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「筋トレで血管が切れることはあるの?」「筋トレを継続すると動脈が硬くなる(動脈硬化が促進する)って本当?」




2025年2月10日放送の徹子の部屋に出演した草野仁さんは80歳になる今でも筋トレをしているそうです。

ただ15年ほど前に石原慎太郎さんから「60歳過ぎたら血管がぷちっといくことがあるから重いのはやめろ」とアドバイスを受け、それからダンベルを軽量化して15キロを中心に筋トレを行っているそうです。

そこで浮かんできたのがこの疑問。

「筋トレで血管が切れることはあるの?」

関西医科大学の市民公開講座に興味深い回答がありました。

 「9.後頭部でプチッと血管が切れるような音がした」。テレビ等で聞いて心配しておっしゃるのかもしれませんが、これも脳卒中の症状ではありません。最初にクモ膜下出血のときには頭がなぐられたような痛みがあると申し上げました。脳血管には神経があって、血管が破れるときには激痛がします。それがクモ膜下出血の頭痛の痛みです。血管がほんとうに切れていたらプチッという音だけではすみません。激烈な痛みが必ずありますので心配することはないと思います。 

この回答を参考にすると、よく血管がプチンと切れるといいますが、これは頭痛の痛みであり、血管が切れた音ではなく、もし血管が切れていたらプチっという音ではすまなくて、激烈な痛みを伴うそうです。

つまり、血管が切れることはありうるということなんですね。

このことを調べているときにもう一つ興味深い研究を見つけたんですが、ある研究によれば、筋トレを継続すると動脈が硬くなる(動脈硬化が促進する)ということがわかっているそうです。

【参考リンク】

血管に優しい筋トレの方法とは?(法政大学)によれば、血管内皮機能が低下すると将来的に血管が硬化するリスクが高いことがわかっており、研究によれば、高強度の筋トレを1回行うと、少なくとも60分間は血管内皮機能が低下し続けることがわかり、また筋トレ後に生じる血管内皮機能の低下が積み重なることで、長期的に動脈硬化を促進させている可能性があるそうです。

そこで最初の疑問に戻ると、長期的に筋トレを続けると血管が硬くなる(動脈硬化のリスクが高くなる)ことがあるというわけなんですね。

筋トレは筋肉を大きくすること(骨格筋の肥大)によって、基礎代謝量の増加や、糖・脂質代謝の改善、骨密度の増加などの効果が期待できるもので健康にとってお勧めする運動だと思っていたのですが、動脈硬化を促進するものだとしたら、心配ですよね。

しかし、実は血管にやさしい筋トレ方法、より具体的に言えば、血管内皮機能を下げずに筋トレをする方法がすでに研究されていました。

その方法とは、筋トレ後に有酸素性運動を行うこと!

筋トレ後に有酸素性運動を(少なくとも)10分間行うことで、低下した血管内皮機能を回復できるそうです。

いろんな番組で動脈硬化には有酸素運動がいいといっていましたが、ここでつながりましたね。

軽いジョギングなどの有酸素運動をすると、血管の内側の内皮細胞が整列して血流が良くなり、血管を広げる作用がある「NO(一酸化窒素)」という物質がより多く出るようになって、血管が広がりやすくなるそうです。

血管が広がりやすくなり、血流が良くなることで、血管を傷つけにくくなり、動脈硬化を予防できるそうです。

【関連記事】

筋トレを継続している人は将来的な動脈硬化リスクを下げるためにも、筋トレした後には有酸素運動をやってくださいね。

P.S.

抗老化タンパク質「DEL-1(デルワン)」の増やし方(食材)とは?/カズレーザーと学ぶ。によれば、DEL-1は主に血管内皮細胞から出てきて体の中をぐるぐると回っており、炎症を抑える役割があることが発見されています。

血管内皮細胞の機能をいかに保つかが若さを保つ秘訣となりそうな予感です!







【関連記事】

P.P.S.

草野仁さんは健康番組で医師がおすすめしていたベジファーストを心掛けているそうです。

→ 【ベジファーストの誤解】糖尿病診療ガイドライン2024や食事摂取基準から削除された!?ベジファーストは本当に意味がないの? について詳しくはこちら

定期的なウエイトトレーニングで糖尿病発症リスクが34%抑えられる!【論文・エビデンス】

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by 182nd Airlift Wing(画像:Creative Commons)

定期的なウェイトトレーニングで糖尿病発症リスクが34%も抑えられることが判明

(2012/8/8、IRORIO)

これまで、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運度は糖尿病の発症リスクを抑えるとされてきた。しかし定期的なウェイトトレーニングでも同様の結果が得られるという。

被験者は成人男性32,000人。トレーニング量を3グループに分けて調査を行った。

結果は、一週間の合計が 1~59分のグループでは12%, 60~149分では25%, 150分以上では34%が全くトレーニングしない人に比べると、2型糖尿病の発症リスクが低下した。

さらに、150分以上のウェイト・トレーニングと有酸素運動を組み合わせて実行した人は60%以上の効果がでたという。

出典元:Regularly lifting weights can reduce men’s risk of most common form of diabetes by 34% – Mail Online(8/7)

研究によれば、定期的なウエイトトレーニングが2型糖尿病の発症リスクの低下に役立つことがわかったそうです。

ポイントは、「筋肉」ですね。

糖尿病の運動療法

運動で筋肉を鍛えることによって、インスリンの効き方が良くなり、血糖降下に結びつきます。

ためしてガッテン(NHK)5月12日 AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる

・藤井宜晴教授(首都大学東京)

筋肉を動かすと、AMPキナーゼが活性化し、糖や脂肪を効率良くエネルギーに変えてくれることがわかったそうです。

インスリンと同等くらい強力なのだそうです。

・宮地元彦 (国立健康・栄養研究所 運動ガイドラインプロジェクトリーダー)

どんな運動でも筋肉に刺激が入るので、筋肉に刺激が入れば、好ましい結果が得られる。

血糖値を下げるグルット4活性術で糖尿病対策|たけしのみんなの家庭の医学

筋肉量が減ると、糖の保管場所が減る⇒血液に流れ込み、血糖値が上がる.

グルット4(GLUT4)は糖の保管に関わっている。

グルット4は筋肉の中にあるたんぱく質で、筋肉内に血液中の糖を取り込むという作用を持つ。

グルット4を活性化させるには、すい臓から分泌されるインスリンというホルモンが必要。

有酸素運動や筋トレといった筋肉の収縮を伴う運動をすることによって、インスリンなしで直接グルット4が活性化される。

※筋トレは短時間で効く!また、インスリンを節約することができる。

グルット4が糖を取り込み血糖値が下がる。

●筋トレの効果

1.筋肉の刺激によって直接グルット4が活性化する

2.筋肉量が増えることでグルット4も増加する

つまり、筋トレは血糖値を下げるには一石二鳥!

糖尿病の運動療法といえば、有酸素運動を想像する人も多いと思いますが、どんな運動であっても、筋肉に刺激が入り、血糖値を下げることに役立つので、まずはなんでもいいので運動をする習慣をつけるというのが大事なんですね。

なお、今回紹介した記事にもある通り、筋トレと有酸素運動を組み合わせると、更に良い効果が出るので、皆さん頑張りましょう。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら







【参考リンク(論文・エビデンス)】

P.S.

■筋トレをせずに筋肉量を維持する方法

  • できるだけ食事における脂肪の量は少なめで、炭水化物・たんぱく質をバランスよく取ることが重要
    鶏肉や赤身肉にはたんぱく質が豊富で、しかも脂肪が少ないためカロリーも抑えられる。
  • 歩幅を広げて早く歩く
    歩幅を広げることで筋肉がたくさん使われ筋肉量が維持できる。
    同時に筋肉に刺激を与えるので、グルット4が活性化する
  • 日頃から意識して姿勢を良くする
    腰や背骨を支える筋肉は姿勢を意識すれば鍛えられる。

糖尿病関連ワード

糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは

糖尿病の診断基準(血糖値・HbA1c)

糖尿病改善・予防する方法(食べ物・運動)

糖尿病危険度チェック

糖尿病の原因(生活習慣)|女性・男性

薬局でもできる糖尿病の検査|検尿(尿糖検査)と採血による血糖検査

糖尿病の合併症|網膜症・腎症・神経障害

糖尿病の食事(食事療法)|血糖値を抑える食べ方

糖尿病の運動(運動療法)|筋トレ・有酸素運動

インスリン(インシュリン)とは|血糖を下げる働きがあるホルモン

血糖値(正常値・食後血糖値・空腹時血糖値)・血糖値を下げる食品

糖尿病の運動療法の進め方|血糖値の上昇が認められる食後1時間前後に行うのがよい

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■糖尿病の運動療法の進め方

Henley jogs.

by markheybo(画像:Creative Commons)

糖尿病講座:(20)運動療法の進め方

(2009/1/27、毎日新聞)

糖尿病では血液中の糖が慢性的に高い状態ですので、運動によって糖などのエネルギーを消費することは、継続的な血糖値のコントロールに非常に有効です。

また、いわゆるメタボリックシンドロームで認められる肥満や高血圧、脂質代謝異常の改善にもつながるため、こうした病気を合併している患者さんにも効果が期待できます。

運動療法は、大きく有酸素運動とレジスタンス運動の2種類に分類されます。

有酸素運動は酸素の供給に見合った強度の運動を持続して行うことにより、糖や脂肪をエネルギーとして消費します。

レジスタンス運動は主に抵抗負荷に対して動作を行う運動で、強い負荷強度で行えば無酸素運動に分類されますが、筋肉量の増加による基礎代謝量の増加や加齢に伴う筋委縮予防が期待できます。

糖尿病の方が、運動することは血糖値のコントロールに役立ちます。

また、運動は、糖尿病の方だけでなく、メタボリック肥満高血圧脂質異常症(高脂血症)の改善にも役立つことが期待できます。




■運動は、血糖値の上昇が認められる食後1時間前後に行うのがよい

■運動療法の種類

  • 有酸素運動 : 糖や脂肪をエネルギーとして消費
  • レジスタンス運動(無酸素運動) : 筋肉量を増やし、基礎代謝の増加

ただし、運動療法を行う場合は、合併症が悪化する可能性もあるようですので、自己判断で行わずに、事前に担当医と相談して、安全な運動内容を決める必要があるようです。

また、記事によると、

運動療法のタイミングとしては、血糖値の上昇が認められる食後1時間前後に行うのがよい

とされているそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら







【関連記事】
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サーキットトレーニングとは|なぜサーキットトレーニングは効果的に脂肪燃焼・ダイエットできるのか?

ダイエット > サーキットトレーニングとは|なぜサーキットトレーニングは効果的に脂肪燃焼・ダイエットできるのか?




■サーキットトレーニングとは

2nd Annual Yoga with Iululemon Athetica

by David Fulmer(画像:Creative Commons)

サーキットトレーニング(サーキットエクササイズ)とは、無酸素運動と有酸素運動を交互に行うトレーニング(エクササイズ)のことをいいます。

※ちなみに、どんな全力運動であっても酸素を使わない運動は存在しないので、正確には、「有酸素運動と無酸素運動」というよりも、「低強度運動と高強度運動」もしくは「持久的運動とスプリント運動」という呼び方をした方がよさそうですね。

筋力トレーニングなどの無酸素運動(レジスタンス運動)とウォーキングなどの有酸素運動を組み合わせた、サーキットトレーニングを行うことで、効率よく体の脂肪を燃焼させることができるそうです。

では、なぜサーキットトレーニングは効果的に脂肪燃焼できるのでしょうか。

■なぜサーキットトレーニングは効果的に脂肪燃焼できるのか?

1周3分で脂肪を燃やす「サーキットエクササイズ」

(2006/2/20、nikkei BPnet)

サーキットエクササイズは、脂肪を効率的に燃やす点でも優れている(参考記事:中性脂肪や血圧も下げる“お手軽”運動)。

体脂肪を効果的に燃やす心拍数は、個人差はあるものの、大体1分間に約130拍とされている。

ウォーキングだけでは、心拍数は1分間に110拍程度までしか上がらないことが多い。

逆に、筋トレだけでは心拍数が上がりすぎて、脂肪より筋肉の方が燃えやすくなる可能性がある。

サーキットエクササイズなら、程よい心拍数を維持しやすい。

「持久的運動とスプリント運動」を交互に行うことで、体脂肪を効果的に燃やす心拍数を維持することにより、より効率的に脂肪燃焼・ダイエットできるようです。

自宅で簡単にできる!踏み台昇降運動ダイエット|最大心拍数84%の状態を12分以上維持すると脂肪燃焼効果が運動後にも最長36時間続く!







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【参考リンク】

    <
  • a href=”https://twitter.com/NaoyaTakei0421/status/1098217641200607235″>https://twitter.com/NaoyaTakei0421/status/1098217641200607235

【サーキットトレーニング関連記事】
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4週間の中強度の有酸素運動は2型糖尿病の認知機能改善に有効|筑波大

健康・美容チェック > 糖尿病 > 認知症 > 4週間の中強度の有酸素運動は2型糖尿病の認知機能改善に有効|筑波大

糖尿病の予防・改善には運動(特に有酸素運動)が効果的ですが、筑波大の研究によれば、有酸素運動は2型糖尿病の認知機能改善に有効なのだそうです。




■4週間の中強度の有酸素運動は2型糖尿病の認知機能改善に有効|筑波大

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by Olgierd Rudak(画像:Creative Commons)

中強度運動はⅡ型糖尿病の認知機能改善に有効―海馬におけるグリコゲン由来の乳酸輸送の関与を解明―

(2016/12/9、筑波大学ニュースリリース)

1.Ⅱ型糖尿病の合併症として海馬機能の認知機能の低下が知られていますが、その原因は不明です。今回、そのメカニズムとして神経細胞への乳酸輸送(取り込み)を担う MCT2 注1蛋白質の低下とそれを補うかたちでのグリコゲン注2貯蔵量の増加が起ることを新たに見い出しました。

2. この症状改善には習慣的(4 週間)な中強度の有酸素運動が有効であり、MCT2 蛋白質を回復させ、脳グリコゲンの補償的増加をさらに高めることがわかりました。

3. 中強度のエアロビクス運動は、Ⅱ型糖尿病に合併する認知症に対して、海馬の乳酸代謝を改善することで治療効果を発揮することが初めて示唆されました。

筑波大学征矢英昭教授らの研究グループが行なった2型糖尿病ラットの実験によれば、4週間の中強度の有酸素運動で2型糖尿病の合併症としての海馬機能の認知機能の低下が改善できることがわかったそうです。

海馬の MCT2 発現量の低下による神経細胞への乳酸輸送の低下がⅡ型糖尿病に伴った認知機能低下の重要な因子としてあり、その結果としてグリコゲン貯蔵量が高まっていることが示唆されました。

近年、海馬の神経におけるグリコゲン由来の乳酸利用が認知機能の維持に不可欠と報告されており、乳酸利用の低下がⅡ型糖尿病に合併する認知機能低下の原因の一つであり、今回の研究で中強度の有酸素運動が2型糖尿病に合併する認知症に対して、海馬の乳酸代謝を改善することで治療できることが示唆されました。

軽い運動でも脳の認知機能は向上する!?で紹介した筑波大学体育系の征矢英昭教授らの研究で、ジョギングに相当する運動を短時間行うと脳の中の判断力や注意力を支配する部分の活動が活発になることがわかっていましたが、今回の研究により、中強度の有酸素運動をすることによって、2型糖尿病の合併症としての認知機能の改善に役立つことが期待されます。







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