挙げられています。

こうした記事を総合して判断すれば、国としてはもっと喫煙率を下げたかったのですが、実際は下げることができなかったということになりそうです。




■喫煙率の高さと健康の関係

岩手県、脳卒中の死亡率が全国でワースト1!その原因とは!?によれば、岩手県は脳卒中の死亡率が全国でワースト1なのですが、その原因の一つに喫煙率の高さがあります。

なぜ、青森県が平均寿命最下位なのか?|青森県を長寿県にするための方法とは?によれば、たばこに関しては厚労省の25年の国民生活基礎調査によると、青森県民の喫煙率は男性が40・3%で全国1位、女性は14・3%で同2位と、喫煙率は男女とも高いという結果が出ています。

たばこを吸う人は非喫煙者に比べてがんの再発リスクは2.5倍|山形大によれば、がん経験者でたばこをやめなかった人は、たばこを吸わない人に比べて、がんの発症リスクが約2.5倍になるそうです。

世界一受けたい授業 5月2日|エクオール|健康な血管を作る為の3つの習慣|最新のがん予防法によれば、喫煙は肺がん・食道がん・胃がん・すい臓がん・子宮頸がんのがんの発症リスクを上げるそうです。

■まとめ

タバコは健康に悪影響があることはよく知られていることです。

もし本当は吸いたくないのに習慣として吸っているだけの人は、ぜひその喫煙習慣を辞めてみませんか?

→ がん最新ニュースまとめ について詳しくはこちら







【関連記事】

マイタケ由来タンパク質「ナカノリ」がインフルエンザウイルスの増殖を抑制

maitake

by Alison Harrington(画像:Creative Commons)




マイタケ由来タンパク質がインフルエンザウイルスの増殖を抑制-新タンパク質「ナカノリ」によるウイルス感染治療の新たな可能性-

(2016/8/22、理化学研究所)

新型インフルエンザ予防 マイタケの効果に注目 「エキス」でウイルス増殖を抑制(2009/8/5)では富山大学医学部看護学科人間科学の落合研究室が、マイタケが新型インフルエンザの予防に効果的だと発表しましたが、理化学研究所の研究グループによれば、食用キノコのマイタケに脂質ラフトと呼ばれる動物細胞膜上の脂質構造に結合するタンパク質「ナカノリ(木曽の中乗り、筏乗りの意)」を発見し、ナカノリの存在下ではインフルエンザウイルスの増殖が抑えられることがわかったそうです。

脂質ラフトはインフルエンザばかりでなく、エイズウイルスやエボラウイルスの感染においても重要な役割を果たしていると考えられます。

「ナカノリ」は、インフルエンザだけでなく、エイズウイルスやエボラウイルスなどのウイルス感染の治療にも効果があるのか、これから研究が進められるそうです。







【関連記事】

心臓病の子どもから特殊な細胞を取り出して治療する再生医療の治験を始める|岡山大など

Surgery

by Army Medicine(画像:Creative Commons)




子どもの心臓の細胞で再生医療 岡山大などが治験始める

(2016/8/24、NHK)

全身に血液を送り出す心臓の機能が弱い「機能的単心室症」という難病の子どもが対象で、本人の組織から心臓の筋肉の元になる「幹細胞」を取り出して培養し、再び心臓に戻して治療しようというものです。

岡山大学病院の王英正教授などの医療チームが、重い心臓病の子どもから、心臓の筋肉の元になる特殊な細胞を取り出して培養し、体に戻して治療しようという再生医療について、健康保険の適用を目指して安全性などを確かめる治験を始めました。

はじめに、通常の治療で行われる手術の際、患者本人の心臓からわずかな組織を採ります。そして、中に含まれる心臓の筋肉の元になる「幹細胞」という特殊な細胞を取り出し、名古屋市にあるベンチャー企業の施設で培養して増やします。それを、カテーテルという細い管を使って心臓を取り巻く冠動脈の中に入れ、心臓の機能を高めようというものです。

治験で安全性と効果が確認され、健康保険が適用されれば、難病で苦しむ多くの患者に対して、この治療を行うことができるようになることが期待されます。







重い心臓病の子供のふくらはぎの細胞から作った心筋シートを心臓に移植する治験を始める|阪大

Surgery

by Army Medicine(画像:Creative Commons)




心筋シート、子どもに移植 阪大が重い心臓病で治験

(2016/4/5、日本経済新聞)

大阪大学の澤芳樹教授らは、重い心臓病の子供のふくらはぎの細胞から作ったシート(心筋シート)を心臓に移植する治験を始めたそうです。

20160824heartsheet_terumo

参考画像:テルモ、「ハートシート」の製造販売承認を取得 世界初となる心不全治療用の再生医療製品|スクリーンショット

心臓病の子どもから特殊な細胞を取り出して治療する再生医療の治験を始める|岡山大などによれば、岡山大学病院の王英正教授などの医療チームが、重い心臓病の子どもから、心臓の筋肉の元になる特殊な細胞を取り出して培養し、体に戻して治療しようという再生医療について、健康保険の適用を目指して安全性などを確かめる治験を始めました。

重い心臓病の子供がより多く救われるようになる日も近いかもしれません。

【参考記事】







【関連記事】

このブログは、 テレビやニュースの健康情報を “ばあちゃんの台所レベル”まで落とし込み、 実際の料理と生活にどう使うかをまとめた記録です。本サイトでは、 栄養学・食事指導・健康情報を、 家庭料理の実践・調理工程・生活習慣という観点から再構成し、 再現可能な生活知として整理・記録しています。