ビタミンDは骨格筋に影響を及ぼすと知られていますが、日本ではビタミンD欠乏症の有病率が高いため、骨格筋量と筋力が低下し、サルコペニア(加齢に伴う筋力の減少、または老化に伴う筋肉量の減少)の有病率が上昇する可能性があることから、日本の70代の参加者310人と90代の参加者48人のデータを分析したところ、血清ビタミンDレベルは骨格質量指数 (SMI)および握力と関連しており、この関連は90歳代グループよりも70歳代グループで顕著で、この結果から血清ビタミンDレベルが骨格筋量と握力を維持することを示唆しています。
【参考リンク】
- 98%の日本人が「ビタミンD不足」!?によれば、東京慈恵会医科大学などの研究によれば、2019年4月から2020年3月までの期間に東京都内で健康診断を受けた5,518 人を対象に調査を実施したところ、98%がビタミン D 不足に該当していたことを明らかになっています。
- Onishi Y, Akasaka H, Hatta K, Terashima K, Yoshida S, Yasunobe Y, Fujimoto T, Isaka M, Godai K, Kido M, Kabayama M, Sugimoto K, Masui Y, Matsumoto K, Yasumoto S, Ogawa M, Nakagawa T, Arai Y, Ishizaki T, Gondo Y, Ikebe K, Kamide K, Yamamoto K. Association between serum vitamin D levels and skeletal muscle indices in an older Japanese population: The SONIC study. Geriatr Gerontol Int. 2024 Sep;24(9):898-903. doi: 10.1111/ggi.14951. Epub 2024 Aug 1. PMID: 39091107.
■まとめ
厚生労働省によれば、ビタミンD欠乏は転倒や骨折などから身体活動が低下し、筋肉量を減少させ、サルコペニア(加齢に伴う筋力の減少、または老化に伴う筋肉量の減少)及びフレイルティのリスクを高める恐れがあると書かれています。
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高齢者を対象にした研究によれば、血中25─ヒドロキシビタミン (体内のビタミンD量の指標となるビタミンDの代謝物)濃度が50nmol/L未満であると身体機能の低下、筋力の減少、血中パラトルモン(副甲状腺ホルモン)濃度の増加、転倒及び骨折のリスクが高いことが報告されています。
ビタミンDを摂取している人ほど骨格筋量と握力が維持できているので、ビタミンDを摂取しましょう!
また血中ビタミンDの値がサルコペニアやフレイルの指標となり、将来的な要介護度を予測する手法の一つになるかもしれませんね。
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