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歩くと仮想通貨が稼げるゲーム「ビットハンターズ」|歩いて健康になった分だけ、医療費負担を軽減したことで、トークンが支給される!?




■歩くと仮想通貨が稼げるゲーム「ビットハンターズ」|歩いて健康になった分だけ、医療費負担を軽減したことで、トークンが支給される!?

参考画像:リアルワールドゲームス BitHunters|YouTubeスクリーンショット

歩くと仮想通貨が稼げる新ゲーム・ビットハンターズ登場! ポケモンGOを越えるか?

(2018/1/24、枻出版社)

歩いたり、ゲーム内で経験を積んだりすると提供される『トークン』にビットコインなどで使われている『ブロックチェーン』の仕組みを使うのだそうだ。そして、このトークン、ゆくゆくはビットコインなどと取引できるようになるという。

つまり、最終的な計画としては、『歩くことで稼げる』ゲームということだ。

リアルワールドゲームスが発表したのは、位置情報RPG 「ビットハンターズ(BitHunters)」で、最終的には「歩くことで稼げる」ゲームを目指しているそうです。

リアルワールドゲームス BitHunters

ポイントは、IngressやポケモンGOのように実際に歩くことでゲームが進められるという要素に、「仮想通貨」という要素が組み合わせられていること。

→ #ビットコイン とは?#BITCOIN について簡単にわかりやすく!オススメ解説動画・本【#仮想通貨 #ブロックチェーン 初心者向け用語集】 について詳しくはこちら

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同社CTO/CFOの岡部典孝さんは「このトークンを多くの人が価値があると認めることで価値が発生するのです。これはビットコインなどと同じ仕組みです。発行されたビットコインに対して、多くの人が価値があると認めることで価値が発生するのです」

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→ #ICO とは?簡単にわかりやすく!|ICOとIPOはどう違うの?|トークンって何?【初心者向け用語集】 について詳しくはこちら

そこで、前もって健康増進をしておくことで医療費負担を減らし、その減らしたと想定される医療費の何割かを事業者に支給するという仕組みがあるのだ。

リアルワールドゲームス社では、神戸市と協働でBitHuntersを用いて「意識せずに健康行動が習慣化される仕掛けづくり」の実証実験を行うことにしている。

つまり、歩いて健康になった分だけ、医療費負担を軽減したということで、トークンが支給されるということなのだ。

健康・医療・介護のPHRを基盤に、仮想通貨「HEALTH COIN」を作り、健康増進行動を促すための報酬としてトークンを付与し、ヘルスケア関連費用として支払う仕組みを作ろう!では、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を基盤として、銀行や保険会社、企業が行なっている健康改善するともらえるポイントや割引を共通化して、新たな仮想通貨・電子マネー「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すためのインセンティブ(トークンを報酬として付与する)が与えられ、トークン(電子証票)を受け取った患者は医療などのヘルスケア関連の費用として支払うことができるというアイデアを考えましたが、今回紹介したゲームは、保険会社が提供している健康増進活動に応じて保険料をキャッシュバックする仕組みのほうが近いですね。

「#あるく保険」|アプリで計測した健康増進活動に応じて保険料をキャッシュバックする業界初の商品|#東京海上日動あんしん生命【#動画】によれば、あんしん生命はNTTドコモと共同で、保険加入者にウェアラブルデバイスを貸与し、健康増進還付金のお支払の判定に用いる期間(2年間)の間に、1日あたりの平均歩数目標 8,000 歩が達成されたかどうかを判定し、支払対象期間満了時に、達成状況に応じて健康増進還付金(キャッシュバック)を支払うという仕組みの商品「あるく保険(新医療総合保険 健康増進特約付加)」を開発しています。

「広告医学」とは?|なぜ「広告医学」が必要なの?|「広告医学」の例では、医療・医学情報と、デザインやコピーライティングなどの広告的視点を組み合わせることで、より自然に動機付けして、人々の行動変容を促すことにより、健康を実現していくことを目指す「広告医学」という概念を紹介しました。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

習慣の力 The Power of Habit

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1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

また、なぜSNS上で変な絡み方の人に反応することが『報酬』になるのか?|世の中は「報酬系」で回ってる!?で紹介した「『無意識』があなたの一生を決める 人生の科学」(著:デイヴィッド・ブルックス)では「報酬系」について取り上げました。

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報酬系とは、欲求が満たされた時に活性化し、快感をもたらす神経系のことである。快感が得られるのは、ドーパミンという物質が放出されるためだ。報酬系の働きにより、私たちは何か一つのことに集中することもあるし、何かに強く憧れ、それをひたすら追い求めることもある。強く、狂おしいまでの欲望に駆られることもある。報酬を獲得し、欲望が満たされれば、ドーパミンが放出されて快感が得られるため、私たちは報酬を求めて行動するようになるのだ。報酬が特定の行動を促すわけである。

スマホゲームを試しにやってみたことがあるのですが、実に「報酬系(≒ご褒美)」について考えられている印象を受けました。

ゲーム初心者向けに、経験値を多くくれたり、カードをくれたり、グッズをくれたり、ゲーム内で達成した感覚を与えてくれたりと、快感になりそうなことがたくさん与えてくれることにより、ハマってしまう人がでてくるのもわかる気がしました。

その記事では、スマホゲームの手法を健康のための行動変容に活かすことができればよいのかもしれないと書きましたが、『歩くことで稼げる』ゲームというのは、「きっかけ」と「報酬」がはっきりしていて、ゲームをすることが「きっかけ」となり、トークンが支給されるという「報酬」が得られる、健康的な習慣に変えることができる2つの要素が入っているものになります。

歩くことにより健康になるということをどう数値化してトークンの発行につなげるのかが疑問に残りますが、今後はこうしたゲームとヘルスケア、ブロックチェーンの組み合わせは増えていくのではないでしょうか?







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MintHealth|ブロックチェーン技術を活用した個人の健康記録プラットフォーム・健康増進行動を促すためのインセンティブ(トークン)




■MintHealth|ブロックチェーン技術を活用した個人の健康記録プラットフォーム

参考画像:MintHealth|スクリーンショット

MintHealth: Empowering Patients to Take Control of their Health and Data via Blockchain Technology

(2017/10/26、PR Newswire)

MintHealth is a global decentralized health platform that aligns patients, providers, and payers around patient empowerment. The platform enables the patient to manage their own self-sovereign health identity and record, secured via blockchain, and engages the ecosystem to drive healthy patient behavior through the vidamint™ token.

MintHealth」は、ブロックチェーン技術を活用し、個人の健康記録(PHR:Personal Health Record)をアプリを通じていつでもどこでも閲覧ができるプラットフォームです。

エストニア、医療データの記録・管理にブロックチェーン技術を活用すべく試験運用中|日本で導入するにはどのようなことが必要か?では、エストニアでは、医療データの記録・管理にブロックチェーン技術を活用すべく試験運用が行なわれているニュースをお伝えしましたが、それをサービスとして提供しようと考えているのが、MintHealthのようです。

【参考リンク】

まずは、ブロックチェーン技術について簡単な説明を行ない、なぜ医療データの記録・管理にブロックチェーン技術を活用するのか?について紹介したいと思います。

ブロックチェーンについては「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット/アレックス・タプスコット)の著者であるドン・タプスコットさんのTEDでのスピーチが一番印象に残ると思い紹介します。

Don Tapscott(ドン・タプスコット):ブロックチェーンはいかにお金と経済を変えるか|TED

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

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簡単に言うと、ブロックチェーンとは、中央管理者を必要とせず、全ての取引履歴をみんなで共有して、信頼性を担保するシステムといえばよいでしょうか。

参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料(2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット

参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料(2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット

【参考リンク】

私たちが今利用しているウェブを「情報のインターネット」だとすれば、ブロックチェーンが実現するものは「価値のインターネット」とも表現されたりもしています。

【参考リンク】

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このブロックチェーン技術に個人や企業・政府による関心が集まっており、医療データの記録・管理にブロックチェーン技術を活用しようという動きが始まっているのです。

医療データの記録・管理にブロックチェーン技術を活用するとどう変わるのでしょうか?

Estonia prescribes blockchain for healthcare data security|Health Matters(2017/3/16、pwc)を参考にまとめてみます。

●個人の医療情報・健康記録を安全に保管することができる

First, health records can be stored securely in a ledger on which all participants (health professionals, patients, insurers) can rely.Doctors, surgeons, pharmacists and other medical professionals all have instant access to an agreed set of data about a patient.

ブロックチェーン技術を活用することで医療情報の偽造・改ざんを防止すると同時に、暗号化技術によって非常に重要な情報である個人の医療情報・健康記録を安全に保管することができます。

これまでは医療情報のような個人情報は巨大な仲介役が管理していましたが、ブロックチェーン技術を活用すれば、そのデータは自分が管理することができるようになります。

データを企業に受け渡すことでサービスを利用している現代ですが、ブロックチェーンが浸透すれば、自分の情報を自分でコントロールすることができるようになるのです。

「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット/アレックス・タプスコット)では次のように表現されています。

ビッグデータの時代は終わり、プライベートな「リトルデータ」の時代がやってくるのだ。

●医療従事者が患者のデータに即座にアクセスできる

必要な情報だけを医療従事者が即座にアクセスすることができるようになります。

あまりなりたくはないものですが、病気や事故になったとしても、即座に医療従事者がそのデータにアクセスすることにより治療が受けられるようになるわけです。

Its Patient Portal gives citizens access to medical documents, referral responses, prescriptions, and insurance information.Individuals can also use the Portal to declare their intentions regarding blood transfusions and organ donation.

エストニアの患者ポータルでは、医療文書・処方箋・保険情報にアクセスができ、輸血や臓器提供に関する意向も宣言することができるそうです。

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■MintHealth|健康増進行動を促すためのインセンティブ(トークン)を与える

今回紹介したMintHealthの特徴はもう一つあります。

Upon receiving VIDA tokens, patients can use the tokens to receive discounts and as a method of payment to partially offset healthcare related expenses including premiums, co-pays, goods and services (e.g., pharmacies, physical therapy providers, spas, nutrition stores, etc.).

Vidamints™(VIDA)という形で健康増進行動を促すためのインセンティブ(VIDAトークンを報酬として付与する)が与えられ、VIDAトークン(電子証票)を受け取った患者は医療関連の費用として支払うことができます。




●【補足】トークンとは?

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 17年8月号 (ブロックチェーンの衝撃)

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クレジット型とは、人々の信頼の対象となる主体が貸し借りの記録を帳簿上に記載し、その記録の正確性を担保として貨幣としての機能を提供するものをいう。

これに対して、トークン型とは、貴金属片や紙片などの物理的存在に価値があるという社会的約束を成立させて、この物理的存在を移転させることによって貨幣としての機能を果たすものをいう。

「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 17年8月号 (ブロックチェーンの衝撃)」によれば、「イングランド銀行/中央銀行研究センターチーフエコノミスト・ワークショップ」(BoE/CCBS Chief Economics’ Workshop)という勉強会で「Old Money, New Money」というタイトルの資料を公表し、貨幣の発生にまでさかのぼって、マイケル・カムホフ(Michael Kumhof)が貨幣というものが設立する根拠を「クレジット型」と「トークン型」の二つに分類して説明しています。

保険会社が導入している健康増進活動で付与されたポイントがデジタル通貨となれば、キャッシュレス社会に近づき、医療費が削減され、老後の資産形成に対する不安が減る!?では、「保険会社が導入している健康増進活動に応じてポイントを付与する仕組みに加えて、そのポイントをデジタル通貨にする」という提案をしました。

現在でもそれに近い試みは行なわれており、保険会社では、健康増進活動に応じてキャッシュバックしたり、ポイントを付与する仕組みが導入されています。

「ずっともっとサービス」に「健康サポートマイル」を導入|健康増進に取り組むとサンクスポイントが貯まる仕組み|日本生命保険相互会社によれば、日本生命保険相互会社は、健康・介護・育児の無料相談等を備えた「ずっともっとサービス」に「健康サポートマイル」を導入するそうです。

「あるく保険」|健康増進活動に応じて保険料をキャッシュバックする業界初の商品|東京海上日動あんしん生命保険によれば、東京海上日動あんしん生命保険株式会社(あんしん生命)はNTTドコモと共同で、保険加入者にウェアラブルデバイスを貸与し、アプリで計測された健康増進活動に応じて保険料の一部をキャッシュバックする商品「あるく保険(新医療総合保険 健康増進特約付加)」を開発しました。

SBI生命保険、健康管理や生活習慣改善のためのFiNCアプリのサービス対象者を保険加入者全員に拡大によれば、目標達成状況に応じたポイントが付与される「健康インセンティブプログラム」が提供されていて、貯まったポイントはウェルネス・ヘルスケア商品に特化したECサイト「FiNC モール」で利用できるそうです。

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参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

1992年に南アフリカで設⽴されたDiscovery社は、Discoveryグループの⾦融商品(健康保険、⽣命保険、損害保険等)とセットでVitality Programを展開。

Vitality Programでは、まず健康チェックによって⾃⼰の現状把握を⾏った後、⾷⽣活の⾒直し・運動・禁煙等、健康状態を改善する取り組みを実施するとポイントを獲得できる。獲得したポイントは、健康⾷品やヘルスケア商品の購⼊、映画や航空券の割引優待など幅広い⽤途で使⽤可能。

 Discovery社の報告によれば、同プログラム参加者は⾮参加者に⽐べて受診率・⼊院⽇数・⼀⼈あたり医療費を抑制。

また、積極的に参加するメンバーほど、死亡率が低下するという結果が得られている。

健康増進型保険「JAPAN VITALITY PROJECT」の目指すものとは?|住友生命・ソフトバンク・DISCOVERYで紹介した保険加入者に行動変化(健康増進活動)を促す保険「Vitality」を提供するDiscovery社によれば、健康状態を改善する取り組むを行うとポイントを獲得し、特典が得られるという仕組みを提供し、このプログラムに参加している人はそうでない人に比べて医療費が抑制されているそうです。

「健康ポイント制度」に医療費を抑制する効果があることが初めて実証されるによれば、運動や検診など健康づくりに取り組んだ人がポイントを受け取って商品券などに交換する「健康ポイント制度」に、医療費を抑制する効果があることが実証されているそうです。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、積極的に健康管理を行うように努力する人は死亡リスクが低いわけですから、今後、健康増進活動に積極的な人にインセンティブを与えていくような仕組みを設計するようになっていくと考えられます。

DG Lab、ビットコインのブロックチェーン上で独自仮想通貨を発行できる汎用フレームワーク「DG Lab DVEP (Digital Value Exchange Platform)」™を開発

(2017/10/10、デジタルガレージプレスリリース)

DG Labは今後DG Lab DVEPを、ビットコインのブロックチェーンに基づく信頼性の高い「デジタル価値の交換プラットフォーム」として、独自の地域通貨や仮想通貨、ポイントを発行する事業者に順次提供していく予定です。また、DGがクレディセゾンなどと開発を進めている、各種ポイントや仮想通貨等のリアルタイム交換が可能なサービスや、仮想通貨間の交換を可能にするサービスなどにも応用する予定です。

各種ポイントや暗号通貨などのデジタル価値の交換を可能にするサービスに関するフレームワークができて、事業者のネットワークができれば、今後健康増進活動で得られたトークンをやり取りするということも実際に行なわれるようになるのではないでしょうか。

■まとめ

老後保障と介護保障の十分な準備ができておらず老後生活の不安を抱えている|平成28年度生活保障に関する調査で紹介した第一生命が全国の40代・50代の男女3,376名を対象に行なったアンケート調査によれば、現在の生活に対する不安よりも、老後に対する不安の方が大きいようです。

その理由には、「公的年金だけでは生活できない」(64.7%)と答えていることや老後の資産形成の準備ができていないことがうかがえます。

老後に対する不安は、やはり金融や保険に関する知識不足が原因にあるのではないでしょうか?

金融リテラシーが低い人は老後の不安が多い!2つの理由|健康・お金のことを学ぶことが幸せな老後の秘訣|広島大学で紹介した広島大学大学院社会科学研究科の角谷快彦准教授とムスタファ・サイドゥ・ラヒム・カン研究助手が、大阪大学が約4,500人を対象としてアンケート調査から、複利や金利、リスク回避、国債などの質問の正答率で算出される金融リテラシーが、被験者の老後の生活不安の度合いにどのような影響を及ぼしているかを分析したところ、金融に詳しい人は老後に対する心配が少ない傾向があることがわかったそうです。

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そこで考えたのが「健康増進活動に応じてポイントを付与する仕組みに加えて、そのポイントをデジタル通貨にする」という提案です。

ポイントがデジタル通貨として使えるようになれば、高齢者にとっても健康的なライフスタイルを積極的に行うことで医療費の削減にもつながるでしょうし、ポイントが付与されることで老後資産が形成できないという老後に対する不安も少なくなっていくのではないでしょうか。

銀行が健康的な人には金利を上乗せする時代が来る!?健康が金利に反映されるアイデア|#ダボス会議2017 人生100年時代でも紹介しましたが、長寿社会において健康であることは価値が高くなっています。

行政機関や銀行などの金融業界、保険業界などが手を結んでこうした仕組みを導入すれば、健康であることが本当の意味での資産になり、世界はより良い方向に進むと思いますが、どうでしょうか?

『サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る』(著:スティーブ・ケース)では、第三の波(あらゆるモノのインターネット)によって、あらゆるモノ・ヒト・場所が接続可能となり、従来の基幹産業を変革していく中で、企業や政府とのパートナーシップが重要になると書かれています。

サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

第二の波では、インターネットとスマートフォンの急速な普及によってソーシャルメディアが激増し、盛況なアプリ経済が誕生した。その中でもっとも成功を収めたスナップチャットやツイッターのような企業は、小規模なエンジニアリング・チームからスタートして一夜にして有名になり、第一の波の特徴であったパートナーシップをまったく必要としなかった。しかし、こうしたモデルは現在がピークであり、新たな時代は第二の波とはまったく違う―そして最初の波とよく似た―ものになることを示す証拠が増えている

この第三の波には「インパクト投資」も含まれているそうです。

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|#サキドリ↑(NHK)によれば、「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のことです。

「IoT」や「インパクト投資」といった「第三の波」で社会は大きく変化をしていきますが、社会問題を解決する手段として、一人の力ではなく、これからますますいろんな人たちとのパートナーシップが重要になってくるでしょう。

最後にこの言葉をご紹介したいと思います。(アフリカのことわざなのだそうです)

別所哲也(俳優)|有名人の英語ライフ|TOEIC SQUARE

「If you go fast, go alone. If you go further, go together. (早く行きたければ、一人で行きなさい。より遠くへ行きたいのであれば、みんなで行きなさい)」







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健康・医療・介護のPHRを基盤に、仮想通貨「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すための報酬としてトークンを付与し、ヘルスケア関連費用として支払う仕組みを作ろう!




■健康・医療・介護のPHRを基盤に、仮想通貨「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すための報酬としてトークンを付与し、ヘルスケア関連費用として支払う仕組みを作ろう!

stretch

by Adam McGuffie(画像:Creative Commons)

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランによれば、健康保険組合連合会(健保連)は、2025年度に団塊の世代が全て75歳以上となり、健保組合が高齢者医療に拠出するお金が急増するため、健康保険組合の4分の1超が解散危機を迎えるという試算を発表しました。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

つまり、高齢化は今後も進んでいき、医療費の増大が見込まれることから、健康保険組合の財政が悪化していく傾向は変わりないでしょう。

健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

そこで考えたのが、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を基盤として、銀行や保険会社、企業が行なっている健康改善するともらえるポイントや割引を共通化して、新たな仮想通貨・電子マネー「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すためのインセンティブ(トークンを報酬として付与する)が与えられ、トークン(電子証票)を受け取った患者は医療などのヘルスケア関連の費用として支払うことができるというアイデアです。

最近では、健康改善するとポイントがもらえる制度であったり、健康な人の保険料が割引される保険などができています。

ただその制度は企業独自の仕組みであり、他では使えないのがデメリットです。

それをすべて共通化し、クレジットカードについてくるポイントのように使うことができるようになれば、便利になると思いませんか?

健康ポイントが仮想通貨・電子マネーとして使えるようになれば、健康的なライフスタイルを積極的に行うことで医療費の削減にもつながるでしょうし、ポイントが付与されることで老後資産が形成できないという老後に対する不安も少なくなっていくのではないでしょうか。

そして、健康であるということは医療費も安くなります。(メタボ追跡指導を受けた人は医療費が2割安い!

個人としては、健康であることが資産となることによって、モチベーションが高まり、健康的な良い生活習慣を維持することにつながると考えられますし、企業としては、健康経営を実現しつつ、様々な企業がヘルスケア業界に参加することで経済が活性化することが期待されますし、国としても医療費が低くなることが期待され、Win-Win-Winの関係、三方良しの政策となります。







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#トークン とは?#トークンエコノミー とは?簡単にわかりやすく!【#仮想通貨 #ブロックチェーン 初心者向け用語集】




【目次】

■トークンとは?

It's a deal

by Henrik Sandklef(画像:Creative Commons)

今売れている本「お金2.0」と「日本再興戦略」に共通する話題として挙げられているのが「トークンエコノミー」です。

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

日本再興戦略 (NewsPicks Book)

ところで「トークン」とはそもそもどんなものを指す言葉なのでしょうか?

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クレジット型とは、人々の信頼の対象となる主体が貸し借りの記録を帳簿上に記載し、その記録の正確性を担保として貨幣としての機能を提供するものをいう。

これに対して、トークン型とは、貴金属片や紙片などの物理的存在に価値があるという社会的約束を成立させて、この物理的存在を移転させることによって貨幣としての機能を果たすものをいう。

「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 17年8月号 (ブロックチェーンの衝撃)」によれば、「イングランド銀行/中央銀行研究センターチーフエコノミスト・ワークショップ」(BoE/CCBS Chief Economics’ Workshop)という勉強会で「Old Money, New Money」というタイトルの資料を公表し、貨幣の発生にまでさかのぼって、マイケル・カムホフ(Michael Kumhof)が貨幣というものが設立する根拠を「クレジット型」と「トークン型」の二つに分類して説明しています。

コラム:仮想通貨で資金調達、ICO急拡大の衝撃=村田雅志氏

(2017/9/14、ロイター)

ビットコインのように支払い手段として流通することを企図した通貨型、トークンを発行した企業(トークン発行企業)が提供するサービスや製品を受け取る権利となる購入券型、トークン発行企業への寄付にあたる寄付型、トークン発行企業から配当や利子を受け取る権利となる利益分配権型などがある。

トークンといえば、銀行での振り込みの際に一回限りのパスワードとして使われるものとして覚えている人も多いのではないでしょうか。

ここでのトークンとは、電子証票やデジタル権利証、引換券と言い換えられるものです。

ゲームセンターでのコインを思い浮かべるのが一番身近な「トークン」でしょうか。

【参考リンク】

■トークンエコノミーとは?

ブロックチェーン技術の発展トレンド
ブロックチェーン技術の発展トレンド

参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料(2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット

トークンエコノミーについては具体的な定義について書かれていないため、使われている文章の中からその言葉の意味を考えてみたいと思います。

「お金」の概念は大きく変わろうとしている。『お金2.0』が提示する未来の経済

(2018/1/6、ニコニコニュース)

トークンエコノミー(仮想通貨で作られる経済圏)は、まさに「分散化」の流れの延長線上にあると言える。トークンエコノミーが既存の経済と大きく異なる点は、経済圏がネットワーク内で完結していることだ。

既存の経済圏は、国家が通貨発行者、企業や個人がプレイヤーという関係にある。しかし、トークンエコノミーでは特定のネットワーク内で流通する独自の通貨をトークンとして生産者が発行し、完全に独自な経済圏を作り出すことができる。つまり、これまで国家が行ってきたことの縮小版だ。

ブロックチェーンという言葉が「消える」未来へ–ベンダー座談会(6)

(2016/10/19、ZDNet)

今までですと「信用の担保」というものが、大企業だったりといった既存の信用がなければ戦えなかったところ、そこをブロックチェーンまかせにすると、「僕らの言っている数字は本当ですよ」とコストや人力や看板を持ってきて証明しなくても、そこをすっ飛ばしてサービス開発やシステム開発ができる。普通にある言葉ですが、それを僕らは「トークンエコノミー」と呼んでいるんです。

「2017年は日本でもブロックチェーンの実用例を見る年に」–テックビューロ

(2017/4/27、ZDNet)

トークン(価値を記録し、モノやサービスと交換され流通する代用貨幣)の仕組みで面白いのは、デジタルの商品に希少性を持たせられるところです。そうやって希少性を持たせたい資産がどんどんブロックチェーン上に乗ってくることをトークンエコノミーと言っています。トークンエコノミーができれば、証券化のようにトークンを使って資金を集めて上場するようなプロジェクトが山ほど出てくるはずです。

最もシンプルに言えば、トークンエコノミーとは、トークン(特定のネットワーク内でサービスを受けるための電子証票やデジタル権利証、引換券、優待券など)による経済社会という意味になるでしょうか。

ブロックチェーン技術活用のユースケース
ブロックチェーン技術活用のユースケース

参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料(2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット

例を挙げながら見ていきましょう。

暗号化メッセージアプリ「Telegram(テレグラム)」がICO実施へ|ブロックチェーンプラットフォーム「TON」立ち上げによれば、テレグラムが目指すのは、既存のユーザーベースを基に、「オープンネットワーク」または「テレグラム・オープンネットワーク(TON)」というプラットフォームを作り、TON上の仮想通貨(またはトークン)である「グラム(GRAM)」を発行して、アプリ内での送金や少額決済など新たな仮想通貨経済圏を作り出すことにあるそうです。

このトークンエコノミーにおける価値は「暗号化技術とプライバシー保護」にあると考えられます。

米コダック、コダックコインICOと仮想通貨マイニングの発表を受け、株価が急騰!|#ブロックチェーン #仮想通貨 が「Kodak moment」となるか!?によれば、コダックは写真家が自身の作品の著作権を管理するためのトークンであるコダックコインを発行し、専用ソフトで著作権が侵害された写真を探し出すことで、写真家が報酬を得られる仕組みを作るそうです。

このトークンエコノミーにおける価値は「写真家や写真代理店の画像に関する権利の管理能力を強化する」ということにあると考えられます。

「パックマン」「スペースインベーダー」で有名なゲーム会社アタリ(ATARI)、仮想通貨「アタリ・トークン」のローンチを計画によれば、「パックマン」で有名なゲーム会社アタリ(Atari)はブロックチェーンに基づくデジタル・エンターテイメント・プラットフォームを構築している企業の株式を取得し、仮想通貨「アタリ・トークン」を発行し、また、仮想通貨を用いたオンラインカジノ提携を行っていくそうです。

健康・医療・介護のPHRを基盤に、仮想通貨「HEALTH COIN」を作り、健康増進行動を促すための報酬としてトークンを付与し、ヘルスケア関連費用として支払う仕組みを作ろう!では、MINTHEALTH|ブロックチェーン技術を活用した個人の健康記録プラットフォーム・健康増進行動を促すためのインセンティブ(トークン)を参考にして、次のような仕組みを仮説(実際にあるものではなくてこのブログオリジナルのもの)として考えました。

それは、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を基盤として、銀行や保険会社、企業が行なっている健康改善するともらえるポイントや割引を共通化して、新たな仮想通貨・電子マネー「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すためのインセンティブ(トークンを報酬として付与する)が与えられ、トークン(電子証票)を受け取った患者は医療などのヘルスケア関連の費用として支払うことができるというアイデアです。

このトークンエコノミーにおける価値は「健康増進活動を行なうことで医療費を減らしていくことや健康経営を掲げる企業の価値を高めること」にあります。

歩くと仮想通貨が稼げるゲーム「ビットハンターズ」|歩いて健康になった分だけ、医療費負担を軽減したことで、トークンが支給される!?によれば、前もって健康増進をしておくことで医療費負担を減らし、その減らしたと想定される医療費の何割かを事業者に支給するという仕組みがあり、実際に歩くことでゲームが進められるという要素に、歩いて健康になった分だけ医療費負担を軽減したということでトークンが支給されるという要素を組み合わせたものを考えているそうです。

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つまり、プロジェクトの価値・趣旨に賛同する人たちによる仮想通貨技術・ブロックチェーン技術を使った新しい経済圏というのが「トークンエコノミー」だと考えられます。

そして、さらに進めば、AというトークンとBというトークンをやり取りするような仕組みができていくのではないでしょうか?

これから「トークンエコノミー」が一般的な世の中になれば、あなた自身が「トークン」を作るようになるかもしれませんね。

そうなる前に、しっかりと「トークン」について勉強しておきましょう!

→ #ICO とは?簡単にわかりやすく!|ICOとIPOはどう違うの?|トークンって何?【初心者向け用語集】 について詳しくはこちら







【ビットコイン・ブロックチェーン 初心者向け用語集】
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#ICO とは?簡単にわかりやすく!|ICOとIPOはどう違うの?|トークンって何?【初心者向け用語集】




【目次】

■ICOとは?簡単にわかりやすく!

metal tokens

by Mauquoy Token Company(画像:Creative Commons)

仮想通貨関連のニュースで目にする「ICO(Initial Coin Offering)」とは何なのでしょうか?

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まずは金融庁はICOをどのように説明しているのでしょうか?

ICO(Initial Coin Offering)について

(2017/10/29、金融庁)

一般に、ICOとは、企業等が電子的にトークン(証票)を発行して、公衆から資金調達を行う行為の総称です。トークンセールと呼ばれることもあります。

最もシンプルな答えとしては、ICOとは、仮想通貨技術を使った資金調達といえます。

ただ、「ICOとIPOはどう違うの?」「トークンとは何なのか?」というギモンが残ります。

■ICOとIPOはどう違うの?

IPO(Initial Public Offering:新規株式公開)は、証券市場に上場し、株式を発行することで資金調達を行ないます。また、株を発行できるのは市場に上場している株式会社に限られます。

ICOは、企業やプロジェクトが、独自の仮想通貨(トークン)を発行・販売し、インターネット上で資金を調達することをいいます。

ポイントは5つ。

1つ目は、IPOは株を発行できる株式会社に限られる一方、ICOは資金調達をしたい企業だけでなく、プロジェクトや場合によっては個人でも投資家から資金調達を得ることが可能な点にあります。

2つ目は、IPOが株式(有価証券)を発行するのに対し、ICOでは「トークン」を発行する違いがあります。そのため、ICOをトークンセールス(Token Sales)と呼ぶ人もいます。

3つ目は、IPOが証券市場で資金調達をするのに対し、ICOではインターネット上で資金調達を行ないます。

4つ目は、IPOが事業体が金を稼いでいるかまたは今後稼げるかということを価値の基準に置くのに対し、ICOはネットワーク全体の価値(お金を稼ぐかだけでなく、社会貢献をすることによって価値が高まることなども含まれる)を価値の基準に置きます。

仮想通貨やICOは資本主義をどう変える?——CAMPFIRE、VALU、Timebankが語る

(2017/8/4、TechCrunch)

株式でもトークンでも、特定の資金調達目的のために発行するが、その価値の基準は、株式での調達は事業体のキャッシュフローの割引現在価値を表す(ざっくり言えば、事業体が金を稼いでいるか、今後稼げるか)ことに対して、トークンでの調達はネットワーク全体の価値を表す(事業体が稼げるかだけでなく、ソーシャルグッドなアクションをすることで価値が高まることなども価値になる)という。

5つ目は、IPOが証券会社や証券取引所の審査があるのに対して、ICOではホワイトペーパー(株でいう目論見書。目論見書とは有価証券を募集する際に投資家に有価証券の発行者や発行する有価証券などの内容を説明するための文書)を出せば投資家に対して資金調達ができます。株式ではないので、投資家に乗っ取りに合うということもありません。

コラム:仮想通貨で資金調達、ICO急拡大の衝撃=村田雅志氏

(2017/9/14、ロイター)

インターネット上でホワイトペーパーと呼ばれる事業計画書を提示すれば、原則、世界中の投資家を相手に資金調達が可能で、IPO(Initial Public Offering)のように証券会社や証券取引所の審査を経る必要もない。利益分配権型を除くトークンを発行すれば、トークン発行企業は投資家に金銭の形で利益を渡す必要もない。ICOは株式ではないので、トークンを受け取った投資家が企業の経営に介入する恐れもない。

5つのポイントをまとめると、クラウドファンディング(群衆(Crowd)と 資金調達(Funding)という言葉を組み合わせた造語で、不特定多数の人がインターネット経由で人や組織に資金協力などを行うこと)に近いものを感じる人も多いのではないでしょうか?

【参考リンク】

■トークンとは?

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 17年8月号 (ブロックチェーンの衝撃)

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(2017/11/8 15:32時点)

クレジット型とは、人々の信頼の対象となる主体が貸し借りの記録を帳簿上に記載し、その記録の正確性を担保として貨幣としての機能を提供するものをいう。

これに対して、トークン型とは、貴金属片や紙片などの物理的存在に価値があるという社会的約束を成立させて、この物理的存在を移転させることによって貨幣としての機能を果たすものをいう。

「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 17年8月号 (ブロックチェーンの衝撃)」によれば、「イングランド銀行/中央銀行研究センターチーフエコノミスト・ワークショップ」(BoE/CCBS Chief Economics’ Workshop)という勉強会で「Old Money, New Money」というタイトルの資料を公表し、貨幣の発生にまでさかのぼって、マイケル・カムホフ(Michael Kumhof)が貨幣というものが設立する根拠を「クレジット型」と「トークン型」の二つに分類して説明しています。

コラム:仮想通貨で資金調達、ICO急拡大の衝撃=村田雅志氏

(2017/9/14、ロイター)

ビットコインのように支払い手段として流通することを企図した通貨型、トークンを発行した企業(トークン発行企業)が提供するサービスや製品を受け取る権利となる購入券型、トークン発行企業への寄付にあたる寄付型、トークン発行企業から配当や利子を受け取る権利となる利益分配権型などがある。

トークンといえば、銀行での振り込みの際に一回限りのパスワードとして使われるものとして覚えている人も多いのではないでしょうか。

ここでのトークンとは、電子証票やデジタル権利証、引換券と言い換えられるものです。

ゲームセンターでのコインを思い浮かべるのが一番身近な「トークン」でしょうか。

→ #トークン とは?#トークンエコノミー とは?簡単にわかりやすく!【#仮想通貨 #ブロックチェーン 初心者向け用語集】 について詳しくはこちら

【参考リンク】

■まとめ

ICOにはリスクがあることを金融庁が注意しています。

ICO(Initial Coin Offering)について

(2017/10/29、金融庁)

価格下落の可能性

トークンは、価格が急落したり、突然無価値になってしまう可能性があります。

詐欺の可能性

一般に、ICOでは、ホワイトペーパー(注)が作成されます。しかし、ホワイトペーパーに掲げたプロジェクトが実施されなかったり、約束されていた商品やサービスが実際には提供されないリスクがあります。また、ICOに便乗した詐欺の事例も報道されています。

DAICO=ICO+DAO|Vitalik Buterinが新しいICOモデルを提唱|Ethereum Researchによれば、ICOを行なう側にとっては、株式ではないので、投資家に乗っ取りに合うということもないというメリットがありますが、投資家の立場から考えれば、資金調達したものの何もプロダクトやサービスを生み出さなかったり、最悪の場合には詐欺にあうというリスクを抱えています。

一度ある企業が出したホワイトペーパーを基に遊びでICOのホワイトペーパーを書いてみたことがあります。

プロジェクトの概要、通貨の開発及びICOにおける資金調達の目的、コインの概要(暗号通貨の説明、スケールの問題)、ブロックチェーンについて、Lightning Networkについて、ルーティングについて、トークンについてなど、遊びでもホワイトペーパーを書いてみると、ICOや仮想通貨、ブロックチェーンについての理解が進むのではないでしょうか。

IPOとICOの違いの中で、ICOはネットワーク全体の価値(お金を稼ぐかだけでなく、社会貢献をすることによって価値が高まることなども含まれる)を価値の基準に置くと紹介しましたが、どんなプロジェクトを思い浮かべて、どうしたら価値が高まるのかを考えるのかを考えるきっかけにもなると思います。







【ビットコイン・ブロックチェーン 初心者向け用語集】
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