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アメリカ人は摂取するカロリーの約6割、砂糖の9割を「超加工食品」から摂取している!?




■アメリカ人は摂取するカロリーの約6割、砂糖の9割を「超加工食品」から摂取している!?

Meth donuts

by Samat Jain(画像:Creative Commons)

米国人の摂取カロリー、6割が「超加工食品」からと判明 調査結果

(2016/3/15、Forbes Japan)

調査結果によると、米国人は摂取するカロリーの58%、砂糖の90%を清涼飲料水やシリアル、袋詰めされたパンや焼き菓子、袋入りのスナック類、その他の菓子類、デザート類、再構成肉(チキンナゲットなどの材料)、即席めん類、スープなどの「超加工食品」から取っていた。

英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の調査結果によれば、アメリカ人は摂取するカロリーの約6割、砂糖に至っては9割を「超加工食品」から摂取していることがわかったそうです。

■超加工食品とは?

米全国健康・栄養調査(NHANES)の2009~10年のデータに基づき、米国人9,000人以上が摂取している超加工食品とそれらが及ぼす影響について調べたブラジル・サンパウロ大学の研究チームは、これらの加工食品を「塩、砂糖、油脂に加え、料理には使用されない物質を含み、工業的に形成されたもの」と定義した。




■砂糖

●砂糖と健康の関係

砂糖の過度の摂取は、肥満や2型糖尿病の原因となり、心臓病や脳卒中を招くリスクを高める。そのほか、高血圧中性脂肪の増加、HDL(善玉)コレステロールの減少、インスリン抵抗性の発症とも関連している。最近では、添加された砂糖の摂取と非アルコール性脂肪肝疾患の関連性に関する研究も進められている。

砂糖入り飲料を習慣的に飲むと糖尿病リスクが上昇する!?によれば、英・ケンブリッジ大学の今村文昭氏らの大規模な調査によれば、砂糖入り飲料を習慣的に飲むことで糖尿病のリスクが高くなることがわかったそうです。

徳島県が糖尿病死亡率最下位脱出|徳島県はどんな糖尿病対策を行なったのか?で紹介した徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授によれば、徳島県が糖尿病死亡率が高い理由として、「肥満」と「糖質摂取」を挙げており、食習慣として、ご飯に砂糖をかけて食べたり、饅頭のあんこの量が全国的にも多いなど「甘党」であることが関係しているようです。

●砂糖の摂取量

米農務省(USDA)と保健福祉省(HHS)が5年に一度公表する「米国人のための食生活指針」(2015年版)と世界保健機関(WHO)は、添加された砂糖の摂取量は、成人の1日当たりのカロリー摂取量の10%未満にとどめるべきだとしている。子供も含め、ティースプーン12.5杯以下にすべきだということだ。

「一日の砂糖25グラムまで」|肥満・虫歯・慢性疾患の予防―WHO新指針によれば、WHOは成人が1日に取る砂糖をティースプーン6杯分の25グラム程度に抑えることを奨励する砂糖摂取の新指針を発表しました。

アメリカの炭酸飲料離れ 10年連続で販売量減|健康志向の高まり(2015/3/30)によれば、健康志向の高まりが影響しているのでしょうか、アメリカでの炭酸飲料の販売量が10年連続で減少しているそうです。

アメリカの2〜5歳の子供の肥満率が低下によれば、子供の肥満率が減少した理由として、CDCは、理由は明確ではないとしながらも、食生活の改善や運動、糖分の多い飲料を控える傾向などが寄与しているとの見方を示しています。

■まとめ

この問題の背景にあるのは経済格差(貧困)です。

肥満と生活保護・貧困との関係-米によれば、肥満率が高い州は南部に多く、またフードスタンプ(日本で言えば生活保護のようなもの)の受給者も南部に偏っているということから肥満と貧困には相関関係があるのではないかと考えられます。

低収入ほど野菜不足-厚労省栄養調査によれば、厚生労働省が発表した2011年の国民健康・栄養調査によれば、低収入ほど野菜の摂取量が不足しているという結果が出たそうです。

低所得者ほど生活習慣に問題=野菜食べず、運動しないという記事によれば、低所得者ほど野菜を食べる量が少なかったり、運動の習慣がなかったりと、生活習慣に問題がある傾向があることがわかったそうです。

アメリカ人の食生活が1日3食からスナック(軽食)を頻繁に食べる食習慣に移行している!?によれば、単身世帯、子供が独立したベビーブーマー世代、それに慌ただしい生活の共働き世帯が増えていることによって、食事の計画や買い物、料理の時間はもとより、食事をする時間さえ確保することが困難になり、アメリカ人の食生活が1日3食という食習慣からスナック(軽食)を頻繁に食べる食習慣へと移行しつつあるそうです。

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だからといって、アメリカ全体が食に対していい加減というわけではなく、アメリカは健康に対する個人の意識・関心の高さの差が大きいによれば、ベジタリアンやヴィーガン、グルテンフリーという食事があるように個人間での食に対する意識・関心の差が大きいようです。

「所得と生活習慣等に関する状況」のグラフから見えてくるものー厚生労働省調査でも、年収が高い人ほどよい生活習慣を持っている(よい生活習慣を持っている人ほど年収が高い)傾向にあります。

健康格差とは健康格差は、収入・学歴などが要因?でも取り上げましたが、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるということがWHOでも一つの問題として注目されているようです。

超加工食品の摂取を減らすことが砂糖やカロリーを減らすことにつながるというのは実にシンプルな対策です。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、アメリカ人に健康的な生活をさせる方法として次のような提案をしていました。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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「もっと健康的に行動しよう」と訴えるのではなく、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」というべきなのだ。

飲食行動を変える必要でなく、購入行動を変える。

「もっと健康的に行動しよう」と伝えても、具体的な行動が示されていないと、人は行動に移れないものです。

ですから、超加工食品ではなくて、別の食品を手に取ろうとうながすことによって、飲食行動を変えるのではなく、購入行動に変化を与え、結果的に健康的な行動につながるのです。

人々がそのような行動をとると、自然と会社側もそうした食品を販売するようになるはずなので、より健康的な食品を選択するようになるのではないでしょうか。







【参考リンク】
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「ソーダ税」を導入した米バークレー、清涼飲料の消費量が21%減少|フィラデルフィア、炭酸飲料の消費4割減少|砂糖の摂取量減少による健康効果は得られるか?




【目次】

■「ソーダ税」を導入した米バークレー、清涼飲料の消費量が21%減少|砂糖の摂取量減少による健康効果は得られるか?

In TEXT Form

by Guian Bolisay(画像:Creative Commons)

米バークレーの「ソーダ税」に予想以上の効果、課税の力が立証される

(2016/9/1、Forbes)

カリフォルニア州バークレーは2015年、いわゆる「ソーダ税」を導入した。8月23日に発表された研究報告によれば、清涼飲料1オンス(約28.5ml)当たり1セント(約1円)の税が課されるこの制度により、低所得世帯による清涼飲料の消費量が21%減少した。

清涼飲料水に課税するいわゆる「ソーダ税」を導入したカリフォルニア州バークレーでは、低所得世帯による清涼飲料の消費量が21%減少したそうです。

ダイエットには食べ物より飲み物を見直す方がいい?によれば、ジョンズ・ホプキンス大学などによる研究によれば、食べ物(固形物)によるカロリー摂取よりも飲み物(液体)によるカロリー摂取の方が体重に与える影響は大きいといわれるので、清涼飲料の消費量の減少に伴い、肥満の人が減少するようになると、目標を達成することになりますが、どうなのでしょうか?

世界各国で健康問題の解決と税収アップのために、ジャンクフードやソフトドリンクに対して税金をかける動きが広がっていますが、今回の結果を受けて、いろんなところで導入を検討するところが増えていくかもしれません。

■「ソーダ税」で炭酸飲料の消費4割減少|ペンシルベニア州フィラデルフィア市

【追記(2018/4/29)】

「ソーダ税」で消費4割減=肥満対策でやり玉―米研究チーム

(2018/4/29、時事通信)

税の導入から約2カ月で炭酸飲料の消費は40%、エナジードリンクは64%減少した。逆にボトル入り飲料水は58%増え、「課税を機に、糖分を加えた飲料の代わりに水を飲む傾向が顕著に確認された」という。

米ドレクセル大学(ペンシルベニア州)の研究チームの調査によれば、ペンシルベニア州フィラデルフィア市による税(ソーダ税)の導入から、炭酸飲料の消費が4割減少したそうです。




【参考リンク】

■砂糖と健康問題

WHOが体重の増加による肥満の数が増加傾向にあることや虫歯など健康上のリスクを防ぐため「一日の糖類25グラムまで」とする新指針を2015年に正式決定しました。

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世界全体で肥満の数は増加しており、また肥満は、糖尿病脂肪肝高血圧などの生活習慣病だけでなく、脳卒中、心疾患、そして腰痛などのケガの原因になっています。

そして、医療費もそれに合わせて増加しています。

砂糖入り飲料を習慣的に飲むと糖尿病リスクが上昇する!?によれば、英・ケンブリッジ大学の今村文昭氏らの大規模な調査によれば、砂糖入り飲料を習慣的に飲むことで糖尿病のリスクが高くなることがわかったそうです。

徳島県が糖尿病死亡率最下位脱出|徳島県はどんな糖尿病対策を行なったのか?で紹介した徳島大学大学院心臓血管病態医学分野の島袋充生特任教授によれば、徳島県が糖尿病死亡率が高い理由として、「肥満」と「糖質摂取」を挙げており、食習慣として、ご飯に砂糖をかけて食べたり、饅頭のあんこの量が全国的にも多いなど「甘党」であることが関係しているようです。

アメリカの炭酸飲料離れ 10年連続で販売量減|健康志向の高まり(2015/3/30)によれば、健康志向の高まりが影響しているのでしょうか、アメリカでの炭酸飲料の販売量が10年連続で減少しているそうです。

アメリカの2〜5歳の子供の肥満率が低下によれば、子供の肥満率が減少した理由として、CDCは、理由は明確ではないとしながらも、食生活の改善や運動、糖分の多い飲料を控える傾向などが寄与しているとの見方を示しています。

■まとめ

アメリカ人は摂取するカロリーの約6割、砂糖の9割を「超加工食品」から摂取している!?で紹介した英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の調査結果によれば、アメリカ人は砂糖の9割を「超加工食品」から摂取していることがわかったそうです。

「ソーダ税」をかけることで、低所得世帯による清涼飲料の消費量が減少したことにより、砂糖の量が減少していると考えられます。

消費者が摂取する砂糖の量が減少することによって、どれほどの健康効果が得られるのかに、今後注目ですね。







【肥満税 関連記事】
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東日本大震災で経済状況が悪化した高齢者は歯を失うリスクが高くなる|ストレスや食事の変化、歯磨きができなかったなどが影響|東北大など

Dental Project

by ND Strupler(画像:Creative Commons)

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■東日本大震災で経済状況が悪化した高齢者は歯を失うリスクが高くなる|ストレスや食事の変化、歯磨きができなかったなどが影響|東北大など

被災高齢者、歯失うリスク高まる 経済状況の悪化が影響

(2017/3/14、朝日新聞デジタル)

震災で経済状況が変化しなかった1805人で歯が抜けたのは7・4%だったが、経済状況が苦しくなった145人では12・4%だった。年齢や所得などの要因を考慮すると、震災による経済状況の悪化は歯を失うリスクを8%増加させたとしている。

東北大などのグループによる調査結果によれば、東日本大震災で経済状況が悪化した高齢者は歯を失うリスクが高くなることが分かったそうです。

原因としては、次のような理由が影響していると考えられます。

ストレスや食事の変化、歯磨きができなかったことなどの影響が考えられるという。

歯磨きができないことは歯を失うリスクを高める理由として想像がつきますが、ストレスや食事の変化は歯の健康とどのような関係があるのでしょうか?




■ストレスや食事の変化と歯の健康とはどんな関係があるの?

●ストレスと食事の変化

最近では「糖尿病」と「歯周病」との関係が注目されています。

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なぜ、糖尿病の人は歯周病になりやすく、また治りが遅いのか?
によれば、糖尿病になると、唾液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、免疫機能や組織修復力が低下して、歯周病が発症・進行しやすくなるそうです。

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加によれば、糖尿病と歯周病の関連性は疫学調査や動物実験などで明らかにされており、糖尿病を多く発症する米アリゾナ州のピマインディアンを対象にした調査では、歯周病の発症率が糖尿病ではない人に比べて二・六倍高い、といったことも分かっているそうです。

高血糖状態が長く続くと、血液中に体内のタンパク質に糖が結合した糖化たんぱくが増加し、体内に侵入した細菌やウィルスを捕食・消化し、その情報をリンパ球に伝える働きを持つマクロファージを刺激し、ある特定のサイトカイン(細胞同士の情報伝達を担うタンパク質で、過剰に分泌されると、自らの組織が破壊されることがある)の分泌量が増え、歯周病が悪化するのではないかと考えられるそうです。

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加で紹介した愛知学院大歯学部歯周病科(名古屋市)の野口俊英教授によれば、糖尿病と歯周病には5つの共通点があるそうです。

  1. 初期に顕著な自覚症状がない
  2. 罹患率が高い
  3. 生活習慣病
  4. 慢性疾患
  5. 病気の進行のメカニズムが似ている

また、「糖尿病」と「睡眠障害」との関係にも注目が集まっています。

睡眠障害のある患者は、糖尿病・高血圧・動脈硬化になりやすい?によれば、睡眠障害が、動脈硬化高血圧、血糖値の上昇につながる可能性があるそうです。

メタボリックシンドローム予防には睡眠の改善が必要で紹介した日大医学部の兼坂佳孝講師が2万2000人を対象に睡眠時間とメタボの関係を調べた調査によれば、睡眠7~8時間の人のメタボリスクが最も低く、これを超えても未満でも、糖尿病のリスクが3~5倍に上がったそうです。

アメリカ国民の約3割、経済が心配で睡眠不足に=調査(2009/3/4)によれば、アメリカ国民の約3割が、経済不況による金銭的な不安や雇用不安で眠れず、不眠で悩んでいたそうです。

ここから考えられる仮説としては、経済状況の悪化によるストレスで睡眠不足になり、睡眠不足の影響によって、糖尿病のリスクが高まり、唾液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、免疫機能や組織修復力が低下して、歯周病が発症・進行しやすくなったことで、歯を失うリスクが高まったのではないでしょうか?

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また、避難所の食事は糖尿病が悪化しやすい!?医療チームが糖尿病悪化を防ぐ指導|熊本地震によれば、避難所での食事は量が安定しておらず、炭水化物の割合が多くなりがちであるため、血糖値が上下動しやすいそうです。

今までとは違う食生活になったことで、血糖値が上下動しやすい食生活に変わったことが影響しているとは考えられないでしょうか?

身体活動量、喫煙、飲酒、及び震災時の自宅被害は、メタボリックシンドロームと有意な関連がある|東日本大震災の被災地の健康状態のコホート調査|東北大・岩手医科大によれば、震災時の自宅被害は、メタボリック症候群と有意な関連が認められたそうです。

「メタボウォッチ」|早稲田大学、RESEARCHKITでメタボリックシンドロームになりやすい生活習慣をチェックするアプリを開発によれば、加齢とともに骨格筋が減少し、筋力が大幅に低下するサルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)は身体活動量の減少と密接に関係しており、また不適切な食事習慣と合わさることで、内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積によるメタボリックシンドロームの発症を招いているとも考えられます。

■まとめ

大規模災害で避難生活を余儀なくされると、様々な影響によって、生活習慣病を含む病気が悪化しやすくなると考えられます。

  • 歯磨きができる環境を整える
  • 血糖値が上下動しにくい避難場所での食事

など、あらかじめその状況を想定した対策をしておくことが重要なのではないでしょうか?







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地震後に要介護認定者数が急増|避難所での生活は健康にどのような影響を与えたのか?|熊本県

Kumamoto-jo(Castle) / 熊本城(くまもとじょう)

by TANAKA Juuyoh (田中十洋)(画像:Creative Commons)




地震後、熊本県内で要介護者が急増…避難で運動量減る

(2017/1/17、読売新聞)

昨年4月の熊本地震について、熊本県は16日、甚大な被害を受けた益城(ましき)町や西原村などで、地震後に要介護認定者数が急増したことを明らかにした。

 高齢者が避難所や仮設住宅で生活し、体を動かす機会が減ったことなどが影響した可能性があるという。

熊本県内では、地震後に要介護認定者数が急増したことがわかったそうです。

今回のニュースでは、被災前に行なっていた散歩や農作業ができなくなることなど体を動かす機会が減ったことが影響した可能性があるとありますが、以前のブログによれば、避難所での生活によって、病気を発症したケースについて取り上げてきました。

■避難所での生活によって、病気を発症したケース

血栓

避難所の2千人に検診をしたところ9・1%に血栓が見つかった|熊本で医師ら調査

車中泊で肺塞栓症(エコノミークラス症候群)が多発!その初期症状とは!?では、4月19日、益城町の小学校の運動場や校舎で避難者を対象に「エコノミークラス症候群(肺塞栓症)」の原因とされるひざから下の静脈のエコー検査を実施したところ、26人のうち4人に血栓やそれにつながる血のよどみが見つかっていました。

今回のニュースによれば、約2千人を検診した結果、全体の9・1%の人の足に肺塞栓症の原因となり得る血栓が見つかったそうです。

前回のニュースによれば、血栓が見つかったのは女性に多いというものでしたが、今回のニュースによれば、70歳以上の人や睡眠剤を使用している人は危険性が高まることもわかったそうです。

自動車の中で避難生活をしている人はエコノミークラス症候群になる恐れがある!?予防法とは?によれば、エコノミークラス症候群とは、文字通り飛行機のエコノミークラスのような狭い座席に長時間足を動かさずにいると血流が悪くなり、その結果足に血栓ができ、その血栓が血流に乗って、肺の血管に詰まる可能性のある病気です。

04年の新潟県中越地震や07年の新潟県中越沖地震で避難生活を送っていた被災者に症状が確認されていたそうです。

厚生労働省によれば、エコノミークラス症候群の初期症状は足が赤くなる、足がむくむなどの症状があり、症状が進むと胸の痛みや息切れ、失神などの症状が出て、最悪の場合死亡することもあるそうです。

エコノミークラス症候群は中高年の女性に多いというデータがあるそうで、済生会熊本病院に搬送された患者10人のうち8人が女性だったこともそのデータを裏付ける材料となりそうです。

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■誤嚥性肺炎

肺炎入院患者が地震後に急増 避難長期化で口腔ケアが不十分で誤嚥性肺炎に|熊本地震によれば、国立病院機構熊本医療センターで、肺炎による入院患者数が前年同期と比べて倍増していることがわかったそうです。

その原因としては、誤嚥性肺炎が考えられています。

高齢者は注意したい!誤嚥性肺炎の気づきにくい症状のサインとは?によれば、誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことが起こる病気です。

高齢者の肺炎の7割以上は、細菌を含む唾液や食物が気管や肺に入ることで起こる誤嚥性肺炎だと言われています。

誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となるため、口の中を清潔に保つ口腔ケアと誤嚥を防ぐ対策が必要になるのですが、避難生活では、歯磨きなどの口の中のケアが不十分になっていることが考えられます。

また、寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

阪神大震災でも肺炎で亡くなっている人が約24%を占めており、その多くが誤嚥性肺炎だったそうです。

また、東日本大震災でも誤嚥性肺炎による危険性が指摘されていたそうです。

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糖尿病

避難所の食事は糖尿病が悪化しやすい!?医療チームが糖尿病悪化を防ぐ指導|熊本地震によれば、避難所での食事は量が安定しておらず、炭水化物の割合が多くなりがちであるため、血糖値が上下動しやすいからなのだそうです。

■お薬手帳がないために、適切な薬の処方を判断に苦しむ

「お薬手帳」を避難時に持ち出すことの有効性が熊本地震で再確認によれば、お薬手帳を見ることで、それまで要観察者リストから漏れていた人も病気の特定ができ、健康状態の悪化を防ぐことができたケースがある一方で、お薬手帳がないために、適切な薬の処方を判断に苦しんだケースもあったそうです。

■まとめ

地震後に体調を崩し、病気になるケースというのはこれまでの経験で得られているので、今後のためにも、どういう対策をしておくべきか検討しておく必要がありますね。







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被災のストレスで血圧が上がる「災害高血圧」

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■被災のストレスで血圧が上がる「災害高血圧」

365-12 - Just a number right?

by Sean(画像:Creative Commons)

被災のストレス「災害高血圧」に注意 脳卒中の引き金に

(2018/7/21、朝日新聞デジタル)

自治医科大の苅尾七臣(かずおみ)教授(循環器内科)によると、「災害高血圧」は被災直後から起こり、生活環境や生活習慣が安定するまで続く。被災のストレスや、普段していた活動ができないこと、食生活の変化による塩分摂取の増加などが原因だ。特に、家族の死亡や家屋の全壊などで大きなストレスがかかった人▽75歳以上の人▽高血圧や糖尿病、心不全などの循環器疾患の既往がある人――は高リスクとされる。

自治医科大の苅尾七臣教授によれば、被災によるストレスなど血圧が上がる「災害高血圧」は生活環境が安定するまで続くそうです。

●ストレスと高血圧

仮面高血圧(職場高血圧)とは?健診では正常、職場では高血圧によれば、ストレスに直面すると闘争・逃走神経である交感神経が血圧を上げます。

また、身体活動量、喫煙、飲酒、及び震災時の自宅被害は、メタボリックシンドロームと有意な関連がある|東日本大震災の被災地の健康状態のコホート調査|東北大・岩手医科大によれば、高血圧等の治療中断率が、内陸部と比べ沿岸部で高く、高血圧治療中断者の収縮期血圧は、通院中の者に比べて高かったので、「災害高血圧」のリスクはさらに高まることが予想されます。

●食生活の変化による塩分摂取の増加と高血圧

避難所の食事は糖尿病が悪化しやすい!?医療チームが糖尿病悪化を防ぐ指導|熊本地震によれば、被災して避難所での生活をしていると、炭水化物の割合が多くなりがちであるため、血糖値が上下動しやすいことが考えられます。

このように避難所の生活では高血圧のリスクが高い人であっても塩分摂取を気をつける食生活ができないため、高血圧のリスクが高まると考えられます。

【関連記事】

●睡眠と高血圧

 苅尾教授は「予防には、20分以上の歩行などで体を意識的に動かすことや、6時間以上の睡眠が大事。水やお茶で水分を」と話す。

また、睡眠障害のある患者は、糖尿病・高血圧・動脈硬化になりやすい?によれば、睡眠障害が、動脈硬化高血圧、血糖値の上昇につながる可能性があるそうです。

メタボリックシンドローム予防には睡眠の改善が必要で紹介した日大医学部の兼坂佳孝講師が2万2000人を対象に睡眠時間とメタボの関係を調べた調査によれば、睡眠7~8時間の人のメタボリスクが最も低く、これを超えても未満でも、糖尿病のリスクが3~5倍に上がったそうです。

■高血圧を予防するためには血圧測定が重要

上(収縮期)の血圧が140を超えることが続くなら、災害高血圧の可能性がある。一方で、上の血圧が100を切り、心拍数が通常よりも20以上多いようなら、脱水や熱中症のサインとなる。

高血圧を予防するためには、血圧測定をすることが重要です。

→ 血圧の測り方|高血圧や動脈硬化を発見するためにも血圧測定方法のポイントをマスターしよう! について詳しくはこちら

ただ、収縮期血圧が100を切り、心拍数が通常よりも20以上多いようなら、脱水や熱中症のサインだということで、夏の暑い時期は熱中症の恐れもあり、塩分摂取をしなければいけないといわれていたりして、自己判断は難しいかもしれません。

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

■まとめ

日常では病気をコントロール出来ていても、被災して避難所の生活を強いられている場合には、病気をコントロールすることができずに、様々な症状が現れますので、体調の違和感を感じたら、医師や看護師などに相談するようにしてほしいですね。

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