元SKE・佐藤聖羅さんのInstagramで投稿された妊娠糖尿病の記事がニュースになっています。
糖尿病の診断基準であるHbA1cは、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、赤血球の寿命が長いため、過去1~2カ月の血糖状態を把握できるのですが、投稿によれば、佐藤さんのHbA1c値は6.0(国際標準値 6.5%以上の場合糖尿病と診断)で糖尿病予備軍と診断されるようです。
現在は産後から16kg戻しているそうですが、まだ妊娠前の体重に戻っていないため、体重を戻すこと、そして血糖値が上がらない食生活を心がけているそうです。
12.08%の妊婦に妊娠糖尿病がある!若いころから血糖値について学ぼう!によれば、日本内分泌学会と日本糖尿病・妊娠学会によれば、12.08%の妊婦に妊娠糖尿病があるということで、妊娠糖尿病は決して珍しいものではないようです。
【参考リンク】
- 妊娠糖尿病|日本内分泌学会
近年のわが国における糖尿病患者数の増加と共に、晩婚化・晩産化に伴い、増加傾向にあります。全妊婦に糖負荷試験をしたとすると、12.08%の妊婦に妊娠糖尿病があることがいわれており、これに既存の糖尿病と糖尿病合併妊娠を加えると約15%の妊婦が耐糖能異常と診断されます。
- 1. 妊娠糖尿病はどれくらいの頻度であるのですか?|日本糖尿病・妊娠学会
これまでの診断基準では、わが国の妊娠糖尿病の頻度は2.92%でしたが、2010年7月に大規模な診断基準の変更があったため、妊娠糖尿病の頻度は12.08%と4.1倍に増えることがわかりました。
■妊娠糖尿病とは?
妊娠糖尿病とは、妊娠をきっかけにインスリンの働きが落ち、インスリン分泌量が十分に増えずに血糖値が高くなる状態。
妊娠糖尿病になると、胎児が大きくなりすぎたり、早産や妊娠高血圧症候群を起こす恐れがあります。
●妊娠糖尿病の女性が2型糖尿病を発症するリスクは高い!で紹介したロンドンにある病院のグループの研究によれば、妊娠糖尿病の女性が2型糖尿病を発症するリスクは、正常血糖の妊婦に比べ7.43倍に上るそうです。
2型糖尿病になる女性を少なくするためにも、妊娠糖尿病にならないように、検査などでの早期発見や食生活の改善・指導を行うようにしていく必要がありそうです。
●20歳の時に痩せている女性が妊娠すると、妊娠糖尿病になる危険性が高まる?で紹介した筑波大水戸地域医療教育センターの谷内洋子博士研究員の分析によれば、女性の20歳時の体重を聞き、BMIが18未満の「痩せている」に該当している女性は、BMIが18以上で肥満でない女性と比べ、妊娠糖尿病を発症する可能性が約5倍高かったそうです。
なぜ20歳のときに痩せている女性が妊娠すると、妊娠糖尿病になる危険性が高まるのでしょうか?
それは痩せている女性は、青年期に必要な栄養の不足や筋肉量が少ないことが血糖値を高めている可能性があるそうです。
●<妊娠糖尿病>発症防ぐ仕組み解明 インスリンの機能低下改善 順天堂大などによれば、妊娠中に、すい臓のインスリン分泌細胞内で「セロトニン」が大量に作られていることが発見され、このセロトニンによって、インスリン分泌細胞が増殖しているようです。
つまり、妊娠糖尿病の場合は、セロトニンの量が少ないため、インスリンの分泌細胞が増えず、機能低下を補うことができないために起きているようです。
■まとめ
これまでの記事によれば、若く痩せている女性が妊娠すると妊娠糖尿病になるリスクが高く、また妊娠糖尿病の女性が2型糖尿病を発症するリスクは高いことから、若いころから栄養や血糖値コントロールについて学んでいきたいですね。
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P.S.
「妊娠中の体重増加指導の目安」が変更になってるって知ってた!?によれば、「妊娠中の適切な体重増加の推奨」について、体重増加の推奨値が妊娠による生理的な体重増加値を下回っている可能性が危惧されること、さらに同指針による妊娠高血圧症候群の予防効果を支持する新たなエビデンスが乏しいことから、歴史的な役割を終えたと判断し2019年に推奨を取り下げることに決定しました。
妊娠前体格 BMI 体重増加指導の目安
低体重 (<18.5) 12-15㎏
普通体重 (18.5≦ ~ <25) 10-13㎏
肥満(1度)(25≦ ~ <30) 7-10㎏
肥満(2度)(30≦) 個別対応(上限5㎏までが目安)
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