【目次】
■1975年型の日本食を食べると健康になる!ヒトの実験でも証明|その食事の特徴とは?|東北大
参考画像:健康的な日本食の健康有益性を検証~1975 年の特徴を有した健康的日本食のヒト介入試験より~|PDF(2016/9/12、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット
1975年型食事が健康によい!?(都築毅)|#世界一受けたい授業で紹介した東北大大学院農学研究科の都築毅准教授(食品機能学)のグループの研究によれば、「1975(昭和50)年ごろ」の食事が理想の和食であるそうです。
1975年型の食事メニューを粉末化し、餌に混ぜてマウスに8カ月間食べさせたところ、内臓脂肪が蓄積しにくく、血中のコレステロールの値も低いことが分かったそうです。
そして、今回人間で1975年の食事が健康にとって良いのかどうかを実験を行なったそうです。
■実験内容
健康的な日本食の健康有益性を検証~1975 年の特徴を有した健康的日本食のヒト介入試験より~|PDF
(2016/9/12、東北大学プレスリリース)
実験1として、被験者(BMIが24以上30以下の軽度肥満者:年齢20~70歳)を現代食群(30名)と1975年型日本食群(30名)に割り当て、それぞれの食事を1日3食、28日間摂取してもらいました。試験期間前後に、各種パラメーターの測定を行いました。実験2として、被験者(BMIが18.5以上25未満の健常者:年齢20~30歳)を現代食群(16名)と 1975年型日本食群(16名)に割り当て、それぞれの食事を1日3食、28日間摂取してもらいました。試験期間中に週3回、1日1時間以上の中程度の運動を行ってもらいました。試験期間前後に、各種パラメーターの測定を行いました。
実験 1 の結果、現代食群と比べて、1975年型日本食群において、BMI(体格指数)や体重が有意に減少し、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)やヘモグロビンA1c(糖尿病の指標)、腹囲周囲長が減少傾向、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が増加傾向を示しました。実験 2 の結果、現代食群と比べて、1975 年型日本食群において、ストレスの有意な軽減、運動能力の有意な増加が見られました。
東北大学大学院農学研究科食品化学分野の都築毅准教授らのグループは、同大学院医学系研究科公衆衛生学分野の辻一郎教授、遠又靖丈講師らと共同で行なった実験によれば、現代の食事に比べて、1975年型の日本食を食べることによって軽度肥満の人は、BMIや体重が有意に減少し、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)やヘモグロビンA1c、腹囲周囲長が減少傾向、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が増加傾向を示しました。
また、現代の食事に比べて、1975年型の日本食を食べることによってBMIが18.5以上25未満の健常者は、ストレス軽減、運動能力の向上が見られたそうです。
■1975年代の食事の特徴
1975年型食事が健康によい!?(都築毅)|#世界一受けたい授業
- 日本人の総摂取カロリーは1975年が最も高い。
- 1975年の肥満の人口(BMIが25位上の成人男性)は2007年に比べて少ない。
- マウスの実験によれば、1975年の食事を食べさせたマウスの内臓脂肪の付き方が少ない。
- 1975年の食事をしたマウスは2005年の食事をしたマウスに比べると糖尿病にリスクは5分の1
- 同様の実験で、マウスの肝がんの発生数も1975年が少ない
- 1960年代はご飯が多く塩分が多い食事
- 1975年は和食と洋食が並ぶ食事
- 2000年代は脂質が多い
- 1975年代の食事の特徴
1.食材が多い
たくさんの材料が使われ、栄養バランスが良い
2.大豆や卵が多い
良質なタンパク質を摂取
3.発酵調味料が多い
醤油やみりんなどの発酵調味料が多い
発酵しているものは栄養価が高く、がんや脳卒中を予防し、美肌効果が期待できる
4.だしを使って塩分を抑える
出汁が多いので、塩分が少なくても味を感じられる
参考画像:水産物の消費動向|水産庁(スクリーンショット)
オメガ3の美肌効果|オメガ3を摂取するとなぜ美肌になるのか?で紹介した麻布大学の守口徹教授によれば、オメガ3は青魚などの魚から摂るのが一番効率よいそうですが、水産庁による国民一人当たりの魚介類と肉類の摂取量推移によれば、平成18年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回り、21年には肉類と魚介類の摂取量が上回り、その差が拡大しているそうです。
参考画像:健康的な日本食の健康有益性を検証~1975 年の特徴を有した健康的日本食のヒト介入試験より~|PDF(2016/9/12、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット
第1として、「多様性」で、いろいろな食材を少しずつ食べていました。主菜と副菜を合わせて3品以上ありました。第2として、「調理法」で、「煮る」、「蒸す」、「生」を優先し、次いで、「茹でる」、「焼く」を、「揚げる」、「炒める」は控えめでした。第3として、「食材」で、大豆製品や魚介類、野菜(漬物を含む)、果物、海藻、きのこ、緑茶を積極的に摂取し、卵、乳製品、肉も適度に(食べ過ぎにならないように)摂取していました。第4として、「調味料」で、出汁や発酵系調味料(醤油、味噌、酢、みりん、お酒)を上手く使用し、砂糖や塩の摂取量を抑えていました。第5として、「形式」で、一汁三菜 [主食(米)、汁物、主菜、副菜×2] を基本として、いろいろなものを摂取していました。
1.多様性
主菜と副菜を合わせて3品以上
脂肪肝の改善方法では、出来る限り多くの食材を使うようにすることが肝臓にやさしい食事ということを紹介しましたが、1975年型の食事は多くの食材を少しずつ食べることが実践できていたと考えられます。
さまざまな食材の組み合わせのキーワードは「まごわやさしい」。
- 「ま」は、豆類。
- 「ご」は、ゴマ類。
- 「わ」は、わかめなど海藻類。
- 「や」は、野菜類。
- 「さ」は、魚(魚介類)。
- 「し」は、しいたけなどきのこ類。
- 「い」は、いも類。
2.調理法
◎煮る、蒸す、生
○ゆでる、焼く
△揚げる、炒める
3.食材
◎大豆製品、魚(介)、野菜(漬物)、果物、海藻、きのこ、緑茶を積極的に摂取
○卵、乳製品、肉を適度に摂取
4.調味料
◎出汁や発酵系調味料(醤油、味噌、酢、みりん、お酒)
△砂糖や塩の摂取量を抑える
5.形式
一汁三菜:主食(米)、汁物、主菜、副菜×2
■まとめ
健康的な食事というとわかりづらいですが、1975年ごろの食事を意識することを参考にして、食材選びや調理法選びを行なうとよいのではないでしょうか。
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