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メタボ追跡指導を受けた人は医療費が2割安い!




【目次】

■メタボ追跡指導を受けた人は医療費が2割安い!

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by Dylan(画像:Creative Commons)

<メタボ追跡指導>医療費節約に効果 減量促し2割安く

(2018/1/7、毎日新聞)

追跡指導を受けた群の体重の減り方は受けていない群に比べて3倍程度大きかった。次に1人当たり医療費の年齢調整後の平均値は、13年度で指導群が未指導群より26%(3501円)少なかった。14年度も20.1%(4027円)、15年度も15.3%(3975円)少なかった。

全国健康保険協会(協会けんぽ、加入者約3700万人)によれば、2012年度の40歳以上向けの「メタボ健診(生活習慣病予防健診)」で、血糖値や血圧などの値が悪く、特定保健指導の対象とされた40~71歳の男性約26万人のうち、電話やメールで3か月以上の追跡指導を受けた人は、受けなかった人に比べて、医療費が2割安いことがわかったそうです。

■保健指導やダイエット支援の効果を長期的に維持するためには定期的に指導することが必要!

保健指導をすることによって脱メタボに成功したニュースや電話やオンライン診療によって治療効果が得られたというニュースについてこれまで取り上げてきました。

保健指導で4人に1人が脱メタボに成功(2012/3/17)で紹介した厚生労働省による調査によれば、特定保健指導を受けた人の4人に1人が1年間で脱メタボに成功したそうです。

糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がる|国立病院機構京都医療センターで取り上げた国立病院機構京都医療センターによれば、糖尿病予備軍の人に電話で予防のアドバイスを続けることで、発症率が4割下がったそうです。

オンライン診療と対面治療の組み合わせによる禁煙治療の治療継続効果は1.5倍にで取り上げたメドレーの川田裕美医師と自治医科大学 地域医療学センターの小谷和彦氏によって論文化が進められている臨床研究によれば、オンライン診療と対面診療を組み合わせた禁煙プログラムは、対面診療のみの治療と比べると治療継続効果が高いという結果が得られているそうです。

ただ、肥満の人への減量指導効果は2年で失われる!?|筑波大によれば、肥満した人に対して行なった半年のダイエット支援効果が2年たつと消滅してしまうことが追跡調査の結果わかったと発表しています。

つまり、保健指導やダイエット支援には効果があるものの、その効果を長期的に維持するためには定期的に指導することが必要だと考えられます。

■新しい習慣作りには「きっかけ」と「報酬」が重要!

新年(2018年)の目標を達成するにはどうしたらいいの?|新しい習慣作りには「きっかけ」と「報酬」が重要!|毎日の人の行動の40%がその場の決定ではなく習慣!では、新しい習慣作りには「きっかけ」と「報酬」が重要であると書きました。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、

その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

なのだそうです。

習慣の力 The Power of Habit

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「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

そのため、このプログラムにおいては、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるのではないでしょうか?




■健康改善するとポイントがもらえる制度や健康な人の保険料が割引される保険が出てきている!

最近では、健康改善するとポイントがもらえる制度であったり、健康な人の保険料が割引される保険などができています。

メタボ改善を促す保健指導の成果に応じてポイントがもらえる!?その仕組みとは?(2015/4/13)では、メタボリックシンドロームの予防や改善のための生活習慣改善成果に応じたインセンティブとして「健康ポイント」を付与する成果連動型の保健指導サービスを紹介しました。

例えば、特定保健指導中の「体重および生活改善の記録回数」、前回の健診結果と特定保健指導後の健診結果の「体重減少率5%以上」を達成することで最大1万ポイント(1ポイント=1円)の健康ポイントを付与され、たまったポイントは7000点以上の商品から市場価格より安価に交換できるという仕組みです。

■まとめ

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランによれば、健康保険組合連合会(健保連)は、2025年度に団塊の世代が全て75歳以上となり、健保組合が高齢者医療に拠出するお金が急増するため、健康保険組合の4分の1超が解散危機を迎えるという試算を発表しました。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

つまり、高齢化は今後も進んでいき、医療費の増大が見込まれることから、健康保険組合の財政が悪化していく傾向は変わりないでしょう。

この状況を変えるためにも、大きく舵を切る必要があるのではないでしょうか?

健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

そこで考えたのが、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を基盤として、銀行や保険会社、企業が行なっている健康改善するともらえるポイントや割引を共通化して、新たな仮想通貨・電子マネー「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すためのインセンティブ(トークンを報酬として付与する)が与えられ、トークン(電子証票)を受け取った患者は医療などのヘルスケア関連の費用として支払うことができるというアイデアです。

健康であることが資産となることによって、モチベーションが高まり、健康的な良い生活習慣を維持することにつながると考えられます。

医療費を安くするためにも、1.国や地方自治体などの行政が電話やメールで3か月以上のメタボの追跡指導を行なうこと、2.個人個人が継続的に生活習慣を見直していきましょう!







【関連記事】

腹囲OKの非メタボ、高血圧などあれば保健指導

Eating a light lunch

by Pedro Ribeiro Simões(画像:Creative Commons)




腹囲パスの非メタボ、高血圧などあれば保健指導

(2012/3/27、読売新聞)

厚生労働省は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に注目した特定健診・保健指導(メタボ健診)で、腹囲が基準値未満のため「メタボ」とみなされない人でも、高血圧や高血糖などの危険因子を持つ場合、きめ細かな保健指導を行うよう、事業者や市町村に求める方針を決めた。

<中略>

現在のメタボ健診は、腹囲が基準を超え、高血圧、高血糖、脂質異常の危険因子があると、特定保健指導の対象となる。

しかし、腹囲が基準値未満だと、体格指数(BMI)が25未満なら、危険因子があっても指導の対象外だった。

これまでは、腹囲が基準値未満だと、体格指数(BMI)が25未満なら、高血圧、高血糖、脂質異常の危険因子があっても、特定保健指導の対象外だったのですが、今後は、腹囲が基準値未満のため「メタボ」とみなされない人でも、高血圧や高血糖などの危険因子を持つ場合、特定保健指導の対象となるようです。







【関連記事】

保健指導で4人に1人が脱メタボに成功

EARLY JOY

by whologwhy(画像:Creative Commons)




脱メタボ、1年間で4人に1人…保健指導で

(2012/2/28、読売新聞)

生活習慣病になりやすいメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と判定され、保健師らによる特定保健指導を受けた人を対象に、厚生労働省が行った大規模な追跡調査で、約4人に1人が1年間でメタボ状態を脱していたことが分かった。

特定保健指導を受けた人の4人に1人が1年間で脱メタボに成功したそうです。

食事の見直しや運動によって、腹囲が減ったり、血圧などの数値が改善したということで大変良かったですよね。







【関連記事】

メタボ健診:不備次々 医療保険側が改善要望へ




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by U.S. Army(画像:Creative Commons)

健康・美容チェック > メタボリックシンドローム > メタボ健診:不備次々 医療保険側が改善要望へ

メタボ健診:不備次々 医療保険側が改善要望へ

(2009/7/29、毎日新聞)

メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策の特定健診・保健指導(メタボ健診)を実施する医療保険者の代表者が集まる「保険者協議会中央連絡会」が28日、東京都内で開かれ、健診項目の整理や、国が設定する受診率などの目標を達成できない場合のペナルティーの見直しなど、現行制度の課題が指摘された。

メタボ健診を実施する医療保険者の代表者が集まる「保険者協議会中央連絡会」では、健診項目の整理や、国が設定する受診率などの目標を達成できない場合のペナルティーの見直しなど、現行制度の課題が指摘されたそうです。

メタボ健診の問題点について指摘された内容が紹介されています。

指摘された課題は、
▽健診項目の整理
▽現在は保健指導の対象にならない治療中の人の取り扱い
▽健診機関や委託業者の不足対策
▽目標を達成できない場合のペナルティーの見直しや撤廃
▽会社員の妻ら社会保険の被扶養者健診を国保などの健診と同時実施する仕組みの検討--など

この中でも気になるのは、健診項目とペナルティーでしょうか。

以前よりも健診項目が少なくなった(変更された)ことにより、健診を受けるのをやめたという記事を目にしたことがあり、要望があれば、より充実した健診を受けられる仕組みに変更したほうがよいのかもしれません。

また、目標が達成できなかった場合のペナルティーもプレッシャーになっているように思えます。

きちんと体制が整っていない状況でのペナルティーというのは、少々きつすぎる印象を受けます。

より良い健診制度になってほしいものです。

→ メタボリックシンドローム について詳しくはこちら







【沖縄】メタボリックシンドローム「要指導」人口比21・3% 全国最悪




ソーキ

by Ippei Suzuki(画像:Creative Commons)

メタボ「要指導」全国最悪 沖縄やっぱり「肥満県」/人口比21・3%

(2009/7/20、沖縄タイムス)

生活習慣病の原因となるメタボリック症候群の早期発見を目指し、昨年4月に始まった「特定健診」を受けた人で、保健師らによる「保健指導」が必要な人が沖縄県は1万6048人、人口に占める割合が21・3%で、全国一高いことが国民健康保険中央会の調べで分かった。

「肥満県」を裏付ける形で、「このままでは確実に短命県になる」と関係者は改めて危機感を募らせている。

沖縄県で特定健診(メタボ健診)を受けた人のうち、特定保健指導が必要な人が、人口比21.3%で、全国一だったことが分かったそうです。

沖縄県では、食生活の変化(食生活の欧米化)に伴って、肥満が増加しているというニュースを時々目にしますが、それを裏付ける結果となったようです。

厚生労働省の調査で、沖縄県は、生活習慣病の要因となる肥満者の割合が男女とも全国1位、生活習慣病の代表である糖尿病による死亡率も1位。

保健指導対象者の全国ワーストは、こうしたデータを裏付けるもので、長寿県の危機を改めて予見させる。

健診を受けて、しっかりと保健指導を受け、肥満を改善してほしいですね。