脳の「老廃物を排出する仕組み」を外から動かす?アルツハイマー病研究で注目されたグリンパティック系

SNSで「アルツハイマー病の脳内プラークを、手術や薬を使わず10分ほどで排出する方法が見つかった」という興味深い情報を見かけました。

メガネを超音波洗浄機できれいにするように、脳に超音波を当てて老廃物を洗い流す。そんなイメージを持ってしまいそうですが、原論文を確認すると少し違います。

研究で使われたのは超音波(ultrasound)ではなく、40.68MHzの超短波(ultrashort wave:USW)です。

また「10分」というのも、アルツハイマー病のプラークが10分で消えたという意味ではありません。健康なマウスに超短波を照射したところ、10分以内にグリンパティック系の液体の流れが増強したという結果です。

では、この研究の何が興味深いのでしょうか。

■脳には老廃物の排出にかかわる仕組みがある

私たちの脳では、脳脊髄液などが循環しながら、代謝によって生じた老廃物の排出にかかわっています。

その仕組みの一つとして注目されているのが「グリンパティック系(glymphatic system)」です。

脳脊髄液が脳組織へ入り、組織の間にある液体と物質を交換しながら、代謝によって生じた老廃物の排出にかかわっています。この働きには、アストロサイトに存在する「AQP4(アクアポリン4)」という水チャネルが関係しています。

アルツハイマー病との関係では、この排出機能の低下によって、アミロイドβやタウといったタンパク質が病的に蓄積することとの関連が研究されています。

■この「排出システム」を外から動かせないか?

今回の研究の面白さはここにあります。

研究者らがマウスに40.68MHzの超短波を照射したところ、グリンパティック系への液体の流入と流出が促進されました。

その際、脳ではデルタ波の神経活動の同期が増え、さらにAQP4の働きにかかわる変化が確認されました。AQP4を薬理学的に阻害すると、この効果はみられなくなりました。

つまり単純に、「外から刺激して脳の汚れを洗い流した」という話ではありません。

脳がもともと持っている老廃物の排出システムの働きを、外部からの刺激によって高められる可能性が示されたというところが重要です。

■アルツハイマー病モデルマウスでも研究

さらに研究者らは、アルツハイマー病モデルマウスでも実験を行いました。

その結果、グリンパティック機能が改善し、認知機能の低下も改善したと報告しています。

ただし、これはあくまでマウスを使った前臨床研究です。人のアルツハイマー病を超短波で治療できることが確認されたわけではありません。

■「老廃物を取り除く」から「排出する仕組みを動かす」へ

最初は「10分で脳内プラークを取り除く」という情報に目を引かれました。

しかし原論文を確認してみると、この研究の興味深さは別のところにありました。

脳に蓄積した物質を直接取り除くのではなく、脳が本来持っている老廃物排出システムの働きを外部から調節する。

そんなアプローチの可能性が動物実験で示されたことです。

以前、「脳のゴミ捨てルートが鼻にあった?Cell論文から考える嗅覚と認知症」という記事で、脳脊髄液が嗅球周辺から硬膜リンパ管、鼻腔リンパ管などを経て排出される経路について紹介しました。

前回が「脳の老廃物はどこを通って排出されるのか」という研究だとすれば、今回は「その排出システムの働きを外から高めることはできないか」という研究です。

まだ人のアルツハイマー病治療につながるかどうかは分かりません。

それでも、こうした研究を続けて見ていくと、「脳にはどのような老廃物排出の仕組みがあり、その働きをどう維持・調節できるのか」というテーマが、アルツハイマー病などの神経疾患を考えるうえで注目されていることが見えてきます。

→「脳のゴミ捨てルートが鼻にあった?Cell論文から考える嗅覚と認知症」

【参考文献】

Noninvasive ultrashort wave neuromodulation enhances glymphatic clearance to alleviate traumatic brain edema and Alzheimer’s pathology. Science Advances. 2026;12(42):eaeh8870. DOI: 10.1126/sciadv.aeh8870.

【関連記事】
脳のゴミ捨てルートが鼻にあった?Cell論文から考える嗅覚と認知症

【マツコの知らない世界】抜け毛の世界/抜け毛が気になる人に必要な栄養素とは?鉄分・亜鉛・たんぱく質とおすすめ食品

2026年10月20日放送の「マツコの知らない世界」では「抜け毛の世界」が取り上げられ、女性の抜け毛と食生活について紹介されました。

番組では、「肉を食べない」ことが抜け毛につながる可能性について触れられ、肉に含まれる鉄分や亜鉛などの栄養素が話題になりました。

そこで今回は、

・抜け毛と栄養不足にはどんな関係があるのか
・なぜ鉄分や亜鉛が重要なのか
・髪の健康を考えるならどんな食品を選べばいいのか

について見ていきます。

→ 薄毛や抜け毛の原因(男性・女性)・対策・予防・チェック について詳しくはこちら

■髪も食べたものから作られている

髪の主成分は「ケラチン」というたんぱく質です。

そのため髪を健康に保つには、たんぱく質だけでなく、細胞の働きにかかわる鉄や亜鉛、各種ビタミンなどを不足させないことが大切です。

極端なダイエットや急激な体重減少、栄養不足などが、休止期脱毛のきっかけになることがあります。

ただし、ここで注意したいのは、

鉄や亜鉛をたくさん摂れば、髪が増えるという意味ではありません。

抜け毛には栄養不足以外にもさまざまな原因があります。栄養については「たくさん摂る」のではなく、不足させないという考え方が重要です。

■抜け毛と鉄分

鉄というと「貧血」のイメージがありますが、髪との関係についても研究されています。

特に女性の脱毛については、体内の貯蔵鉄の指標となるフェリチンとの関連が研究されています。一方、鉄不足ではない人が鉄を追加で摂取することで抜け毛が改善するという話とは区別する必要があります。

■鉄を摂れる食品

鉄分は、全身の細胞に酸素を運ぶ「ヘモグロビン」の構成成分となる必須ミネラルです。

主に赤身の肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があり、鉄が不足して貧血になると、筋力低下や疲労感などにつながることがあります。

日常の食事なら、例えば、

・赤身の肉
・レバー
・魚介類
・貝類
・大豆・大豆製品
・鉄を含む野菜類

など、いろいろな食品から摂ることができます。

→ 鉄分の多い食品 について詳しくはこちら

野菜などに含まれる非ヘム鉄は、肉や魚に含まれるヘム鉄と比べて吸収されにくい特徴があります。

そこで、非ヘム鉄を含む食品を食べるときは、ビタミンCを含む食品を一緒に摂るのも一つの工夫です。

ビタミンC(アスコルビン酸)は、非ヘム鉄を吸収されやすい形に還元し、鉄の吸収を助けます。そのため、野菜や大豆製品など鉄を含む食品と、ビタミンCを含む野菜や果物などを組み合わせて食べるとよいでしょう。

■抜け毛と亜鉛

もう一つ注目したいのが亜鉛です。

亜鉛はたんぱく質合成や細胞分裂などに関係するミネラルで、亜鉛欠乏では脱毛がみられることがあります。

今回のニュースでは「牡蠣」が登場しました。

確かに牡蠣は亜鉛を多く含む代表的な食品です。

→ 牡蠣(カキ)の栄養 について詳しくはこちら

ただし、亜鉛を摂れる食品は牡蠣だけではありません。

亜鉛を摂れる食品
牡蠣
牛肉
豚肉
レバー
チーズ
卵
魚介類

などがあります。

→ 亜鉛の多い食品 については詳しくはこちら

つまり、

「牡蠣を食べられない=亜鉛を摂れない」ではない

わけです。

アレルギーなどで特定の食品が食べられない場合も、一つの食品に頼るのではなく、食べられる食品の中から選択することがポイントになります。

■忘れてはいけない「たんぱく質」

鉄や亜鉛とともに忘れてはいけないのが、たんぱく質です。

髪の主成分はケラチンというたんぱく質です。

そのため、髪の健康を考えるうえでは、特定の栄養素だけに注目するのではなく、たんぱく質をはじめ、鉄や亜鉛などの栄養素を不足させないことが大切です。

例えば、牛赤身肉なら、たんぱく質・鉄・亜鉛をまとめて摂れる食品の一つです。

一方で肉をあまり食べない場合は、

魚・卵・大豆製品+鉄や亜鉛を含む食品

というように組み合わせて考えられます。

「髪にいい食品を一つ探す」のではなく、

髪をつくる材料を普段の食事で不足させない

という考え方です。

■髪のためにサプリメントを飲めばいい?

「抜け毛が気になるから亜鉛サプリ」「鉄サプリ」と自己判断で大量に摂取するのはおすすめできません。

鉄や亜鉛については、不足している場合には補う意味がありますが、不足していない人への補充で脱毛が改善するかについては根拠が限定的です。また、栄養素によっては過剰摂取にも注意が必要です。

抜け毛が急に増えた、長期間続いている、髪全体が薄くなってきたなど気になる変化がある場合には、食事だけで判断せず、皮膚科などの医療機関に相談することも大切です。

■まとめ|髪のためにも「不足させない食事」を

今回の「抜け毛の世界」をきっかけに考えたいのは、特定の食べ物を食べれば髪が生えるという話ではありません。

髪も私たちの体の一部です。

髪の材料になるたんぱく質、そして体のさまざまな働きを支える鉄や亜鉛などの栄養素を、普段の食事から不足させないことが基本です。

肉を食べないなら魚や卵、大豆製品などを組み合わせる。

牡蠣が食べられないなら牛肉やほかの魚介類などから亜鉛を摂る。

「髪にいいスーパーフード」を探すよりも、いろいろな食品を組み合わせて必要な栄養素を摂る。

抜け毛が気になるときは、まず普段の食生活を振り返ってみましょう。

ただし、抜け毛の原因は栄養不足だけではありません。急に抜け毛が増えた、長く続いている、薄毛が進行しているといった場合には、自己判断でサプリメントを摂取するだけでなく、皮膚科などの医療機関に相談しましょう。

【関連記事】
【あさイチ】女性の新型栄養失調「鉄・亜鉛・カルシウム不足」の改善方法は「トッピング」! 







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

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魚を食べて舌がピリピリは「ヒスタミン食中毒」のサインかも?|加熱しても防げない理由

魚を食べたときに、「あれ?舌がピリピリする」と感じたことはありませんか?

香辛料などを使っていないのに、唇や舌先にいつもとは違う刺激を感じた場合、もしかすると「ヒスタミン食中毒」が関係しているかもしれません。

ヒスタミン食中毒は、魚などの食品中に高濃度に蓄積した「ヒスタミン」を摂取することで起こる、アレルギーによく似た症状を引き起こす食中毒です。

2026年10月には、「塩こうじ仕込みの真サバ竜田揚げ」から大量のヒスタミンが検出されたとして自主回収が行われたことが報道され、改めてヒスタミン食中毒に注目が集まりました。

きっかけとなったニュースはこちら → 【回収】大量のヒスタミン検出「塩こうじ仕込みの真サバ竜田揚げ」健康被害につながる恐れ、約1万5千袋対象

今回のニュースそのものだけでなく、私たちが普段魚を購入・保存・調理するときにも知っておきたい「ヒスタミン食中毒」について見ていきましょう。

■ヒスタミン食中毒とは?

ヒスタミン食中毒とは、ヒスタミンが高濃度に蓄積した食品、特に魚類やその加工品を食べることで発症する食中毒です。

「ヒスタミン」という言葉を、花粉症やアレルギーの話で耳にしたことがある人も多いでしょう。

食品の場合は、魚などに含まれる「ヒスチジン」というアミノ酸に、ヒスタミン産生菌の酵素が作用することでヒスタミンが生成されます。

簡単にすると、

魚などに含まれるヒスチジン
↓
ヒスタミン産生菌の酵素が作用
↓
ヒスタミンが生成・蓄積
↓
その食品を食べる
↓
アレルギーに似た症状が起こる

という仕組みです。

特に、ヒスチジンを多く含む魚を常温に放置するなど、不適切な温度管理をすると、ヒスタミン産生菌が増殖してヒスタミンが生成されやすくなります。

■どんな魚で起こりやすい?

厚生労働省によると、主な原因食品として報告されているのは、

・マグロ
・カジキ
・カツオ
・サバ
・イワシ
・サンマ
・ブリ
・アジ

など、ヒスチジンを多く含む魚とその加工品です。

つまり、生魚だから起こるという話ではありません。

干物などの加工品も原因となる可能性がありますし、東京都では「カジキの照り焼き」「メカジキの味噌漬け」「イワシのつみれ汁」による実際の食中毒事例も紹介されています。

このことが、ヒスタミン食中毒を理解するうえで大切なポイントにつながります。

■食物アレルギーとは何が違うの?

ヒスタミン食中毒では、

・顔が赤くなる
・じんましん
・頭痛
・発熱
・おう吐
・下痢

など、食物アレルギーとよく似た症状が現れることがあります。

多くの場合、食べた直後から1時間以内に症状が現れます。

そのため、

「魚アレルギーになったのかな?」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、ヒスタミン食中毒は食物アレルギーそのものではありません。

東京都保健医療局によると、食品中にできたヒスタミンを食べることが原因なので、アレルギー体質とは関係なく、誰にでも起こる可能性があります。

同じ魚料理を食べた複数の人に、似た症状が出ることがあるのも、このためです。

■「魚はしっかり加熱すれば大丈夫」とは限らない

ヒスタミン食中毒で特に覚えておきたいのが、

「一度できてしまったヒスタミンは、加熱しても分解されない」

ということです。

厚生労働省は、ヒスタミンは熱に安定しており、調理加工工程で除去できないため、食品中に一度生成されると、調理時の加熱などでは分解できないと説明しています。

つまり、

「焼いたから大丈夫」
「揚げたから大丈夫」

とはいえません。

食品安全委員会も、焼く・揚げるといった加熱調理をした食品でもヒスタミン食中毒が発生することを紹介しています。

一般的な細菌性食中毒では「十分に加熱する」ことが重要な対策の一つですが、すでにヒスタミンが生成していた場合には、この考え方だけでは防ぐことができないのです。

■大切なのは「加熱」よりも「作らせない」こと

では、どうすればヒスタミン食中毒を防げるのでしょうか。

ポイントは、

できてしまったヒスタミンを取り除くのではなく、そもそもヒスタミンを作らせないこと。

そのために重要なのが温度管理です。

厚生労働省は、ヒスタミン産生菌の増殖と酵素作用を抑えるため、原材料の段階から食べるまでの一貫した温度管理が重要だとしています。

家庭では、

・魚を購入したら常温に放置せず、速やかに冷蔵する
・エラや内臓はできるだけ早く取り除く
・鮮度が低下したおそれのある魚は食べない
・冷蔵していても長期間保存しない
・冷凍した魚は冷蔵庫など、できるだけ低温で短時間に解凍する
・冷凍と解凍を繰り返さない

といった対策が推奨されています。

特に注意したいのは、

「冷蔵庫に入れておけばずっと大丈夫」とも限らない

ことです。

厚生労働省によると、10℃で低温管理した場合でも、長期間保存するとヒスタミン量が増える場合があります。

東京都も、0~10℃で発育するヒスタミン産生菌があるため、冷蔵中でも長期間保存するとヒスタミンが生成される可能性があるとしています。

「低温で保存して、できるだけ早く食べる」ところまでが大切なのです。

■魚を食べて「舌がピリピリ」は見逃さない

ヒスタミン食中毒を知ったうえで、ぜひ覚えておきたいサインがあります。

それが、

唇や舌先に感じる、普段とは違う「ピリピリ」とした刺激

です。

厚生労働省は、高濃度のヒスタミンを含む食品を口に入れたとき、唇や舌先に通常とは異なる刺激を感じることがあり、その場合は食べずに処分するよう注意を呼びかけています。

東京都も、ヒスタミンが大量にできている食品では、食べたときに舌が「ピリピリ」することがあると説明しています。

もちろん、舌がピリピリしたからといって、必ずヒスタミンが原因とは限りません。

ただし、香辛料など思い当たる理由がないのに、魚を口にして普段とは違う刺激を感じたら、

「もったいないから食べてしまおう」ではなく、食べるのをやめる。

これは覚えておいて損のない知識だと思います。

■症状が出たらどうする?

ヒスタミン食中毒では、食べた直後から1時間以内に、顔の赤み、じんましん、頭痛、発熱などの症状が現れることがあります。

消費者庁は、発症した場合には速やかに医療機関に相談するよう呼びかけています。

東京都によると、重症の場合には呼吸困難や意識不明になることもあります。

魚を食べたあとに急にアレルギーのような症状が現れた場合には、「魚アレルギーだろう」と自己判断するのではなく、食べたものや症状が出た時間などを医療機関に伝えることが大切でしょう。

■ヒスタミン食中毒は今も毎年発生している

ヒスタミン食中毒は、過去の珍しい食中毒ではありません。

厚生労働省の統計では、2025年(令和7年)に国内で13件、患者431人のヒスタミン食中毒が報告されています。2015年以降の掲載データを見ると、毎年発生が確認されています。

家庭で発生することもありますが、保育園や学校などの給食施設に関係する大規模な食中毒も報告されています。

だからこそ、魚を食べる私たち自身が知識として覚えておく意味があります。

■まとめ|「加熱すれば安心」ではなく「ヒスタミンを作らせない」

ヒスタミン食中毒について、最低限覚えておきたいことをまとめると、

1.魚などに含まれるヒスチジンから、細菌の働きによってヒスタミンが作られる

2.マグロ、カツオ、サバ、イワシ、サンマ、ブリ、アジなどと、その加工品が主な原因食品として報告されている

3.アレルギーに似た症状が出るが、アレルギー体質とは関係なく誰にでも起こる可能性がある

4.一度できたヒスタミンは、焼いたり揚げたりしても分解されない

5.だからこそ、魚を常温に放置せず、適切な低温管理をすることが大切

6.魚を食べて唇や舌先に普段とは違うピリピリした刺激を感じたら、食べるのをやめる

という6点です。

食中毒対策というと「しっかり火を通す」というイメージがあります。

しかしヒスタミン食中毒については、

「加熱してやっつける」のではなく、「適切な温度管理でヒスタミンを作らせない」。

これが大切です。

「魚を食べたとき、なんだか舌がピリピリする」

もし今後そんな場面に出会ったとき、この記事のことを思い出してもらえればと思います。

【参考文献・参考資料】

厚生労働省「ヒスタミンによる食中毒について」
ヒスタミンの生成機序、原因となる魚種、予防方法、国内の発生状況など。

消費者庁「ヒスタミン食中毒」
主な症状、ヒスタミンの生成、家庭での予防方法など。

東京都保健医療局「ヒスタミンによる食中毒」
症状、食物アレルギーとの違い、ヒスタミン産生菌、家庭での保存・解凍方法など。

東京都保健医療局「実際の食中毒事例」
カジキの照り焼き、メカジキの味噌漬け、イワシのつみれ汁など、実際のヒスタミン食中毒事例。

食品安全委員会「食中毒を引き起こす ヒスタミンのファクトシート紹介」
ヒスタミンの性質、人への影響、加熱調理との関係、予防方法等。







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Snow Man渡辺翔太さんは「トマトジュースを1日1L」!「1日1L」に意味はある?リコピンと肌の研究を調べてみた

Snow Man渡辺翔太さんは「トマトジュースを1日1L」とテレビ番組で自身の美肌の秘けつを紹介し、その理由についてトマトの抗酸化作用を信じて続けていると話したことがニュースになりました。

トマトといえば「リコピン」。

HAKURAIDOUでも以前から、トマトに含まれるリコピンやビタミンCと肌について紹介してきました。

ただ、ここで気になったのが、

「トマトやリコピンが肌によい可能性がある」ことと、「トマトジュースを1日1L飲むことに意味がある」ことは同じなのだろうか?

ということ。

そこで今回は、トマト・リコピンと肌について、最近の研究まで含めて調べてみました。

■トマトにはリコピンやビタミンCが含まれている

以前HAKURAIDOUでは、「日焼けに、トマトの力|リコピンがシミ・シワを防ぎ、日焼け後に肌が硬くなるのを防ぐ」という記事で、トマトと肌の関係を紹介しています。

トマトの赤い色のもとであるリコピンはカロテノイドの一種で、抗酸化作用を持つ成分として研究されています。

また、HAKURAIDOUの「NHK『あさイチ』/日本代表GK鈴木彩艶選手の好きな野菜は『ブロッコリーとトマト』。栄養のポイントは?」でも、トマトの栄養としてリコピンのほか、ビタミンC、β-カロテン、カリウムなどを紹介しています。

ビタミンCはコラーゲン生成にも関係する栄養素です。

ただし、今回「トマトジュースを飲むと肌にどう影響するのか」という視点で研究を調べてみると、特に注目されているのはリコピンと紫外線による皮膚ダメージとの関係でした。

■日本人73人を対象にトマトジュースを13週間飲んでもらった研究

興味深い研究があります。

2025年に『Pharmacometrics』に掲載された研究では、日本人の健康な成人男女73人を対象として、ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験が行われました。

参加者は、

リコピンを含むトマトジュースを飲むグループ
リコピンを含まないプラセボ飲料を飲むグループ

に分けられ、13週間毎日摂取しました。

トマトジュースに含まれていたリコピンは14.2mgです。

その結果、比較的強い紫外線(1.4 MED)を照射した条件では、照射5日後の肌の赤み(a値)と明るさ(L値)に、プラセボ群と比較して有意な改善が確認されました。

一方で、紫外線に対する肌の感受性を評価する最小紅斑線量(MED)には有意な改善が確認されませんでした。

つまり、この研究をそのまま読むなら、

リコピンを含むトマトジュースを継続摂取することによって、紫外線を受けた後の皮膚の赤みや色の変化を抑えられる可能性が示された

というところでしょう。

「トマトジュースを飲めば日焼けしない」といった結果ではないところにも注意が必要です。

■トマト・リコピンと肌は、この研究だけではない

さらに興味深いのが、これまで行われてきた研究をまとめたシステマティックレビュー・メタ解析です。

2024年に『Critical Reviews in Food Science and Nutrition』に掲載された研究では、トマトやリコピンと紫外線による皮膚への影響について、21件の介入研究がメタ解析の対象になっています。

その結果、トマトやリコピンの摂取は、

皮膚の赤み
色素沈着
MED
皮膚の厚さ・密度
紫外線による皮膚ダメージに関連する一部の分子マーカー

などの指標との関連が報告されました。

つまり、

「トマトはなんとなく美容によさそう」

という話だけではなく、

トマトやリコピンの摂取と紫外線による皮膚ダメージとの関係については、複数のヒト介入研究が行われている

という段階まで研究は進んでいるようです。

■では「1日1L」に意味はあるの?

ここで最初の疑問に戻ります。

渡辺翔太さんが紹介した「トマトジュースを1日1L」という量についてです。

今回確認した研究からは、

「美肌のためにはトマトジュースを1日1L飲む必要がある」

とはいえません。

日本人73人を対象とした研究でポイントとして示されている摂取条件は、リコピン14.2mgを含むトマトジュースを13週間継続して摂取したことです。

そして重要なのは、

一定量で効果が示されたことと、量を増やせば増やすほど効果が大きくなることは別

という点です。

今回確認した研究から、「1L」という量が肌にとって特に意味のある量だと判断することはできません。

つまり、

「トマトジュースに意味があるか?」と「1日1L飲むことに意味があるか?」は、別の問い

なんですね。

■「抗酸化=体のサビを取る」という理解にも少し注意

今回のニュースでは、トマトの抗酸化作用について「体の中のサビをとる」という趣旨の説明もされています。

抗酸化作用をわかりやすく伝える表現として、「体のサビ」という言葉が使われることがあります。

ただ、実際の人体では「体にできたサビをリコピンが取り除いてくれる」というほど単純な話ではありません。

今回紹介した研究でいうなら、

リコピンには抗酸化作用があり、その継続摂取と紫外線による皮膚の反応との関係が研究されている

くらいに理解するのがよさそうです。

■トマトジュースを飲めば日焼け対策になる?

ここにも注意が必要です。

今回紹介した研究は、トマトジュースやリコピンが日焼け止めの代わりになることを示した研究ではありません。

むしろ面白いのは、

肌を紫外線から守ることを「外側からの対策」だけではなく、食生活との関係からも研究する動きがある

ということでしょう。

日焼け止めや衣服などによる一般的な紫外線対策と、リコピンを含む食品を食べることは、同じものとして考えない方がよさそうです。

■まとめ|「トマトと肌」と「1日1L」は分けて考えよう

今回調べてみて面白かったのは、

「トマトジュースを飲んでいるから肌がきれい」という話を、単なる美容法として否定できるほど単純でもなかった

ことです。

トマトやリコピンと紫外線による皮膚ダメージについては複数のヒト介入研究があり、21件を対象とするシステマティックレビュー・メタ解析でも、皮膚の赤みや色素沈着など複数の指標との関連が報告されています。

さらに日本人の健康な成人男女73人を対象とした研究でも、リコピン14.2mgを含むトマトジュースを13週間摂取したところ、一定の紫外線照射条件で肌の赤みと明るさについてプラセボ群との差が確認されました。

ただし、

トマト・リコピンと肌について研究がある

ことと、

トマトジュースを1日1L飲めば、より肌がきれいになる

ことは同じではありません。

今回確認した研究からは、「1日1L」という量そのものに美肌上のメリットがあるとは判断できません。

「体にいい成分が入っている」 ↓
「その食品を食べると実際に効果がある」 ↓
「たくさん摂ればもっと効果がある」

この3つは、似ているようでそれぞれ別の話です。

健康や美容の情報を見るときには、「効果があるか?」だけでなく「どのくらいの量で研究されたのか?」まで見ると、情報の見え方が少し変わってくるのではないでしょうか。

【参考文献・参考資料】

Zhang X, Zhou Q, Qi Y, et al. The effect of tomato and lycopene on clinical characteristics and molecular markers of UV-induced skin deterioration: A systematic review and meta-analysis of intervention trials. Critical Reviews in Food Science and Nutrition. 2024;64(18):6198-6217. PMID: 36606553.

Nakazawa Y, Tsutsumi A, Takahashi S, Suzuki S. Photoprotective Effect of Lycopene Supplementation Against Ultraviolet Radiation-Induced Skin Damage: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled, Parallel-Group Trial. Pharmacometrics. 2025;109(3/4):67-79.

カゴメ「リコピンを含むトマトジュースの継続摂取が、紫外線照射後の肌のダメージを抑えることを示唆」(2026年4月28日)

HAKURAIDOU 「日焼けに、トマトの力|リコピンがシミ・シワを防ぎ、日焼け後に肌が硬くなるのを防ぐ」

HAKURAIDOU 「NHK『あさイチ』/日本代表GK鈴木彩艶選手の好きな野菜は『ブロッコリーとトマト』。栄養のポイントは?」







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炎症は炎症を呼ぶ? なぜ炎症は特定の臓器につながるの?

最近、健康について調べていると「炎症(慢性炎症)」という言葉をよく目にします。

歯周病では歯茎に炎症が起こります。

アトピー性皮膚炎なら皮膚、鼻炎なら鼻の粘膜です。

それぞれ別の場所で起きている炎症ですが、ここで素朴な疑問が浮かびました。

炎症が、別の場所の炎症に影響することってあるのでしょうか?

そして、もし影響することがあるのなら、

なぜ「つながりやすい炎症」と「つながりにくい炎症」があるのでしょうか?

調べてみると、どうやら炎症を「その場所だけの問題」と考えるだけでは見えてこないことがありそうです。

■歯周病は「歯茎だけの問題」なの?

この疑問を持つきっかけの一つになったのが歯周病です。

歯周病は、歯を支えている組織で慢性的な炎症が続く病気です。

興味深いことに、歯周炎の治療と全身の炎症との関係を調べた研究があります。

2023年のTreatment of periodontitis and C-reactive protein: A systematic review and meta-analysis of randomized clinical trialsでは、26件のランダム化比較試験、2,579人分のデータを解析しています。

その結果、歯周炎を治療した人では、6か月後に血液中の炎症の指標であるCRPが平均0.69mg/L低下していました。ただし、研究ごとのばらつきが大きいことや、より長期間のデータが限られていることには注意が必要です。

ここで面白いと思ったのは、

「歯茎を治療したのに、血液中の炎症の指標にも変化がみられた」

ということです。

歯周病は、口の中だけで完結している問題ではないのかもしれません。

■歯周炎とアトピーにも関連がある?

さらに調べてみると、意外な研究もありました。

2025年に発表されたRisk of atopic dermatitis in periodontitis patients with and without dental scaling: A retrospective cohort studyでは、台湾の医療データを使って、歯周炎とアトピー性皮膚炎との関係を調べています。

この研究では、歯周炎のある人では、歯周炎のない人より、その後のアトピー性皮膚炎の発症リスクが高いという「関連」がみられました。また、歯周炎のある人の中では、歯石除去を受けた人ほどアトピー性皮膚炎のリスクが低いという関連も報告されています。

もちろん、ここは慎重に考える必要があります。

これは観察研究なので、

「歯周病がアトピーを引き起こす」

と証明されたわけではありません。

まして、

「歯周病を治療すればアトピーが治る」

という話でもありません。

この研究では生活習慣や食事、身体活動などの情報も十分に評価できていないため、なぜ両者に関連がみられたのかについては、まだ分からない部分があります。

それでも、

歯茎の炎症と皮膚の炎症に、なぜ関連がみられるのだろう?

という疑問は残ります。

■炎症は一つの場所だけで完結していない?

調べていくと、そもそも全身性炎症を「一つの臓器だけの問題」として考えない研究があることが分かりました。

2026年のInter-organ crosstalk in systemic inflammation: a narrative review of molecular mechanisms and pharmacological modulation in the muscle–adipose–liver axisでは、全身性炎症を、孤立した組織の反応ではなく、臓器間のコミュニケーションによって成り立つネットワークとして捉えています。

その情報伝達には、サイトカインだけでなく、細胞外小胞、脂質メディエーター、代謝物など、さまざまなものが関係するとされています。

だとすると、複数の場所で起きている炎症も、免疫系などの共通のネットワークを介して影響し合うことがあるのではないか?

そんな疑問が浮かびました。

以前、腎臓について調べたときに、「心腎連関」「肝腎連関」「脳腎連関」「肺腎連関」のように、一つの臓器だけを見るのではなく、臓器同士のつながりを見る考え方を知りました。

炎症についても、それに似た見方ができるのかもしれません。

■では、なぜ全部の炎症がつながらないの?

ここで、もう一つの疑問が出てきました。

仮に一つの場所の炎症が、全身の免疫系を介して別の場所に影響することがあるのなら、

なぜ、すべての炎症がすべての臓器に影響するわけではないのでしょうか?

言い換えると、

なぜ「つながりやすい炎症」と「つながりにくい炎症」があるのでしょうか?

ここが私にはとても興味深く感じられます。

■炎症にも「発信側」と「受信側」がある?

ここからは、研究で確立された説明ではなく、私自身が理解するためのイメージです。

炎症にも、

「発信する側」と「受信する側」

のような関係があるのではないでしょうか?

ある場所で慢性的な炎症が起こる。

そこから炎症や免疫に関係する何らかの情報が発信される。

その情報が体内を巡る。

けれど、すべての臓器が同じように反応するわけではない。

ある臓器は反応する。
別の臓器はほとんど反応しない。
あるいは、何か別の条件が重なったときだけ反応する。

実際、臓器間の炎症性コミュニケーションについて、サイトカイン、細胞外小胞、脂質メディエーター、代謝物など複数の経路が研究されています。

そう考えると、

「炎症という火が別の場所に燃え移る」

というより、

「ある場所から発せられた炎症に関する情報を、別の場所が受け取って反応する」

とイメージした方が分かりやすいのかもしれません。

ただ、これはあくまで理解するためのたとえです。

■「体はつながっている」と「何でもつなげる」は違う

ここまで考えていると、「実は体の不調は全部つながっているのでは?」と思いたくなります。

でも、ここは一度立ち止まった方がよさそうです。

最近、家族の病気について医師から説明を受ける機会があり、印象に残ったことがありました。

いくつもの症状を無理に一つの病気で説明するのではなく、

「この症状にはAという病気が関係している。一方、この症状にはBという病気が関係している。それらが重なって、今の状態になっている」

という考え方でした。

これは炎症について考えるときにも大切なのではないかと思います。

体の中で臓器や免疫がつながっているからといって、同時に起きている炎症をすべて結びつけてよいわけではありません。

つながっているものもあれば、それぞれ別の原因によって起きているものもある。

たとえば、ある人に歯周炎とアトピー性皮膚炎が同時にあったとしても、それだけで「歯周炎がアトピーを引き起こした」とはいえません。

反対に、一人の人で関連がみられなかったからといって、集団全体でみられる関連まで否定できるわけでもありません。

医学研究では「必ずこうなる」という話だけではなく、「ある条件では起こる確率が高くなる」「低くなる」という形で示されることが少なくありません。

つまり、

「つながりを見つけること」と「何でもつなげてしまうこと」は違う。

この区別は、健康情報を見るうえでも大切なのではないかと思います。

■なんだか「ツボ」の話に似てきた?

ここまで考えていると、自分でも少し不思議な気持ちになりました。

「離れた場所同士がつながっている」という話は、東洋医学の「足のツボを刺激すると別の場所に作用する」といった話にも少し似て聞こえるからです。

ただ、今回調べているのは「どこかがつながっているはず」という話ではありません。

現代の炎症研究では、サイトカイン、代謝物、細胞外小胞など、臓器間で情報を伝える仕組みそのものが研究されています。

とはいえ、「人体を一つ一つの臓器に分けて見るだけでは分からないことがある」という発想には、どこか共通するところがあるのかもしれません。

■「炎症は悪いから下げればいい」という話ではない

そして、ここは間違えたくないところです。

炎症そのものは、本来、体を守るために必要な反応でもあります。

ですから、

「炎症は悪い。だから、とにかく炎症を下げよう」

という話にしてしまうのは違います。

一方で、歯周炎のように、局所の慢性炎症を治療すると血液中の炎症指標にも変化がみられた研究があります。

だから、

治療できる慢性炎症をそのまま放置しないことには、その場所を治療する以上の意味があるのだろうか?

ということも気になります。

これも今の段階では、私が持っている「疑問」です。

そして、今回このことを調べてみようと思った理由がもう一つあります。

もし慢性的な炎症が、その場所だけの問題ではなく、何らかの形で全身の健康と関わっているのであれば、

「慢性的な炎症を起こしにくい生活を心がけること」や「治療できる慢性炎症を放置しないこと」には、目の前の症状を改善する以上の意味があるのではないか?

と思ったからです。

もちろん、

「炎症を抑えれば病気にならない」

という意味ではありません。

健康的な食事や運動については、それぞれさまざまな慢性疾患の予防との関連が知られています。WHO(世界保健機関)も、健康的な食事が糖尿病、心疾患、脳卒中、がんなどの非感染性疾患から健康を守ることにつながるとしています。

またCDCも、健康的な食事、定期的な身体活動、禁煙、過度の飲酒を避けること、十分な睡眠や予防医療などを慢性疾患予防のための基本として挙げています。

食事と炎症の関係についても研究が行われており、特定の食品だけでなく、地中海食などの食事パターンと炎症マーカーとの関連が調べられています。

そのため、これまでこのブログでも「抗炎症」という視点から食品や食生活を取り上げてきました。

ただ、今回調べてみて改めて感じたのは、「この食品を食べれば炎症が消える」と考えることと、「日々の食生活が長期的な炎症状態に関係する可能性を考えること」は分けた方がよいということです。

「抗炎症食品」を特効薬のように探すのではなく、食事全体、運動などの生活習慣、そして治療が必要な慢性炎症を放置しないことまで含めて考える。

もし局所の慢性炎症と全身の健康が何らかの形で相互に関係しているのであれば、こうした日々の積み重ねには、私たちが考えている以上の意味があるのかもしれません。

そして、歯周病など治療が必要な慢性的な炎症があるなら放置せず、適切な治療を受ける。

そのことが結果として、別の病気のリスクにも何らかの影響を与える可能性があるのだろうか。

それは今回、私が知りたいと思ったことの一つです。

■炎症は炎症を呼ぶのだろうか?

最初の問いに戻ります。

炎症は炎症を呼ぶのでしょうか?

今のところ、

「ある場所に炎症があると、それが別の場所に新しい炎症を起こす」

と単純に説明できるものではなさそうです。

一方で、炎症や免疫を一つの臓器だけではなく、臓器同士のコミュニケーションを含むネットワークとして捉える研究も進んでいます。

だとすれば、

複数の場所で起きている炎症が、免疫系などの共通のネットワークを介して影響し合うことはあるのだろうか?

そして、

なぜ「つながりやすい炎症」と「つながりにくい炎症」があるのだろう?

発信する炎症の違いなのでしょうか。

受け取る臓器側の違いなのでしょうか。

それとも、その人が持つ別の条件によって「つながりやすさ」が変わるのでしょうか。

私自身、この疑問にまだ答えを持っていません。

「炎症があるから、別の病気になる」と単純につなげることもできません。

それでも、歯周炎を治療すると全身の炎症指標であるCRPにも変化がみられる研究があるように、局所の慢性炎症がその場所だけの問題ではない可能性については研究されています。

だから今のところ私が考えているのは、とても普通のことです。

特別な「抗炎症法」だけに頼るのではなく、健康的な食事や運動など、慢性疾患の予防にもつながる基本的な生活習慣を心がけること。

そして、

治療できる慢性炎症があるなら放置せず、きちんと治療すること。

それが目の前の病気だけでなく、将来の別の病気を防ぐことにも何らかの意味を持つのだろうか?

そこまでは、まだ分かりません。

だからこそ興味があります。

身体はつながっている。でも、何でもつなげればいいわけではない。

つながっているものと、つながっていないもの。

その違いを一つずつ確かめていくことが、科学なのかもしれません。

炎症は炎症を呼ぶのか?

呼ぶことがあるとすれば、なぜ特定の臓器なのか?

もう少し追いかけてみたいテーマです。

【関連記事】

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【参考文献】

Treatment of periodontitis and C-reactive protein: A systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials. Journal of Clinical Periodontology. 2023;50(1):45-60. DOI: 10.1111/jcpe.13709.

Risk of atopic dermatitis in periodontitis patients with and without dental scaling: A retrospective cohort study. PLOS ONE. 2025. DOI: 10.1371/journal.pone.0333877.

Inter-organ crosstalk in systemic inflammation: a narrative review of molecular mechanisms and pharmacological modulation in the muscle–adipose–liver axis. Frontiers in Pharmacology. 2026;17:1849847. DOI: 10.3389/fphar.2026.1849847.

WHO: Healthy diet

CDC: Preventing Chronic Diseases: What You Can Do Now







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