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ねこヘルスケアIoT「ハチたま」|ネコの見守り・モニタリング・肥満予防・腎不全予防をIoTでの解決する




■ねこヘルスケアIoT「ハチたま」|ネコの見守り・モニタリング・肥満予防・腎不全予防をIoTでの解決する

参考画像:ハチたま|スクリーンショット

~増大するペットの医療費問題をIoTで解決!~ スマートごはんサーバー『 hachi tama / ハチタマ 』国内初のペットヘルスケアIoTサービス

(2016/10/7、株式会社ペットボードヘルスケア PRTIMES)

「hachi tama(ハチタマ)」は、スマホアプリから操作できるカメラと自動給餌機能を組み合わせた「ハードウェア」と認定オーガニック「ペットフードの定期購買」を組み合わせた国内初のペットヘルスケアIoTサービスです。

ねこヘルスケアIoT「ハチたま」はIoTで猫の健康をケアする企業で、ねこの見守り(モーションセンサーで録画、水飲みやトイレ回数のモニタリングなど)やスマートごはんサーバ(食事管理アプリ+デバイス+体重計)で猫の肥満予防、スマートトイレ(おしっこの異常を早期発見して、腎不全を防ぐ)に取り組んでいるそうです。

■猫のモニタリング

健康状態のモニタリングができるペット用スマートカラー|迷子の際のGPSトラッキング、給餌状態のチェック・リマインダー、ノミ・ダニなどの治療の管理で紹介したScollar Mini(スカラーミニ)には、迷子の際のGPSによるトラッキング機能、トレーニング・アクティビティ・健康情報のモニター機能、給餌状態のチェック・リマインダー機能、ノミ・ダニなどの治療の管理ができる機能、ペット用ドアの開閉機能、キッチンなど入ってほしくないところに入らないようにする機能などが付いています。

■猫の肥満予防

ペットの肥満を防ぐ!IoTを活用した自動ペットフード給餌機で紹介したAssociation for Pet Obesity Prevention(ペットの肥満防止協会)によると、合衆国の犬と猫の推定54%が、過食による太りすぎ、ないし肥満なのだそうで、そのことが糖尿病や腎臓病、心臓病、関節の障害などの原因になっています。

そこで、以前紹介したのは、モノのインターネット(IoT)を活用したペットフード給餌機です。

ペットの首にスマートIDをつけておき、ペットの接近を感知したら給餌機がシャッターを開けて一定量のフードを出し、タイマーとドアシャッターを使って給餌量を制限するというものです。

■猫の腎不全を防ぐ

世界初の猫慢性腎不全治療薬が抱える課題

(2017/8/23、「ペットを幸せにする」ブログ)

ステージ1から4まであり1が軽症、4が重度の腎不全となります
症状としてはステージ4だと尿毒症などが現れるので
飼い主はすぐに気づきます

しかし、ステージ1はほとんど無症状
ステージ2と3は多飲多尿といった症状が現れるそうです

東レ、ネコの慢性腎臓病治療薬ラプロス®を発売|10歳齢以上の猫における慢性腎臓病の有病率は30~40%にのぼるによれば、猫のかかりやすい病気の一つに慢性腎臓病が挙げられ、10歳齢以上の猫における慢性腎臓病の有病率は30~40%にのぼるそうです。

猫の慢性腎臓病治療薬ラプロス®はステージ2~3の慢性腎臓病を対象としており、飼い主さんが多飲多尿に気づかなければ、せっかくの治療薬も使えないという可能性があります。

そこで、スマートねこトイレでモニタリングを行ない、おしっこの異常のサインを知らせることができれば、早期発見・早期治療ができるという考え方です。

また、ねこIoT保険制度の構築も検討しているそうです。




■まとめ

cat

by ivva(画像:Creative Commons)

犬&猫にも進む高齢化の波|ペットフード工業会調査(2009/2/24)によれば、一般的に犬や猫は7歳以上がシニアとされるが、その率は犬で全体の55・3%(昨年度51・0%)、猫で47・4%(同45・8%)となっており、うち約3割は10歳以上の老齢犬・猫なのだそうです。

ペットも高齢化で脱毛症や白内障、ガンなどの病気にかかるケースが増えたことやペット保険に対する信頼度や認知度が上がっていることから、犬や猫の高齢化で高額医療費を保障するペット保険の加入急増(2010/5/13)で紹介した富士経済によると、ペット保険の2009年の加入件数は、43万4000件で前年比45.1%増えたそうです。

保険とIOTを融合した健康増進サービスの開発に注目!|ウェアラブルデバイスをつけて毎日運動する人は生命保険・医療保険の保険料が安くなる!?というアイデアを以前紹介しましたが、近い将来、ペット保険にも導入され、食事管理デバイスやスマートトイレ、スマートカラーをつけてペットの健康管理をしている人の保険料が安くなるということも起こるかもしれません。







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皮膚貼り付け型ナノメッシュセンサーの開発に成功|1週間貼り続けても炎症反応がない|東大・JST・慶大・理研




■皮膚貼り付け型ナノメッシュセンサーの開発に成功|1週間貼り続けても炎症反応がない|東大・JST・慶大・理研

皮膚貼り付け型ナノメッシュ電極を人差し指に装着し、フレキシブルバッテリーから電力を供給して発光ダイオードを点灯させた
皮膚貼り付け型ナノメッシュ電極を人差し指に装着し、フレキシブルバッテリーから電力を供給して発光ダイオードを点灯させた

参考画像:皮膚呼吸が可能な皮膚貼り付け型ナノメッシュセンサーの開発に成功~1週間貼り続けても炎症反応がないため、長期生体計測への応用に期待~(201/7/18、東京大学・科学技術振興機構(JST)・慶應義塾大学・理化学研究所)|スクリーンショット

皮膚呼吸が可能な皮膚貼り付け型ナノメッシュセンサーの開発に成功~1週間貼り続けても炎症反応がないため、長期生体計測への応用に期待~

(201/7/18、東京大学・科学技術振興機構(JST)・慶應義塾大学・理化学研究所)

●通気性と伸縮性を兼ね備えた皮膚貼り付け型ナノメッシュセンサーを生体適合性材料で開発することに成功した。このセンサーは極薄かつ超軽量であるため、装着していることすらユーザーが感じることがなく、装着時の不快感がない。

●20名の被験者に対してパッチテスト(かぶれと皮膚アレルギー試験)を行ったところ、1週間連続して装着しても明らかな炎症反応を認めないことが確かめられた。

東京大学大学院工学系研究科、科学技術振興機構、慶應義塾大学医学部、理化学研究所統合生命医科学研究センター、同研究所染谷薄膜素子研究室、同研究所創発物性科学研究センターの共同研究によれば、1週間皮膚に貼り続けても炎症反応がなく、装着していることを感じないほど超軽量で極薄のナノメッシュ電極の開発に成功したそうです。

■背景

さらに次世代のウェアラブル電子機器として、皮膚に密着することでより高精度な生体信号を計測できる電子機器が、軽量で伸縮性の高い薄膜フィルムやゴムシートを用いて盛んに開発されてきました。研究チームはこれまで、皮膚に貼り付けられる血中酸素濃度計やタッチセンサーアレイ注2)などを開発してきました。その活動の中で、医療やスポーツの分野で応用する場合には、1週間以上の長期測定が求められることが少なくないことが分かりました。

薄いフィルムやゴムシート型のデバイスは、ガス透過性が低いために皮膚からの汗などの分泌を阻害してしまうため、長期間使用できる安全性について皮膚科学的な見地から証明されていなかったことが課題となっていました。

心電図や脈拍などの生体データを計測して健康管理に活かすためのウェアラブルデバイスに関心が高まっており、さらに次世代型として薄膜フィルムやゴムシートを用いて皮膚に密着することにより高精度な生体データを計測するための血中酸素濃度計やタッチセンサーアレイ(人の指などが接触する位置情報をセンシングできるデバイス)の開発が進められています。

しかし、医療やスポーツで利用する場合には一週間以上の長期測定が必要であり、フィルムやゴムシート型のデバイスの場合、汗の分泌を阻害するため安全性についての問題がありました。

例えば、【肌の上のラボ】汗を分析するデバイスで病気診断|ノースウエスタン大学では、ノースウエスタン大学の研究チームは、皮膚に簡単に貼りつけることができる、身体が運動にどのように反応しているかを着用者の汗を測定するマイクロ流体デバイスを開発したというニュースをお伝えしました。

また、脈拍数や血液中の酸素濃度などを表示し、肌に貼れる有機ELディスプレイを開発|東大では、センサーで検知した脈拍数や血液中の酸素濃度を表示できる有機ELディスプレイが開発されたニュースを紹介しました。

これらのテクノロジーについて単純に素晴らしいと思っていましたが、今回のニュースを見ると、皮膚に貼り付けることにより、汗などの分泌を阻害する可能性があるという視点を見逃していると感じました。(ただ、2つのデバイス・ディスプレイが実際皮膚に対してどのような反応をするかはわかりません。)




■開発のポイント

そこで本研究グループは、生体適合性に優れた金と高分子(ポリビニルアルコール)からなるナノサイズのメッシュ型電極を開発しました(図1)。開発したナノメッシュ電極は、軽量で高い伸縮性とともに、高いガス透過性を持つため、1週間皮膚に貼り続けても炎症反応を起こしません。また、このナノメッシュ電極は、少量の水で簡単に皮膚へ貼り付けることができ、皮膚の指紋や汗腺などの微細な凹凸に沿って形成することができます(図2)。

ナノメッシュ電極は一週間張り続けても炎症反応を起こさないそうです。

また、皮膚貼り付け型ナノメッシュ電極を人差し指に装着することによって、タッチセンサーを作ることもできるそうです。

さらに開発したナノメッシュ電極を用いると、皮膚の上の温度や圧力などの情報も正確に計測することができるようになります。ナノメッシュ電極アレイを指先に貼り付け、布地型のワイヤレスユニットと組み合わせることで、指の上にワイヤレスで読み出し可能なタッチセンサーを作製することに成功しました。さらに小型でフレキシブルなセンサー素子と組み合わせることで温度や圧力などの情報を計測することに成功しました。

近い将来リモコンや物理ボタンはなくなる!?|Project Soli・ViBandで紹介した「ViBand」では、スマートウォッチの加速度センサーを活用し、フリック、クラップ、スクラッチ、タップなどのハンドジェスチャを動作のシグナルとして使っていましたが、皮膚貼り付け型ナノメッシュ電極によって、新しいリモコンもできるかもしれません。

■まとめ

次世代の生体データを計測するためのウェアラブルデバイスは皮膚貼り付け型になっていくのでしょうか。

そして、リモコンも皮膚貼り付け型に変わっていくのでしょうか。

これからのニュースに期待しましょう。







【参考リンク】
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Omega Ophthalmicsはセンサー、ドラッグデリバリーデバイス、AR/VRを取り込むことができる目のインプラントプラットフォームの提供を目指す




■Omega Ophthalmicsはセンサー、ドラッグデリバリーデバイス、AR/VRを取り込むことができる目のインプラントプラットフォームの提供を目指す

参考画像:Omegaophthalmics|スクリーンショット

Omega Ophthalmics is an eye implant platform with the power of continuous AR

(2017/8/4、TechCrunch)

Google and other tech companies have come up with glasses and contact lenses for the purposes of AR, but Omega Ophthalmics is taking a much more invasive approach by using surgically implanted lenses to create a space for augmented reality inside the eye.

AR(拡張現実)技術とは、コンピュータを使って、現実の風景に情報を重ね合わせて表示する技術のことであり、グーグルグラスに代表される眼鏡型ウェアラブルデバイスやコンタクトレンズ型、HoloLensに代表されるヘッドマウントディスプレイ型がありますが、「Omegaophthalmics」が開発しているのは、眼の中に外科的に眼内レンズ埋め込む侵襲的アプローチです。

【参考リンク】

【関連記事】

SFの世界のような話と思う人もいるかと思いますが、実は眼内レンズはすでに一般的に利用されています。

現在白内障の手術では、日常生活に支障が出るほど視力が低下すると、水晶体を取り除き、代わりに、眼内レンズをはめ込む手術が行われています。

Thoughts on Cataract Surgery: 2015

(2015/3/9、Review of Ophthalmology)

Cataract surgery is the most common procedure performed by the ophthalmic surgeon. This year, 3.6 million cataract procedures will be performed in the United States and more than 20 million will be performed worldwide, according to estimates.

2015年にはアメリカで360万件の白内障手術が行われ、世界中では2000万人以上の手術が見込まれるほど、白内障手術は眼科医が行なう一般的な手術となっています。

【関連記事】

Co-founder and board-certified ophthalmologist Gary Wortz saw an opportunity here to offer not just a lens but a platform to which other manufacturers could add different interactive sensors, drug delivery devices and the inclusion of AR/VR integration.

「Omegaophthalmics」がサイト内で公開している動画を見ると、「Gemini Refractive Capsule」という眼内レンズを埋め込みで目の中に空間を作り、視力改善だけにとどまらず、様々なインタラクティブセンサー(対話するような形式で操作する)、ドラッグデリバリーデバイス(ナノカプセルの中に薬を入れて、体の中の疾患部位にその薬を届けるという技術)を追加できるプラットフォームの提供を考えているようです。

【関連記事】

グーグルが目の中に電子デバイス埋め込み視力改善する特許出願で取り上げたアイデアに近いものがあるように感じます。

Googleが特許を出願したのは、眼球に直接挿入する視力矯正用電子デバイスで、眼球内の水晶体を取り除いて、その水晶体を覆っていた水晶体嚢に、データ記憶装置、センサー、通信機、バッテリー、電気的に焦点を調整できるポリマー製レンズでできたデバイスを埋め込み、外部のコンピューターと通信しながら、見ている映像の光が網膜上に焦点を結ぶように、レンズの厚みをリアルタイムで調整するシステムでしたが、「Omegaophthalmics」のアイデアはさらに発展させたアイデアのように感じます。




■まとめ

AR/VR技術としては、グーグルグラスに代表される眼鏡型ウェアラブルデバイスやコンタクトレンズ型、HoloLensに代表されるヘッドマウントディスプレイ型が出ていますが、眼内レンズ(Intraocular lens, IOL)型というコンセプトのものが実際に実現するようになれば、未来感がありますね。

眼内レンズ型に変わるとどう変化するでしょうか?

Google Research and Daydream Labs: Headset Removal

グーグル、VRゴーグルが透けて装着者の顔が見えるMR技術–VRの没入感を共有

(2017/2/24、cnet)

装着者向けの映像に装着者の姿を合成する複合現実(Mixed Reality:MR)のような技術を使うと、ある程度は没入感を共有できる。その場合も、顔を覆うVRゴーグルに装着者の表情が隠されてしまうため、つい現実に引き戻されてしまう。

 この問題を解消しようと、Googleの研究チームがVRゴーグルに装着者の表情を合成するMR技術を開発した。これにより、VRゴーグル装着者の顔が透けているように見え、周囲の人も没入感をより自然に共有できるようになる。

以前、Googleが開発した、VRゴーグル装着者の表情が透けているように見えることで、周りの人も共有しやすくなるという「3D表情&視線モデル」のニュースを紹介しましたが、これはゴーグルをつけている違和感を消すというものであり、眼内レンズ型の場合、こうしたことを考える必要がありません。

また、以前VRゲームとワークアウトを組み合わせたフィットネスマシンが開発されたというニュースを紹介しましたが、ゴーグルをつけることとフィットネスには違和感を感じてしまう点があるのは否めませんが、眼内レンズ型となれば、自然にフィットネスしながらAR・VRゲームができるようになるかもしれません。

眼内レンズ型×AR・VR×スポーツを組み合わせれば、新しいスポーツも生まれるのではないでしょうか?

ゲームをつくり続ける理由。あるいは選択、失敗、そして挑戦について──小島秀夫

(2017/8/12、WIRED)

映画ができた100年前、リュミエール兄弟が成し遂げた二次元世界をつくる手法がやがて進化し、テレビになってそれはいま、スマホになりました。しかしその100年間で、スクリーンという考え方そのものは何も変わっていません。でも、VRには、それがないんです。その没入感こそが、画期的だと思っています。

スクリーンの文化が消えるとき、その没入感をどう使うのか。スクリーンを眺めながらストーリーテリングをやってきた人たちは、スクリーンじゃないVRでどういうストーリーテリングを奏でるのか。ライヴやスポーツ観戦はどうなるか。シミュレーターとしてどういう発展の仕方があるか。いくらでも広がりはあると思います。

ただ、AR/VRになって今までと同じようなスクリーンの文化で表現をしていくのか、それともAR/VR独自の表現の仕方をしていくのかは気になるところです。







【VR 関連記事】
続きを読む Omega Ophthalmicsはセンサー、ドラッグデリバリーデバイス、AR/VRを取り込むことができる目のインプラントプラットフォームの提供を目指す

高輝度中赤外レーザーで糖だけを正確に捉えることができる非侵襲血糖値センサー技術の開発|量子科学技術研究開発機構(QST)

健康・美容チェック > 糖尿病 > 血糖値 > 「唇」に遠赤外線を当てて、採血なしに血糖値を測定する方法を開発|東北大




■「高輝度中赤外レーザー」で糖だけを正確に捉えることができる「非侵襲血糖値センサー」技術の開発|量子科学技術研究開発機構(QST)

採血なしに指先で光に触れるだけで血糖値が測定できる|「高輝度中赤外レーザー」で糖だけを正確に捉えることができる「非侵襲血糖値センサー」技術の開発|量子科学技術研究開発機構(QST)
採血なしに指先で光に触れるだけで血糖値が測定できる|「高輝度中赤外レーザー」で糖だけを正確に捉えることができる「非侵襲血糖値センサー」技術の開発|量子科学技術研究開発機構(QST)

参考画像:採血が不要、非侵襲血糖値センサーの実用化に挑戦(2017/8/18、量子科学技術研究開発機構プレスリリース)|スクリーンショット

採血が不要、非侵襲血糖値センサーの実用化に挑戦

(2017/8/18、量子科学技術研究開発機構プレスリリース)

山川考一グループリーダーらは、固体レーザーの最先端技術と光パラメトリック発振(OPO)技術2)を融合することにより、世界で初めて手のひらサイズの高輝度中赤外レーザーの開発に成功し、一定の条件の下、国際標準化機構(ISO)3)が定める測定精度(血糖値75mg/dl未満では±15mg/dl以内、75mg/dl以上では±20%以内に測定値の95%以上が入っていれば合格)を満たす非侵襲血糖測定技術を初めて確立しました。

量子科学技術研究開発機構の研究グループは、採血をせずに指に光を当てるだけで血糖値を測定できる技術を開発しました。

具体的に言えば、波長6μm~9μmの「高輝度中赤外レーザー」と呼ばれるレーザーを利用し、糖だけを正確に捉えることができる「非侵襲血糖値センサー」技術の開発を行ないました。




■背景・既存の技術

これまで糖尿病患者は自身の血糖値を調べるためには針を刺して採血することによる苦痛や何度も血糖値を測定しなければならないわずらわしさ、精神的ストレス、感染症のリスクなどの問題があり、非侵襲性の採血を不要とする測定技術が望まれており、このブログでも採血不要で血糖値などを測定する技術(非侵襲性の測定技術)を紹介してきました。

これらは近赤外光を照射することによる生体透過光あるいは反射光を利用し、グルコースの光吸収を計測するものや、温度や血中酸素飽和度を測定することにより間接的に血糖値を求めるものです。

近赤外光を用いて非侵襲で血糖値を測定する場合、近赤外光は生体上皮の毛細血管まで到達しやすいものの、例えば波長1.5 μmの光に対するグルコースの吸収に起因する光強度の変化率はわずか0.4%程度に過ぎません。

このため、検出される光強度は、グルコース以外の各種血液中の物質(タンパク質、脂質等)の影響を大きく受けます。

現在、複雑な計算を用いてグルコース成分だけを取り出す工夫が試みられていますが、臨床に必要とされる十分な測定精度を得ることができていません。

また、グルコース以外に起因する吸収は、環境条件(体温等)の影響を大きく受けることも実用化の妨げとなり、日本の厚生労働省や米国FDA(Food and Drug Administration)の承認は得られていません。

一方中赤外領域では、特定の物質のみに選択的に光エネルギーを吸収させることができるため、比較的容易にグルコースの吸収を計測することが可能ですが、しかし、セラミックヒーターなどの従来光源の中赤外領域での輝度が極端に低いため、血糖測定に必要とされる十分な精度が得られませんでした。

しかし、今回のプレスリリースによれば、従来の非侵襲血糖測定技術では、近赤外光を照射する測定の場合、糖以外のタンパク質、脂質などの各種の血液中の成分や体温などの環境条件の影響を大きく受けるため、臨床応用に耐える精度を得ることはできていなかったそうです。

また、中赤外領域では、特定の物質のみに選択的に光エネルギーを吸収させることができるため、グルコースの吸収を計測することができるのですが、セラミックヒーターなどの従来光源の中赤外領域での輝度が極端に低いため、血糖測定に必要とされる十分な精度が得られなかったそうです。

■まとめ

小型の非侵襲血糖値センサーが普及すれば、糖尿病患者さんのQOL(生活の質)が向上することが期待されます。







【関連記事】
続きを読む 高輝度中赤外レーザーで糖だけを正確に捉えることができる非侵襲血糖値センサー技術の開発|量子科学技術研究開発機構(QST)

スマホのセンサで測り、AIが解析する「組織の活性度(組織の幸福感)」をチェックするツールでできる2つの可能性|ストレス度チェック・イノベーション度チェック|日立




■センサで測り、AIが解析する「組織の活性度」をチェックするツールでできる2つの可能性

スマホのセンサで測り、AIが解析する「組織の活性度(組織の幸福感)」をチェックするツールでできる2つの可能性|ストレス度チェック・イノベーション度チェック|日立
スマホのセンサで測り、AIが解析する「組織の活性度(組織の幸福感)」をチェックするツールでできる2つの可能性|ストレス度チェック・イノベーション度チェック|日立

参考画像:人工知能を活用し、働く人の幸福感向上に有効なアドバイスを自動作成する技術を開発(2016/6/27、日立製作所ニュースリリース)

センサで測り、AIで分析 日立が解明するチームの実態

(2016/10/26、Forbes)

「コミュニケーションは、業種によっても違いがあります。正確さとスピードを要求される銀行のような組織は縦割りの傾向が強く出るし、創造性と柔軟性を重視するITベンチャーはフラットな横連携が多い。また、同じプロジェクトチームでもフェーズによって変わります。立ち上げたばかりの打ち合わせが多い時期、自分の作業を黙々と進めている段階などデータからチームの様子が見えてくるのです」

日立製作所が開発したのは「組織の元気度」を可視化する仕組みです。

赤外線センサ(加速度センサ)を埋め込んだ名札が歩行、デスクワークなどで生じる体の揺れを感知し、そのデータを、AIが解析することでどれほど組織内でコミュニケーションが行なわれているかを計ることができるそうです。

【追記(2017/10/4)】

スマートフォンでの幸福度計測イメージ
スマートフォンでの幸福度計測イメージ

参考画像:幸福感を計測するスマートフォン向けの技術を開発(2017/10/2、日立製作所ニュースリリース)|スクリーンショット

幸福感を計測するスマートフォン向けの技術を開発

(2017/10/2、日立製作所ニュースリリース)

スマートフォン内蔵のセンサーは、性能や仕様が名札型センサーと異なるだけでなく、電話やメールなどで利用されている間は正常な計測ができないなどの課題がありました。これを解決するため、スマートフォンと名札型センサーの両方で計測を行い、その関係性をAIに学習させることで、スマートフォンで得られたデータを補正する技術を開発しました。本技術を適用することで、スマートフォンのみを着用することで(図2)幸福感の計測が可能となりました。

日立は、名札型センサーを活用せずに、スマホに内蔵されている加速度センサーのデータを活用し、組織の幸福感(組織活性度)を計測する技術を開発しました。

※「デジタルネイチャー」(著:落合陽一)でも取り上げられています。

この仕組みに活用できそうな点は2つ。

1つは、ストレス度チェックで、もう一つはイノベーション度チェックです。

■ストレス度チェック

 

「全体的なストレスが高い組織では、無意識に身体が静止してしまう確率が上がることがわかりました」

ストレスがかかっているという状況が体の動きを静止してしまっていることが予想されます。

ここから考えられることは、チームの元気度が計れると同時に、ストレス度もチェックできるのではないかという点です。

うつ病を見える化する光トポグラフィー検査とはどんな検査?によれば、光トポグラフィーは頭に近赤外線を当て、反射してくる光から脳血流の変化を読み取り、脳の活動状態を数値化する装置なのだそうで、健常者の場合は、脳の使い始めにどっと血流量が増え、活動中は高値で維持されるのに対し、うつ病患者は課題の始まりに反応するが、血流量がなかなか増えないという特徴があるそうです。

うつ病の疑いがあっても本人は気づかなかったり、言い出せなかったりする可能性がありますが、光トポグラフィー検査を使えばうつ病を見えるかすることができます。

この検査と同様に組織の元気度をチェックすることで、より早くストレスがかかっている状況を把握することができるのではないでしょうか。

■イノベーション度チェック

イノベーションのアイデアを生み出す七つの原則(著:スティーブン・ジョンソン)にはこう書かれています。

ダンバーが作ったアイデア形成地図を見ると、イノベーションの中心地は、顕微鏡ではなくて、会議用のテーブルだった。

おしゃべりの場でのコミュニケーションによって、ある人の結論が、ある人によってのきっかけとなることで、アイデアに大きな変化をもたらすことが考えられます。

凄いアイデアというのは誰かが一人きりで研究室に閉じこもって生まれるのではなく、実は人々が集まってコミュニケーションをとっている中で生まれているのだそうです。

イギリス人の数学者アラン・チューリングが、第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号エニグマを解読するドラマを中心としたストーリーである『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』では、パブのシーンである女性の何気ない一言が暗号エニグマの解読のヒントとなっています。

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(字幕版)

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研究室で一人で仕事をして顕微鏡を覗いていたのでは、考えが一カ所にひっかかって、最初にあった自分自身の偏見から抜けられない。

集団での会話にある社会的な流れが、個人の固体的な状態を液体のネットワークに変える。

Steven Johnson:スティーブン ジョンソン「良いアイデアはどこで生まれる?」(Jul 2010、TED Talk)

Community + Entrepreneurship: Tim Rowe at TEDxGrandRapids(2013/6/24、YouTube)

How Buildings Learn: What Happens After They’re Built

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組織の元気度を計るツールを使うことでコミュニケーションが行われているかどうかにより、イノベーションのアイデアが生まれやすい状況かどうかを測ることにつながることが期待されます。







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