> 健康・美容チェック > 目の病気 > ドライアイ > ドライアイ患者の86%は脂不足!?|マイボーム腺の働きが低下する4つの原因
【目次】
■ドライアイ患者の86%は脂不足が原因の「蒸発亢進タイプ」
by Michael Gil(画像:Creative Commons)
(2016/1/24、日経ヘルス)
ドライアイには、涙液の蒸発がひどくなった(蒸発亢進)タイプと、涙液の分泌が減ったタイプの2つに大きく分けられる。どちらも症状は同じだが「蒸発亢進タイプ」のほうが圧倒的に多いことがわかってきた。
蒸発亢進を引き起こす主因として注目されるのが、まぶたの内側にある「マイボーム腺」の機能不全(MGD)だ。
ドライアイには、涙液の蒸発がひどくなったタイプの方が多く、その原因は、マイボーム腺が機能していないことが原因です。
ドライアイとは、何らかの原因によって、眼を保護する涙液が不足したり、涙の質の異常が起こることで、眼の表面が乾いてしまう症状の病気です。
目の表面を覆う涙は、外側から、「油層(被膜として水分の蒸発を防ぐ)」「水層(栄養分と水分を含む)」「ムチン層(角膜表面に直接触れる)」の3層構造になっています。
油層の主成分はまつげの生え際にあるマイボーム腺から分泌されていますが、まばたきする際に、このマイボーム腺から目の表面に油の膜が張り、水分の蒸発を防いでくれています。
しかし、何らかの原因でマイボーム腺が目詰まりすると、油層の形成が不完全になって水層の蒸発が早まり、涙は蒸発して目が乾きやすくなってしまい、ドライアイになってしまいます。
→ ドライアイの症状・原因・治療 について詳しくはこちら
■マイボーム腺の働きが低下する4つの原因
1.交感神経の興奮
マイボーム腺は涙腺同様、リラックスを促す神経である副交感神経が働きをつかさどる。そのため、緊張した状態が続くと、脂も涙液も出が悪くなる。
マイボーム腺は副交感神経がコントロールしているのですが、緊張した状態が続くと、油も涙液も出にくくなるそうです。
また、ドライアイとモバイル情報社会によれば、ストレスによっても交感神経優位になり、涙が出にくくなるそうです。
なぜ、緊張状態が続くのでしょうか?
それは、パソコン作業やスマホの見過ぎが原因なようです。
スマホやVDT作業(パソコンでの作業)で画面を注視したり、読書、運転などをするとまばたきの回数が少なくなります。
通常は1分間に15回程度まばたきをするのですが、画面を凝視しているとそれが3分の1に減ってしまうことがあります。
まぶたの縁には目を保護する油を出す分泌腺であるマイボーム腺があり、まばたきする際に、このマイボーム腺から目の表面に油の膜が張り、水分の蒸発を防いでくれています。
この油の膜は10~15秒で破れてしまいますが、通常のまばたき回数であれば油の膜が破れることはありません。
しかし、まばたき回数が減ると油の膜が破れたままの状態になり、涙は蒸発して目が乾きやすくなってしまい、ドライアイになってしまいます。
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2.コンタクトレンズ
「装用時間が長いほど、物理的刺激でマイボーム腺が減ってしまうリスクがある」と有田医師は指摘する。
ドライアイの人がコンタクトレンズを装用すると、悪影響が出やすくなり、また、ドライアイでない人でもコンタクトレンズを装用すると目が乾きやすくなりますが、今回の記事によれば、コンタクトレンズを付けている時間が長ければ長いほど、マイボーム腺が物理的刺激によって減ってしまう可能性があるそうです。
→ ソフトコンタクトレンズユーザーの7割が夏でもドライアイの症状を感じる!? について詳しくはこちら
3.性ホルモンの影響
マイボーム腺は皮脂腺同様、男性ホルモンによって働きが活発になる。そのため女性はもともと脂不足になりやすい。女性ホルモンとともに男性ホルモンも減る閉経がドライアイのリスクになることも分かっている。
マイボーム腺は男性ホルモンによって働きが活発になるため、女性は脂不足になりやすいそうです。
また、ぱっちりメークがドライアイの原因になることがある!?によれば、まぶたの縁にアイライン・アイシャドウを塗る化粧法をすると、マイボーム腺がふさがれ、油が分泌できなくなり、目の表面を覆う涙の層がはげることや厚さが均一にならないなどの症状が出て、ドライアイという症状が起こってきます。
こうした影響があるからか、ドライアイはどの年代でも女性に多いそうです。
4.季節の影響
「涙の分泌は朝最も多く、夕方以降に減る日内変動があるが、脂の分泌はそれがない。その一方で、低温・低湿度の環境で減る」と有田医師。冬場のドライアイ急増はおそらくこのためという。
ラニーニャ現象の影響で今冬は“ドライアイ人口”が増加!?によれば、研究で、秋や冬といった低温・低湿度を想定した環境下では“乾燥感”が強くなることが判明し、さらに、乾燥感は風の影響を受けることでとても強くなることが分かっているそうです。
脂の分泌は低温・低湿度の環境で減ることから、ドライアイの人は乾燥感を感じているのではないでしょうか。
■ドライアイ改善方法・予防
ドライアイで光がまぶしいという症状にならないためにも、しっかりと、ドライアイ予防が重要になってきます。
そこで、ドライアイの改善方法・予防についてまとめました。
スマホやパソコンをよく見ている人は、定期的に目を休める
遠くを見たり、目を動かして目の緊張を和らげる
まばたきの回数を意識的に多くする
「20-20-20-20」という眼精疲労回復エクササイズは、20分おきに20フィート(約6メートル)離れたところを20秒間見つめながら、20回連続で瞬きをすると疲れ目に良いそうです。
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蒸しタオルで目を暖め血行をよくする
温かいおしぼりをまぶたに乗せて、目を温めることで涙の成分のうち脂分が出やすくなり、目の表面の保湿効果が高まります。
→ ドライアイ 目を温めると保湿効果アップ について詳しくはこちら
目の周囲をマッサージする
目の周りの皮膚は非常に薄く、刺激を与えすぎるといけないので、目のクママッサージを参考にしてみてください。
→ 目のクママッサージ について詳しくはこちら
睡眠を大事にする
睡眠不足など生活習慣の乱れにより、涙の分泌量が少なくなるため、ドライアイになることもあります。
ドライアイに効くツボ
風池(ふうち)のツボは、頭の血行を促し、頭痛や目の疲れ・ドライアイを解消してくれるそうです。
→ ドライアイに効くツボ:風池(ふうち)の位置・押し方 について詳しくはこちら
目薬を利用する
ドライアイの症状がひどい場合には、ドライアイ専用目薬を利用しましょう。
但し、乾燥が気になっても、市販の目薬を頻繁に差すことは、くれぐれも習慣化しないように気をつけてください。
防腐剤などの刺激で症状が悪化することもあるそうです。
防腐剤の入っていない『人工涙液』を選ぶことをお勧めします。
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部屋の湿度を保つ
部屋の湿度が下がると、ドライアイになるリスクが高くなるので、加湿器などを利用して、部屋の湿度を保つようにしましょう。
また、エアコンの風が直接当たらないように気を付けてください。
コンタクトレンズの正しい利用をする
コンタクトレンズを使用する際には、使用上の注意を守り、ドライアイの症状がひどい場合には、コンタクトレンズ専用目薬を利用してください。
アイメイクに気をつける
最近は、目を大きく見せるための「ぱっちりメーク」が流行っていますが、マイボーム腺がふさがれ、油が分泌できなくなることがあります。
ドライアイにならないためにもメーク落としをしっかりと行なうことが重要です。
食事・栄養に気をつける
目や身体の血流をよくするよう食事に気をつけ、健康補助食品(カシス・ルテイン・ブルーベリー)などを利用してみてはいかがでしょうか。
ドライアイにならないためにも、普段から目に優しい、つまり、あなた自身に優しい生活習慣をするようにしてください。
→ カシス(アントシアニン)の健康効果 について詳しくはこちら
→ ブルーベリー(アントシアニン)の健康効果 についてはこちら
→ ルテインの健康効果 について詳しくはこちら
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■まとめ
ドライアイとは、何らかの原因によって、眼を保護する涙液が不足したり、涙の質の異常が起こることで、眼の表面が乾いてしまう症状の病気です。
マイボーム腺の働きが低下する4つの原因を解消したり、ドライアイ改善方法で対策を行なってみてください。
→ ドライアイの症状・原因・治療 について詳しくはこちら
→ 目の病気・症状 一覧 について詳しくはこちら