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Apple、スマホのカメラで心拍数などの健康管理に必要なデータを計測できる技術を特許出願・登録




■Apple、スマホのカメラで心拍数などの健康管理に必要なデータを計測できる技術を特許出願・登録

アップル、スマホのカメラで心拍数などのヘルスケアデータを計測–特許が成立

(2017/8/10、CNET Japan)

実施例によると、ユーザーがスマートフォンの正面カメラに指をあてるとLEDライトが点灯し、その反射光をカメラや光センサでとらえることで、心拍数や酸素飽和度、灌流指標などのデータが取得できるという。

Appleが、カメラやLEDライトなどを利用して、簡単に脈拍などを計測する技術を考案し、米国特許商標庁(USPTO)へ出願し、「ELECTRONIC DEVICE THAT COMPUTES HEALTH DATA」(特許番号「US 9,723,997 B1」)として登録されたそうです。

■スマホの機能を使った健康管理システム

これまでにも、スマホの機能を使った健康を管理する技術が次々と研究されています。

スマホのフラッシュやカメラ機能を使い、血糖値管理ができる技術が研究されている!?で紹介したコーネル大学(Cornell University)ではスマートフォンのフラッシュ機能やカメラ機能を活用して、血糖値の検査を行ない、血糖値コントロールができないかという研究が行われているそうです。

スマホでがん診断する技術開発‐米研究で紹介した米マサチューセッツ総合病院(Massachusetts General Hospital)などの研究チームが開発した「D3」はスマホに接続することでガンを診断することができるそうで、D3システムは、がんが疑われる患者や高リスク患者の迅速なトリアージ(重症度・緊急度の判定)を可能にするそうです。

途上国に住む人の失明の危機をスマホで解決!?|スマホを使った目の検査システム『ピーク・ビジョン』で紹介したロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院の研究チームによれば、途上国でも簡単に目の検査を受けられるようためのスマホを使った目の検査システム『ピーク・ビジョン』を開発したそうです。

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スマホのカメラで耳の中を撮影して遠隔治療ができるようになる!?で紹介したCellScopeという企業が開発した「Oto Home」は、スマートフォンのカメラに取り付けて耳の中を撮影するキットで、スマホのカメラで耳の中を動画で撮影し、医師に診察してもらえるサービスがあるそうです。

スマホでHIVと梅毒を検査する技術を開発-米コロンビア大学で紹介した米コロンビア大学(Columbia University)の技術者らによる研究によれば、新たに開発されたスマートフォン向けのアクセサリー機器で、血液数滴を用いたHIVと梅毒の抗体検査が実施可能なのだそうです。

また、光で健康に関する数値を測定するという視点から見れば、指先に光を当てるだけで中性脂肪値が測定できる装置が開発される!?で紹介した産業技術総合研究所によれば、指先に光(「近赤外光」と呼ばれる可視光と赤外線の間の波長の光)を当てるだけで中性脂肪値を測定できる装置が開発されたそうです。

「HEMAAPP」|採血なしでスマホで手軽に貧血チェックができるアプリを開発|ワシントン大学で紹介した米国ワシントン大学の研究チームが開発したアプリ「HemaApp」は、スマホのフラッシュ部分に指を当てながら撮影し、血液のヘモグロビン濃度を調べて貧血かどうかを判断することができるそうです。

スマホとアプリでできる精子セルフチェックサービスに注目!不妊の原因の半分は男性!で紹介した株式会社リクルートライフスタイルは、スマートフォン顕微鏡レンズとアプリで自分の精子の濃度と運動率がセルフチェックできる『Seem(シーム)』の提供を始めたそうです。




■まとめ

これまでにも、ウェアラブルデバイスなどをつけることにより、血圧や脈拍数、体温などのバイタルサインをセンサーで読み取り表示する仕組みをこれまでいくつも紹介してきました。

一般の人々が使うようになるまでには2つ考えておく必要があるように感じます。

1つは、わざわざ測るのではなく、自然と計測できるような仕組みにすること。

もう1つは、計測したデータを活用しやすい形にどのように変換するかということ。

●わざわざ測るのではなく、自然と計測できるような仕組みにする

毎日毎日生体データを計測するというのは面倒くさいことです。

そう考えると、スマホのカメラ機能やフラッシュ機能を活用して生体データを計測するというのは続かないのではないでしょうか?

その視点で考えると、スマートウォッチもしくは耳に取り付けるヒアラブルデバイスが将来的に使われるようになるのではないかと考えられます。

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●計測したデータを活用しやすい形にどのように変換するか

健康管理がどんなに大事だとわかっていても、情報にあふれる現代では数字だけで表現されていても直感的には理解できずに、継続できなければ意味がありません。

健康管理に対する関心は高いのに、なぜウェアラブルデバイス市場の成長は鈍化しているのか?|「リストバンド型」から「腕時計型」へでも取り上げましたが、ウェアラブルデバイスが「リストバンド型」から「腕時計型」へ移りつつあるのも、リストバンド型では直感的に理解できないことが関係しているのかもしれません。

そのため、これからは健康管理をする上で、いかにその情報(言葉、画像、テキスト、動画など)をわかりやすく、受け取りやすい形に編集して、製品やサービスを利用を通じて得られる体験であるUX(ユーザーエクスペリエンス)をよいものにするかが重要だと思います。

人間は「感覚追加」を行うことで新しい世界を見ることができるかもしれない!?|デイヴィッド・イーグルマン「人間に新たな感覚を作り出すことは可能か?」よりによれば、例えば、血糖値を計測して、数値で血糖値が〇〇と出たとしても、人によっては生活習慣を改善しようとまでは思わない人もいると考え、血糖値の高さを別の形で表現するとしたら、どうでしょうかと提案しました。

LEMONADE|保険ビジネスにAIと行動経済学を活用したINSURTECHスタートアップで取り上げたInsurTechスタートアップ Lemonade、「スマホ証券会社」のRobinhood、「スマホ送金アプリ」のVenmoに共通するのは「スマホに最適化されたUI/UX」であると紹介されています。

「スマホに最適化されたUI/UX」のように、どの健康管理アプリがウェアラブルデバイスにおける最適なUI/UX見つけることができるかが、ウェアラブルデバイスの本当の普及のカギになるのではないでしょうか?

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ただ、もしかすると、健康管理の本命は、スマホでも、スマートウォッチのようなウェアラブルデバイスでもないかもしれません。

Omega Ophthalmicsはセンサー、ドラッグデリバリーデバイス、AR/VRを取り込むことができる目のインプラントプラットフォームの提供を目指すで取り上げた、眼内レンズを埋め込みで目の中に空間を作り、視力改善だけにとどまらず、様々なインタラクティブセンサー(対話するような形式で操作する)やAR/VRを表示できる仕組みを組み込んだものが実現すれば、眼内レンズに内蔵されたセンサーで計測したデータをわかりやすい形に変換してARとして表示するようになる可能性があり、健康管理デバイスの本命になるかもしれません。

ゲームをつくり続ける理由。あるいは選択、失敗、そして挑戦について──小島秀夫

(2017/8/12、WIRED)

映画ができた100年前、リュミエール兄弟が成し遂げた二次元世界をつくる手法がやがて進化し、テレビになってそれはいま、スマホになりました。しかしその100年間で、スクリーンという考え方そのものは何も変わっていません。でも、VRには、それがないんです。その没入感こそが、画期的だと思っています。

スクリーンの文化が消えるとき、その没入感をどう使うのか。スクリーンを眺めながらストーリーテリングをやってきた人たちは、スクリーンじゃないVRでどういうストーリーテリングを奏でるのか。ライヴやスポーツ観戦はどうなるか。シミュレーターとしてどういう発展の仕方があるか。いくらでも広がりはあると思います。

ただ、AR/VRになって今までと同じようなスクリーンの文化で表現をしていくのか、それともAR/VR独自の表現の仕方をしていくのかは気になるところです。







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牡蠣に含まれるアミノ酸には、肝障害を抑制するだけでなく、疲労回復効果もある!?

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■牡蠣の疲労回復効果

oysters

by Paul Asman and Jill Lenoble(画像:Creative Commons)

夏疲れ肌には「海のミルク」で肝臓の解毒力を高めてターンオーバーを促進

(2013/9/15、マイナビニュース)

牡蠣には、9種類の必須アミノ酸を含む12種類以上のアミノ酸が含まれています。肝臓は体内に入ってきた毒素を分解して解毒する大切な働きをしています。

この解毒機能をサポートするのがアミノ酸です。

常盤薬品工業株式会社の研究によれば、牡蠣に含まれるアミノ酸は、肝障害を抑制するだけでなく、疲労回復効果もあるそうです。

肝臓の解毒機能をサポートしてくれるのがアミノ酸で、牡蠣には多くのアミノ酸が含まれています。

また、アミノ酸には、肝障害を抑制してくれたり、疲労回復にも効果的なのだそうです。

→ アミノ酸の効果・効能・種類 について詳しくはこちら

→ アミノ酸の多い食べ物・食品|アミノ酸を効果的に摂取するにはアミノ酸スコアを知ろう! について詳しくはこちら

■牡蠣に含まれる栄養素

牡蠣にはアミノ酸のほか、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。生ガキ3個程度で、お肌の健康を保つ働きのあるビタミンB12が厚生労働省の定める1日の推奨量に対して820%、亜鉛が132%、銅が89%、この他、ビタミンA、ビタミンC、葉酸、カルシウム、カリウム、などが含まれています。

牡蠣には、アミノ酸だけではなく、ビタミン・ミネラルも豊富に含まれています。

→ カキの栄養・牡蠣の健康効果(効能) について詳しくはこちら







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食中毒の原因となるO157の感染者が急増!|O157とは?|食中毒を防ぐ3つの原則|MIT、O157の検査をスマホでできる技術を開発




■食中毒の原因となるO157などの腸管出血性大腸菌の感染者が急増している!

SAKURAKO - Hand washing !

by MIKI Yoshihito(画像:Creative Commons)

食中毒の原因となるO157などの腸管出血性大腸菌の感染者が急増しているというニュースに関心が高まっています。

【参考リンク】

以前にもこのブログではジャーサラダに対する食中毒の不安から食中毒を防ぐ方法やジビエ料理を安全に食べる方法について紹介してきました。

【関連記事】

O157による食中毒のニュースで関心が高まる中、改めて政府広報オンラインの食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイントから学んでいきたいと思います。




■O157とは?

その前に、まずはO157の基本情報を紹介します。

食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント|政府広報オンライン

牛や豚などの家畜の腸の中にいる病原大腸菌の一つで、O157やO111などがよく知られています。毒性の強いベロ毒素を出し、腹痛や水のような下痢、出血性の下痢を引き起こします。腸管出血性大腸菌は食肉などに付着し、肉を生で食べたり、加熱不十分な肉を食べたりすることによって食中毒を発症します。乳幼児や高齢者などは重症化し、死に至る場合もあります。

O157のような腸管出血性大腸菌による食中毒を発症すると、腹痛や下痢、出血性の下痢を引き起こし、乳幼児や高齢者の場合には重症化する恐れがあります。

それではどのようにして食中毒を防げばよいのでしょうか?

■食中毒を防ぐ3つの原則

食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント|政府広報オンライン

食中毒を防ぐためには、細菌の場合は、細菌を食べ物に「つけない」、食べ物に付着した細菌を「増やさない」、食べ物や調理器具に付着した細菌を「やっつける」という3つのことが原則となります。

1.食中毒の原因菌を「つけない」

→洗う。分ける。

具体的に、手についた雑菌を食べ物につけないように、生の肉や魚、卵などを取り扱う前後や調理の途中で、トイレに行ったり、鼻をかんだりした後、おむつを交換したり、動物に触れたりした後には必ず手を洗いましょう。

2.食中毒の原因菌を「増やさない」

→低温(マイナス15℃以下では増殖が停止)で保存

3.食中毒の原因菌を「やっつける」

→加熱処理(肉料理は中心部を75℃で1分以上加熱する)

また、ふきんやまな板、包丁などの調理器具にも、細菌が付着するので、きちんと洗剤で洗ったり、熱湯をかけて殺菌しましょう。

■O157の検査をスマホでできる技術を開発|MIT

O157の検査をスマホで可能に – MIT

(2017/4/14、マイナビニュース)

マサチューセッツ工科大学(MIT)とマックス・プランク研究所の共同研究チームは、病原性大腸菌O157など食中毒の原因となる細菌の検出を、スマートフォンを利用して簡便かつ迅速に行う技術を開発した。

MITとマックス・プランク研究所による研究によれば、O157などの細菌の検出をスマホを利用して行う技術を開発したそうです。

Janus Emulsions for the Detection of Bacteria

Janus emulsions stabilized by carbohydrate surfactants agglutinate in the presence of proteins or bacteria. Optical changes can be detected by a smart phone qualitatively and can also be processed to quantify the amount of analyte.

炭水化物界面活性剤によって安定化されたヤヌス乳剤は、タンパク質または細菌(バクテリア)が存在すると凝集します。

光学的変化は、スマホで検出でき、また分析物の量を定量化するために処理することもできるそうです。

New technology could offer cheaper, faster food testing Specialized droplets interact with bacteria and can be analyzed using a smartphone.

(2017/4/5、MIT)

To demonstrate how these droplets could be used for sensing, the researchers placed them into a Petri dish atop a QR code that can be scanned with a smartphone. When E. coli are present, the droplets clump together and the QR code can’t be read.

大腸菌を検出すると液滴(ヤヌス乳剤)が曇るので、シャーレの下のQRコードが読み取れなくなるという仕組みなのだそうです。

A simple way to make and reconfigure complex emulsions

■まとめ

O157による食中毒を防ぐ方法としては、食中毒の原因菌を1.「つけない」、2.「増やさない」、「やっつける」を守りましょう。

また、MITの研究グループが開発したスマホを活用して迅速にかつ低コストでO157のような食中毒の原因菌を検出する技術が浸透すれば、より食中毒で苦しむ人が少なくなっていくと思います。







【参考リンク】
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ヘルスケア分野でIoTを活用する実証実験開始|IoTで市民の健康データを取得し、新サービス創出、雇用創出、生活習慣病の予防を目指す|会津若松市




■ヘルスケア分野でIoTを活用する実証実験開始|IoTで市民の健康データを取得し、新サービス創出、雇用創出、生活習慣病の予防を目指す|会津若松市

aizuwakamatsu_iot_healthcare

参考画像:会津若松市IoTヘルスケアプラットフォーム事業(2016年6月28日、会津地域スマートシティ推進協議会)

「町自体を実験フィールドに」 IoTで市民の健康データを取得 会津若松市

(2016/11/8、itmedia ニュース)

 アクセンチュア、インテル、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命、会津大学、会津中央病院など、産・官・学・医が連携。各企業・機関のサービスを通じて取得した市民の健康データを「ヘルスケアIoT基盤」に集約してオープンデータ化し、そのデータを活用した新サービス創出、雇用創出、生活習慣病の予防を後押しする。

 今年度に募集するモニターは100人。気になる症状などを登録することで自身の健康状態に合わせた献立を作成してくれる「おいしい健康 Webサービス」や、スマートウォッチなどから取得した生体データ(心拍数、歩数、移動距離、消費カロリー)を確認できるサービスなどを通じて、モニターの健康データを収集する。

福島県会津若松市がヘルスケア分野でIoTを活用したプラットフォーム事業の実証実験を開始したそうです。

スマホアプリやウェアラブルデバイスなどから取得した市民の様々な健康データを集約し、オープンデータ化し、そのデータを活用して新サービスの創出、データサイエンティストなどの雇用創出、医療費の削減などを目指していくそうです。

興味深いのが、病気になる前から、「一次予防」や「二次予防」を通じて健康を維持することを目的としている点です。

予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、世界的にも予防医学・予防医療の方向に進んでいるのを感じます。

また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|サキドリ↑(NHK)によれば、福岡県大川市の高齢者施設では、学習教材を使っての認知症予防への取り組みに社会的インパクト投資が使えるのかの実証実験として、高齢者100人が参加して、5か月間実験したところ、実験に参加した多くの高齢者の要介護度が下がり、公的介護費用が削減するという結果になったそうです。

※「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のこと。

また、積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

町全体が予防医療に取り組むことで、どのような変化が起こるのか楽しみですね。







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2歳以下の子供がスマホで遊ぶ時間が長いほどコミュニケーション能力の発達が遅れる可能性がある|研究




■2歳以下の子供がスマホで遊ぶ時間が長いほどコミュニケーション能力の発達が遅れる可能性がある|研究

"He takes after you..."

by Quinn Dombrowski(画像:Creative Commons)

Letting a baby play on an iPad might lead to speech delays, study says

(2017/5/4、CNN)

The study found that the more time children between the ages of six months and two years spent using handheld screens such as smartphones, tablets and electronic games, the more likely they were to experience speech delays.

カナダ・オンタリオ州トロントの「Hospital for Sick Children(病気の子供のための病院)」の小児科医キャサリン・バーケン博士が行なった研究によれば、生後6か月から2歳までの子供によるスマホやタブレット、携帯ゲーム機などで遊ぶ時間が長いほど、言語の発達が遅れる可能性が高くなることが分かったそうです。

スマホ・タブレットと子供との関係についてこれまでに何度か取り上げてきました。

「2歳未満の子供にはテレビを見せないで」、米国小児科学会が指針(2011/11/20)によれば、テレビがついていると、親はあまりしゃべらないそうで、子供のおしゃべりの時間が短ければ短いほどその子の言語発達が遅れるという科学的証拠もあるため、2歳未満の子供にはテレビを見せないほうが良いとする指針を発表していました。

中流階級の家庭の子どもは貧しい家の子どもより2300万語多く言葉を聞いている?によれば、親子間のコミュニケーションは、子どもの将来に多大な影響を与えるそうです。

ただ、「2歳未満の子供には画面を見せないほうが良い」とする指針が見直される!?(2015/10/15)以前のガイドラインは「画面(スクリーン)=テレビ」を想定していましたが、今はスマホやタブレットといったものもあり、以前のようにただ画面を見るのではなく、コミュニケーションツールとしての役目も果たすようになっており、以前の「2歳未満の子供には画面を見せないほうが良い」とする指針における科学的根拠(子供のおしゃべりの時間が短ければ短いほどその子の言語発達が遅れる)も、ビデオチャットを通じて双方向のコミュニケーションが行なわれている場合にはそれほど影響がないとの研究もあるため、その指針が見直され始めていました。

Twenty percent of the children spent an average of 28 minutes a day using screens, the study found.Every 30-minute increase in daily screen time was linked to a 49% increased risk of what the researchers call expressive speech delay, which is using sounds and words.

しかし、今回の研究によれば、20%の乳幼児が平均で28分携帯機器を使用しており、一日当たりの使用時間が30分増えるごとに、音声や言葉を使った言語の発達が遅れるリスクが49%増加することが分かったそうです。

ただ、コミュニケーション能力の発達とモバイル機器の使用には何らかの関係があるのではないかということがうかがえる研究結果となっていますが、まだはっきりとモバイル機器が原因とは判断できないため、今後も研究が必要だと考えられます。

そのため、現時点の結論としては、18か月以下の子供にはテレビ電話のような機能以外でのモバイル機器をできるかぎり使わせないようにするのが望ましいといえます。




【追記(2017/7/14)】

ゲーム・スマホと関わり→言葉の獲得遅れ 1歳半児対象の出雲市アンケート 島根

(2017/7/14、産経新聞)

これに対し、3語未満の子はそれぞれ21・1%、68・2%と、メディアとの接触が多いほど、言葉の獲得が遅い傾向にあったことが分かった。

島根県出雲市の健康増進課のグループが行なった平成28年度1歳半児を対象とした調査によれば、テレビやゲーム機、スマホなどメディアとの接触時間が長い子ほど言葉の発達が遅い傾向にあることがわかったそうです。

【参考リンク】

■まとめ

今回のニュースをわかりやすくまとめます。

2歳以下の子供は、スマホやタブレット、携帯ゲーム機などで遊ぶ時間が長いほど、コミュニケーション能力の発達が遅れる可能性があるので、注意しよう!







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