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トランス脂肪酸の表示を義務化する必要があるのか?

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by superscheeli(画像:Creative Commons)




■トランス脂肪酸とは

トランス脂肪酸の表示義務化検討のその後は? 他の脂質とのバランスもあり…

(2010/2/13、産経新聞)

トランス脂肪酸は油の構成成分である脂肪酸の一種だ。

植物油を加工してつくるマーガリンや、菓子によく使われるショートニングなどに多く含まれる。

大量に摂取すると、血液中の「悪玉コレステロール」が増えて「善玉」が減り、動脈硬化や心筋梗塞(こうそく)などのリスクを高めるとされる。

トランス脂肪酸を含む食べ物を大量に摂取すると、動脈硬化や心筋梗塞のリスクが高めるといった情報から、海外ではトランス脂肪酸の表示を義務付けるようになり、日本でも表示義務付けを求める動きが出たようです。

米国やカナダ、フランス、韓国も加工食品の栄養成分表示にトランス脂肪酸を義務付けており、日本でも消費者団体が表示の義務付けや含有量規制を求めていた。

福島瑞穂・消費者担当相は昨年11月24日、閣議後の記者会見で「健康の増進を図る観点」からトランス脂肪酸の食品中の含有量の表示について検討することを表明。

 

■日本とアメリカのトランス脂肪酸の摂取量の比較

食品安全委員会が調べた日本人のトランス脂肪酸摂取量(平成18年度)は、1日平均0・7~1・3グラム。

総エネルギー量に占める摂取割合は0・3~0・6%。

世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の専門家会合が示した目安である「最大でも1日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満」を下回っている。

一方、米国の成人平均は1日当たりの摂取量が5・8グラム、総エネルギーに占める割合は2・6%で、目安を大きく上回る。

米国の死因の1位である心疾患は、肉などの脂質を多く摂取する食生活が背景にあるため米政府は2006年、飽和脂肪酸やコレステロールに加え、トランス脂肪酸の表示も義務付けた。

日本でのトランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギー量に占める摂取割合の目安と比べると低いようです。

アメリカでのトランス脂肪酸の摂取量は、総エネルギー量に占める摂取割合の目安と比べると大幅に上回っているです。

こうみると、アメリカにおいてトランス脂肪酸の表示を義務付けるのは良いように思えますが、日本では、表示義務付けをする必要性があるようには思えません。

食品安全委員会は日本の場合、平均的な食生活では問題ないという立場だ。

ただ、「偏った食事をしている場合は平均を上回る可能性があるため注意する必要がある」と指摘している。

こうしたことを受けて、トランス脂肪酸を多く含む製品を販売するメーカーではトランス脂肪酸を減らす取り組みを行なっているようです。

こうした動きを受け、ドーナツやチーズ、油などの製品でトランス脂肪酸を低減する取り組みをアピールするメーカーも出ている。

 

■トランス脂肪酸の表示を義務化する必要があるのか?

消費生活コンサルタントの森田満樹さんは「そもそも日本には栄養成分の表示自体が義務化されておらず、先進国の中で遅れている。できたばかりの消費者庁としての存在感を示すためにトランス脂肪酸をとりあげた印象は否めない」と疑問を呈する。

菅野道広・九州大学名誉教授は「日本人はトランス脂肪酸よりも飽和脂肪酸の摂取量が多い傾向にある。トランス脂肪酸だけではなく、飽和脂肪酸や脂質全体の摂取量も含めて理解してもらえなければトランス脂肪酸の表示義務の意味がない。トランス脂肪酸表示にかけるコストとその効果を全体的に考える必要がある。重要なのは何より、バランス良く食べることだ」と指摘する。

トランス脂肪酸の表示を義務化するよりも、日本の食生活に合わせた栄養表示を行うようにメーカーに推奨することの方がまず先なのかもしれません。







食後高脂血症とは|空腹時のコレステロール値や中性脂肪値が正常でも、食後の値が下がりにくい高脂血症

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■食後高脂血症とは|空腹時のコレステロール値や中性脂肪値が正常でも、食後の値が下がりにくい高脂血症

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by Erwin Recinos(画像:Creative Commons)

メタボリックシンドローム 酸化コレステロールに注目

(2010/1/20、msn産経)

「また、最近『食後高脂血症』という病態も注目されています。

これは、空腹時のコレステロール値や中性脂肪値が正常でも、食後の値が下がりにくいものをいいます。

やはり血液がドロドロになり、血管内皮が傷つき、脂肪肝インスリン抵抗性を悪くし、心筋梗塞や脳卒中を招くことになります」

食後高脂血症の場合、検査時(空腹時)にコレステロール値や中性脂肪値が正常でも安心できないようですね。

食事をした後、その数値が下がりにくい場合、脂肪肝を悪化させ、心筋梗塞や脳卒中になることもあるようです。




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腹囲の数値によって心筋梗塞や脳梗塞の発症の危険性を明確に判断できない|厚生労働省研究班

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by Fouquier ॐ(画像:Creative Commons)

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メタボ腹囲は科学的根拠なし…線引き困難

(2010/2/9、読売新聞)

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の適正な診断基準を検証していた厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大学教授)は9日、診断の必須項目の腹囲の数値によって、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の発症の危険性を明確に判断できないとする大規模調査の結果をまとめた。

現在の腹囲基準(男性85センチ以上、女性90センチ以上)の科学的根拠を覆すもので、診断基準の見直しに影響しそうだ。

厚生労働省研究班による大規模調査によれば、腹囲の数値によって、心筋梗塞や脳梗塞の発症の危険性を判断することができないそうです。

これまで、メタボ検診の腹囲基準については、様々な意見がありました。

もしここで、これまでの診断基準(男性85センチ以上、女性90センチ以上)の見直しということになれば、メタボ健診やペナルティに対する不満も溜まっていましたので、様々な問題・トラブルが起きてくるかもしれません。

今回の研究結果とは、一体どのようなものだったのでしょう。

研究班は、全国12か所の40~74歳の男女約3万1000人について、心筋梗塞、脳梗塞の発症と腹囲との関連を調べた。

その結果、腹囲が大きくなるほど、発症の危険性は増加したが、特定の腹囲を超えると危険性が急激に高まるという線引きは困難であることがわかった。

腹囲が大きくなればなるほど、発症のリスクは増加したものの、心筋梗塞や脳梗塞の発症と腹囲との関連はなかったようです。

国際的にはどういった判断基準となっているのでしょうか。

国際的には、腹囲を必須とせず、総合的にメタボを診断するのが主流。

米国では、腹囲(男性102センチ以上、女性88センチ以上)は中性脂肪、HDLコレステロール、血圧、血糖値を含めた五つの診断基準の一項目に過ぎない。

アメリカでは、腹囲・中性脂肪・HDLコレステロール・血圧・血糖値で診断しているそうです。

腹囲基準とメタボの関連性に科学的根拠がないとのことですが、肥満の人ほど、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高いことは間違いない事実。

現行の基準でメタボと診断された人は、そうでない人に比べて発症の危険性は男性で1・44倍、女性で1・53倍高かった。

最適な腹囲基準とは、また腹囲基準を目安にするのかどうかを含めて、今後研究して良く必要があるのかもしれません。







中川昭一氏死去 遺族、死因は「急性心筋梗塞」と説明

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中川氏死去 遺族、死因は「急性心筋梗塞」と説明

(2009/10/5、産経新聞)

中川昭一元財務・金融相(56)が4日朝、東京都世田谷区の自宅ベッドで死亡しているのが見つかった。

警視庁世田谷署によると、目立った外傷はなく、遺書は見つかっていない。

ベッドには嘔吐(おうと)の形跡があった。

同署は事件の可能性は低いとみて死因などを調べている。

<中略>

行政解剖したが死因は不明。死後10時間前後が経過していた。

家族は「睡眠薬を服用していた」と説明しているといい、室内には病院処方の睡眠薬とみられる錠剤があった。

弔問客によると、遺族側は死因を「急性心筋梗塞(こうそく)」と説明しているという。

中川氏の死因は、遺族の方によれば、「急性心筋梗塞」だったそうです。

ご冥福をお祈りいたします。

→ 心筋梗塞・急性心筋梗塞とは|心筋梗塞の症状・原因・前兆・予防 について詳しくはこちら

【参考リンク】

  • 心筋梗塞、狭心症-その予防と治療 - 国立循環器病センター

狭心症や心筋梗塞症の治療は動脈硬化を完治させるわけではありません。

病気にならないためには、動脈硬化の進行を予防することが大切です。

それには危険因子と呼ばれる因子の除去に努めることが重要です。

禁煙、塩分・糖分・脂肪分のとりすぎに注意し、バランスのよい食事をして、高血圧症糖尿病高脂血症を予防すること、適度な運動(毎日適当な距離を歩く習慣をつけて下さい)、気分転換を図り、ストレスを避け、規則正しい生活を送ること、血縁の方に心筋梗塞症や狭心症の方がいれば、特に長年の悪い習慣を改める必要があります

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【心筋梗塞と有名人】

iPS細胞、5年後にもヒトへ応用 文科省、心筋梗塞・目の病気治療など




iPS細胞、5年後にもヒトへ応用 文科省、心筋梗塞治療など

(2009/6/25、日本経済新聞)

iPS細胞が早ければ5年後にも心筋梗塞目の病気などの治療で研究が始まるそうです。

もうそこまで近づいているんですね。

【追記(2016/6/25)】

2014年には目の病気にiPS細胞を使った移植手術が行われています。