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親の教育歴が低い家庭の子どもほど未就学児の虫歯治療経験が高くなっている|東北大学【#健康格差】




■親の教育歴が低い家庭の子どもほど未就学児の虫歯治療経験が高くなっている|東北大学

虫歯治療を過去一年に受けた子の割合を両親の教育歴で比較
虫歯治療を過去一年に受けた子の割合を両親の教育歴で比較

参考画像:乳幼児の「むし歯の健康格差」は成長とともに拡大(2017/5/19、東北大学)|スクリーンショット

乳幼児の「むし歯の健康格差」は成長とともに拡大

(2017/5/19、東北大学)

過去 1 年間のむし歯治療を受けた割合は、2 歳 6 か月の時点で 10%未満でしたが 5 歳 6 か月の時点で 30%以上に増加していました。

親の教育歴が低い家庭の子どもでは、むし歯治療経験は 8.5%から 41.5%に増加、一方教育歴の高い家庭の子どもでは 5.6%から 31.5%の増加でした(表)。

東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の相田潤准教授のグループが、厚生労働省が実施している「21 世紀出生児縦断調査」の追跡データを分析したところ、親の教育歴が低い家庭の子どもほど未就学児の虫歯治療経験が高くなっていることがわかったそうです。




■まとめ

むし歯は所得や学歴が低いほど多いという健康格差があることが知られていますが、今回の分析によれば、親の教育歴が子供の虫歯治療経験に影響を及ぼすことが明らかになりました。

健康格差は、保健医療の知識の差というよりも、知識を行動に移せるだけの時間的・経済的な生活の余裕の差から生まれている部分が大きいことが分かっています。

健康格差のポイントは、知識の差ではなく、その知識を行動に移すだけの生活の余裕の差によるものが大きいそうです。

日本の「健康社会格差」の実態を知ろうによれば、個人・家族の学歴、職業、所得などの社会階層が低いほど、次のような影響を与えることで、健康状態が悪化したり、寿命が短くなってしまうそうです。

物質的な制限がある
・低所得で物やサービスを購入できない
・医療へのアクセス抑制

ストレスが大きい
・仕事の裁量と努力への報酬が小さい
・他人と比べた劣等感、相対的剥奪感

人間関係が乏しい
・孤立しやすく、サポートが少ない

健康に悪い生活習慣

胎児期・子供時代の低栄養、逆境体験によるストレスの長期的影響

【子供の虫歯二極化】歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%で紹介した兵庫県保険医協会の調査によれば、歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%にのぼったそうです。

同協会によれば、この背景には「貧困(仕事が忙しく、子供の歯に気をつかう時間的・経済的余裕がない)」があると考えられるそうです。

子供の健康を守るためには、生活の余裕が得られるように、社会的なサポートが重要になるのではないでしょうか。

→ 歯周病の症状・原因 について詳しくはこちら

→ 歯周病を予防する方法(歯磨き・歯ブラシ) について詳しくはこちら







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#健康格差 は収入・学歴などが要因?|WHO、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいる




■健康格差は収入・学歴などが要因?|WHO、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいる

Emily on steps.

by Gary Robson(画像:Creative Commons)

健康格差:日本対策なく 収入・職業・学歴など要因 来週のWHO会議、出席者未定

(2011/10/12、毎日新聞)

国内でも近年、社会的要因による健康格差を示す研究成果が報告されている。

愛知県の高齢者約1万5000人を対象にした調査では、所得水準が低いほど精神疾患や脳卒中、肥満などの割合が高いとの結果が出た。

学歴が低いほどがんや外傷による死亡率が高いことや、収入が低い人ほど運動をしていない割合や喫煙率が高いとの研究もある。

記事によれば、

  • 所得水準が低いほど、精神疾患や脳卒中、肥満などの割合が高い
  • 学歴が低いほどがんや外傷による死亡率が高い
  • 収入が低い人ほど運動をしていない割合や喫煙率が高い

という研究結果が出ているそうです。




■健康格差とは

健康格差とは

健康格差とは、所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなるといわれている格差のことである。

健康格差の研究は1980年代から始まり、WHO(世界保健機関)によって健康格差の要因についてまとめたレポートもあるほど、すでに欧米では深刻な格差の一つとして受け止められている。

「健康格差」が欧米で拡大しているそうです。

以前ニュースで、アメリカでは、経済的に貧しい州ほど肥満率が高いという記事を見たことがあります。

【関連記事】

アメリカ人の肥満傾向は拡大

WHOでも、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるということが一つの問題として注目されてるようです。

そして、この健康格差というものは、子供のころから蓄積され、それが大人になっても影響するそうです。

たとえば、大人になって経済的に成功したとしても子どものころに貧しければ、大人の死亡率が高いそうです。

その原因は所得による健康行動や医療機関の受診の差だと思われがちだが、実態はもっと複雑だ。

日本福祉大学教授の近藤克則氏は「生まれてから現在に至る過程で蓄積されるもの」と指摘する。

一例を挙げよう。ある調査によると、経済的に貧しいほど死亡率が高いが、それは現時点で経済的に厳しいことだけが問題なのではない。

現時点では同じ経済レベルでも、子供時代に貧しい家庭で育った人、いわば「成り上がった人」は、大人になってからの死亡率が高い。

日本と欧米との大きな違いは、日本は国民皆保険制度を採用しているため、欧米ほど健康格差はないといえるでしょう。

しかし、将来的には、健康格差は日本でも問題となるかもしれません。

日本は皆保険制度を採用しているため、まだ健康格差はあまり顕在化していない。

しかし、低所得者の場合、家計に占める医療費の比率が高くなり、医療サービスを受けにくくなりがちとなるうえ、国民健康保険料の納入が滞っている人も増えているという現状があり、すでに格差の芽が出始めている。

日本でも今から健康格差に対する問題について取り組んでいく必要があるかもしれませんね。

健康格差を解消するには、やはり教育が大事ということなのかもしれません。

【関連記事】

健康について関心がある人は、新鮮な魚や野菜を買って、料理を作った方が良いということはわかっていると思います。

しかし、仕事・家事をして疲れてしまうという生活をしていると、調理する時間や家計のことを考えてしまい、ファストフードの魅力を感じてしまう人も多いと思います。

そこで、手軽で安いファストフードや冷凍食品に頼りがちの生活になってしまいがちです。







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#健康格差 とは|所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなる!?




■健康格差とは|所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなる!?

Un piccolo passo... / One small step...

by Aldo Cavini Benedetti(画像:Creative Commons)

「成り上がり」は死亡率が高い?

(2009/8/11、プレジデント)

健康格差とは、所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなるといわれている格差のことである。

健康格差の研究は1980年代から始まり、WHO(世界保健機関)によって健康格差の要因についてまとめたレポートもあるほど、すでに欧米では深刻な格差の一つとして受け止められている。

「健康格差」が欧米で拡大しているそうです。

以前ニュースで、アメリカでは、経済的に貧しい州ほど肥満率が高いという記事を見たことがあります。

【関連記事】

WHOでも、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるということが一つの問題として注目されてるようです。

そして、この健康格差というものは、子供のころから蓄積され、それが大人になっても影響するそうです。

たとえば、大人になって経済的に成功したとしても子どものころに貧しければ、大人の死亡率が高いそうです。

その原因は所得による健康行動や医療機関の受診の差だと思われがちだが、実態はもっと複雑だ。

日本福祉大学教授の近藤克則氏は「生まれてから現在に至る過程で蓄積されるもの」と指摘する。

一例を挙げよう。ある調査によると、経済的に貧しいほど死亡率が高いが、それは現時点で経済的に厳しいことだけが問題なのではない。

現時点では同じ経済レベルでも、子供時代に貧しい家庭で育った人、いわば「成り上がった人」は、大人になってからの死亡率が高い。

日本と欧米との大きな違いは、日本は国民皆保険制度を採用しているため、欧米ほど健康格差はないといえるでしょう。

しかし、将来的には、健康格差は日本でも問題となるかもしれません。

日本は皆保険制度を採用しているため、まだ健康格差はあまり顕在化していない。

しかし、低所得者の場合、家計に占める医療費の比率が高くなり、医療サービスを受けにくくなりがちとなるうえ、国民健康保険料の納入が滞っている人も増えているという現状があり、すでに格差の芽が出始めている。

日本でも今から健康格差に対する問題について取り組んでいく必要があるかもしれませんね。







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ネットカフェ寝泊まり利用、「住居なし」25.8%!|ネットワーク格差の視点から考える

Tokyo skyline

by tetedelart1855(画像:Creative Commons)




■ネットカフェに寝泊まりしている人で「住居なし」25.8%!|ネットワーク格差の視点から考える

「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査」の結果|PDF

(2018/1/26、東京都)

東京都が平成28年11月~平成29年1月に、インターネットカフェ・漫画喫茶・サウナ等502店舗を対象に行なった調査によれば、ネットカフェに寝泊まりしている人の75%は、旅行・出張中の宿泊であったり、遊び・仕事で遅くなったり、PC・漫画等の利用をするといった「住居がない」という理由でオールナイトを利用しているわけではないのですが、オールナイト利用の理由が、「現在『住居』がなく、寝泊りするために利用」である者(=住居喪失者)は、25.8%であることがわかったそうです。

また、「住居がない」を利用の理由とする人のうち、「不安定就労者」(「派遣労働者」+「契約社員」+「パート・アルバイト」)は75.8%であることもわかりました。

住居喪失者等(の年齢は、「30~39歳」(38.6%)が最も多かったそうです。

住居を確保するに当たっての問題点では、「入居に必要な初期費用の貯蓄」(62.8%)が最も多く、「住居入居後に家賃を払い続けられる安定収入がない」(33.3%)、「入居に必要な保証人の確保の難しさ」(30.9%)が挙げられています。

1か月の収入状況は、「11~15万円」(46.8%)が最も多く、「収入なし」が10.7%存在していることがわかりました。

以前の調査結果との比較をしていないため、これが多くなっているのかどうかはわかりませんが、現実としてネットカフェ利用者のうち、4人に1人が住居がなく、そのうち4人に3人が「派遣労働者・契約社員・パート・アルバイト」であり、約5割の人の1か月の収入が「11~15万円」であり、住居を確保できない理由としては、約6割の人が貯蓄ができないからを理由に挙げています。

■ネットワーク格差の視点から考える

このブログでは、主に健康について取り上げてきたのですが、知らず知らずのうちに、健康(健康的なライフスタイル)と所得(収入)の関係に関連があるのではないかと感じ、それから健康格差の問題、貧困の現状について度々取り上げるようになりました。

そこで、最近注目している考え方が「ネットワーク格差」です。

最近では「健康格差」「教育格差」「収入格差」についての問題が話題になっており、この問題を解決するためにも、お金を支給したり、職業訓練などのリカレント教育に取り組むという話題が出ていますが、大事なのは「ネットワーク格差」の問題にあるのかもしれません。

ネットワーク格差が機会の格差、健康格差、収入格差を生む!?|貧困や社会の不平等を減らすには、いかにネットワークにつないでいくかが重要!で紹介した「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」(著:ニコラス・A・クリスタキス ジェイムズ・H・ファウラー)では次のように書かれています。

つながり 社会的ネットワークの驚くべき力

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マサチューセッツ州フレーミングハム出身の12万67人からサンプル集団を作り、その内の1020人を人間関係のつながりと本人の幸福度を比較した。

第1に、ネットワーク内では幸福な人は幸福な人同士で、不幸な人は不幸な人同士で群れを作っていた。

第2に、不幸な人はネットワークの周縁に位置するようだ。つまり、社会関係の連鎖の末端、ネットワークの外れに存在する傾向が高いのである。

人間関係と本人の幸福度の比較によれば、1.幸福な人は幸福な人同士で、不幸な人は不幸な人同士で群れを作る、2.不幸な人はネットワークの端っこに位置することが高いということがわかったそうです。

ネットワーク格差が機会の格差を生み、拡大する。実際、つながりの多い人が同様につながりの多い人とつながる傾向が社会的ネットワークの特徴であり、神経、代謝、機械、人間以外のネットワークなどと異なる点だ。
つながりの乏しい人達は、その友人や家族も大きなネットワークから切り離されていることが多い。
つまり、社会の不平等に立ち向かうには、肌の色や懐具合よりもつながりが重要であると認識しなければならない。
教育、健康、収入の格差に立ち向かうには、援助しようとする人の個人的つながりにも向き合わなければならない。※
貧困を減らすには、金銭の支給だけでは足りないし、職業訓練を加えてもなお不十分だ。困窮者が社会の他の構成員と新たな関係を築くのを助けるべきなのだ。ネットワークの周縁に的を絞って人々のつながりの再構築を促すのは、末端の恵まれない人たちだけでなく、社会の仕組み全体に手を差し伸べることになる。

ネットカフェに寝泊まりしている人で「住居なし」と答えた人は、つながりの乏しい人ではないでしょうか。

「豊かなものはますます豊かに」という言葉を聞いたことはないでしょうか?

クレディスイス「わずか4%が、ビットコインの97%を所有」についてネットワークの性質の視点から考えてみたでは、ネットワークの性質上、すでに多くのリンクを持つノードほど選ばれやすい、つまり、良質な情報源と多くつながっている人ほどネットワークを広げやすく、社会的ネットワークにおける、状況的不平等(一部の人は社会経済的によりよい状況にある)と位置的不平等(一部の人はネットワーク上でよりよい位置を占めている)によって、「豊かなものはますます豊かに」になるのです。

能力が同じであったとしても、つながりが乏しい人はネットワークから切り離されているため、機会の格差を生んでしまい、収入格差を生んでしまうのではないでしょうか。

日本のフィンテックは「貧テック」!?日本はフィンテックの前にITや金融の活用度を上げていく必要がある!|#FINTECHでは、多くの人が金融の仕組みからはじき出されているということではないかと取り上げました。

「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット)

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

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貧しい地域の人たちにとって、銀行口座を持つための最低残高や、決済の最低支払い額、システム手数料といった壁はあまりに高すぎる。金融機関のインフラにコストがかかりすぎるせいで、貧しい人たちのささやかな経済活動は犠牲になっているのだ。p66

日本のフィンテックは「貧テック」だと揶揄する(読み方「やゆ」意味:からかう)人もいます。

ただそういう人は現状で苦しんでいる人のことが見えていないのかもしれません。

例えば、給与前払いサービスとは?|給料前借りアプリが注目のきっかけ!?人手不足で悩む2018年以降は給与前払いサービスが求人に応募するポイントになる?

で紹介した大手求人サイトの検索キーワードによれば、常に日本全国で「日払い 」「週払い」がベスト10にランクインするほどなのだそうで、求職者にとっては、「前払い」「日払い」「週払い」ということは重要な求人募集の要素となっているそうです。

奨学金による貧困問題|大学生の仕送りは減少傾向、アルバイトの就労率・収入金額の増加、返済に対する不安もによれば、仕送り10万円以上をもらっている学生は減少傾向にあり、アルバイトの就労率・収入金額ともに増加傾向にあり、アルバイトを増やすことで暮らし向きを良くしようとしているのがわかります。

他にも検索すればたくさん出てきます。(下記の関連記事を参照していただければ幸いです)

「インクルージョン」という考え方を知れば、あなたの周りの世界はやさしくなる!?で紹介した「インクルージョン(Inclusion)」には、包含・含有・包括性・包摂・受け入れるといった意味を持ち、誰も排除せず、様々な人を受け入れるという考え方があります。

自らが望まずに「住居なし」という立場に陥っている人は、「ネットワーク格差」が機会の格差、健康の格差、収入の格差を生むのであるならば、いかにネットワークにつながっていくかを考えていく必要があるということではないでしょうか?







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