2025年2月4日のめざまし8では「モーニングサージ」について特集しました。
日本人2万1千人を対象にしたある研究によれば、日中は血圧値が正常にもかかわらず、早朝高血圧が145mmHg以上かつ診療所血圧が130mmHg未満の患者では、早朝高血圧が125mmHg未満かつ診療所血圧が130mmHg未満の患者と比較すると、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患リスクが2・47倍高いそうです。
【参考リンク】
- Home blood pressure and cardiovascular outcomes in patients during antihypertensive therapy: primary results of HONEST, a large-scale prospective, real-world observational study. Kario K et al. Hypertension. 2014 Nov;64(5):989-96.
血圧が瞬間的に急上昇することを「血圧サージ」といいます。
血圧は1日のうちでも朝の起床前後に上昇しやすくなり、この目覚めの前後で急激に血圧が上昇することを「モーニングサージ」「早朝高血圧」と呼びます。
■モーニングサージが起きやすい人の特徴
・高齢者(65歳以上)
・血糖値が高い人
・コレステロール値が高い人
・アルコール多く飲む人
動脈硬化の危険因子が、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、偏った栄養バランスの食事(動物性脂肪の多い高カロリー食など)、アルコール、加齢、ストレスの有無と言われていますので、モーニングサージに特に気を付けるというよりも、動脈硬化にならないようにいかに予防していくかが重要になりますね。
■モーニングサージ予防法
■室温を保つ
番組では、起床時の室温は20~22℃程度が最適で、WHOによると、室温が18℃未満だと高血圧のリスクが高くなると紹介しました。
よく血圧が高い人は寒暖差に注意が必要といわれますよね。
冬(1月・2月)は心筋梗塞・脳梗塞が起こりやすい季節!?で紹介した死亡月別にみた心疾患-脳血管疾患死亡(厚生労働省)によれば、月別の死亡者数を比較すると、心筋梗塞などの心疾患、脳卒中・脳梗塞などの脳血管疾患による死亡は冬(1月・2月)に多いことがわかります。
また、家の中の温度差や熱い風呂で心筋梗塞|たけしのみんなの家庭の医学 1月25日によれば、温度の高い場所では熱を放出しようと広がり、温度の低い場所に移動すると、今度は熱を逃がさぬよう収縮するため、血圧が急激に上昇し、この温度差が大きいほど血圧は上がり、危険度が増してしまうのです。
断熱改修等で室温を安定させることが高血圧予防につながる!によれば、室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧(最高血圧、最低血圧ともに)の季節差が顕著に小さく、安定しているということがわかってきているそうです。
”室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい。”
参考資料:住宅内の室温の変化が居住者の健康に与える影響とは?(国土交通省、日本サステナブル建築協会)https://t.co/cQaOvayN2U
高血圧の症状・食事・数値・予防・原因・対策https://t.co/KVq4MfWONI pic.twitter.com/uhSsQtcp9k
— 4050health (@4050health) January 6, 2020
”居住者の血圧は、部屋間の温度差が大きく、床近傍の室温が低い住宅で有意に高い。”
参考資料:住宅内の室温の変化が居住者の健康に与える影響とは?(国土交通省、日本サステナブル建築協会)https://t.co/cQaOvayN2U
高血圧の症状・食事・数値・予防・原因・対策https://t.co/KVq4MfWONI pic.twitter.com/uf3MIWWBxg
— 4050health (@4050health) January 6, 2020
”断熱改修後に、居住者の起床時の最高血圧が有意に低下。”
"断熱改修後に起床時の最高血圧が 3.5mmHg、最低血圧が 1.5mmHg低下"
参考資料:住宅内の室温の変化が居住者の健康に与える影響とは?(国土交通省、日本サステナブル建築協会)https://t.co/cQaOvayN2U
高血圧https://t.co/KVq4MfWONI pic.twitter.com/Fay0ROqb8v
— 4050health (@4050health) January 6, 2020
局所暖房(例:居間のみを暖める暖房)よりも、住宅全体を暖房する方が高血圧予防の観点から見ると好ましいということも示唆されています。
つまり、住宅全体を暖房することにより室温を安定させることが血圧の安定、高血圧予防につながるということですよね。
●スルフォラファン(ブロッコリースプラウト)
番組ではブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンが動脈硬化予防に役立つと紹介していましたが、アブラナ科の野菜を定期的に摂取すると、心血管疾患のリスクを減らす予防的な食事療法になる可能性があるそうです。
【参考リンク】
- Evans PC. The influence of sulforaphane on vascular health and its relevance to nutritional approaches to prevent cardiovascular disease. EPMA J. 2011 Mar;2(1):9-14. doi: 10.1007/s13167-011-0064-3. Epub 2011 Feb 12. PMID: 23199123; PMCID: PMC3405367.
- 日本動脈硬化学会にて発表ブロッコリースプラウトの摂食に動脈硬化予防効果動脈硬化高リスク者を対象にした臨床試験にて確認(2011年7月19日、村上農園)