指原莉乃さんが過敏性腸症候群(IBS)を告白!IBSには4つのタイプ、「難聴気味」という言葉も気になった

指原莉乃さんが自身のYouTubeチャンネル「さしはらちゃんねる」で、仕事に行く日のバッグの中身を紹介。

その中で薬が入った小さなポーチを取り出し、

「体調悪い、っていうか…持病。気にしてることが多くて。過敏性腸症候群だし、ちょっと難聴気味とか色々なんかトラブルがありつつ…なので、頓服薬がいっぱい」

と、自身が過敏性腸症候群(IBS)であることや「難聴気味」であることを明かしました。

今回このニュースを見て気になったのが、IBSは思っている以上に症状の幅が広いことと、もう一つ、指原さんが口にした「難聴気味」という言葉です。

■IBSって「男性がおなかを下しやすい病気」じゃないの?

以前、安住紳一郎アナがIBSであることを告白した際、ハクライドウでも取り上げました。

安住紳一郎アナ、過敏性腸症候群(IBS)を告白!なぜ男性はおなかがゆるくなりがちなの?

その際、安住さんがIBSについて男性に多いという趣旨の発言をしたところ、「女性にもいるよ」といったコメントが寄せられたそうです。

確かに、IBSというと「緊張するとおなかが痛くなる」「すぐ下痢をする」といったイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。

しかし、IBSは下痢だけではありません。

→ 過敏性腸症候群(IBS)の症状・原因・チェック・治し方 について詳しくはこちら

■IBSには4つのタイプがある

IBSは便の状態などから、大きく4つのタイプに分類されています。

・下痢型(IBS-D)
・便秘型(IBS-C)
・混合型(IBS-M)
・分類不能型(IBS-U)

つまり、同じ「過敏性腸症候群」という診断でも、

「下痢になりやすい人」

もいれば、

「便秘になりやすい人」

もいる。

さらに、下痢と便秘の両方が現れる人もいます。

こう考えると、IBSは「おなかがゆるい人の病気」というより、もっと幅広い症状を含んだ病気だということがわかります。

以前調べた「男性はなぜ下痢しやすいのか?」という話も、このIBS全体の中の一側面として考えた方がわかりやすそうです。

なぜ男性は下痢しやすいのか?体の仕組みの「性差」が教えてくれること

■IBSは男性だけではない

ここも今回改めて押さえておきたいポイントです。

「男性は下痢をしやすい」という研究があることと、「IBSは男性の病気」ということは同じではありません。

IBSには下痢型だけでなく便秘型や混合型などさまざまなタイプがあり、男女によって症状の現れ方にも違いがあることが研究されています。

以前の記事でも紹介したように、IBS全体では女性に多い一方、男性では下痢関連症状、女性では便秘などが目立ちやすい傾向が報告されています。

だから、

「IBS=男性に多い=下痢をする病気」

と考えてしまうと、IBSの一部分しか見えていないんですね。

指原さんがIBSであることを明かしたことは、IBSの症状の幅広さを知る一つのきっかけになるかもしれません。

■もう一つ気になった「難聴気味」

そして今回、個人的にもう一つ気になったのが、

「ちょっと難聴気味」

という言葉でした。

指原さんはアイドルとしてライブパフォーマンスを長く行ってきたので、「大きな音を聞く機会が多かったことも関係しているのだろうか?」とも思いました。

ただ、指原さん自身の難聴の原因についてはわかりませんので、ライブ活動が原因だということではありません。

一方、一般的な話として、WHOは大きな音に長時間、繰り返しさらされることが聴力低下につながる可能性を指摘しています。

耳を守るためには「どれくらい大きな音か」だけでなく、「どれくらい長く聞くか」も大切です。

ライブだけではありません。

現在はイヤホンやヘッドホンで長時間音楽や動画を楽しむ人も多く、若いうちから「聞こえ」を守ることは以前より身近な健康テーマになっているのではないでしょうか。

イヤホン難聴の若者が増えると、将来的に認知症患者が増えるかも!?

■難聴は認知症のリスク要因の一つとしても注目されている

私たちが難聴について気をつけたいと思う理由は、「聞こえにくい」という不便さだけではありません。

難聴は、認知症のリスク要因の一つとしても注目されています。

難聴になると認知症になりやすい!難聴は認知症の最大の原因!!!

だからこそ、若いうちから「聞こえ」を大切にすることには意味があると思います。

たとえば、

・最近、人の話を聞き返すことが増えた
・テレビや動画の音量が以前より大きくなった
・イヤホンで長時間、大きな音を聞いている
・耳鳴りや聞こえにくさが気になる

といった変化があるなら、耳の健康を見直すきっかけにしてもよいのではないでしょうか。

気になる聞こえの変化が続く場合には、耳鼻咽喉科などで聴力を確認しておくことも大切です。

■IBSも難聴も「ちょっと気になる」を見過ごさない

今回の指原さんの話をきっかけに調べてみると、IBS一つをとっても、

下痢型・便秘型・混合型・分類不能型

と、実はかなり幅広いことがわかります。

以前、安住さんのIBSをきっかけに「なぜ男性はおなかがゆるくなりやすいの?」と調べましたが、指原さんの話から見ると、また違ったIBSの姿が見えてきます。

そして、「難聴気味」という何気ない言葉も気になりました。

今困っている症状だけを考えるのではなく、

「この状態が将来の健康とどうつながっているんだろう?」

という視点を持ってみる。

難聴が認知症のリスク要因の一つとして研究されていることを知っていれば、「ちょっと聞こえづらいくらいだから」とそのままにせず、耳を守ったり、必要に応じて聴力を確認したりするきっかけにもなります。

病気について必要以上に怖がる必要はありません。

でも、知っていることで早めに気づいたり、将来のリスクを少しでも減らすための行動につなげたりする。

今回のニュースは、そんなことを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

【2つの未来予測】1.未病の観点から病気のサインを見つける、2.健康的なライフスタイルがお金のような価値を持つ

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「虚弱体質」の正体は何なのか?虚弱体質について調べてみた!

「虚弱体質」という言葉があります。

・昔から体が弱い。
・ 疲れやすい。
・ 風邪をひきやすい。
・ 無理がきかない。
・人より休まないと回復しない。

そんな人を見て、「もともと虚弱体質なんじゃない?」なんていうことがありますよね。

私自身、「虚弱体質」と聞けばなんとなくイメージはできるのですが、「じゃあ、虚弱体質って具体的に体の何が弱いの?」と聞かれると、よくわかっていないことに気づきました。

そこで「虚弱体質」の正体について調べてみることにしました。

調べていくと面白かったのが、昔からある東洋医学の「虚」という考え方と、現代医学にある「予備力」「余力」「回復力(レジリエンス)」という考え方です。

もしかすると私たちが昔から「体が強い」「体が弱い」と感覚的に表現してきたものを、別の角度から考えるヒントになるのかもしれません。

■東洋医学には「虚」という考え方がある

「虚弱体質」という言葉からイメージしやすいものの一つが漢方です。

漢方には「虚実」という重要な考え方があります。日本東洋医学会によると、現在の日本で広く受け入れられている虚実の捉え方では、その人の基本的な体力や体格、あるいは病気に対する反応などを見ます。

漢方では、体力や体格、病気に対する反応などをみながら「虚実」を判断します。そのため、日常的にいう「虚弱体質」と重なって見える部分があります。

ただし、「虚弱体質」と「虚証」が医学的に同じ意味というわけではありません。

ここが現代医学と比べると興味深いところです。

「食が細い」「疲れやすい」「冷えやすい」「病気のあとになかなか元気にならない」といった、その人に現れているさまざまな特徴を含めて捉えようとするところに、漢方的な見方の面白さがあります。

だから私たちが「虚弱体質」と聞いて、なんとなく漢方や養生をイメージするのも不思議ではありません。

■では、西洋医学に「虚弱体質」という病気があるの?

ここで考えてみたいのが現代医学です。

現代医学では、「疲れやすい」「体が弱い」という状態を一つの原因で説明するのは難しく、それぞれの身体機能や病気について考えていくことになります。

つまり、虚弱体質という一つの正体が体のどこかに隠れている、とは考えない方がよさそうです。

「疲れやすい」という症状だけを考えても、原因は一つとは限りません。

ところが、ここで興味深いのが、現代の老年医学にある「フレイル(Frailty)」という概念です。

Frailtyは以前「虚弱」などと訳されていましたが、日本老年医学会は2014年、その可逆性などを適切に伝えるため「フレイル」という表現を提唱しました。

フレイルは「生理的予備能が低下することでストレスに対する脆弱性が高まった状態」と説明されています。

身体だけでなく、認知機能や心理、社会的な問題まで含む概念です。

つまり、重要なのは単純に「筋力が弱い」といった話だけではありません。

ストレスがかかったときに耐えられる余力がどれくらい残っているか。

ここで「予備力」という考え方が出てきます。

■「予備力」って何?

以前、ハクライドウでもフレイルは「予備力の低下」が主要因として起こりやすい!?という記事を書きました。

そこでは予備力を、「健康を守る余力」のように考えました。

これは「虚弱体質」を考えるうえでも面白い考え方です。

私たちの体は、普段の生活をギリギリの能力で動かしているわけではありません。

しかし、年齢や病気などによって予備力が低下してくると、ちょっとしたストレスでも身体のバランスを崩しやすくなります。

実際、フレイルは「加齢に伴う予備能力の低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」と説明されています。

ここで、

・余力
・予備力
・回復力(レジリエンス)

という言葉が一つにつながってきます。

■「体が強い」とは余力があることなのかもしれない

たとえば、同じように忙しい一日を過ごした二人がいたとします。

二人ともその日の夜は疲れています。

しかし、

Aさんは一晩寝たら翌朝には元気。

Bさんは翌日も疲れが残っていて、数日間調子が戻らない。

この違いを単純に「Aさんは体が強い」「Bさんは虚弱体質」と私たちは表現してきたのかもしれません。

でも「回復力」という視点から見れば、同じストレスを受けたとき、どれくらい耐えられるのか、そしてどのくらい元の状態へ戻れるのかという違いとして考えることもできます。

もちろん、これだけで虚弱体質を医学的に説明できるわけではありません。

ただ、「体が強い・弱い」という感覚を理解するための一つの考え方にはなりそうです。

■体力も一つの「予備力」?

以前書いた青年期の心肺持久力(心肺機能)が低いと、将来(中年期)労働能力が低下し病欠が多くなる!?では、フィンランドの1,207人を対象にした研究で、青年期の心肺機能の高さが中年期の労働能力の高さや病欠の少なさと関連していました。

また、腕立て伏せの回数が多い人ほど、心血管疾患になるリスクが明らかに低い!で紹介した研究では、男性消防士1,104人を対象として、腕立て伏せ能力と将来の心血管疾患リスクとの関連が調べられています。

つまり、「体力」という漠然としたものも、

・心肺持久力
・筋力
・筋持久力
・身体機能

などに分ければ、ある程度客観的に見ることができます。

以前の成功する人は体力オバケが多い!?という記事で取り上げた「体力オバケ」という言葉も、今回改めて考えるとなかなか面白い表現です。

「体力がある」というのは、単に筋肉が大きいということではなく、日常生活で使ってもまだ余力が残るだけの身体能力があり、ストレスを受けても回復できるという見方もできそうです。

体力の高さは、いざというときに使える身体的な「余力」を考える一つの手がかりになるのではないでしょうか。

■「予備力」は体だけの話ではない

さらに面白いのは、予備力という考え方が身体だけに使われるわけではないことです。

脳には「認知的予備力(cognitive reserve)」という概念があります。

認知的予備力とは、脳が加齢や病理の影響を受けても、認知機能の低下を抑える個人の潜在能力を表す概念です。以前のハクライドウの記事でも紹介しています。

同じようなアルツハイマー病理があったとしても、現れる認知機能障害には個人差があります。そのような違いを説明する考え方の一つが認知的予備力です。

ここからは私なりの整理ですが、「身体にも余力があり、脳にも変化に耐える予備力がある」と考えるとイメージしやすくなります。

そしてそれぞれの余力が小さくなれば、同じストレスを受けても影響を受けやすくなる。

「虚弱」という昔からある言葉と、どこか通じるものを感じます。

■「虚弱体質=予備力が低い」と断定してはいけない

ただし、ここは大事です。

今回調べたことから、虚弱体質とは予備力が低い人のことであると医学的に定義できるわけではありません。

また、「自分は疲れやすいから虚弱体質なんだ」と自己判断して終わらせるのもよくありません。

「疲れやすい」「息切れする」「以前できていたことができなくなった」といった変化には、さまざまな健康上の問題が関係している可能性があります。

今回の「予備力」「余力」「回復力」という言葉は、病名や診断基準としてではなく、昔から私たちが「体が強い・弱い」と感じてきた違いを考えるための視点として捉えるのがよさそうです。

■東洋医学と現代医学、意外と見ている方向は近い?

今回一番面白いと思ったのがここです。

漢方では、身体機能などが不足・低下している状態を「虚証」という考え方で捉えます。

一方、現代の老年医学には、

予備能力が低下する
↓
ストレスに対して脆弱になる
↓
元の状態に戻る力も低下する
↓
こうした状態をフレイルという概念から捉える

という考え方があります。

もちろん「虚証」と「フレイル」や「予備力」は同じ概念ではありません。

ただ、その人には、困ったときに使える「余力」がどれくらい残されているのか?という視点から眺めると、不思議と重なる部分があります。

漢方医療でも、実際にフレイルという現代医学の概念と漢方医学の虚弱状態を関連づけた解説が行われています。

■もう一つ、「虚弱体質」という言葉について考えたこと

今回調べながら、もう一つ面白いと思ったことがあります。

それは、「虚弱体質」という言葉そのものが、いろいろな状態を一つにつなげて理解するための「概念」として役立ってきたのではないか、ということです。

疲れやすい。
食が細い。
無理がきかない。
体調を崩しやすい。
一度調子を崩すとなかなか元に戻らない。

一つ一つを見れば別々の現象です。

ところが、

「自分は虚弱体質なのかもしれない」

という一つの言葉で捉えると、それまでバラバラだったものが一つにつながって見えてきます。

もちろん、「昔の人がそのために虚弱体質という言葉を作った」という歴史的な事実を確認したわけではありません。これは今回調べながら私が考えた一つの仮説です。

ただ、複数の現象に一つの名前が付くことで、

「自分はいま、どういう状態にあるのか」

を理解しやすくなることはあるのではないでしょうか。

ここで思い出したのが、以前書いた「魔法の世紀」(#落合陽一)を読んで考えたこと|西洋と東洋の考え方の違いです。

この記事では、西洋的な分析思考と東洋的な包括思考という違いについて考えました。

私には、東洋的な考え方には、物事を個別に切り離すよりも、さまざまな物事の関係も含めて全体を見るイメージがあります。

一方、西洋の科学には、複雑な現象を細かく分けて、「何が起きているのか」を分析していくイメージがあります。

もちろん、実際の東洋医学と西洋医学を、そんなに単純に二分することはできません。

実際、現代医学のフレイルも、身体だけでなく認知・心理・社会的な問題まで含めて考える包括的な概念です。

それでも「虚弱体質」について、

包括してみる → 分解してみる → もう一度つなげてみる

という二つの見方を行き来するのは面白いと思います。

最初に、

疲れやすい・食が細い・無理がきかない・回復が遅い

という状態を、「虚弱体質」という大きな概念で捉えてみる。

次に現代医学の視点から、心肺機能、筋力、栄養状態、睡眠、病気、予備力、回復力などに分けて考えてみる。

そして最後にもう一度、

「この人には、どのくらい余力があるのだろう?」
「ストレスがかかったとき、どのくらい耐えられるのだろう?」
「その後、どのくらい元の状態に戻れるのだろう?」

と全体を眺めてみる。

包括する → 分解する → もう一度つなげる。

そうやって違ったレンズから眺めてみると、「虚弱体質」という昔からある曖昧な言葉が、少し違って見えてきます。

■まとめ:「虚弱体質」の正体は一つではない

「虚弱体質って何だろう?」

そんな素朴な疑問から調べ始めました。

調べてみると、どうやら「虚弱体質の正体はこれです」と一つの原因に決める話ではなさそうです。

東洋医学には昔から「虚」という身体全体を捉える考え方があります。

一方、現代医学では、筋力、心肺機能、栄養状態、認知機能などを個別に評価しながら、フレイルのように「予備力が低下し、ストレスに対して脆弱になっている状態」を捉える考え方があります。

そこで今回、私が一番しっくりきたのが、余力・予備力・回復力(レジリエンス)という言葉でした。

元気なときには違いが見えなくても、忙しくなったり、病気になったり、年齢を重ねたりしたときに「余力」の違いが現れる。

私たちはそんな個人差を昔から、

「体が丈夫だね」
「昔から虚弱体質なんだよね」

と表現してきたのかもしれません。

もちろん、これは「虚弱体質」という言葉に新しい医学的定義を与えるものではありません。

ただ、漠然とした「体が弱い」という言葉を、

何の予備力が小さいのか?
どれくらい余力があるのか?
ストレスを受けたあと、どのくらい回復できるのか?

と考え直してみる。

今回調べてみて、「虚弱体質」の正体が一つ見つかったわけではありません。

むしろ面白かったのは、「虚弱体質」という一つの概念があることで、疲れやすい、食が細い、無理がきかない、回復が遅いといったバラバラの状態を、一つにつなげて理解しやすくなるのではないかと気づいたことでした。

そして現代では、それを心肺機能、筋力、栄養状態、睡眠、病気、予備力、回復力などにいったん分解して考えることができます。

包括する。分解する。そして、もう一度つなげてみる。

そうやって違う角度から眺めてみると、「虚弱体質」という昔からの言葉が、少し違って見えてくるのではないでしょうか。

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腕立て伏せの回数が多い人ほど、心血管疾患になるリスクが明らかに低い!

※本記事は「虚弱体質」という言葉について、東洋医学・現代医学の考え方を一般向けに整理したものです。「虚弱体質」を医学的な診断名として扱ったり、「予備力の低下」と同一視したりするものではありません。強い疲労や体力低下などが続く場合は、体質だけで判断せず医療機関に相談してください。







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この街では、
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もし、

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iPS細胞でパーキンソン病を治療?「アムシェプリ」の研究では何がわかったの?

iPS細胞から作った神経細胞を脳に移植し、パーキンソン病の症状改善を目指す。

そんな未来の医療のような治療が、実際の医療現場で始まりました。

2026年10月、京都大学医学部附属病院で、iPS細胞から作製したドパミン神経前駆細胞を使ったパーキンソン病治療「アムシェプリ」の移植が行われました。

これまでの薬による治療とは少し考え方が違います。

「減少したドパミンを薬によって補う」だけではなく、「失われたドパミン神経細胞そのものを補う」。

もちろん、これによってパーキンソン病が「治る」と証明されたわけではありません。

それでも、これまで治療が難しかった神経の病気に対して、新しい方向からアプローチできるようになってきたことは、難病治療に一筋の光が差してきたようにも感じられます。

では、今回の治療はどのようなものなのでしょうか?

研究をもとに見てみましょう。

1.iPS細胞を使ったパーキンソン病治療が始まった

京都大学医学部附属病院は2026年10月、iPS細胞由来のドパミン神経前駆細胞を使った再生医療等製品「アムシェプリ」による移植治療を実施したことを発表しました。

「iPS細胞を使った治療」というと、それだけでも大きなニュースに感じます。

しかし、今回の治療がなぜ注目されているのかを理解するには、まずパーキンソン病では脳の中で何が起きているのかを見る必要があります。

参考:京都大学医学部附属病院 脳神経内科の発表

2.そもそもパーキンソン病では何が起きている?

私たちが歩いたり、手を動かしたりするとき、脳の中では多くの神経細胞が連携しています。

その中で重要な役割を果たしている物質の一つがドパミンです。

パーキンソン病では、中脳の黒質に存在するドパミンを作る神経細胞が減少します。

その結果、動作が遅くなる「動作緩慢」、体がこわばる「筋強剛」、手足が震える「振戦」などの運動症状が現れます。

現在は、ドパミンを脳内で補うことを目的としたL-ドパ(レボドパ)などによる薬物治療があります。

ところが今回のiPS細胞を使った治療は、これとは発想が違います。

参考:京都大学「iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いたパーキンソン病治療」

3.「アムシェプリ」は何をするの?

「アムシェプリ」では、iPS細胞からドパミン神経前駆細胞を作り、それを患者の脳に移植します。

「前駆細胞」といわれると難しく感じますが、簡単にいうと、

これからドパミン神経へと成長していく段階の細胞

と考えるとわかりやすいでしょう。

つまり、不足しているドパミンを薬で補うというだけではなく、ドパミンを作る神経細胞そのものを補うという発想です。

これが今回の治療の非常に興味深いところです。

では、本当に移植した細胞は人間の脳の中で働くのでしょうか?

その重要な手がかりとなったのが、2025年にNatureに掲載された臨床試験です。

参考:京都大学による研究成果の解説

4.Nature論文では何がわかったの?

Natureに発表された第I/II相臨床試験では、50~69歳のパーキンソン病患者7人にiPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を移植し、24カ月間にわたって安全性などが調べられました。

研究では、まず安全性が重要な評価項目となりました。

2年間の観察期間中、重篤な有害事象は報告されませんでした。一方で、軽度から中等度の有害事象は確認されています。またMRIでは、移植組織の腫瘍のような異常増殖は認められませんでした。

そして非常に興味深いのが、移植した細胞によるドパミン産生を示す結果が得られたことです。

さらに、運動症状についても変化が見られました。

有効性を評価できた6人のうち、薬の影響がないOFF状態で評価した運動症状のスコアが改善したのは4人でした。

「OFF状態」とは、パーキンソン病治療薬の効果がない時に運動症状を評価した状態です。

つまり今回の研究では、

・移植した細胞が脳内で生着した
・ドパミン産生を示す結果が確認された
・観察期間中に腫瘍形成は確認されなかった
・一部の患者では運動症状の改善もみられた

という結果が得られました。

これは「iPS細胞から作った神経細胞を人間の脳へ移植する」というアイデアが、単なる実験室の研究ではなく、実際の治療へ近づいてきたことを示す重要な研究といえそうです。

参考:Nature「Phase I/II trial of iPS-cell-derived dopaminergic cells for Parkinson’s disease」PDF

5.では、パーキンソン病が「治る治療」なの?

ここは誤解しないように注意する必要があります。

今回の研究だけから「iPS細胞でパーキンソン病が治る」と考えることはできません。

臨床試験に参加した患者は7人と少人数です。

また、第I/II相試験であり、まず重要だったのは安全性を確認することです。

一部の患者で運動症状の改善が認められたことは期待できる結果ですが、治療効果がどの程度あるのか、どのくらい持続するのか、どのような患者に適しているのかなどについては、今後さらに確認していく必要があります。

「アムシェプリ」についても、2026年3月に条件及び期限付製造販売承認を受けています。

つまり、ゴールに到達したというより、長年研究されてきたiPS細胞による神経再生医療が、研究から実際の医療へ一歩踏み出したと考える方がよいでしょう。

参考:Nature論文

参考:京都大学医学部附属病院「アムシェプリ」承認について

6.iPS細胞はほかの神経難病にも使える?

ここで気になるのが、「このような方法はパーキンソン病以外の神経難病にも応用できるのだろうか?」ということです。

たとえば進行性核上性麻痺(PSP)は、動きにくさなどパーキンソン病と似た症状が現れることがあります。

しかし、パーキンソン病とPSPは同じ病気ではありません。

そして何より重要なのは、今回の「アムシェプリ」がPSPにも有効であることを示した研究ではないということです。

今回紹介した臨床試験の結果を、そのままPSPなどの別の神経難病に当てはめることはできません。

神経難病とひとことでいっても、病気が起こる仕組みは同じではないからです。

一方で、PSPについても研究は進んでいます。

2026年には、脳内に蓄積するタウタンパク質をPETで可視化し、タウの蓄積と症状との関係を調べる研究などが報告されています。

つまり、パーキンソン病では「失われたドパミン神経細胞を補う」という方向から、PSPでは病気に関係するタウが「どこに、どのように蓄積し、症状とどう関係するのか」を理解する方向から、それぞれ研究が進んでいます。

アプローチは違いますが、これまで治療が難しかった神経難病について、病気の仕組みを理解し、新しい治療につなげようとする研究が少しずつ前へ進んでいます。

■難病治療に一筋の光が差してきた

今回のニュースで特に印象的なのは、「失われた神経細胞を薬で補助する」のではなく、「細胞そのものを作って補う」という治療が、実際の医療現場に入り始めたことです。

もちろん、まだ「神経難病を治せる時代が来た」と言える段階ではありません。

7人を対象とした研究結果だけで、大きな結論を出すこともできません。

それでも、

iPS細胞を作る
↓
神経細胞になる前段階まで育てる
↓
人間の脳に移植する
↓
その細胞が生着し、ドパミン産生を示す

というところまで研究が進み、その成果をもとに実際の医療が始まったことには大きな意味があります。

そしてiPS細胞は、細胞を補う治療だけでなく、これまで十分にわかっていなかった神経難病の仕組みを研究するための道具にもなっています。

まだ長い道のりの途中ではありますが、「治療が難しい」とされてきた病気に対して、これまでとは違うアプローチが現実になり始めた。

それは、難病の治療に一筋の光が差してきた、と捉えてもいいのではないでしょうか。

【参考資料】
京都大学医学部附属病院 脳神経内科
京都大学:iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞を用いた研究
Nature:Phase I/II trial of iPS-cell-derived dopaminergic cells for Parkinson’s disease
京都大学医学部附属病院:アムシェプリ承認について







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もし、

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水うがいに効果はあるの?

朝と夜はきちんと歯磨きをしていても、お昼は忙しくて歯を磨く時間がない。

そんな人は意外と多いのではないでしょうか?

「歯磨きできないなら仕方ない」と、そのままにしてしまうこともありますよね。

でも、もし30秒くらいしか時間がなくても、水を口に含む → ブクブクうがい → 続けてガラガラうがいくらいならできるかもしれません。

では、普通の水でうがいをするだけでも意味はあるのでしょうか?

調べてみると、「歯磨きできないから何もしない」より、とりあえず水うがいをしておくのはよさそうだと思える研究がいくつかありました。

1.水うがいをすると、口の中の微生物も一緒に出てくる

まず興味深いのが、2019年に Scientific Reports に掲載されたComparison of oral microbiome profiles in stimulated and unstimulated saliva, tongue, and mouth-rinsed waterという研究です。

研究では、健康な10人から「水で口をすすいだ液」「刺激唾液」「無刺激唾液」「舌苔」を採取して、そこに含まれている微生物を比較しました。

その結果、水ですすいだ液に含まれる微生物の多様性は唾液と似ており、微生物の構成も唾液と非常に高い相関を示しました。

つまり、水でブクブクうがいして吐き出した水には、口の中にいた微生物も含まれているということです。

「水で口をすすぐだけ」と思っていましたが、ちゃんと口の中のものを外へ出しているんですね。

2.食後の水うがいは、酸性に傾いた歯垢を中性側へ戻す可能性

そして、こちらは最近の研究です。

2026年10月に Oral Diseases でオンライン公開されたEffect of Water Rinsing on Dental Biofilm pH After Exposure to Fermentable Carbohydrate: A Scoping Reviewでは、

「糖質を摂ったあと、水ですすぐと歯垢(デンタルバイオフィルム)のpHはどうなるのか?」

について、過去の研究を調べています。

研究では1,296報から条件を満たした14研究を評価。

水うがいに使った水の量が報告されていた10研究を見ると、20mL以上の水を使った5研究のうち4研究で、歯垢のpHが有意に上昇していました。

研究者らは、研究数が少ないなどの限界はあるものの、発酵性炭水化物を摂ったあとに20mL以上の水ですすぐことで、酸性に傾いた歯垢を中性側へ戻せる可能性があるとまとめています。

これなら、お昼に歯を磨く時間がなかったとしても、「食後、とりあえず水で口をすすいでおこう」というのは、意外と理にかなっているのかもしれません。

3.ブクブクうがいの後は「ガラガラうがい」も?

さらに、これから寒くなってくると気になるのが風邪です。

そこで興味深いのが、2005年に American Journal of Preventive Medicine に掲載されたPrevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trialです。

健康な18~65歳の387人を、

・水うがい
・ポビドンヨードうがい
・普段通りに生活するグループ

に無作為に分けて調べました。

うがいをするグループは1日3回以上うがいを行い、60日間追跡されました。

その結果、水うがいをしたグループでは、普段通りに生活したグループよりも上気道感染症の発症が少なくなっていました。

研究者らは、健康な人においてシンプルな水うがいが上気道感染症の予防に有効だったと結論づけています。

だとすると、

ブクブクうがいをしたら、そのままガラガラうがいもしておく。

これからの季節には、そんな習慣もよさそうです。

昼に歯磨きできなかったら、とりあえず水うがい

ここまでの研究をまとめると、

昼に歯磨きできない

↓

水を口に含んでブクブクうがい

↓

口の中の微生物を含んだ水を吐き出す

↓

糖質を摂ったあとに酸性に傾いた歯垢のpHを中性側へ戻せる可能性

↓

最後にガラガラうがい

↓

水うがいを1日3回以上行った人で上気道感染症が少なかった研究もある

ということになります。

たったこれだけなら、30秒くらいでもできそうです。

ただし、水うがいは歯磨きの代わりではありません

最後に、研究を読むうえでの注意点もまとめておきます。

今回紹介した研究からは、水うがいで歯の表面に付着した歯垢がどのくらい取れるのか、口の中の細菌そのものがどのくらい減るのかまでは分かりません。

また、上気道感染症についても、水うがいをすれば必ず風邪を防げるという意味ではありません。

ですから、「水うがいをしておけば歯磨きしなくても大丈夫」という話ではありません。

でも、「歯磨きできないなら、何もしなくても同じ」というわけでもなさそうです。

朝晩はいつも通り歯磨きをする。

お昼は歯磨きできれば歯磨きをする。

でも忙しくて30秒しかないなら、

「とりあえず水でブクブク。そのあとガラガラ。」

特別な道具もいりませんし、お金もほとんどかかりません。

歯磨きできなかった日の「何もしない」と「ちゃんと歯磨きする」の間に、「水うがいだけでもしておく」という選択肢を一つ増やしておくくらいで考えるとよさそうですね。

【参考文献】
Effect of Water Rinsing on Dental Biofilm pH After Exposure to Fermentable Carbohydrate: A Scoping Review, Oral Diseases, 2026.
Comparison of oral microbiome profiles in stimulated and unstimulated saliva, tongue, and mouth-rinsed water, Scientific Reports, 2019.
Prevention of upper respiratory tract infections by gargling: a randomized trial(PubMed), American Journal of Preventive Medicine, 2005.







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

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法人登記をAI(Copilot)と一緒にやってみた。人間とAIはどう役割分担したのか?

「法人登記って、自分でできるんだろうか?」

会社を経営していても、登記手続を頻繁にするわけではありません。

今回、株式会社ハクライドウでは、役員の任期満了に伴う重任登記が必要になりました。

正直なところ、これまでなら「よく分からないし、専門家にお願いした方がいいのかな」と考えていた仕事です。

でも今回は、AIにサポートしてもらいながら、自分たちで登記申請に取り組んでみることにしました。

最終的には、

・申請者情報の登録
・必要書類の確認と作成
・QRコード付き登記申請書の作成
・申請前チェック
・データ送信
・印刷・押印
・収入印紙の準備
・法務局への郵送

まで一つずつ進め、最後には申請用総合ソフトに、「登記申請に関する手続きが完了しました。」と表示されました。

今回やってみて分かったのは、「AIが法人登記をやってくれた」ということではありません。

むしろ、AIが得意なことと、人間がやらなければならないことを組み合わせた結果、今まで難しいと思っていた仕事を進められた。

そこが一番面白かったところです。

■「法人登記」という大きな仕事を、一つずつ進める

最初から「法人登記をする」と考えると、かなり難しく感じます。

そこでAIに、

「まず何をすればいい?」
「この画面ではどれを選べばいい?」
「次に必要な書類は?」
「この項目には何を書く?」

と、一つずつ聞きながら進めました。

最初に登記・供託オンライン申請システムへ申請者情報を登録。

続いて「申請用総合ソフト」をインストールしました。

今回は、申請データをオンラインで送信した後、QRコード付きの申請書を印刷して添付書類と一緒に法務局へ提出する方法で進めました。

最初は大きく見えていた仕事も、

登録する → 資料を確認する → 書類を作る → 入力する → チェックする → 印刷する → 押印する → 郵送する

と分解すると、一つひとつは対応できる作業になります。

【ちょっとしたAI活用の補足:Task Decomposition】

こうやって大きな仕事を小さな作業に分解することは、Task Decompositionと呼ばれる考え方に近いものです。

AIには「全部やって」と丸投げするよりも、「次に何をすればいい?」と作業を小さくしながら進める方が、今回のような実務では使いやすいと感じました。

■AIの回答だけでなく、実際の資料を確認する

次に必要だったのが、現在の会社の登記内容や定款などの確認です。

ここでは、AIが「こうだと思います」と答えた内容をそのまま使うのではなく、実際の資料を確認しながら進めました。

会社によって状況は違います。

一般的な法人登記の知識だけ分かっても、自社の現在の登記内容と合っていなければ意味がありません。

そこでAIには、資料を読み解くこと、必要な確認事項を整理すること、申請内容との整合性を見ることを手伝ってもらいました。

そして最終的な事実は、実際の会社資料で確認する。

この役割分担は非常に重要でした。

【ちょっとしたAI活用の補足:Source of Truth】

この「何を正しい情報の基準にするのか」という考え方は、Source of Truth(信頼できる情報源)という考え方に近いものです。

AIが答えたから正しい、ではありません。

今回なら、

AIは確認を助ける。正式な資料を事実の基準にする。

この関係です。

今後、AIを仕事に使う場面が増えるほど、「AIは何を根拠として仕事をしているのか」を意識することは重要になりそうです。

■AIと一緒に必要書類を準備する

今回の申請では、株主総会議事録、株主リスト、取締役互選書、定款の提出用コピーなどを準備しました。

AIには、

「この書類には何が必要?」
「この書き方で整合している?」
「次はどの資料を確認する?」

と相談しながら進めました。

ただし、当然ですがAIが株主総会を開くわけではありません。

実際の意思決定をする。
内容を確認する。
押印する。

こうした部分は人間の仕事です。

今回の登記を振り返ると、AIが文書作成や整理を支援し、人間が意思決定して実行するという形になっていました。

【ちょっとしたAI活用の補足:Human-in-the-loop】

こうした「AIだけで完結させず、重要な判断や責任を伴うところに人間が入る」仕組みは、Human-in-the-loopという考え方で説明できます。

特に今回のような法務・行政手続では、この役割分担は大切だと感じました。

■AIも人間も見逃した間違いを、システムが見つけた

今回、一番印象に残った出来事があります。

申請書をほぼ作り終え、「これで大丈夫だろう」と申請前チェックを実行しました。

すると、役員氏名が登記記録どおりに記載されているか確認してくださいという指摘が出ました。

確認してみると、役員氏名の漢字を間違えて入力していました。

人間も気づいていませんでした。

AIとの確認でも見逃していました。

ところが、最後に申請システム側のチェックが拾ってくれました。

修正して、もう一度チェック。

今度は、「チェックOK」となりました。

これは今回かなり重要な経験でした。

【ちょっとしたAI活用の補足:Verification】

Verificationとは「本当に正しいのか、別の方法でも確認すること」と考えると分かりやすいと思います。

今回なら、

AIが確認する
↓
人間が確認する
↓
正式な資料と照合する
↓
申請システムでもチェックする

という形になっていました。

AIの性能がどれだけ上がっても、間違いが完全にゼロになるとは限りません。

人間も同じです。

だから、間違えないことだけを目指すのではなく、間違えても途中で発見できる仕組みを作る。

こう考えると、AIを実務に入れるときのヒントになりそうです。

■AIだけでは判断できないところは、法務局へ確認した

もう一つ印象的だったのが、提出書類の扱いについて判断に迷ったときです。

AIと何度か確認しましたが、それでも確信が持てないところがありました。

そこで、管轄の長崎地方法務局へ直接電話して確認しました。

そして、法務局の回答に従って手続きを進めました。

ここも今回重要だったポイントです。

AIを使っていると、つい、「最後までAIだけで答えを出したい」と思ってしまいます。

でも仕事の目的は、AIだけで解決することではありません。

仕事を正しく完了させることです。

【ちょっとしたAI活用の補足:Escalation】

AIだけでは判断できない。

資料を調べても確信が持てない。

そんなとき、より確かな確認先へ切り替えることをEscalation(エスカレーション)と考えることができます。

今回なら、

まずAIに聞く
↓
実際の資料を見る
↓
それでも分からない
↓
管轄法務局へ確認する

という流れでした。

「AIですべて解決する」のではなく、どこで別の確認手段へ切り替えるかを決めておく。

これも今後AIを実務で使うときに役立ちそうです。

■予想外に悩んだ「収入印紙貼付台紙」

今回、意外なほど時間を使ったのが収入印紙でした。

登録免許税として1万円分の収入印紙を購入。

収入印紙貼付台紙を準備し、申請書と一緒に整えました。

法人登記の内容そのものより、「収入印紙って、申請書に直接貼るの?別紙なの?」というところで何度も立ち止まるとは思いませんでした。

実際の仕事って、こういうものなのかもしれません。

大きな制度そのものより、

「この紙はどうする?」
「ハンコはどこ?」
「何と何を綴じる?」

という小さな疑問で作業が止まります。

ここでも、その都度AIに確認しながら一工程ずつ進めました。

これはAIのすごさというより、細かな疑問をその場ですぐ相談できることの価値を実感したところでした。

■申請データ送信、そして郵送へ

申請前チェックで「チェックOK」が出た後、申請データを送信。

システム上で到達を確認しました。

次にQRコード付き株式会社変更登記申請書を印刷。

押印し、登録免許税の収入印紙を準備し、必要書類一式をそろえました。

最後にもう一度、

「申請書はあるか」
「添付書類はそろっているか」
「押印は済んでいるか」
「収入印紙はあるか」

を一つずつ確認。

そして長崎地方法務局へ郵送しました。

■郵送後、正式に受付。そして「手続終了」へ

郵送後、登記・供託オンライン申請システムから受付のお知らせが届きました。

長崎地方法務局で正式に登記申請として受け付けられました。

そして、その後、申請用総合ソフトに新しい通知が表示されました。

「登記申請に関する手続きが完了しました。」

メールでも、手続が「手続終了」になったという通知が届きました。

申請者情報の登録から始めて、一工程ずつ進めてきた今回の役員重任登記。

ようやく一つの区切りまで到達しました。

■やってみて分かった。「AIが登記してくれた」わけではない

今回を振り返ると、「AIを使ったら法人登記ができた」だけでは、少し違う気がします。

AIは、

・次に何をすればいいか整理する
・必要な書類を整理する
・文案を作る
・資料との整合性を確認する
・エラーが出たときに原因を一緒に考える

といった部分でかなり役立ちました。

一方、人間は、

・正式な資料を確認する
・意思決定する
・押印する
・法務局へ問い合わせる
・収入印紙を買いに行く
・書類を郵送する

という部分を担当しています。

さらに申請システムが、AIと人間が見逃した入力ミスを発見してくれました。

つまり今回は、

AIだけでもない。
人間だけでもない。

AIと人間が一緒に仕事をして、その途中に正式資料やシステムによるチェックを入れながら、一つの手続きを完成させた。

そう考えるのが一番近いと思います。

■AI活用で「何時間減らせたか」以外に見るもの

今回、AIによって何時間削減できたのかは分かりません。

初めてだったこともあり、途中でかなり迷いました。

申請書も一度作り直しています。

それでも、大きな変化が一つありました。

「難しそうだから自分ではやらない」と最初から諦めなかったことです。

分からなくなれば、「次は何を確認すればいい?」とAIに聞ける。

一つ理解できたら、次へ進む。

また分からなくなったら、相談する。

これを繰り返すことで、以前だったら自分では着手しなかったかもしれない仕事を、最後まで進めることができました。

AI活用を考えるとき、

何時間削減できたか。
何人分の仕事を代替できたか。

という評価ももちろん大切です。

でも、もう一つ、AIがなければ、この仕事にそもそも自分で取り組んでいただろうか?という見方も面白いと思います。

時間短縮ではなく、着手できる仕事の範囲が広がる。

今回の法人登記では、そのAIの価値を強く感じました。

■今回覚えておきたいのは「AIを含めてチェックの流れを作る」こと

今回、AIも間違えました。

人間も間違えました。

それでも、実際の登記内容や会社の資料との照合や申請システムのチェック、必要に応じた法務局への確認があったことで、その都度修正しながら前へ進めました。

そこから得た一番実践的な教訓は、

AIに正解を求めるだけではなく、AIを含めた仕事全体に確認ポイントを作っておく。

ということかもしれません。

先ほどの言葉をもう一度使えば、これはVerificationです。

でも、難しく考える必要はありません。

「ほんとに合ってる?」と別の方法でもう一回見る。

それだけでも、AIを仕事で使うときの安全性はかなり変わりそうです。

今回の法人登記は、AIですべてを自動化した話ではありません。

人間とAIが一緒になって、今まで難しいと思っていた仕事に挑戦した話です。

そして最後までやってみたことで、「AIを実際の仕事でどう使えばいいのか」について、少しだけ具体的な形が見えてきました。

次にまた知らない仕事にぶつかったときにも、

・まず仕事を小さく分ける。
・一次資料を確認する。
・AIと一緒に進める。
・別の方法でもう一度Verificationする。
・分からなければ、正しい確認先へ聞く。

この流れは、法人登記以外の仕事でも使えそうです。

今回得たものは、登記手続を一つ終えたことだけではありません。

「難しそうだから自分ではやらない」と思っていた仕事でも、AIと人間が一緒なら、一つずつ前へ進められるかもしれない。

そう実感できたことが、今回の一番の収穫だったのかもしれません。

※この記事は、株式会社ハクライドウが実際に行った役員重任登記の体験をまとめたものです。会社の状況や登記内容によって必要な手続・書類は異なります。実際に手続きを行う際は、法務局の最新情報を確認し、必要に応じて管轄法務局や司法書士等にご確認ください。

→ AI導入に悩み、Microsoft 365 Business Standard+Copilot を選ぶまでのリアルな物語







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