> 健康・美容チェック > 肝臓 > 肝臓の健康(ウコン・脂肪肝・NASH)|ためしてガッテン(NHK)
2011年6月29日放送のためしてガッテンのテーマは「肝臓の健康を守れSP」です。
近年、予備軍1000万人の肝臓病が増えているそうです。
【目次】
■肝臓の働き
- アルコールの分解
- 老廃物の処理
- エネルギーを作る
- 脂肪の保管
- 胆汁を作る
- ビタミンの合成
- 解毒
■脂肪肝がなぜがんになるのか? 脂肪ががんを作る
ミトコンドリアは、肝臓が行う分解や解毒などすべての処理に必要なエネルギーを作っている。
ミトコンドリアは糖からエネルギーを作る働きを持っています。
ミトコンドリアが正常に働いてエネルギーを作ってくれるおかげで、肝臓が行う分解や解毒などすべての処理ができるわけです。
脂肪肝になると、脂肪肝の細胞の中には、脂肪が入り込んでしまって、ミトコンドリアに異常が起こってしまいます。
その異常とは、ミトコンドリアが糖からエネルギーを作るのではなく、脂肪からエネルギーを作るようになってしまうことです。
脂肪肝の細胞には、糖が入ってこないため、ミトコンドリアは肝臓を動かすために、脂肪をエネルギーにしているというわけです。
しかし、ミトコンドリアにも限界があり、脂肪からエネルギーをつくる過程でミトコンドリアは巨大化してしまい、機能不全に陥ってしまいます。
この状態のことを、ジャイアント・ミトコンドリアと呼ぶそうです。
ジャイアント・ミトコンドリアが死ぬと、細胞自体が死んでしまいます。
しかもこの時肝臓に炎症が起こってしまいます。(=肝炎)
次に、星細胞がやってきて、星細胞は、死んだ細胞の跡地を埋めるために繊維=コラーゲンを吐き出します。
そして、隙間がコラーゲンでガチガチに固められてしまい、線維化状態になります。(=肝硬変)
肝臓がんは肝硬変になった頃に登場するそうです。
脂肪肝を出発点にした肝臓病を非アルコール性脂肪肝炎、通称NASH(ナッシュ)といいます。
NASH予備軍は1000万人。
過度にお酒を飲まない脂肪肝⇒約2割が10年でNASHに進行する。
日本人の肝硬変・肝臓がんの原因のほとんどは肝炎ウイルス・アルコール。
NASHは肥満や糖尿病がベースで、生活習慣病が増えて、NASHが増加。
NASHからの肝臓がんは脂肪が消えていく=バーンアウト(焼けただれた)NASH
進行するにつれて脂肪がなくなってしまうため、NASHからの肝臓がんと診断できない。
NASHと関連する因子は・・・
- 肥満(メタボリックシンドローム)
- 糖尿病
- 高脂血症
- 高血圧
といった現代人がかかえる生活習慣病と深い関係があることがわかります。
■たまった肝臓の脂肪を燃やすには?
計算上、週に3日夜更かしすると年間1kgの脂肪燃焼の妨げになるそうです。
脳:糖で作られたエネルギーを好む
心臓:脂肪で作られたエネルギーを好む
起きている間は、肝臓は脳のために糖を使ってエネルギーを作ります。
寝るときには、脳はそれほどエネルギーを必要としないので、肝臓は心臓のために脂肪を使ってエネルギーを作ります。
つまり、ムダに夜更かししていると、肝臓が燃やすはずの脂肪が燃えないということです。
■ウコンで肝臓病が悪化する?
by Steven Jackson(画像:Creative Commons)
C型肝炎に感染したある方は、熱心に治療しているのにもかかわらず、なかなか症状が回復しませんでした。
病院が調べたところ、あることが原因でした。
それは、肝臓に少しでもいいものをと思い、飲んでいたウコンでした。
ウコンを取るのをやめると、その方の肝機能の数値は改善されました。
ウコンのどの栄養素が問題だったのでしょうか。
その栄養素とは、「鉄」でした。
※鉄の摂取
健康な人の場合は、貯蔵しないと貧血が起こる。
C型肝炎/NASHの場合は、鉄が過剰に貯まる。=鉄過剰
※鉄過剰
肝臓にたまった鉄が酸化する
⇒肝臓に炎症を引き起こす
C型肝炎/NASHの患者さんの場合には、鉄の摂取を制限する
⇒6mg/日以下に抑える
食事の他に鉄を含むウコンを摂取すると摂取量を超えるおそれがある。
※鉄分がほとんどふくまれていないウコン商品もありますが、鉄分表示をされていないものが多かったそうです。
※フェリチン値
血液中に貯蔵されている鉄の量。
血液検査で測定することができる。
C型肝炎/NASHの患者さんは、一度フェリチン値の測定を。
フェリチン値に異常のない方は、ウコンを飲んでも問題ないようです。
ウコン(ターメリック)の他にも健康食品の中には鉄が含まれているものがあるので注意。