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■乳がんリスク、大豆と乳酸菌飲料で軽減|米シンポで報告
by Ian Miles Cheong(画像:Creative Commons)
乳がんリスク、大豆と乳酸菌飲料で軽減―米シンポで報告
(2009/12/14、医療介護CBニュース)
10代から40代にかけて、大豆製品や乳酸菌を含む飲料を頻繁に取っていた女性は、その後の乳がん発症の危険性が低かったとする調査結果が明らかになった。
京大医学部附属病院乳腺外科の戸井雅和教授と東大大学院医学系研究科の大橋靖雄教授が、12月9日から米国テキサス州で開催中のサンアントニオ乳がんシンポジウムで報告した。
京大医学部附属病院乳腺外科の戸井雅和教授と東大大学院医学系研究科の大橋靖雄教授が行なった発表によれば、10代から40代にかけて、大豆と乳酸菌飲料をひんぱんに摂っていた女性は、乳がんリスクが低いという調査結果が出たそうです。
乳酸菌と大豆イソフラボンの摂取が乳がん発症リスクを低減~ 子どもの頃などの過去の食習慣が、乳がん発症抑制に影響することが示唆 ~
(2013/7/16、パブリックヘルスリサーチセンター)
1.乳酸菌の摂取頻度を週 4 回以上と 4 回未満で比較した結果、週 4 回以上の比率はケース群 11%、コントロール群 16%であり、オッズ比0.65(95%CI 0.42~1.00, p=0.048)で、乳酸菌の摂取が乳がん発症を抑制していることが示唆された。
2. 大豆イソフラボンの摂取量を 4 群に分け(Q1(18.76mg/日未満)、Q2(18.76~28.81mg/日)、Q3(28.81~43.75mg/日)、Q4(43.75mg/日以上))比較した結果、ケース群では低摂取群から高摂取群に向かって比率が有意に低下し(p=0.0002)、Q1 を基準とした各群のオッズ比は各々0.76(95%CI 0.52~1.13)、0.53(95%CI 0.35~0.81)、0.48(95%CI0.31~0.73)と大豆イソフラボンの摂取量が乳がん罹患率と逆相関を示し、大豆イソフラボンの摂取が乳がん発症を抑制していることが示唆された。
3. 乳酸菌の摂取頻度週 4 回未満かつ大豆イソフラボン摂取量最低(Q1)群を基準とした場合、乳酸菌の摂取頻度週 4 回以上かつ大豆イソフラボン最高摂取(Q4)群のオッズ比が0.36(95%CI 0.17~0.76,p=0.007)と最も低く、乳酸菌と大豆イソフラボンの摂取に相加性の効果が示唆された。
乳酸菌の摂取がまた大豆イソフラボンのそれぞれの摂取において乳がん発症を抑制していることがわかっただけでなく、両方共を取り入れるとその効果は、それぞれの要因が独自に働いて、結果として効果が積算された状態になることがわかったそうです。
※相加効果|コトバンク
相加作用ともいう.複数の要因の効果が知られているとき,それぞれの要因が独自に働いて,結果として効果が積算された状態になること.
大豆と乳酸菌飲料をひんぱんに摂ることによって、なぜ乳がんリスクが低くなると考えられるのでしょうか?
この結果について大橋教授は、「乳酸菌の摂取により大豆に含まれるイソフラボンの代謝が好影響を受けた結果ではないか」と語った。
大橋教授は既に、乳酸菌摂取量が多い集団では膀胱がん発症が少ないことも報告しており、今回の研究結果も踏まえ「がんの予防には、子どものころから正しい食生活を送ることが大事」と強調した。
大豆と乳酸菌をあまりとっていないなぁと感じた人はぜひ食事に取り入れたいですね。
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ただ、大豆の取り過ぎは心配な点が一つありまして、大豆:女性は食べ過ぎないで 乳がんリスク減も肝臓がん危険性高まる|厚労省研究班によれば、大豆に含まれるイソフラボンは乳がんのリスクを減らすといわれていますが、厚生労働省の研究班によれば、大豆をたくさん食べる女性は、あまり食べない女性に比べて、肝臓がんになる危険性が3~4倍に高まるそうです。
肝臓がんの場合には、エストロゲンレベルが低い男性ではエストロゲン作用を、逆にエストロゲンレベルが高い女性ではエストロゲンを妨げる作用をするのではないかと推測されるため、イソフラボンを多く摂取すると、女性ではエストロゲン作用が妨げられることで、肝臓がんリスクが高くなると考えられるそうです。
肝臓がんの最大のリスク要因は肝炎ウイルスなので、感染がわかれば、大豆製品をとりすぎないようにして、食事を通して、適度に摂取するようにしましょう。
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公開日時: 2009年12月15日 @ 01:40