「口腔の病気」カテゴリーアーカイブ

歯周病(ポリフィロモナスジンジバリス菌)に対する免疫抗体が多い患者は動脈硬化に関わる悪玉コレステロール値が高い|岡山大

> 健康・美容チェック > 動脈硬化 > 歯周病 > 歯周病(ポリフィロモナスジンジバリス菌)に対する免疫抗体が多い患者は動脈硬化に関わる悪玉コレステロール値が高い|岡山大




■歯周病は、悪玉コレステロール・動脈硬化と関連がある!?

Teeth brushing

by Jakob Renpening(画像:Creative Commons)

岡山大、歯周病が動脈硬化に関連していることを明らかに

(2014/8/30、財経新聞)

岡山大学の工藤値英子助教・高柴正悟教授らによる研究グループは、歯周病細菌の一つであるポリフィロモナスジンジバリス菌に対する免疫抗体が多い患者は、動脈硬化に関わる悪玉コレステロールの値が高いことを明らかにした。

以前から歯周病糖尿病などの生活習慣病と関連があるのではないかと言われてきました。

岡山大学の工藤値英子助教・高柴正悟教授らによる研究グループによれば、歯周病細菌の一つであるポリフィロモナスジンジバリス菌に対する免疫抗体が多い患者は、動脈硬化に関わる悪玉コレステロールの値が高いことがわかったそうです。

【参考リンク】

今回の研究結果により、歯周病菌が脂質代謝異常の原因になりうることがわかりました。

今後の研究では、歯周病治療によって脂質代謝異常や動脈硬化にどのような影響を与えるか、動脈硬化の原因の一つとして歯周病があるのか、それらの関連を調べることによって、病気の新しい治療法の開発につながることが期待されます。

→ 動脈硬化とは|動脈硬化の症状・原因・改善方法 について詳しくはこちら

→ 歯周病の症状・原因 について詳しくはこちら

→ 歯周病は糖尿病の合併症の一つ!?糖尿病と歯周病の関係 について詳しくはこちら

→ 歯周病を予防する方法(歯磨き・歯ブラシ) について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む 歯周病(ポリフィロモナスジンジバリス菌)に対する免疫抗体が多い患者は動脈硬化に関わる悪玉コレステロール値が高い|岡山大

会社の目標は「虫歯ゼロ」という1メッセージは伝わりやすい!会社の健康目標を立ててみませんか?




■会社の目標は「虫歯ゼロ」という1メッセージは伝わりやすい!会社の健康目標を立ててみませんか?

Desire

by Sergio Fabara Muñoz(画像:Creative Commons)

糸井重里から働く人へ ちゃんとメシ食って、風呂入って、寝てる人にはかなわない

(2016/11/17、.dot)

6年前、全社をあげて「虫歯ゼロの会社」を目標にしたんです。歯の手入れは面倒くさい。痛いし嫌だしお金もかかる。歯が手入れされなくなったら、すべての健康が危ないというのが、ぼくの考えです。

「虫歯ゼロの会社」というアイデアは面白いですよね。

→ 歯周病の症状・歯周病とは・歯周病予防 について詳しくはこちら

食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で取り上げましたが、「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージは実は伝わりにくいのです。

具体的にどうしたらいいかがわかりませんし、目標も立てづらいですよね。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

新品価格
¥886から
(2017/3/31 11:53時点)

つまり、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

ではどのようにしたらよいのでしょうか?

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)ではこのような提案がされています。

例:アメリカ人に健康的な生活をさせるには?
「もっと健康的に行動しよう」と訴えるのではなく、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」というべきなのだ。
飲食行動を変える必要でなく、購入行動を変える。
「もっと健康的に行動しよう」と伝えても、解釈の仕方はいくらでもある。

よくテレビで紹介されているような、○○の不足が病気の原因となる恐れがあるので、△△を食べましょうというのは、批判もありますが、見ている人に伝わりやすく、行動を変えやすいということなんですね。

デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったそうです。

しかし、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

「魚は幸運の印である」という地元の俗説を利用して、カントロップという魚の形に成形した鉄の塊(Lucky Iron Fish)を調理中の料理にしたところ、Lucky Iron Fishを使っている地域では鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

普段食べている食事にLucky Iron Fishという鉄の塊を入れるだけで鉄欠乏性貧血が解消するというのは実にわかりやすい方法です。

「バランスの良い食事にしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあります。

糸井重里さんの会社で取り上げるような「虫歯ゼロの会社」というメッセージは1メッセージでわかりやすいですよね。

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

また、企業側は、社員の健康を十分にケアをすることによって、生産性損失コストが削減できるそうです。

社員の健康をケアする方法として様々な方法があると思いますが、【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!によれば、「耳石があまり動かないこと」が全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起こしてしまうということについて取り上げており、耳石を動かすためにも、30分ごとに立ち上がるとよいとアドバイスしていました。

長時間座り続けることが多い職場では30分に一度立ち上がるようにするというアイデアを試してみてはいかがでしょうか。

→ これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの? について詳しくはこちら







【歯周病 関連記事】
続きを読む 会社の目標は「虫歯ゼロ」という1メッセージは伝わりやすい!会社の健康目標を立ててみませんか?

「ソーダ税」を導入した米バークレー、清涼飲料の消費量が21%減少|フィラデルフィア、炭酸飲料の消費4割減少|砂糖の摂取量減少による健康効果は得られるか?




【目次】

■「ソーダ税」を導入した米バークレー、清涼飲料の消費量が21%減少|砂糖の摂取量減少による健康効果は得られるか?

In TEXT Form

by Guian Bolisay(画像:Creative Commons)

米バークレーの「ソーダ税」に予想以上の効果、課税の力が立証される

(2016/9/1、Forbes)

カリフォルニア州バークレーは2015年、いわゆる「ソーダ税」を導入した。8月23日に発表された研究報告によれば、清涼飲料1オンス(約28.5ml)当たり1セント(約1円)の税が課されるこの制度により、低所得世帯による清涼飲料の消費量が21%減少した。

清涼飲料水に課税するいわゆる「ソーダ税」を導入したカリフォルニア州バークレーでは、低所得世帯による清涼飲料の消費量が21%減少したそうです。

ダイエットには食べ物より飲み物を見直す方がいい?によれば、ジョンズ・ホプキンス大学などによる研究によれば、食べ物(固形物)によるカロリー摂取よりも飲み物(液体)によるカロリー摂取の方が体重に与える影響は大きいといわれるので、清涼飲料の消費量の減少に伴い、肥満の人が減少するようになると、目標を達成することになりますが、どうなのでしょうか?

世界各国で健康問題の解決と税収アップのために、ジャンクフードやソフトドリンクに対して税金をかける動きが広がっていますが、今回の結果を受けて、いろんなところで導入を検討するところが増えていくかもしれません。

■「ソーダ税」で炭酸飲料の消費4割減少|ペンシルベニア州フィラデルフィア市

【追記(2018/4/29)】

「ソーダ税」で消費4割減=肥満対策でやり玉―米研究チーム

(2018/4/29、時事通信)

税の導入から約2カ月で炭酸飲料の消費は40%、エナジードリンクは64%減少した。逆にボトル入り飲料水は58%増え、「課税を機に、糖分を加えた飲料の代わりに水を飲む傾向が顕著に確認された」という。

米ドレクセル大学(ペンシルベニア州)の研究チームの調査によれば、ペンシルベニア州フィラデルフィア市による税(ソーダ税)の導入から、炭酸飲料の消費が4割減少したそうです。




【参考リンク】

■砂糖と健康問題

WHOが体重の増加による肥満の数が増加傾向にあることや虫歯など健康上のリスクを防ぐため「一日の糖類25グラムまで」とする新指針を2015年に正式決定しました。

【関連記事】

世界全体で肥満の数は増加しており、また肥満は、糖尿病脂肪肝高血圧などの生活習慣病だけでなく、脳卒中、心疾患、そして腰痛などのケガの原因になっています。

そして、医療費もそれに合わせて増加しています。

砂糖入り飲料を習慣的に飲むと糖尿病リスクが上昇する!?によれば、英・ケンブリッジ大学の今村文昭氏らの大規模な調査によれば、砂糖入り飲料を習慣的に飲むことで糖尿病のリスクが高くなることがわかったそうです。

徳島県が糖尿病死亡率最下位脱出|徳島県はどんな糖尿病対策を行なったのか?で紹介した徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授によれば、徳島県が糖尿病死亡率が高い理由として、「肥満」と「糖質摂取」を挙げており、食習慣として、ご飯に砂糖をかけて食べたり、饅頭のあんこの量が全国的にも多いなど「甘党」であることが関係しているようです。

アメリカの炭酸飲料離れ 10年連続で販売量減|健康志向の高まり(2015/3/30)によれば、健康志向の高まりが影響しているのでしょうか、アメリカでの炭酸飲料の販売量が10年連続で減少しているそうです。

アメリカの2〜5歳の子供の肥満率が低下によれば、子供の肥満率が減少した理由として、CDCは、理由は明確ではないとしながらも、食生活の改善や運動、糖分の多い飲料を控える傾向などが寄与しているとの見方を示しています。

■まとめ

アメリカ人は摂取するカロリーの約6割、砂糖の9割を「超加工食品」から摂取している!?で紹介した英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の調査結果によれば、アメリカ人は砂糖の9割を「超加工食品」から摂取していることがわかったそうです。

「ソーダ税」をかけることで、低所得世帯による清涼飲料の消費量が減少したことにより、砂糖の量が減少していると考えられます。

消費者が摂取する砂糖の量が減少することによって、どれほどの健康効果が得られるのかに、今後注目ですね。







【肥満税 関連記事】
続きを読む 「ソーダ税」を導入した米バークレー、清涼飲料の消費量が21%減少|フィラデルフィア、炭酸飲料の消費4割減少|砂糖の摂取量減少による健康効果は得られるか?

東日本大震災で経済状況が悪化した高齢者は歯を失うリスクが高くなる|ストレスや食事の変化、歯磨きができなかったなどが影響|東北大など

Dental Project

by ND Strupler(画像:Creative Commons)

> 健康・美容チェック > 歯周病 > 東日本大震災で経済状況が悪化した高齢者は歯を失うリスクが高くなる|ストレスや食事の変化、歯磨きができなかったなどが影響|東北大など




■東日本大震災で経済状況が悪化した高齢者は歯を失うリスクが高くなる|ストレスや食事の変化、歯磨きができなかったなどが影響|東北大など

被災高齢者、歯失うリスク高まる 経済状況の悪化が影響

(2017/3/14、朝日新聞デジタル)

震災で経済状況が変化しなかった1805人で歯が抜けたのは7・4%だったが、経済状況が苦しくなった145人では12・4%だった。年齢や所得などの要因を考慮すると、震災による経済状況の悪化は歯を失うリスクを8%増加させたとしている。

東北大などのグループによる調査結果によれば、東日本大震災で経済状況が悪化した高齢者は歯を失うリスクが高くなることが分かったそうです。

原因としては、次のような理由が影響していると考えられます。

ストレスや食事の変化、歯磨きができなかったことなどの影響が考えられるという。

歯磨きができないことは歯を失うリスクを高める理由として想像がつきますが、ストレスや食事の変化は歯の健康とどのような関係があるのでしょうか?




■ストレスや食事の変化と歯の健康とはどんな関係があるの?

●ストレスと食事の変化

最近では「糖尿病」と「歯周病」との関係が注目されています。

【関連記事】

なぜ、糖尿病の人は歯周病になりやすく、また治りが遅いのか?
によれば、糖尿病になると、唾液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、免疫機能や組織修復力が低下して、歯周病が発症・進行しやすくなるそうです。

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加によれば、糖尿病と歯周病の関連性は疫学調査や動物実験などで明らかにされており、糖尿病を多く発症する米アリゾナ州のピマインディアンを対象にした調査では、歯周病の発症率が糖尿病ではない人に比べて二・六倍高い、といったことも分かっているそうです。

高血糖状態が長く続くと、血液中に体内のタンパク質に糖が結合した糖化たんぱくが増加し、体内に侵入した細菌やウィルスを捕食・消化し、その情報をリンパ球に伝える働きを持つマクロファージを刺激し、ある特定のサイトカイン(細胞同士の情報伝達を担うタンパク質で、過剰に分泌されると、自らの組織が破壊されることがある)の分泌量が増え、歯周病が悪化するのではないかと考えられるそうです。

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加で紹介した愛知学院大歯学部歯周病科(名古屋市)の野口俊英教授によれば、糖尿病と歯周病には5つの共通点があるそうです。

  1. 初期に顕著な自覚症状がない
  2. 罹患率が高い
  3. 生活習慣病
  4. 慢性疾患
  5. 病気の進行のメカニズムが似ている

また、「糖尿病」と「睡眠障害」との関係にも注目が集まっています。

睡眠障害のある患者は、糖尿病・高血圧・動脈硬化になりやすい?によれば、睡眠障害が、動脈硬化高血圧、血糖値の上昇につながる可能性があるそうです。

メタボリックシンドローム予防には睡眠の改善が必要で紹介した日大医学部の兼坂佳孝講師が2万2000人を対象に睡眠時間とメタボの関係を調べた調査によれば、睡眠7~8時間の人のメタボリスクが最も低く、これを超えても未満でも、糖尿病のリスクが3~5倍に上がったそうです。

アメリカ国民の約3割、経済が心配で睡眠不足に=調査(2009/3/4)によれば、アメリカ国民の約3割が、経済不況による金銭的な不安や雇用不安で眠れず、不眠で悩んでいたそうです。

ここから考えられる仮説としては、経済状況の悪化によるストレスで睡眠不足になり、睡眠不足の影響によって、糖尿病のリスクが高まり、唾液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、免疫機能や組織修復力が低下して、歯周病が発症・進行しやすくなったことで、歯を失うリスクが高まったのではないでしょうか?

【関連記事】

また、避難所の食事は糖尿病が悪化しやすい!?医療チームが糖尿病悪化を防ぐ指導|熊本地震によれば、避難所での食事は量が安定しておらず、炭水化物の割合が多くなりがちであるため、血糖値が上下動しやすいそうです。

今までとは違う食生活になったことで、血糖値が上下動しやすい食生活に変わったことが影響しているとは考えられないでしょうか?

身体活動量、喫煙、飲酒、及び震災時の自宅被害は、メタボリックシンドロームと有意な関連がある|東日本大震災の被災地の健康状態のコホート調査|東北大・岩手医科大によれば、震災時の自宅被害は、メタボリック症候群と有意な関連が認められたそうです。

「メタボウォッチ」|早稲田大学、RESEARCHKITでメタボリックシンドロームになりやすい生活習慣をチェックするアプリを開発によれば、加齢とともに骨格筋が減少し、筋力が大幅に低下するサルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)は身体活動量の減少と密接に関係しており、また不適切な食事習慣と合わさることで、内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積によるメタボリックシンドロームの発症を招いているとも考えられます。

■まとめ

大規模災害で避難生活を余儀なくされると、様々な影響によって、生活習慣病を含む病気が悪化しやすくなると考えられます。

  • 歯磨きができる環境を整える
  • 血糖値が上下動しにくい避難場所での食事

など、あらかじめその状況を想定した対策をしておくことが重要なのではないでしょうか?







【地震と関連する病気 関連記事】

【関連記事】

【子供の虫歯二極化】歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%




■【子供の虫歯二極化】歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%

Dental Project

by ND Strupler(画像:Creative Commons)

子どもの虫歯二極化、口腔崩壊も 経済格差背景か

(2017/5/19、神戸新聞NEXT)

兵庫県内の小中高・特別支援学校で2016年度に行われた歯科検診で、虫歯などが見つかり「要受診」とされた約3万5千人のうち、歯科の受診が確認できない児童・生徒が約2万3千人、65%に上ることが県保険医協会の調査で分かった。未治療の虫歯が10本以上あるなど「口腔(こうくう)崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%に上った。

兵庫県保険医協会の調査によれば、歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%にのぼったそうです。

むし歯(齲歯)の者の割合の推移|平成 27 年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について
むし歯(齲歯)の者の割合の推移|平成 27 年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について

参考画像:平成 27 年度学校保健統計(学校保健統計調査報告書)の公表について|スクリーンショット

子どもの虫歯が激減|就寝前の歯磨き習慣やフッ素を使ったうがいの予防策の浸透が背景によれば、虫歯の割合は幼稚園・小中高校とも1980年ごろから低下傾向が続いているにもかかわらず、今回の調査結果を合わせて考えると、二極化が進んでいる可能性があります。

同協会によれば、この背景には「貧困(仕事が忙しく、子供の歯に気をつかう時間的・経済的余裕がない)」があると考えられるそうです。

口腔崩壊の児童・生徒がいる場合、家庭状況について尋ねた(複数回答)ところ「一人親家庭」が37%で最も多く、「保護者の健康への理解不足」(33%)、「経済的困難」(32%)などが目立った。

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャル低所得者ほど穀類摂取が多く、野菜・肉類は少ない、喫煙者の割合が多いによれば、低所得者の人には、歯の本数が20本未満の人の割合が多いそうで、所得の高さと健康な歯の本数とには関連があると考えられそうです。

【関連記事】




■まとめ

歯の健康と生活習慣病との関係が最近注目されています。

例えば、糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加で紹介した愛知学院大歯学部歯周病科の野口俊英教授によれば、歯周病と糖尿病には共通点があるそうです。

  1. 初期に顕著な自覚症状がない
  2. 罹患率が高い
  3. 生活習慣病
  4. 慢性疾患
  5. 病気の進行のメカニズムが似ている

糖尿病と歯周病の関連性は疫学調査や動物実験などで明らかにされており、糖尿病を多く発症する米アリゾナ州のピマインディアンを対象にした調査では、歯周病の発症率が糖尿病ではない人に比べて二・六倍高い、といったことも分かっているそうです。

糖尿病を発症すると歯周病の進行が早くなるのはなぜでしょうか。

  1. 糖尿病が進行すると、免疫機能が低下し、歯周病を起こす細菌が増えることから。
  2. 歯周病が重症化すると、その細菌と戦おうと「TNF-α」と呼ばれるタンパク質が出されるが、そのTNF-αがインスリンの働きを悪くして、血糖値のコントロールをも悪化させるから。

歯周病になり、歯を失う最大の欠点は、食べ物をかめなくなることです。

噛みごたえのある食事ができなければ、少ない食事量では食事の満足感が得られなくなってしまいます。

子供の時から虫歯が多いということは、将来の健康リスクにも影響する恐れがあります。

経済格差が原因にあるのであれば、子供の歯の健康を守る仕組みを作っていく必要があるのではないでしょうか。

→ 歯周病の症状・原因 について詳しくはこちら

→ 歯周病は糖尿病の合併症の一つ!?糖尿病と歯周病の関係 について詳しくはこちら

→ 歯周病を予防する方法(歯磨き・歯ブラシ) について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む 【子供の虫歯二極化】歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%