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1975年型食事が健康によい!?(都築毅)|#世界一受けたい授業




miso soup with pork and vegetables / 今夜は豚汁だ

by Yumi Kimura(画像:Creative Commons)

2015年4月25日放送の世界一受けたい授業では都築 毅(つづき つよし)先生が講師となって「1975年型食事が健康によい」ということを取り上げました。

  • 日本人の総摂取カロリーは1975年が最も高い。
  • 1975年の肥満の人口(BMIが25位上の成人男性)は2007年に比べて少ない。
  • マウスの実験によれば、1975年の食事を食べさせたマウスの内臓脂肪の付き方が少ない。
  • 1975年の食事をしたマウスは2005年の食事をしたマウスに比べると糖尿病にリスクは5分の1
  • 同様の実験で、マウスの肝がんの発生数も1975年が少ない
  • 1960年代はご飯が多く塩分が多い食事
  • 1975年は和食と洋食が並ぶ食事
  • 2000年代は脂質が多い
  • 1975年代の食事の特徴
    1.食材が多い
    たくさんの材料が使われ、栄養バランスが良い
    2.大豆や卵が多い
    良質なタンパク質を摂取
    3.発酵調味料が多い
    醤油やみりんなどの発酵調味料が多い
    発酵しているものは栄養価が高く、がんや脳卒中を予防し、美肌効果が期待できる
    4.だしを使って塩分を抑える
    出汁が多いので、塩分が少なくても味を感じられる




【予習編】

■1975年型食事が健康によい!?

和食の理想は「1975年のメニュー」 エネルギー燃焼よく肥満抑制 東北大研究

(2014/2/4、産経ニュース)

東北大大学院農学研究科の都築毅准教授(食品機能学)のグループの研究によれば、「1975(昭和50)年ごろ」の食事が理想の和食であるそうです。

 75年の典型的なメニューを調べたところ、果実類、海藻類、魚介類が豊富で、ほかに卵や豆類、砂糖などもよく使われていた。

このメニューを粉末化し、餌に混ぜてマウスに8カ月間食べさせたところ、内臓脂肪が蓄積しにくく、血中のコレステロールの値も低いことが分かった。また、マウスの遺伝子を検査した結果、肝臓での脂肪分解が活発に行われていることやストレスを抑制する作用も高かったという。

1975年型の食事メニューを粉末化し、餌に混ぜてマウスに8カ月間食べさせたところ、内臓脂肪が蓄積しにくく、血中のコレステロールの値も低いことが分かったそうです。

記事の中から年代別の食事の違いをまとめてみます。

【1960年の食事】

  • コメの割合が多く、おかずの種類・量が少ない
  • 75年に比べると栄養バランスに劣る

【1975年の食事】

  • 1975年の食事は、果実類、海藻類、魚介類が豊富で、卵や豆類、砂糖なども使われていた。
  • 肉ではなく魚介類からタンパク質や脂質を主に摂取している
  • ワカメやヒジキなどの海藻を多く食べており、食物繊維が豊富にとれていた

【1990年の食事】

  • 乳製品やイモ類が豊富だが、パン食が増えた
  • カロリーの摂取過多

【2005年の食事】

  • コメが少なく、肉類、油脂類が多いのと、丼ものやパスタなどの単品メニューが目立ってきた
  • 油分の取り過ぎ
■まとめ

脂肪肝の改善方法では、出来る限り多くの食材を使うようにすることが肝臓にやさしい食事ということを紹介しましたが、1975年型の食事は多くの食材を少しずつ食べることが実践できていたと考えられます。

さまざまな食材の組み合わせのキーワードは「まごわやさしい」。

  • 「ま」は、豆類。
  • 「ご」は、ゴマ類。
  • 「わ」は、わかめなど海藻類。
  • 「や」は、野菜類。
  • 「さ」は、魚(魚介類)。
  • 「し」は、しいたけなどきのこ類。
  • 「い」は、いも類。

→ 1975年型の日本食を食べると健康になる!ヒトの実験でも証明|その食事の特徴とは?|東北大 についてくわしくはこちら







【関連ワード】
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日本人の大腸がん患者の5割に腸内細菌のコリバクチン毒素が関与か/若年者の大腸がん発症増との関連も




■日本人の大腸がん患者の5割に腸内細菌のコリバクチン毒素が関与か/若年者の大腸がん発症増との関連も

国際共同研究により大腸がんの全ゲノム解析を実施し日本人症例を解析 日本人大腸がん患者さんの5割に特徴的な腸内細菌による発がん要因を発見(2025年5月21日、国立がん研究センター)によれば、日本人の大腸がん患者の5割に、一部の腸内細菌から分泌されるコリバクチン毒素による変異パターンが存在することが明らかになりました。

コリバクチン毒素による変異パターンは、高齢者症例(70歳以上)と比べて若年者症例(50歳未満、大腸がん全体の約10%を占める)に3倍多い傾向がみられ、日本をはじめ世界的に問題視されている若年者大腸がんの重要な発症要因である可能性が示唆されました。

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック はこちら

【参考リンク】

【関連記事】

■コリバクチンとは?

腸内細菌叢とがん発生の分子メカニズム

近年、腸内細菌叢の中には「コリバクチン」とよばれる遺伝子損傷性毒素を産生する菌が存在することがわかってきた。
<中略>
コリバクチン産生菌は、感染した大腸細胞のDNAを損傷すること、炎症モデルマウスに感染させると大腸発がんが惹起されること、大腸がん患者の55-67%からコリバクチン産生菌が検出されること、大腸がんで見つかる遺伝子変異の部位とコリバクチンの作用する塩基配列に共通性がみられることなどから、コリバクチン産生菌は新たな大腸発がん因子として注目されている。

【米国で特許取得】大腸がんリスク因子を測定/当社が「コリバクチン検査」の独占的実施権を取得(2023年7月31日、アデノプリベント)

日本で1年間に大腸がんを発症する人は約15万人、がんの部位別にみた罹患率では1位となっています。大腸がんの罹患率は、この40年で約7倍に増えており、その原因として食生活の欧米化(高脂肪・低繊維食)が関与していると言われています。

 近年、”コリバクチン”という大腸がんの発生リスク因子に注目が集まっています。”コリバクチン”は大腸がん患者の7割が保持する、腸内細菌由来の毒性成分です。

これらの記事ではコリバクチンが大腸がんの新たな発生リスク因子として注目されているのですが、なぜこの菌が影響しているのか、世界中の若者の大腸がんの発症が増えていることとどのような関連があるのかはわかりません。

ただ気になるのは食生活の欧米化と大腸がんの関連がある可能性があり、具体的に言えば高脂肪・低繊維食が何か関連があるとすれば、大腸がん予防には低脂肪・高繊維食が大事ではないかという仮説が立てられます。

大腸がんはもはや高齢者の病気ではない!若い世代で大腸がんの発生率が高まっている理由とは?によれば、貧困によって砂糖入りの飲料や加工食品を選択するなど食事の質が低くなる傾向にあり、そのことが腸内細菌に影響を与えて、大腸がんのリスクを高めているのではないかという説が紹介されていました。

米国で発生したがんによる死亡者のほぼ半数は生活習慣の改善で予防できる可能性がある!で紹介した米国がん協会の研究によれば、がんと生活習慣の関係を調べたところ、2019年に米国で発生したがんによる死亡者のほぼ半数は生活習慣が要因になっている可能性があるそうです。

もし世界中の若者の食習慣に共通するものがあり、例えば、砂糖入りの飲料や加工食品を多く摂取している、野菜(食物繊維を含む)が不足しているという共通項があるのだとしたら、大腸がんを減らす方法になりうるかもしれませんね。

【追記(2025年5月26日)】

急増する若い世代の大腸がん、子どもの頃の腸内細菌が影響か、「毒素」の関連がついに判明

(2025年5月26日、ナショナルジオグラフィック)

今回の研究結果は、コリバクチン由来の変異シグネチャーをもつ参加者たちが10歳未満でコリバクチンにさらされていたことを示唆している。幼少期に腸内微生物叢(そう)へ与えられた「打撃」が、大腸がんの発症時期を20〜30年早めているのではないかと、アレクサンドロフ氏は考えている。

<中略>

アレクサンドロフ氏のチームは、幼少期に個人の免疫系や腸内微生物叢に大きな影響を与える要因が、何らかの役割を果たしていると考えている。たとえば、帝王切開と経膣分娩のどちらで生まれたか、抗生物質を使用したか、母乳か粉ミルクか、加工食品を多く摂取したかといったことが挙げられる。

子どもの頃に腸内細菌叢に起きたことが大腸がんの発症時期を早めている可能性がありますが、その原因は何かはわかっていないようです。

またコリバクチン産生菌は健康な人にも存在し、全員が大腸がんを発症するわけではなく、若い世代の大腸がんの発症の増加をコリバクチンだけに範囲を狭めて研究するのは時期尚早で、健康的な生活習慣を心掛け、早期発見・早期治療が重要なので、大腸がんの症状のサインを見逃さないことを心掛けたほうが良いようです。

■大腸菌がポリケチド合成酵素pksを用いてコリバクチンを合成し腸管内の細胞にDNAダメージを与えて大腸がんの発生にかかわっている

腸に住んでいるある平凡な細菌によって大腸がんは引き起こされる!(慶応義塾大学)

宿主の細胞にDNAダメージを与えうるいくつかのタンパク質が大腸菌には存在し、フェカーリス菌には存在していないことを明らかにしました。その中の一つにポリケチド合成酵素(解説)pksがあり、pksはがん化作用のあるコリバクチン(解説)とよばれる物質を合成できることが知られています。

ヒトでも大腸がんや炎症性腸疾患の患者において、pksを持つ大腸菌の割合は有意に高くなっていることが明らかになりました。そこで、pksを持たない大腸菌を作り出し、pksの大腸がんへの関与を調べたところ、pksを持たない大腸菌を感染させたマウスでは、pksを持つ大腸菌を感染させたマウスよりも大腸がんの悪性度が低くなっていることが示されました(図4)。

<中略>

大腸菌がpksを用いてコリバクチンを合成し腸管内の細胞にダメージを与えることによって、大腸がんの発生に関わっていることが明らかになりました(図1)。しかしながら、IL-10を産生できる正常マウスにpksを持つ大腸菌を感染させても大腸がんの発生はみられなかったことから、腸管内での「炎症」状態により「腸内細菌」叢のバランスを崩し、大腸菌などのある特定の細菌が増殖することが大腸「がん」の発生に重要であることが示されました。

大腸菌がポリケチド合成酵素pksを用いてコリバクチンを合成し腸管内の細胞にDNAダメージを与えて大腸がんの発生にかかわっているそうです。

【参考リンク】

  • Arthur JC, Perez-Chanona E, Mühlbauer M, Tomkovich S, Uronis JM, Fan TJ, Campbell BJ, Abujamel T, Dogan B, Rogers AB, Rhodes JM, Stintzi A, Simpson KW, Hansen JJ, Keku TO, Fodor AA, Jobin C. Intestinal inflammation targets cancer-inducing activity of the microbiota. Science. 2012 Oct 5;338(6103):120-3. doi: 10.1126/science.1224820. Epub 2012 Aug 16. PMID: 22903521; PMCID: PMC3645302.

■まとめ

大腸がんはもはや高齢者の病気ではない!若い世代で大腸がんの発生率が高まっている理由とは?で紹介した2024年12月11日付けで医学誌「Lancet Oncology」に発表された研究によれば、世界の多くの国と地域で50歳未満の若い人の大腸がんの発生率が高まっており、また2023年3月に学術誌「サイエンス」に掲載された論文によれば、1990年代以降は多くの国で、50歳未満での大腸がんの発生率が毎年2~4%ずつ増えており、30歳未満ではより顕著であり、2023年3月に医学誌「CA: A Cancer Journal for Clinicians」に発表した論文でも、米国で55歳未満で診断された人の割合が1995年の11%から現在は20%まで増加しており、大腸がんはもはや高齢者の病気ではないといえます。

今回の研究では世界中の若者の大腸がんの発症要因として腸内細菌から分泌されるコリバクチン毒素が関与している可能性があり、もしこれが原因であるとしたら、どのようなメカニズムで起きているのか、気になるところです。

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック はこちら







【関連記事】

「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

大腸がんはもはや高齢者の病気ではない!若い世代で大腸がんの発生率が高まっている理由とは?




若い世代で大腸がんが増加、見逃してはいけない兆候とは、研究(2024年12月20日、ナショナルジオグラフィック)で紹介された2024年12月11日付けで医学誌「Lancet Oncology」に発表された研究によれば、世界の多くの国と地域で50歳未満の若い人の大腸がんの発生率が高まっており、また2023年3月に学術誌「サイエンス」に掲載された論文によれば、1990年代以降は多くの国で、50歳未満での大腸がんの発生率が毎年2~4%ずつ増えており、30歳未満ではより顕著であり、2023年3月に医学誌「CA: A Cancer Journal for Clinicians」に発表した論文でも、米国で55歳未満で診断された人の割合が1995年の11%から現在は20%まで増加しており、大腸がんはもはや高齢者の病気ではないといえます。

このことから、大腸がんを予防するためには、検診の推奨年齢を下げることが大事になってきます。

また、大腸がんのリスク要因には、家族歴があり、遺伝的要因も大きいので、家族に大腸がんの人がいる場合には早めに健診を受けることが望ましいと考えられます。

もう一つ今回の記事で注目したいのは、健康格差の視点です。

貧困率と大腸がんによる死亡率をまとめた地図を参考にすると、収入が低いほど肥満や食生活の質の低下がよく見られ、例えば生鮮食品よりも安い加工食品を選んでいるとあります。

シーゲル氏によれば、過体重は大腸がんのリスクを増やす要因となるものの、過体重が原因と見られる大腸がんは約5%にすぎない。

ジアナキス氏は「サイエンス」の論文で、その要因の候補として砂糖入りの飲料や赤身加工肉の消費量が増えたことを挙げている。

記事を参考にすれば、貧困によって砂糖入りの飲料や加工食品を選択するなど食事の質が低くなる傾向にあり、そのことが腸内細菌に影響を与えて、大腸がんのリスクを高めているのではないかという説が立てられます。

米国で発生したがんによる死亡者のほぼ半数は生活習慣の改善で予防できる可能性がある!で紹介した米国がん協会の研究によれば、がんと生活習慣の関係を調べたところ、2019年に米国で発生したがんによる死亡者のほぼ半数は生活習慣が要因になっている可能性があるそうです。

この記事でもポイントに挙げたのが「健康格差」でした。

貧乏な人ほど生活習慣は不健康!?|人は(時間・お金・食べ物など)不足を認識したとき行動が変わる!によれば、貧困とは知識の欠如ではなく、どんな人であっても愚かな選択をしてしまうような状況に置かれているのが貧困なのです。

【関連記事】

若い世代の大腸がんが増加していることが、もし仮に健康格差、具体的に言えば貧困が根本的な原因にあるのであれば、「生活習慣を改善しましょう」ということが解決策ではなくて、貧困から抜け出す術をサポートしていくことが大腸がんなどのガンを予防する方法と言えるのではないでしょうか?

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック はこちら

【追記】

日本人の大腸がん患者の5割に腸内細菌のコリバクチン毒素が関与か/若年者の大腸がん発症増との関連もによれば、コリバクチン毒素による変異パターンは、高齢者症例(70歳以上)と比べて若年者症例(50歳未満、大腸がん全体の約10%を占める)に3倍多い傾向がみられ、日本をはじめ世界的に問題視されている若年者大腸がんの重要な発症要因である可能性が示唆されました。







美人は外見よりも自分の中身を見てくれる人が好き!?




Walki Talki

by cea +(画像:Creative Commons)

内田理央の贅沢な悩み「内面をほめて」に女芸人が猛反発 – さんまも加勢

(2016/12/27、マイナビニュース)

内田は「他人に言われて傷ついた一言」というトークテーマで、「内面をほめてほしいのに『顔がいい』とか『自撮りがうまい』とかばっかりほめられるんです」と贅沢な悩みを告白。

美人の中には「どうせ私は顔だけよね」と思っているような外見には自信があっても内面には自信がない女性もいれば、男性からは外見しか見てもらえず自分の内面は見てもらえないことを悩む女性もいます。

内面に自信のない女性は「私は内面的な素晴らしさを持っていない」と感じているので、「そんなことないよ。君はとてもやさしいよ。」と伝える人が現れると、彼女が持っていないと思っている内面的なものを与えたことになるため、彼女は欠けたものを埋め合わせてくれる相手のことがとても大切になります。

また、自分の内面は見てもらえないことを悩む女性は、いつも外見ばかりに惹かれる男性に囲まれている中で、自分の中身を見てくれた男性は特別な存在になります。

平均顔のほうが美人よりモテるって本当?|美人が避けられ、平均的な顔立ちが好まれる?

相補性とは、自分にないものを持っている人に強く惹かれることです。

相補性から生まれる親密感は、類似性の親密感に比べて、とても強力で、接着剤のような働きがあります。

それが、なんであんな美人にクマみたいな男と一緒にいるんだという、いわゆる「美女と野獣」カップルが生まれる理由の一つなのではないでしょうか。

インタビュー:北川景子「自分の中身を見てくれる人が好きです」

(2008/10/31、livedoor)

寛子のセリフで一番共感したのが、「私は自分の中身を見てくれる人が好きです」っていうセリフがあって、私もすごくそう思うんですよ。わがままなのかもしれないですけど、外見で判断されるのは嫌だし、中身を見た上でファンだとか、好きだとか言ってくれる人がやっぱり好きなんですよね。

相手の外見だけでなく中身を知るためには、それなりのコミュニケーションをとる必要がありますし、そういう意味でもどんなコミュニケーションをしたか最も重要だといえるのではないでしょうか?







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MCI(軽度認知障害)は女性の方が速く悪化し、腎機能の低下という特徴がみられる|東大教授の調査

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【目次】

■MCI(軽度認知障害)は女性の方が速く悪化し、腎機能の低下という特徴がみられる|東大教授の調査

Continuing Studies

by Simon Fraser University – University Communications(画像:Creative Commons)

軽度認知障害、女性の方が速く悪化…東大教授らのグループ調査

(2018/8/21、ヨミドクター)

認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)の女性は、男性より症状が悪化しやすいとの研究結果を東京大教授の岩坪威さんらのグループがまとめ、米科学誌に発表した。認知障害の悪化が速い女性には腎機能の低下がみられるという特徴もあり、生活習慣病の影響がうかがわれた

東大教授の岩坪威さんらのグループによれば、軽度認知障害(MCI)の女性は男性よりも症状が悪化しやすく、また、認知障害の悪化が早い女性には腎機能の低下がみられるという特徴がみられたそうです。

気になるポイントは、男性よりも女性のほうが症状が悪化しやすいことと認知障害の悪化が早い女性には腎機能の低下がみられるという特徴があること。

データ解析を担当した東大講師の岩田淳さんは「糖尿病や高血圧などの生活習慣病は腎機能を低下させるほか、動脈硬化を引き起こして神経細胞が壊され、認知機能の悪化を招く」と説明する。

その理由としては、男性よりも女性のほうが血管が細く、その影響を受けやすく、また、生活習慣病の影響により、腎機能が低下し、動脈硬化を引き起こすことで認知機能の悪化を招くと考えられるそうです。

■認知症と生活習慣病の関係

認知症の予防につながる9つのリスク要因|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病によれば、認知症の予防につながるリスク要因の喫煙・運動不足・高血圧・肥満・2型糖尿病の5つに共通するのは、心臓に良い生活習慣は脳にも良いということです。

国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、脳卒中の経験がある人は、ない人に比べ、認知症のリスクが2・6倍高かったそうですが、脳卒中予防のためのガイドラインと認知症のリスク要因とマッチしている部分が多いです。

高血圧:定期的に血圧を測り、高血圧の人は治療をしましょう。
糖尿病:血糖値を測り、糖尿病または糖尿病予備軍の人は治療を受けましょう。
●不整脈:不整脈が見つかったら、病院に行きましょう。
●タバコ:禁煙しましょう。
●アルコール:飲酒は控えめにしましょう。
コレステロール脂質異常症高脂血症)と診断された人は治療を受けましょう。
●運動:運動することが脳卒中予防につながります。
●塩分・脂肪分:食事の塩分を控えめに、低脂肪の食事をしましょう。
肥満:太りすぎは糖尿病や脂肪肝などの生活習慣病のリスク要因です。
●脳卒中の症状があればすぐに受診。

より具体的に見ていくと、糖尿病と認知症には何らかの関係があるという研究は何度も取り上げてきました。

アルツハイマー患者の脳内、糖尿病と同じ状態に 九大の解剖で判明

(2013/5/7、日本経済新聞)

九州大の生体防御医学研究所によれば、アルツハイマー病患者は、脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に変化することがわかったそうです。

【参考リンク】

糖尿病患者の半数でアルツハイマーの初期症状を確認で紹介した加古川市内の病院に勤務する医師らの臨床研究によれば、糖尿病の通院患者の半数以上に、「海馬傍回(かいばぼうかい)」と呼ばれる脳の部位が萎縮(いしゅく)するアルツハイマー病の初期症状がみられることがわかったそうです。

インスリンには記憶、学習機能を高める作用もあり、糖尿病でインスリン反応性が低下することが、アルツハイマー病発症につながっている可能性があるようです。

インスリン抵抗性を伴った2 型糖尿病にアルツハイマーのリスク|九大研究によれば、インスリン抵抗性を伴った2型糖尿病の場合、アルツハイマーの発症に関係があるとされるプラークが形成されるリスクが高くなるという研究結果が発表されたそうです。

九州大学の研究によれば、血糖値の異常が認められた患者にはプラークが形成されるリスクが高いという結果がでたそうです。

九州大学(Kyushu University)の研究チームは福岡県久山(Hisayama)町の135人(平均年齢67歳)を対象に研究を行った。

対象者に血糖値の検査を行い、その後10~15年間にわたってアルツハイマーの兆候がないか観察した。

研究期間中に対象者の約16%がアルツハイマーを発症した。

対象者の死後に研究チームが脳を調べたところ、65%にプラークが見られたという。

研究チームは、血糖値の異常が認められた患者には、プラークが形成されるリスクが高いとの結果をまとめた。

論文を執筆した九州大学の佐々木健介さんによれば、インスリン抵抗性がプラーク形成の原因と結論するにはさらに研究を進める必要があるものの、糖尿病をコントロールすることによってアルツハイマーを予防できる可能性があるとしています。

糖尿病になると、認知症の発症リスクが2倍高くなる!?で紹介した東京大の植木浩二郎特任教授によれば、糖尿病になると認知症の発症リスクが2倍高くなるそうです。

駆け込みドクター 5月17日|認知症|認知症チェック・認知症予防にアマニ油・デジタル認知症によれば、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクの高さと認知症(アルツハイマー病)には関係があり、アルツハイマー病の発症リスクは、糖尿病だと2倍、高血圧だと2倍、脂質異常症だと3倍になると紹介していました。

糖尿病がアルツハイマーのリスク高める?

(2015/5/26、WSJ)

ワシントン大学の研究者らは、マウスの実験で血糖値を異常に高い値に引き上げたところ、脳内のアミロイドベータの生産も増加し、双方に何らかの相関性があることを突き止めた。

ピッツバーグ大学で実施された約180人の中年の成人を対象とした試験では インスリン依存型(1型)糖尿病の患者は、この疾患を持たない被験者と比べ、はるかに多くの脳内病変が認められ、認知機能は低下していた。

血糖値の高さが脳に影響を及ぼす可能性があることが、2つの研究で示されています。

なぜ血糖値が高いとアミロイドβが生産されアルツハイマーのリスクが高まるのでしょうか。

インスリンはアミロイドから脳を守り、ニューロン(神経単位)と記憶の形成のつながりを改善するとされる。

<中略>

セントルイスのワシントン大学のマウスの実験で医師のデビッド・ホルツマン氏は、糖が脳内のニューロンに刺激を与え、さらにアミロイドが作られると示唆している。

インスリンには血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を調節する働きがありますが、今回の記事によれば、インスリンはアミロイドから脳を守る働きもあるそうです。

アルツハイマー病は、アミロイドβタンパクが脳にたまることで、神経細胞が死滅し、萎縮し、認知機能が低下することから起きると考えられています。

つまり、インスリンの分泌が低下したり、生成されなくなるということは、アミロイドから脳を守ることができなくなり、認知機能が低下してしまうと考えられます。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら




【関連記事】

■軽度認知障害とは?

MCI(軽度認知障害)|認知症予防にカマンベール|#世界一受けたい授業によれば、MCI(Mild cognitive impairment:軽度認知障害)とは、認知症の前段階で、認知機能が年相応といえない程度に低下している状態を指します。

認知症はじめの一歩|国立長寿医療研究センター もの忘れセンター

MCIでは記憶症状ではなく、言葉が出にくい、道を間違ったりするといった記憶以外の脳機能低下も含まれます。MCIでは、年間約10%が認知症に進行することが知られています。健常者より4-5倍危険性が高い状態です。逆に、MCIから健常に戻る場合もあります。

【参考リンク】

■軽度認知障害の特徴・サイン

認知症|厚生労働省

失語:言葉の障害(言葉が理解できない、言おうとした言葉を言うことができない、など)
失認:対象を正しく認識できない:知り合いの顔、色、大小などを認識できない、など
失行:くわえたタバコにライターの火をつけられない、服を着ることができない、茶葉とお湯と急須を使ってお茶を入れることができない、など
実行機能の障害:計画をたててその計画通りに実行していくなどができない

軽度認知障害のサインは、認知症の症状と判断するほどではなくても、同世代よりももの忘れの程度が強く、失語・失認・失行・実行機能という認知機能に障害があると感じられ、認知症にまで進行する可能性があるものだと考えられます。

■まとめ

MCI(軽度認知障害)の14%が認知症に進み、46%は正常に戻る|国立長寿医療研究センターで紹介した国立長寿医療研究センターによれば、「MCI(軽度認知障害)」の65歳以上の愛知県大府市の住民を4年間追跡調査したところ、14%が認知症に進んだ一方、46%は正常に戻ったそうです。

つまり、このことは、認知症の前段階であるMCIになったからといって、すべての人が認知症に進むわけではないということであり、一つの可能性として、認知症対策を行うことで回復したのではないかと考えられます。

うつ病性仮性認知症対策|前頭葉の血流を増やす方法は有酸素運動(散歩など)+知的刺激(川柳など)|たけしのみんなの家庭の医学によれば、国立長寿医療研究センターでは、暗算やクイズなどの課題を解きながら速足で歩いたりするような、頭を使いながら有酸素運動する、「コグニション」(認知)と「エクササイズ」(運動)を組み合わせ「コグニサイズ」を勧めており、週1回90分の運動プログラムを10か月間参加したグループでは、認知機能や言語機能が維持されており、また脳の特定部位の萎縮傾向がなかったそうです。

エゴマ油摂取+脳トレ=認知症予防効果がある!?で紹介した公益財団法人しまね産業振興財団、しちだ・教育研究所、島根えごま振興会、島根大、島根県立大の研究チームが行なった実験によれば、毎日スプーン1杯分のエゴマ油を摂取し、週に1回、計算や読み書きなどの脳トレを実施したグループは何もしないグループよりも記憶力や論理的思考力などの知的柔軟性の評価項目が高くなったという結果が出たそうです。

また、腎臓は『肝腎連関』『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要|#NHKスペシャルで紹介した京都大学大学院医学研究科の柳田素子教授によれば、腎臓は『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』『肝腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要となっているそうです。

もしかすると、認知症を予防するためには、認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)の段階で食い止める対策をすることに加えて、『脳腎連関』の可能性を踏まえて腎機能をチェックすることが重要になるかもしれませんん。







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