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知識があっても職場での受動喫煙は防げない!「#健康経営」を行う企業に保険料を割引することで職場での受動喫煙対策をしよう!




■知識があっても職場での受動喫煙は防げない!

教育年数と受動喫煙の関連|タバコの知識と受動喫煙の関連|東北大学
教育年数と受動喫煙の関連|タバコの知識と受動喫煙の関連|東北大学

参考画像:知識の普及だけでは受動喫煙の格差は縮小しない(2017/11/13、東北大プレスリリース)|スクリーンショット

知識の普及だけでは受動喫煙の格差は縮小しない

(2017/11/13、東北大プレスリリース)

• 日本でも家庭や職場での受動喫煙に社会格差があることが確認されました。
• 個人が知識を持っているだけでは、職場での受動喫煙を防げないことが示されました。
• 教育年数が短い人で受動喫煙の被害が多くみられました。環境を変えることで受動喫煙とその格差を減らすことが必要でしょう。

東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の相田潤准教授、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康推進医学分野の松山祐輔研究員らの研究グループが、家庭や職場での受動喫煙に社会格差があることを明らかにしました。

収入や学歴などの社会経済的状況が低い人は、受動喫煙の被害を受けやすいという社会格差が海外の研究では存在します。

しかし、日本での報告はほとんどありませんでした。

宮城県健康調査(2014 年)のデータを分析し、宮城県の成人で「タバコを吸わない人の受動喫煙の格差」について研究したところ、教育年数が短い人は、非喫煙者であっても受動喫煙にさらされやすいことがわかったそうです。

また、タバコが悪影響を与える病気についての知識を持っていることは、家庭での受動喫煙が低いことに有意に関連したということがわかったものの、職場での受動喫煙には関連が見られなかったことから、職場での受動喫煙対策が必要であると考えられるそうです。




■まとめ|「#健康経営」を行う企業に保険料を割引することで職場での受動喫煙対策をしよう!

生活習慣病サービスの確立や、社会全体で健康寿命の延伸を支える仕組み~健康経営の促進~|新産業構造ビジョン(経済産業省)
生活習慣病サービスの確立や、社会全体で健康寿命の延伸を支える仕組み~健康経営の促進~|新産業構造ビジョン(経済産業省)

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの?によれば、健康経営とは、経営の視点から従業員の健康維持・増進について取り組むことが企業にとっての収益性・生産性向上につながるという考え方です。

生産年齢人口の減少や生活習慣病患者・メンタルヘルス不調者の増加といった社会情勢の変化によって、労働力の確保が困難になったり、従業員の健康悪化が企業経営に大きく影響を及ぼすことがわかってきていることから、企業が従業員の健康づくりを支援して、健康悪化による経営リスクを引き下げようという動きが健康経営に注目が集まっている背景にあります。

「健康経営」による企業へのメリットは次の通りです。

●生産性の向上

健康経営に取り組むことにより、体調不良を感じない社員が増えることにより労働生産性の向上や欠勤率の低下が見込まれます。

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

また、喫煙や肥満も生産性を失う要因であり、ダウ・ケミカルのCEOアンドリュー・リバリスによれば「我々が使う機械と同様に、社員も十分にケアすれば、有病率が減り、医療費、業務遂行障害、生産量低下によるコスト(=損失)が削減できる」と語っています。

●医療費負担の軽減

社員割引でダイエット応援|従業員が健康を改善することで企業の医療費の削減につながる|米WHOLE FOODS MARKET(2009/12/9)によれば、アメリカでは多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているため、企業の医療費の削減するためにも、減量や大幅な健康改善に成功した従業員に対し、報酬として社内販売の割引率をアップするという取り組みを行なっています。

健康経営に取り組むことによって、疾病手当の支払いの減少や健康保険料負担の抑制によって、医療費の負担軽減が見込まれます。

●リスクマネジメント

勤務時間が長かったり、責任が重かったりすることなどによる肉体的ストレス・精神的ストレスによって、ミスや事故が生まれてしまったり、労災発生を未然に防ぐことが期待されます。

メンタルヘルス不調者「増加」=産業カウンセラーの7割が指摘(2009/6/1)で紹介した日本産業カウンセラー協会のアンケート調査によれば、企業で働くカウンセラーの約7割が、職場でメンタル面の不調を訴える人が増加したと考えているそうです。

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企業側は「健康経営」のためにどのように取り組んだらよいのでしょうか?

一般的な例としては、従業員に定期健康診断の受診を勧奨したり、職場環境の課題の改善、従業員自身が行なっている健康維持・増進活動の支援などが挙げられます。

ただ、食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で取り上げましたが、例えば「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージは実は伝わりにくいメッセージなのです。

「バランスの良い食事」というのは具体的にどうしたらいいかがわかりませんし、目標も立てづらいですよね。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

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つまり、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

ではどのようにしたらよいのでしょうか?

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)ではこのような提案がされています。

例:アメリカ人に健康的な生活をさせるには?
「もっと健康的に行動しよう」と訴えるのではなく、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」というべきなのだ。
飲食行動を変える必要でなく、購入行動を変える。
「もっと健康的に行動しよう」と伝えても、解釈の仕方はいくらでもある。

よくテレビで紹介されているような「○○の不足が病気の原因となる恐れがあるので、△△を食べましょう」というのは、批判もありますが、見ている人に伝わりやすく、行動を変えやすいということなんですね。

例えば、デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったそうです。

しかし、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

「魚は幸運の印である」という地元の俗説を利用して、カントロップという魚の形に成形した鉄の塊(Lucky Iron Fish)を調理中の料理にしたところ、Lucky Iron Fishを使っている地域では鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

普段食べている食事にLucky Iron Fishという鉄の塊を入れるだけで鉄欠乏性貧血が解消するというのは実にわかりやすい方法です。

つまり、「バランスの良い食事にしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあるので、一つにフォーカスを当てて、一年一年改善していくほうが「健康経営」を行ううえで、遠回りなようで近道なのです。

会社の目標は「虫歯ゼロ」という1メッセージは伝わりやすい!会社の健康目標を立ててみませんか?で紹介した「虫歯ゼロの会社」というアイデアというのは、一つの目標にフォーカスをしていて行動をとりやすいですよね。

そこで、職場での受動喫煙対策を会社の健康目標にするのはどうでしょうか?

最近では、健康経営を行う企業に保険料の割引特典を付ける保険会社が出てきています。

東京海上日動「健康経営」なら保険料割引 大手初

(2017/3/31、Sankei Biz)

 経済産業省が実施する、健康増進の取り組みを評価する制度で、優良法人に選ばれた企業を対象に、従業員の業務上のけがなどを補償する企業向け保険の保険料を5%安くする。

東京海上日動火災保険は、「取引先企業の生産性や業績を健康経営で向上させたい」という目的で、社員の健康増進に取り組む「健康経営」を行なう企業に対し、保険料の割引特典をつけた制度を始めるそうです。

保険会社では、個人向けにですが健康増進活動に対するインセンティブを与えるというところも出てきています。

受動喫煙対策として法で規制をするよりも、能動的に健康的に取り組むことが経営にとっても良い影響をもたらしてくれるのではないでしょうか?







【参考リンク】
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妊娠左右する遺伝子を発見|マイオーシンに障害がおきると卵子や精子が作られず不妊に|熊本大学

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不妊の原因にかかわる遺伝子を発見-卵子や精子の形成に必要な細胞分裂のメカニズムを解明-

(2020/1/20、熊本大学プレスリリース)

熊本大学発生医学研究所の石黒啓一郎准教授のグループは、卵子や精子の形成に必要な染色体の減数分裂の“スイッチ”として働く遺伝子「MEIOSIN」(マイオーシン)を発見しました。

これまで、卵子や精子が作られる際の減数分裂を引き起こすメカニズムの詳細は明らかになっていませんでしたが、マイオーシンは、からだ全体の組織・器官で通常行われる体細胞分裂から減数分裂への切り替えに働く司令塔の役割を果たすことが明らかになったことで、マイオーシンに障害がおきると卵子や精子が作られず不妊となることが明らかになり、今後の不妊治療の進展に役立つことが期待されます。

体細胞分裂から減数分裂に切り替わるメカニズム|熊本大学
体細胞分裂から減数分裂に切り替わるメカニズム|熊本大学
マウスを使ったゲノム編集により MEIOSIN の働きを阻害する実験のイメージ|熊本大学
マウスを使ったゲノム編集により MEIOSIN の働きを阻害する実験のイメージ|熊本大学

→ 不妊|不妊の原因・不妊治療・妊活 について詳しくはこちら

→ 男性不妊の原因・不妊治療・検査 について詳しくはこちら







論文名:MEIOSIN directs the switch from mitosis to meiosis in mammalian germ cells
著者:Kei-ichiro Ishiguro, Kumi Matsuura, Naoki Tani, Naoki Takeda, Shingo
Usuki, Mariko Yamane, Michihiko Sugimoto, Sayoko Fujimura, Mihoko Hosokawa,
Shinichiro Chuma, Minoru S.H. Ko, Kimi Araki and Hitoshi Niwa
掲載誌:Developmental Cell
DOI:https://doi.org/10.1016/j.devcel.2020.01.010

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クロちゃんについに余命宣告!|2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判|4月23日




【目次】

  1. クロちゃんについに余命宣告!|2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判|4月23日
  2. 1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと
  3. 2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること
  4. より自然に人々の行動変容を促すことで健康になる時代に!

■クロちゃん、2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判

Man of concern

by Lisa Brewster(画像:Creative Commons)

クロちゃんについに余命宣告!教育入院で“改心”も…フジモン怪しむ「嘘つきクソダルマ」

(2018/4/22、スポニチアネックス)

クロちゃんは1月29日に放送された同番組で2型糖尿病であることが判明したほか、慢性腎臓病、肝機能障害などの生活習慣病も発覚。血糖値は即入院レベルと診断された。過去の出演から暴飲暴食ぶりが全く改善されていなかったため、番組は「教育入院」を実施。

<中略>

実際に教育入院を終えてから3週間後の定期健診では空腹時の血糖値が233から103と大幅に改善。退院後の密着でも朝食を自炊し、仕事場までも7キロをウォーキングするなど生活改善が見られた。

「安田大サーカス」のクロちゃんが2018年1月29日放送の「名医のTHE太鼓判!」で2型糖尿病慢性腎臓病肝機能障害などの生活習慣病が発覚し、暴飲暴食が改善されていなかったため、専門医に食事や運動療法を指導される「教育入院」を実施しています。

2018年4月23日放送の「余命宣告3時間SP」では「教育入院」を行った結果、どれだけ生活改善がなされたかをチェックするそうです。

今回考えたいのは「生活習慣を改善する難しさ」についてです。

なぜ生活習慣を変えるのが難しいのでしょうか?

それは、1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと、2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること、です。

1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと

私たちは高齢化に伴う健康や金融リスクを低く見積もりがち!?|英エコノミスト「リアリティ・チェック:健康・経済プラン・QOLが映し出す未来像と現実のギャップ」によれば、人びとは高齢化に伴う健康リスクを低く見積もっているようです。

どんなに悪い生活習慣であっても、自分だけは病気にならないと健康リスクを低く見積もりがちであるため、実際の行動に移りづらいんですよね。

2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること

健康的な生活をするためには食事や運動など生活習慣を見直すことが重要だという結論になるのですが、食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で取り上げましたが、実は「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージでは生活習慣は変わりにくいのです。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といったトータル的な目標は、はっきりしておらず、あいまいさがあるために、感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

わかりやすくいえば、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは正しいのですが、はっきりとした目標ではないために、「どうやったらいいかわからないからやらない」というような言い訳ができてしまい、「生活習慣の改善に失敗したのはわかりづらかっただけで自分のせいではない」と自分の行動を正当化する理由になってしまうのです。

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そうなると、結果的に、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

では、どのようにすれば生活習慣を変えることができるのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、

デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の、じつに40%がその場の決定ではなく習慣

なのだそうです。

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また、「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。

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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。

例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。

私たちはあらゆる場面でセルフ・コントロールを消耗するものであり、一つ一つの行動をいちいち決定してしまうと疲れてしまうため、人は習慣として自動化された行動をしてしまうのです。

つまり、反対に考えると、変化を起こしたいときには、自動化された行動=習慣を変えなくてはならないのです。

具体的には習慣を変えるためにどのようなことをすればよいのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

そのため、このプログラムにおいては、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるのではないでしょうか?

どのような目標を立てるのかも大変重要です。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、

「いかに小さな成功であってもそれを積み上げることで自信につながる」

NFLコーチ ビル・パーセルズの言葉を紹介しています。

手の届く範囲の目標を掲げて、それを達成することにより、小さな成功を感じることは、その人にとっての自信になるはずです。




■より自然に人々の行動変容を促すことで健康になる時代に!

もう一つ考えられているのは、社会全体が健康的なものに変わっていくことです。

31歳で横浜市立大学の教授となった武部貴則教授が取り組む「広告医学」とは?|なぜ「広告医学」が必要なの?|「広告医学」の例で紹介した広告医学とは、医療・医学情報と、デザインやコピーライティングなどの広告的視点を組み合わせることで、より自然に動機付けして、人々の行動変容を促すことにより、健康を実現していくことを目指すものです。

言い換えると、先ほど紹介したのは、個人の生活習慣を変えたいという意志が重要だったのですが、ここでは人々が普通に生活しているだけで健康的な行動を起こすようになっているという考え方ですね。

横浜市大×電通『広告医学プロジェクト2016』が本格始動では3つのプロジェクトが紹介されています。

1.Another Steps ・・・つい上りたくなる健康階段

『Another Steps(健康階段)』は、一日中ラボに籠って研究に勤しむ研究者に、階段の上り下りの中で、世界50か国もの天気情報をリアルタイムで提供します。研究者が階段を使うことによって、外の世界の「今」を知るきっかけとなるだけでなく、自然に健康づくりが促進される実験的な取組として、平成28年4月に先端医科学研究棟内において実施しました。

エスカレーターを使うよりも階段の上り下りをするほうが健康的であり、階段を上り下りする中で世界の天気情報を見ることができるというものです。

ICAROS|飛行シミュレーションができるVRゲームとワークアウトを組み合わせたフィットネスマシン
で紹介したICAROSは、飛行シミュレーションができるVRゲームとエクササイズを組み合わせたフィットネスマシンもこの考え方に近いもので、ゲームをすると結果的に健康的になれるというアイデアです。

2.演劇クエスト ・・・ロールプレイングゲームで健康行動促進

このプロトタイプでは、患者さんが冒険者として院内を探索するストーリーになっており、シナリオにある選択肢にそって参加者はそれぞれ違うルートで、屋上から駐車場まで、いろいろな所を楽しみながら歩くことができ、リハビリ等の促進が期待できます。

RPGの主人公になってストーリーを楽しみながら歩くことによってリハビリの促進が期待できるというものです。

【関連記事】

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルでは、イギリス食品基準庁が食品に塩分量の目標値を設定することでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を減らすことに成功したケースや東京都足立区が飲食店にお客に出すお通しに野菜を提供するなどをお願いすることによって糖尿病患者を減らしたケースを紹介しました。

■イギリス食品基準庁、食品に塩分量の目標値を設定

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

イギリスでは、脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功した。これらの疾病は、低所得がかかりやすいとされているが、イギリスは高血圧などの心疾患を招く塩分を減らすことに着手したとのこと。

イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

現在、日本人の一日の塩分摂取量として推奨されているのは、10g未満です。

ただし、高血圧患者ではさらに基準が厳しく、1日6g未満となっています。(日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインより)

減塩のための食事を自分で作るのは大変ですが、食品メーカーが減塩に取り組むことによって、全体的に塩分摂取量が減らすことができるというのは大変いい取り組みだと思います。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

■糖尿病患者を減らした東京都足立区の事例

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

まず実行したのは飲食店巡り。お客のお通しに野菜を提供するようにお願いし、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうように店側にお願いした。

その理由は血糖値の変化にある。野菜を炭水化物よりも先に摂取することにより、食物繊維が糖の吸収を遅らせて血糖値の変化量を約30%抑えられる。

東京都足立区の平均年収は23区で最も低い300万円台前半(港区の3分の1程度)で、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多いそうです。

そこで足立区は区民が「自然と」健康になるようにする対策として行なったのが、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたそうです。

この取り組みによって、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。

ポイントは、人々は生活習慣を変えることなく、メーカーや飲食店が健康的な食事を提供することによって、自然と人々が健康になっていったということです。

つまり、大事なことは、社会全体が健康に対する意識を高めることで、メーカーや外食店が健康的な食事を提供するようになれば、人々も以前と比べて健康的な生活習慣への改善を意識することなくできるということです。

健康寿命を延ばすことは国の医療費を削減するためにも大事なことですのでみんなで取り組んでいきたいですね。







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「治療アプリ」などのモバイルヘルス(mHealth)市場が成長するために大事なこととは?




「治療アプリ」などの「モバイルヘルス(mHealth)市場」が成長する予測が出されています。

日本でも様々な「治療アプリ」が開発されていますよね。

今後「治療アプリ」を含めたモバイルヘルス(mHealth)が浸透していくのでしょうか?

ポイントは「行動変容」の手助けをできるのかどうか?です。

人の行動を変えるというのは大変なことで、人間の行動の約40%は習慣なんだとか。

あらゆる行動の一つ一つを決定してしまうと、「決断疲れ」を起こしてしまうため、人は習慣によって自動化された行動を行なっているのです。

リツイートはあなたの決断力を疲労させ、誤った決定を行なってしまう原因になる!?によれば、認知的疲労とは、精神的に疲れる作業をしてエネルギーを使い果たした時に、認知力(特に注意力)が減少した状態であり、私たちの持つ認知力(特に注意力)は筋肉を使えば疲れるように、使えば使うほど消耗してしまうのです。

人間の多くの行動は自動化された行動、つまり習慣によるものであり、行動を変えてもらうためにはこの習慣を変える必要があるわけです。

行動変容を促す取り組みとして、今注目をしているのが「広告医学」という考え方です。

広告医学の視点から考えると、ただゲームをしているだけなのに「治療アプリ」の役割を行なっているアプリがあります。

それが位置情報ゲームの「Pokemon Go」です!

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by Robert Couse-Baker(画像:Creative Commons)

ポケモンGOはポケモンを集める行為を楽しむ位置情報ゲームですが、ポケモンを集めるという動機を基に、自然と歩くという行動を促しているのです。

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スマホゲームは「脳の報酬系」についてよく考えられていて、このアイデアを健康寿命を延ばす対策が使えるのではないでしょうか?

Pokemon Goは歩くことでポケモンというご褒美がもらえるゲームであり、またほかにも歩くことで暗号通貨という報酬がもらえるゲームもあり、この発想を活かせば、よりよい行動変容を促す「治療アプリ」の可能性が出てくるのではなないでしょうか?

例えば、各保険会社が統一する治療アプリを開発し、「歩くことにより健康になる」ということがデータとして示されれば、歩いた分だけ保険料がキャッシュバックしたり、ヘルスケアに使えるポイント(コイン)を発行するというアイデアも楽しそうです!

ぜひ「治療アプリ」で実際に行動変容を促すためにも、広告医学やスマホゲームの考え方を取り入れてほしいですね。







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ガンの放射線治療や白血病治療に「液体のり」が役立つ!?がん細胞がほぼ消滅




東京工業大学のチームによれば、放射線治療において薬剤に液体のりの主成分を混ぜると治療効果が大幅に高まること(がん細胞にとどまりやすくなる)を発見したそうで、マウスの実験では大腸がんがほぼ消失したそうです。

液体のりで造血幹細胞の増幅に成功―細胞治療のコスト削減や次世代幹細胞治療に期待―(2019/5/30、日本医療研究開発機構(AMED))によれば、通常の培養で使用する高価なウシ血清成分やアルブミンの代わりに液体のりの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)を用いることで、安価に細胞老化を抑制した造血幹細胞の増幅が可能になったことが話題になりました。

がん治療や再生医療の研究に「液体のり」が活用されることによって、医療コストの削減が期待されますね。







【参考リンク】