お笑いコンビ「シャンプーハット」の恋さんが2026年10月13日、自身のYouTubeチャンネル「こいちゃんパラダイス」で、扁桃腺がんと中咽頭がんを患っていることを公表しました。
病状については、がんの本体は口の中の扁桃腺にある扁桃腺がんで、首にできた中咽頭のしこりは、そこから転移した「転移先」であり、さらに、見えないうしろの場所にもう1つ小さいがんが検査で見つかっており、計3つの状態。
ステージは「1」。ただし医師からは「サイズ的にギリギリ1」「大きくなっていたら2の可能性もある(限りなく2寄りの1)」と言われているそうです。
報道によれば、恋さんは10月19日から芸能活動を休止する一方、動画配信は続ける意向だということです。
恋さんは今年8月、首にしこりができたことを明かし、大阪のがんセンターで精密検査を受けていたと報じられています。
「中咽頭がん」とは、いったいどのようながんなのでしょうか?
以前、ハクライドウでは、とんねるず・石橋貴明さんが食道がんと咽頭がんを併発したことを紹介しました。
「咽頭がん」といっても、咽頭は上咽頭・中咽頭・下咽頭に分けられます。
国立がん研究センター東病院によると、中咽頭がんではHPV(ヒトパピローマウイルス)感染の関与も指摘されています。
今回は、中咽頭がんについて、首のしこりなどの症状や原因、HPVとの関係、治療法をまとめます。
■中咽頭とはどこのこと?
「のど」は、空気や食べ物の通り道となっており、そのうち咽頭は、
上咽頭
中咽頭
下咽頭
の3つに分けられます。
その中間に位置するのが「中咽頭」です。
中咽頭がんは、この中咽頭に発生するがんで、頭頸部がんの一つに分類されています。
咽頭は呼吸だけでなく、ものを飲み込む「嚥下」や発声にも関係する場所です。
そのため、中咽頭がんの治療では、がんを治療することとともに「飲み込む」「声を出す」といった機能をできるだけ残すことも重要になります。
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■首のしこりは中咽頭がんの症状の一つ
今回のニュースで気になるのが、恋さんが中咽頭がんを公表する以前に、首のしこりができたことを明かしていたという点です。
もちろん、首にしこりがあるからといって、中咽頭がんというわけではありません。
ただ、国立がん研究センターの「がん情報サービス」では、中咽頭がんの症状として、
・飲み込むときの違和感
・おさまらない咽頭痛
・のどからの出血
・口を大きく開けにくい
・舌を動かしにくい
・耳の痛み
・口の奥・のど・首にできるしこり
・声の変化
などを挙げています。
また、初期のうちは自覚症状がみられない場合もあります。
さらに、中咽頭がんでは頸部リンパ節に転移していることも多いとされています。
そのため、「首のしこり」というのも、中咽頭がんを知る上で覚えておきたい症状の一つです。
■咽頭がんの症状・初期症状・サイン
咽頭がんは、がんができる場所によって上咽頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんに分けられ、それぞれ現れやすい症状が異なります。
●上咽頭がん
上咽頭がんは、初期には自覚症状がみられないことがあります。
国立がん研究センターによると、見つかったときに最も多くみられる症状は、頸部リンパ節への転移による首のしこりです。
そのほか、
・鼻づまり
・鼻血
・鼻水に血が混じる
・耳がつまった感じ
・聞こえにくい
・首のしこり
などがあります。
さらに進行すると、目がぼやける・かすむ、物が二重に見えるなどの症状が現れることもあります。
●中咽頭がん
中咽頭がんについても、初期には自覚症状がない場合があります。
症状としては、
・飲み込むときの違和感
・おさまらないのどの痛み
・のどからの出血
・口を大きく開けにくい
・舌を動かしにくい
・耳の痛み
・口の奥やのどのしこり
・首のしこり
・声の変化
などが挙げられています。
今回、中咽頭がんを公表したシャンプーハット・恋さんが、その前に「首にしこりができた」ことを明かしていたというニュースともつながるポイントです。
ただし、首のしこりにはさまざまな原因があるため、「首のしこり=中咽頭がん」という意味ではありません。
●下咽頭がん
国立がん研究センター東病院では、下咽頭がんの症状として、
・声がれ(嗄声)
・のどの違和感
・のどの痛み
・血痰
などを挙げています。
進行すると、飲み込みにくさ(嚥下障害)や呼吸困難が現れることもあります。
●「ちょっとしたのどの違和感」だけの場合も
注意したいのは、初期から必ずはっきりした症状が出るわけではないことです。
がん研有明病院「咽頭がん」では、初期にはのどの違和感や軽い痛み程度で、強い症状がないことも少なくないと説明しています。また、首のリンパ節への転移を「首のしこり」として自覚したことから発見される場合もあります。
「強いのどの痛みがないから大丈夫」とは限らず、咽頭がんは初期には自覚症状がないこともある一方、のどの違和感や首のしこりなどが発見のきっかけになることがあります。
■中咽頭がんの原因は?
では、なぜ中咽頭がんになるのでしょうか?
咽頭がんというと、まず喫煙や飲酒を思い浮かべる人が多いかもしれません。
実際、国立がん研究センター東病院によれば、咽頭がんの発症要因には過度の飲酒や喫煙があり、中咽頭がんについては、それらに加えてHPV(ヒトパピローマウイルス)感染の関与も指摘されています。
ここは、中咽頭がんを理解する上で重要なポイントです。
つまり、
「咽頭がん=喫煙・飲酒」だけではなく、中咽頭がんにはHPV感染と関連するタイプもある
ということです。
ただし、今回の報道だけから「恋さんの中咽頭がんがHPVによるものだった」と判断することはできません。
恋さん個人の発症原因と、中咽頭がん一般について分かっている発症要因は分けて考える必要があります。
■HPVと中咽頭がんにはどんな関係がある?
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、中咽頭がんの一部と関連しています。
そして中咽頭がんの場合、HPVとの関連は単に「原因の一つ」というだけではありません。
診断された中咽頭がんでは、HPV感染との関連を示すp16というタンパク質が陽性か陰性かによって、TNM分類や病期分類が異なります。
また、HPV感染に関連する中咽頭がんは、そうでない中咽頭がんと比較して予後がよいことが知られています。
ここまで違いがあることを考えると、同じ「中咽頭がん」という病名でも、その背景には異なるタイプが存在することが分かります。
■HPV関連中咽頭がんなら治療法も違うの?
ここは誤解しやすいところです。
国立がん研究センターの2026年更新情報では、p16陽性か陰性かによって治療の選択が変わることはないとしています。
一方、日本頭頸部癌学会が編集した「頭頸部癌診療ガイドライン2025年版」では、
HPV関連中咽頭がんで放射線治療・化学放射線療法を行う場合、放射線量を低減できるか
化学放射線療法で使用する薬剤を変更できるか
中咽頭がんに経口的切除術が有用か
といったテーマがクリニカルクエスチョン(日々の臨床現場で医療従事者が患者の診断や治療、予後などに関して抱く「解決すべき疑問」)として取り上げられています。
HPV関連中咽頭がんについては、治療による身体への負担をどう考えるかという点も研究・検討されていることが分かります。
■中咽頭がんはどのように治療する?
中咽頭がんでは、
手術
放射線治療
化学放射線療法
薬物療法
などが行われます。
どの治療法を選択するかは、がんのステージや性質、患者の体の状態などを調べた上で検討されます。
また、中咽頭がんでは「飲み込む」「声を出す」といった機能をできるだけ残すことも重要です。
そのため、腫瘍の場所や広がり、転移の有無に加えて、機能温存についても考慮して治療法を決めていきます。
たとえば早期の場合、口から器具を入れてがんを切除する「経口的切除術」ができることもあります。一方、がんが進行して切除範囲が大きくなると、飲み込むことや発音・発声といった機能に影響する場合があります。
■「咽頭がん」を一括りにしないことも大切
以前、ハクライドウでは、とんねるず・石橋貴明さんが食道がんと咽頭がんを併発したニュースを取り上げました。
今回、中咽頭がんについて調べてみると、「咽頭がん」と一括りにしないことも大切だと分かります。
咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭に分けられ、発生部位によって特徴があります。
中咽頭がんについては、喫煙や飲酒だけではなく、HPV感染が関与するものがあるという点が大きな特徴の一つです。
■まとめ
シャンプーハットの恋さんは2026年10月13日、中咽頭がんを患っていることを公表しました。
報道によれば、恋さんはそれ以前の8月に首にしこりができたことを明かし、その後精密検査を受けていました。
中咽頭がんは初期には自覚症状がないこともありますが、飲み込むときの違和感、治らない咽頭痛、耳の痛み、声の変化、口の奥・のど・首のしこりなどが症状として現れることがあります。
そして今回、中咽頭がんについて知っておきたいポイントの一つが、喫煙や飲酒だけではなく、HPV感染が関与するものもあるということです。
ただし、中咽頭がんになる原因は一つではありません。
今回の恋さんについても、本人から公表されていない原因を推測することは避ける必要があります。
今回のニュースをきっかけに、「中咽頭がんとはどんな病気なのか」「首のしこりなど、どのような症状があるのか」を知っておくことが大切なのではないでしょうか。
※この記事は病気に関する一般的な情報を紹介するものであり、診断や治療に代わるものではありません。気になる症状がある場合には、医療機関に相談してください。
【参考資料】
国立がん研究センター がん情報サービス「中咽頭がん」
国立がん研究センター がん情報サービス「中咽頭がん 治療」
国立がん研究センター東病院「咽頭がん」
日本頭頸部癌学会「ガイドライン」
頭頸部癌診療ガイドライン2025年版
シャンプーハット・恋さん、中咽頭がんを公表 Yahoo!ニュース
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