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積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センター

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■積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い

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by Theater der Künste(画像:Creative Commons)

積極的に計画・実行する人“がん死亡リスク低い”

(2016/3/5、NHK)

日常的な出来事に対して積極的に解決するための計画を立て、実行する人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低くなるとする研究成果を、国立がん研究センターなどのグループが発表しました。

<中略>

脳卒中にかかるリスクは15%、脳卒中や心筋梗塞などで死亡するリスクは26%低くなっていました。

国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下している可能性があるようです。

こうした結果を受けて、ますます予防医療にスポットが当たっていくのではないでしょうか。




大腸がん予防

1975年型食事が健康によい!?|世界一受けたい授業 4月25日によれば、2000年代は脂質が多くなってくるのですが、肉を多く食べると大腸がんになるリスクが高いによれば、肉を多く食べる日本人は大腸がんになるリスクが高いことが、約8万人を対象にした約10年におよぶ国立がん研究センターの追跡調査でわかっています。

また、長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいで紹介したアメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌に発表された研究によると、デスクワーク(長時間椅子に座ったままでの仕事など)は大腸がんのリスクを増加させる可能性があるそうです。

その他にも、糖尿病の人の大腸がんになるリスクは1.4倍、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も高いによれば、日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会の報告では、糖尿病の人はそうでない人に比べて大腸がんになるリスクは1.4倍なのだそうです。

糖尿病の患者数の増加に伴い、大腸がんになる人も増えていると考えられないでしょうか。

→ 大腸がん について詳しくはこちら

→ 大腸がん危険度チェック について詳しくはこちら

■ピロリ菌除菌と胃がん検診で胃がん予防

胃がんの原因としては、最近の研究によって、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)が大きく関わっているのではないかと考えられています。

胃がん検診、内視鏡検査の追加を提言 厚労省検討会によれば、胃の内視鏡検査は胃がんの死亡率を減らす効果が認められているそうです。

早期の胃がんには、自覚症状はほとんどありません。

40歳を越えたら、自覚症状はなくても、年に一回は胃の定期検査を受けましょう。

→ 胃がんの症状・原因・手術・食事 について詳しくはこちら

【関連記事】

■肝臓がん予防のために「肝炎ウイルス」の検査

肝臓がんになるほとんどの原因はウイルス性肝炎から肝硬変になったものであるため、肝臓がんの予防するためには、肝硬変になる前に、肝炎を早期に発見し、治療を行うことが第一です。

→ 肝臓ガン について詳しくはこちら

■歯周病予防で生活習慣病予防

歯周病から糖尿病が悪化する?|そのメカニズムと歯周病予防のポイントによれば、歯周病菌の出す毒素が歯肉や歯を支える骨を侵す作用の研究が進むにつれて、これらの毒素は、全身をめぐって糖尿病や心臓血管系の疾患など生活習慣病にも影響を与えていることが明らかになってきています。

歯周病ケアをすることが生活習慣病予防につながります。

→ 歯周病の症状・歯周病とは・歯周病予防 について詳しくはこちら

■舌の汚れを清掃してがん予防

舌の汚れを清掃をすることがガン予防につながる!?によれば、舌の上に付く白い汚れ「舌苔(ぜったい)」の面積が大きいほど、呼気に含まれる発がん性物質アセトアルデヒドの濃度が高いことがわかったそうです。

■まとめ

保険とIoTを融合した健康増進サービスの開発に注目!|ウェアラブルデバイスをつけて毎日運動する人は生命保険・医療保険の保険料が安くなる!?では、医療費削減は健康保険料の多くを負担する企業にとっては重要な問題になっており、健康に関するデータをウェアラブルデバイスで集め、それを保険契約に盛り込むというような、保険とIT(IoT/ウェアラブルデバイス/AI)を融合した健康増進サービスの開発は今後ますます活発になるのではないかと書きましたが、現在すでにそうした取り組みを行う企業が増えてきました。

最近では、病気になるリスクが高い原因を検査することで病気の発症リスクを下げることができるようになっていますので、国としても企業としても、医療費を削減するためにも、これからますます予防医学・予防医療の重要性が高まっていくものと思われます。







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コーヒー摂取量が多いと、肝がん発生リスクは低くなる|厚労省研究班

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【目次】

■コーヒー摂取量が多いと、肝がん発生リスクは低くなる|厚労省研究班

coffee steam 1

by waferboard(画像:Creative Commons)

コーヒー摂取量多いと肝がんリスク低下-厚労省研究班

(2009/7/28、医療介護CBニュース)

厚生労働省の研究班はこのほど、「コーヒー摂取量が多いと、肝がん発生リスクは低くなる」とする研究成果を公表した。

厚生労働省研究班によると、コーヒー摂取量が多いと肝がんリスクは低下すると発表したそうです。

コーヒーについては、「ほとんど飲まない」に対し、「1日1杯未満」は67%、「1日1-2杯」は49%、「1日3杯以上」は54%となり、それぞれ肝がん罹患のリスクが下がっていた。

この研究結果から判断すると、コーヒーを多く飲んだ方がより肝臓がん発生のリスクが下がっています。




■なぜコーヒーをよく飲んでいる人は肝がんの発生率が低くなるのか?

コーヒーの何の成分が肝がんによいのでしょうか。

コーヒー摂取と肝がんの発生率との関係について|国立がん研究センター

どうしてコーヒーをよく飲んでいる人で肝がんの発生率が低くなるのかについては、実はまだよくわかっていません。コーヒーは、炎症を和らげる作用があり、肝炎の進行を防ぐことによって、肝がんを予防するのではないかとも考えられています。また、コーヒーにはクロロゲン酸をはじめとするたくさんの抗酸化物質が含まれており、動物実験などでは、これが肝臓のがん化を防御する方向に働いているという報告があります。一方、コーヒーにはカフェインも多く含まれています。最近、糖尿病などにコーヒーの予防効果が報告され、カフェインによるのではないかと推察されていますが、本研究の分析では、コーヒーと同じくカフェインの多く含まれている緑茶の場合、多く飲んでいる人でも肝がん発生率の低下がほとんど認められなかったことから、カフェインというよりは、コーヒーにのみ含まれている別の成分が関与しているものと思われます。

コーヒーを飲むことによって肝がんの発生リスクが低くなる要因についてははっきりとわかっていないようですが、いくつか仮説が立てられています。

  • コーヒーに含まれる炎症をやわらげる作用が肝炎の進行を防ぐことによって肝臓がんを予防するのではないか?
  • クロロゲン酸などコーヒーに含まれる抗酸化物質が肝臓のがん化を防いでいるのではないか?

今後の研究で明らかにしてほしいポイントですね。

→ 肝臓がん予防によい食事・食べ物 について詳しくはこちら

■肝がんの最大のリスク要因は、肝炎ウイルス

記事の最後には、注意すべき点も紹介しています。

ただ、研究班では、肝がん罹患者の8割以上がC型またはB型肝炎ウイルス陽性者だったことを指摘し、その予防にはまず肝炎ウイルス検査を受け、感染していた場合には、肝臓の専門医の治療や経過観察を受けることが重要だとしている。

コーヒーによる肝臓がんの予防効果は期待されますが、肝がんの最大のリスク要因は肝炎ウイルスにあります。

肝がんを予防するためには、まずは肝炎ウイルス検査を行うことが一番重要であり、感染していた場合には、医師と相談のうえ、しっかり治療することが大事なようです。

→ 肝臓がんの症状(初期・末期) について詳しくはこちら







【コーヒー関連記事】
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年間720億円分の抗がん剤が廃棄されている!?|廃棄される抗がん剤を減らすアイデアとは?




■年間720億円分の抗がん剤が廃棄されている!?|廃棄される抗がん剤を減らすアイデアとは?

Prescription Prices Ver3

by Chris Potter(画像:Creative Commons)

廃棄される抗がん剤、年間720億円分 慶大教授が試算

(2017/11/17、朝日新聞)

岩本さんは国立がん研究センターなどと共同で、薬の使用回数や瓶の数から1病院あたりの廃棄率を計算。国際的な医療情報データベースも使い、廃棄量を推定した。それによると、2016年度の抗がん剤の市場規模約9745億円の約7・4%にあたる約720億円分が捨てられていた。

慶應義塾大学の岩本隆・特任教授による試算によれば、年間720億円分の抗がん剤が廃棄されているそうです。

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なぜ使用量の約7%もの抗がん剤が使い切れずに残り、廃棄されてしまうのかがこの問題のポイントです。

2017年6月27日のNEWS23でも取り上げられたこの問題ですが、なぜ抗がん剤の廃棄が行なわれているのでしょうか?

その理由は、安全性の確保にあります。

余った薬剤には菌などが混入する恐れがあるため、余った薬剤を捨てることで安全性を確保しているそうです。

これまでにも残薬に関する問題についてこのブログでも取り上げてきました。

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余った薬剤を捨てることで安全性を確保することは理解できますが、そうなるときになるのが、なぜ薬剤が余ってしまうのかという点です。

抗がん剤の注射薬や点滴薬の多くは、瓶単位で売られている。患者ごとの使用量は体格によって違い、1回で使い切れないこともある。

抗がん剤の多くは瓶単位で売られていて、患者さんによって使用量が違うため、使いきれないこともあり、抗がん剤が残ってしまうそうです。

2017年6月27日のNEWS23でコメントした岩本特任教授によれば、日本では原則は使用量での保険請求なのですが、それが徹底されておらず、実際に使われていなくても全体量で請求できる仕組みとなっているという「医療界の暗黙のルール」があることも背景にはあるようです。

この問題を解決するために、厚生労働省も動きを始めています。

抗がん剤の残薬活用へ 厚生労働省が安全基準策定へ 数百億円単位の医療費削減も

(2017/8/12、産経ニュース)

ただ、1瓶から同時に複数の患者へ投与することは認められている。残薬を活用できるケースはあるものの、今のところ安全基準がなく、そのまま廃棄されることが多い。

残薬は一つの瓶に入った抗がん剤を複数の患者に使うことで減らすことができるため、欧米では、余った薬剤を複数回使用する取り組みが進んでいるそうですが、大事なポイントは複数回使用することで安全性を確保できるかどうかです。

そこで、厚生労働省は、使いきれなくなった抗がん剤の残薬を他の患者に活用できるよう安全基準づくりに乗り出す方針を固めたそうです。

安全基準を作ることで残った抗がん剤を複数回他の患者に有効活用するというのは良い方向だと思いますが、この問題を根本的に解決するできる限り使用量に合わせて抗がん剤を購入できる仕組みにするということではないでしょうか。

最近AI(人工知能)や IoT といったテクノロジーによる未来社会として掲げられた「超スマート社会」というコンセプト「Society5.0」について考えています。

Society5.0 Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
Society5.0 Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)

「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の⾼いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、⾔語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会。」(第5期科学技術基本計画)

これまでの社会は、あらゆるものを標準化することによって、人間がその標準化された社会に合わせて生活をすることで問題を解決してきましたが、Society5.0では、多様な違いを持ったままで、必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ提供される社会になっていくことを目指しています。

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この必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ提供される社会という考え方をもとにすれば、標準化された規格品サイズの瓶での購入をするのではなく、必要な分量だけを購入しながらも安全に利用できるシステムが必要になってくるはずです。

そこで、思い出したのが、Matternet Station|自律型ドローン配達ネットワークが配備されることで医療に革命が起こる!?|スイスで取り上げた、自律型ドローン配達ネットワークで医療用アイテムを届けるシステムです。

The Matternet Station

Matternet Station|自律型ドローン配達ネットワークが配備されることで医療に革命が起こる!?|スイス

Matternet Stationは、ドックとドローンが装備されていて、医療サンプルなどを荷物を積載し、離陸し、ステーションに着陸する仕組みになっています。

Matternetシステムを使用して、技術者はQRコードをつけたボックスに血液サンプルなど医療に関するものを格納し、ドローンは信号で案内されたステーションに飛び立ちます。

受け取る側は荷物が届いたことがアプリで通知され、スマホでQRコードをスキャンしてロックを解除することで安全に医療用アイテムを受け取ることができます。

このネットワークシステムが全国だけでなく全世界につながれば、通信機能を持った端末同士が相互に通信を行うことにより、網の目状に作られる通信ネットワークであるメッシュネットワークのようにノードからノードへ転送を行うようにした医療用アイテムの配送が可能になるかもしれません。

How Mesh Networks Work

ROBIN CHASE ロビン・チェイスによるZipcarと更なるビッグアイデア

ただ、ドローンの医療応用に対しては、乗り越えなければならない法の壁がいくつもあるようですので、実証実験を続け問題を解決していく必要がありますが、検討に値するアイデアではないでしょうか?

【参考リンク】

世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)」 米国FDA承認|大塚製薬・プロテウスでは、薬の飲み忘れによって生じる治療効果が下がってしまうという問題をテクノロジー(今回の場合はセンサー)で解決しようというものでしたが、そもそも残薬が出ない仕組みにするというアイデアとして、自動的に薬を投与するインプラントというアイデアはどうでしょうか。

●自動的に薬を投与するインプラント

生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズという記事で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。

妊娠をコントロールする避妊チップの開発に成功ービル・ゲイツ財団出資の企業によれば、海外では腕の内側などにホルモン剤を含んだ細長いプラスチック製の容器を埋め込む「避妊インプラント」が広く普及しているそうで、将来的には、糖尿病治療も同様の方法をとっていくことが予想されます。

糖尿病治療用「スマート・インスリンパッチ」が開発される(2015/6/24)によれば、米ノースカロライナ大学とノースカロライナ州立大学の研究チームは、血糖値の上昇を検知し、糖尿病患者に適量のインスリンを自動的に投与できるパッチ状の治療器具を開発したそうです。

糖尿病患者に朗報!?グラフェンを使った血糖値測定と薬の投与を行なう一体型アームバンドによれば、韓国の基礎科学研究院の研究者たちは、ユーザーの汗をモニターして、血糖値を測定し、血糖値が下がってきている場合には、極小の針で薬を注射するという血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイスを糖尿病患者のためにデザインを行なったそうです。

「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学によれば、東京農工大学大学院の村上義彦准教授の研究グループは、体内に薬を運ぶための入れ物である「薬物キャリア」として利用されている構造体(ミセル)に着目し、「物質の放出を制御できる機能」をゲルの内部に固定化するという新しい材料設計アプローチによって、「複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル」の開発に成功しました。

自動的に必要なだけの量の薬を必要なタイミングで投与することができれば、残薬がなくなり、「残薬(飲み残しの薬)が減ることによって医療費削減」「認知症などの人が飲み忘れることがなくなる」「治療継続の負担がなくなる」といったことが期待されます。

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そして、最後にもう一つ気になる点があります。

それは、本当にその薬に効果があるかという問題です。

ゲノム解析が一般的なものになった時、AIが過去の文献や医学論文、データベースを探索するようになる!?では、抗がん剤は高価で、かつ副作用の生じることから、薬が効かない患者に副作用のリスクを負わせ、高額な医療を施す必要があるのかという問題があり、ゲノム情報を活用して、どの薬が効果を発揮できるのか、ということを事前に調べて投与する「プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)」に注目が集まっているという話題を取り上げました。

薬の飲み忘れ問題、残薬の問題も大事ですが、そもそもその薬の効果があるかどうかがわからない場合もあり、今後は、遺伝子を調べて、その薬で対応できるのかを判断してから投与するということが常識となっていくのではないでしょうか?




■まとめ

医療費の動向|平成28年版厚生白書
医療費の動向|平成28年版厚生白書

参考画像:医療費の動向|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

平成28年版厚生白書

国民医療費とは、医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものであり、具体的には、医療保険制度等による給付、後期高齢者医療制度や公費負担医療制度による給付、これに伴う患者の一部負担などによって支払われた医療費を合算したものである。

高齢化や医療の高度化により、国民医療費は増加傾向が続いています。

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医療の仕組みを抜本的に変えることは、医療費の増加という問題を解決するためには必要になるはずですので、廃棄される抗がん剤を減らすアイデアだけでなく、予防医療にもぜひとも積極的に取り組んでほしいものです。







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糖尿病治療薬「メトホルミン」による制御性T細胞の抑制効果を発見|岡山大

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■糖尿病治療薬「メトホルミン」による制御性T細胞の抑制効果を発見

Soybean Research

by United Soybean Board(画像:Creative Commons)

糖尿病治療薬メトホルミンによる制御性 T 細胞の抑制効果を発見

(2017/10/27、岡山大学プレスリリース)

がん局所に浸潤した制御性 T 細胞は免疫細胞の一種ですが、がん細胞を攻撃する細胞傷害性 T 細胞[2]の機能を抑制することが知られています。メトホルミンによる制御性 T 細胞の抑制効果は、がんに対する免疫作用を増強することにつながり、がんの免疫治療に貢献できる可能性が明らかになりました。

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科免疫学分野の鵜殿平一郎教授、榮川伸吾助教と口腔顎顔面外科学分野の佐々木朗教授、國定勇希大学院生の共同研究グループは、メトホルミンが、がん局所に存在する制御性T細胞(免疫反応の抑制を行うT細胞の集団。過剰な免疫応答を抑制するためのブレーキ役を担い、自己免疫疾患などに罹患しないように全身に分布している。)の増殖と機能を抑制することを明らかにしました。

制御性T細胞の本来のエネルギー代謝[4]である脂肪酸に依存した酸化的リン酸化反応[5]が減少し、代わりに糖に依存した解糖系[6]が亢進することで、細胞死に至る経路を活性化していることがわかりました。

糖質代謝改善薬であるメトホルミンによって、酸化的リン酸化反応(細胞内で起こる呼吸に関連した現象で、ミトコンドリア内で高エネルギー化合物の ATP を産生する回路の一つ)が減少し、解糖系(グルコース(糖)をピルビン酸に分解(異化)する代謝過程)の促進を誘導することによって、それまで脂肪酸を取り入れて生存していた制御性T細胞の代謝バランスが崩壊し、続いて細胞死に至るということが明らかになりました。

メトホルミンは免疫細胞の代謝バランスを変化させることにより、今まで不可能であったがん局所だけの制御性T細胞の抑制をもたらす効果があるということによって、より有効で安全な治療法の開発につながることが期待されます。







【参考リンク】
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AIを活用した画像認識による皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始|京セラコミュニケーションシステム・筑波大学




■AIを活用した画像認識による皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始|京セラコミュニケーションシステム・筑波大学

参考画像:京セラコミュニケーションシステムと筑波大学が、AI を活用した画像認識による皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始(2017/7/26、筑波大学)

京セラコミュニケーションシステムと筑波大学が、AI を活用した画像認識による皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始

(2017/7/26、筑波大学)

本研究では、皮膚病の臨床画像をディープラーニングで学習し、メラノーマ(悪性黒色腫)などの皮膚がんをはじめとする複数の皮膚腫瘍を判別する「高精度な画像認識モデル」を開発します。次の段階として皮膚がん以外の皮膚病に適用範囲を拡大し、臨床画像から皮膚病全般の診断をサポートするシステムを開発します。

京セラコミュニケーションシステム(KCCS)と筑波大学はAI(人工知能)を活用した画像認識による医師向けの業界標準となる皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始しました。

KCCSは画像認識モデル作成サービス「Labellio」の提供や画像認識システムの構築で培ったノウハウを活かし、システム開発を行ない、筑波大学は、、AIの機械学習に用いるデータのために蓄積した2万枚を超える膨大な臨床画像データの提供、皮膚疾患診断サポートシステムの精度評価、医療現場における適応性の評価を行ないます。

皮膚科専門医の診断支援だけでなく、専門医のいない遠隔地での診断サポートシステムの構築にも役立つことが期待されます。

【参考リンク】

■Facebook CEOも注目している皮膚がんを発見できるアプリがある!?

●「DermaCompare(ダーマコンペア)」

マーク・ザッカーバーグが注目しているのは医療用AI搭載アプリ!?によれば、スマホで撮影した写真とAIアルゴリズムによって、皮膚がんを発見することができるアプリをFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグが注目しているそうです。

イスラエルのエメラルド・メディカル・アプリケーションが提供している「DermaCompare(ダーマコンペア)」は皮膚がん診断用として使用されているAIを搭載したアプリです。

ユーザーが画像をアップすると、過去画像やデータベース画像(黒色腫の画像データ約5,000万件)と比較し、提携している医師に診断を仰ぐというものです。

●SKIN SCAN

また、肌の写真から皮膚がんの可能性を判断するIPHONEアプリSKIN SCANによれば、皮膚のシミの写真を撮り、特殊なアルゴリズムを使って、人間の皮膚にあるフラクタル状の形を探すことで、皮膚がんの可能性を判断するアプリもあるそうです。

●Googleのイメージ認識アルゴリズム「Google Inception」を活用した皮膚がん判定ソフトウェア

Deep learning algorithm does as well as dermatologists in identifying skin cancer

(2017/1/27、スタンフォード大学)

The algorithm’s performance was measured through the creation of a sensitivity-specificity curve, where sensitivity represented its ability to correctly identify malignant lesions and specificity represented its ability to correctly identify benign lesions.It was assessed through three key diagnostic tasks: keratinocyte carcinoma classification, melanoma classification, and melanoma classification when viewed using dermoscopy.In all three tasks, the algorithm matched the performance of the dermatologists with the area under the sensitivity-specificity curve amounting to at least 91 percent of the total area of the graph.

スタンフォード人工知能研究所「Stanford Artificial Intelligence Laboratory」で行われNatureに掲載された結果によれば、convolutional neural networks (CNNs、イメージを判定するアルゴリズム) を使ったAIによる皮膚がん診断は、21人の皮膚科医の診断とほぼ同等の診断をすることができたそうです。

【参考リンク】




■まとめ

デジカメ技術と機械学習で皮膚がん診断支援システム開発|カシオによれば、カシオは、2016年4月からは、信州大学と共同で、深層学習(ディープラーニング)アルゴリズムをベースに、多数の症例画像を読み込み、機械学習を行うことで高い精度を実現する皮膚疾患のコンピュータ診断支援システムの技術開発を開始しているというニュースを以前お伝えしましたが、皮膚がん診断支援とディープラーニングの組み合わせが現在のトレンドのように感じます。

緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコンによれば、緑内障の治療のケースにおいても、視神経の変形を肉眼で判定し、分類作業を行なう上で、医師の経験や主観的な要素が大きいため、分類が難しいことが問題となっていましたが、分類作業が自動化したことにより、経験の浅い医師でもできるようになり、また、標準化することによって、適切な治療を選択できるようになることが期待されています。

病気の診断を助けるツールや医師のスキルの向上を助けるツールが開発されることは大変良いことですよね。

京セラと筑波大学が開発している皮膚の病気の診断支援システムによって、皮膚癌から救われる患者さんが増えることが期待されます。







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