by keico taguchi(画像:Creative Commons)
体内時計に合わせた朝のタンパク質摂取タイミングが筋量増加に効果的(2021/7/7、早稲田大学)によれば、タンパク質の摂取タイミングが、筋量増加効果に影響があることがわかったそうです。
●タンパク質摂取による筋量増加効果は、量だけでなくタイミングも影響することを明らかにした。
●筋量増加は体内時計を介して引き起こされ、それが正常に機能していることが重要である。
●朝食時のタンパク質摂取による筋量増加には、筋肉の合成を高める作用が強い分岐鎖アミノ酸が関わっている。
つまり、今回の研究のポイントは、たんぱく質は筋量の維持・増加に欠かせない栄養素であることはわかっていましたが、接種のタイミングによってもその効果が変わってくることがわかり、それは筋肉の体内時計によるもので、体内時計に合わせた摂取をすることにより、効率よく筋力・筋量を維持・増進することができるのではないかと考えられます。
■フレイル対策・サルコペニア対策とたんぱく質
最近ではたんぱく質とフレイルとの関係がよく取り上げられています。
●たんぱく質でサルコペニア対策
たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省によれば、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは3年後の筋力の低下と関連し、さらに高齢女性の3年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されているそうです。
また、日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされています。
これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。
適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。
低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。
今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。
たんぱく質並びにアミノ酸の介入研究|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省では、サルコペニア予防および改善の観点から、高たんぱく質食品、プロテインやアミノ酸などのサプリメント、β─ ヒドロキシ─β─ メチル酪酸(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate:HMB)を単独もしくはアミノ酸と配合したサプリメントを補給する介入研究が紹介されています。
朝食でのタンパク質摂取による筋量増加には分岐鎖アミノ酸が大きな役割を果たしていることを示唆しています。
分岐鎖アミノ酸は筋肉の合成を高める作用が強いアミノ酸であることが知られていますが、今回の研究によれば、朝食でのタンパク質摂取による筋量増加には分岐鎖アミノ酸が大きな役割を果たしていることを示唆されており、また、高齢女性を対象にした3食のタンパク質の摂取量と骨格筋機能との関係性の調査によれば、1日のタンパク質摂取量に対する朝食でのタンパク質摂取量の比率と骨格筋指数は正の相関を示すことがわかっていますので、ぜひフレイル対策のためにも朝食にたんぱく質を摂取していきたいですね!
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■美容・ダイエットとたんぱく質
筋肉量が多い人ほど顔のシミやシワ、毛穴の目立ちが少ない!マイオネクチンがメラニンの生成を抑えている!|ポーラ化成によれば、ポーラ化成工業が行ったゲノム研究(GWAS)によれば、シミができない体質の人は、生まれつき筋肉の性質が異なる可能性があること、また、体重当りの体幹と下半身の総筋肉量が多い人ほど、顔のシミが少ないことが分かったそうです。
また、筋肉で作られる「マイオネクチン」が血液成分として皮膚に運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えていることが示唆され、さらには、体の筋肉量が多いほど、シワ、毛穴の目立ち、色ムラなどが少ないことも明らかになったことから、美肌体質の秘密は、筋肉がカギを握っている可能性があるようです。
美容にはたんぱく質がかかせないとはご存じの方も多いはず。
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今回の研究によって、朝食にたんぱく質を摂取することがより効果的に筋肉をつけることにつながるということですので、ぜひ朝食にたんぱく質を摂りましょう!
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