花粉症のある人の特徴と花粉症症状の強さと関連する特徴を解明―スマートフォンアプリ「アレルサーチ®」を用いた医療ビッグデータ解析―(令和4年3月31日、日本医療研究開発機構)によれば、花粉症のある人の特徴と花粉症症状の強さと関連する特徴が明らかになっています。
【花粉症のある人の特徴】
【花粉症症状の強さと関連する特徴】
- 若年齢
- 女性
- 呼吸器疾患
- ドライアイ
- トマトアレルギー
- 花粉症シーズン中のコンタクトレンズ装用の中断
- 喫煙習慣
- ペット飼育
【参考リンク】
- Inomata T, Nakamura M, Iwagami M, Sung J, Nakamura M, Ebihara N, Fujisawa K, Muto K, Nojiri S, Ide T, Okano M, Okumura Y, Fujio K, Fujimoto K, Nagao M, Hirosawa K, Akasaki Y, Murakami A. Individual characteristics and associated factors of hay fever: A large-scale mHealth study using AllerSearch. Allergol Int. 2022 Jul;71(3):325-334. doi: 10.1016/j.alit.2021.12.004. Epub 2022 Jan 30. PMID: 35105520.
花粉症環境保健マニュアル2022によれば、花粉症患者が増加している要因、飛散する花粉数の増加、食生活の変化、腸内細菌の変化や感染症の減少が挙げられており、また花粉症の症状を悪化させる可能性があるものとして空気中の汚染物質や喫煙、ストレスの影響、都市部における空気の乾燥が考えられています。
また、花粉症の症状と関連性の強いものの一つとして喫煙を指摘する報告がある他、春先の黄砂が花粉症の症状を悪化させる可能性が指摘さ
れています。
そして、シラカンバ花粉症を発症した人の中でリンゴやモモなどを食べると口の中がかゆくなる口腔アレルギーを併発するケースが多く、スギ花粉症でもトマト、ブタクサ花粉症ではスイカなどで同じ症状を起こす人もいます。
花粉症のある人の特徴と花粉症症状の強さと関連する特徴で挙げられている内容と花粉症環境保健マニュアルで挙げられている花粉症患者が増回している要因と花粉症の症状を悪化させる要因には関連しているものが多いようです。
反対に考えれば、アトピー性皮膚炎の人、ドライアイの人(空気の乾燥に弱い)、腸内環境が悪い人、睡眠時間が短い人、呼吸器疾患を持っている人、トマトアレルギーの人、喫煙習慣がある人、ペットを飼っている人、若い女性は花粉症になりやすいまたは花粉症の症状が悪化しやすいので一つ一つ対策をしていくことが重要なのではないでしょうか?
→ 花粉症の症状(目・鼻・のど)チェック について詳しくはこちら
→ 花粉症対策 について詳しくはこちら
【追記】
今回気になったのは花粉症のある人の特徴に排便回数の多さがあることです。
例えば、これが過敏性腸症候群であったり、腸内環境の悪化であれば、関連する論文があったりするのですが、排便回数の多さと花粉症を直接リンクするような研究はなされていなかったので、何かヒントがあるのではないかとおもいます。
明治薬科大学によれば、最近の研究によって、花粉症などのアレルギー疾患と腸内環境との関連性が分かってきていて、腸内環境を整えることで、花粉症が改善したという研究報告があります。
【参考リンク】
- 小田巻俊孝,近藤しずき,岩淵紀之,高橋典俊,清水金忠,八重島智子,岩附慧二,花粉症患者の腸内細菌叢動態およびビフィズス菌摂取による影響,腸内細菌学雑誌,25 (2): 99-100. (2011)
■直接関係しているわけではないが関連しそうな論文を集めました
1. 腸内細菌叢と花粉症の関連を扱った論文
Watanabe, S.; Fukushima, T.; Matsuo, Y.; Morimoto, T.; Deguchi, T.; Fukumuro, K.; Sawai, Y. The Baseline Gut Microbiota Enterotype Directs Lifestyle-Induced Amelioration of Pollen Allergy Severity: A Self Controlled Case-Series Study. Appl. Microbiol. 2022, 2, 905-920. https://doi.org/10.3390/applmicrobiol2040069
概要: この研究では、腸内細菌叢のエンテロタイプ(菌構成のパターン)が花粉症の重症度に影響を与え、生活習慣の介入がその症状を改善することを示しました。排便回数そのものへの言及はありませんが、腸内環境の変化が免疫反応に影響を与えるメカニズムが示唆されており、排便頻度が腸内細菌の代謝や排出に関連する可能性を間接的に支持します。
関連メカニズム: 腸内細菌叢の多様性や特定の菌株が免疫調整に寄与し、アレルギー症状を緩和する可能性。
Xiao JZ, Kondo S, Yanagisawa N, Takahashi N, Odamaki T, Iwabuchi N, Iwatsuki K, Kokubo S, Togashi H, Enomoto K, Enomoto T. Effect of probiotic Bifidobacterium longum BB536 [corrected] in relieving clinical symptoms and modulating plasma cytokine levels of Japanese cedar pollinosis during the pollen season. A randomized double-blind, placebo-controlled trial. J Investig Allergol Clin Immunol. 2006;16(2):86-93. Erratum in: J Investig Allergol Clin Immunol. 2006;16(4):273. PMID: 16689181.
概要: ビフィズス菌BB536の摂取がスギ花粉症の症状を軽減し、血中のサイトカイン濃度を調整することを実証したランダム化二重盲検試験。腸内環境の改善が免疫系のバランスを整えることが示されており、排便回数の多さが腸内細菌の活性や代謝産物の排出に関与する可能性を推測する根拠となり得ます。
関連メカニズム: 善玉菌の増加が短鎖脂肪酸(酪酸など)の産生を促し、免疫系の過剰反応を抑制。
2. 腸内環境と免疫系の関連を扱った論文
Lynch SV. Gut Microbiota and Allergic Disease. New Insights. Ann Am Thorac Soc. 2016 Mar;13 Suppl 1(Suppl 1):S51-4. doi: 10.1513/AnnalsATS.201507-451MG. PMID: 27027953; PMCID: PMC5015732.
概要: 腸内細菌叢がアレルギー疾患の発症にどのように関与するかについてレビューした論文。アレルギー患者では腸内細菌の多様性が低下していることが多く、これが免疫系のTh2優位な状態(アレルギーを引き起こす状態)を助長するとされています。排便回数の多さが腸内細菌叢のターンオーバーや代謝活動の指標である場合、これがアレルギー症状に影響を与える可能性が考えられます。
関連メカニズム: 腸内細菌の乱れ(ディスバイオシス)が免疫調整機能を弱め、花粉症の症状を増悪させる。
Sasaki M, Suaini NHA, Afghani J, Heye KN, O’Mahony L, Venter C, Lauener R, Frei R, Roduit C. Systematic review of the association between short-chain fatty acids and allergic diseases. Allergy. 2024 Jul;79(7):1789-1811. doi: 10.1111/all.16065. Epub 2024 Feb 23. PMID: 38391245.
概要: 腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸(SCFAs、特に酪酸)がアレルギー性気道疾患の症状を緩和するメカニズムを解説。SCFAsは制御性T細胞(Treg)を活性化し、過剰な免疫反応を抑えることが知られています。排便回数の多さがSCFAsの産生や排出に関連する場合、花粉症とのリンクが推測されます。
関連メカニズム: 腸内細菌由来の代謝産物が全身の炎症やアレルギー反応を調節。
3. 排便回数と腸内環境の関連性
Ma W, Li Y, Heianza Y, Staller KD, Chan AT, Rimm EB, Rexrode KM, Qi L. Associations of Bowel Movement Frequency with Risk of Cardiovascular Disease and Mortality among US Women. Sci Rep. 2016 Sep 6;6:33005. doi: 10.1038/srep33005. PMID: 27596972; PMCID: PMC5011651.
概要: 異常な排便は、脂質異常症、高血圧、糖尿病、胆汁酸および腸内細菌叢の代謝変化など、さまざまな心血管リスク要因に関連しています。便頻度の増加が早期死亡の潜在的なリスク要因であることを示唆している。
つまり、花粉症のある人の特徴に排便回数の多いというものがあるのですが、検索する限り、直接結びつけた論文は見つからないため、排便頻度が花粉症の研究において主要な変数として扱われていないと思われます。
なぜこれまで指標の一つになっていないのかはわかりませんが、今後、腸内環境が花粉症の症状に影響を与えるという視点から、排便頻度がその一要素として注目される日が来るかもしれませんね。
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