> 健康・美容チェック > 脂肪肝 > 肥満の子供は脂肪肝になりやすく、肝硬変リスクも高い|大阪市立大
【目次】
■肥満の子供は脂肪肝になりやすく、肝硬変リスクも高い
参考画像:子どもの肥満にともなう非アルコール性脂肪性肝炎を 痛みを伴わずにスクリーニング(2015/9/24、大阪市立大学)|スクリーンショット
子どもの肥満にともなう非アルコール性脂肪性肝炎を 痛みを伴わずにスクリーニング
(2015/9/24、大阪市立大学)
肥満小児は脂肪肝の頻度が高く、肝臓の硬さが高い傾向にあり、NASHのリスクが高いことをフィブロスキャンを用いて国内で初めて明らかにしました。
(2015/9/24、日本経済新聞)
大阪市立大のチームは、肥満の子供は脂肪肝になりやすいだけでなく、肝硬変になるリスクも高いことを発表しました。
■フィブロスキャンとは?
NASHはそのまま放置していれば肝硬変になる可能性が高く、脂肪肝のリスクの高い肥満の段階で検査を行うことが重要だと考えられます。
脂肪肝かどうかを調べる方法には超音波検査や肝生検がありますが、それぞれメリットとデメリットがありました。
子どもの肥満にともなう非アルコール性脂肪性肝炎を 痛みを伴わずにスクリーニング
(2015/9/24、大阪市立大学)
脂肪肝を評価する従来の方法として腹部超音波検査・肝生検が挙げられますが、腹部超音波検査は非侵襲的という長所はありますが定量性・客観性に欠け線維化の評価が難しいという短所があり、肝生検*1は質的診断には優れていますが、痛みや出血のリスクを伴うという短所がありました。
腹部超音波検査は体への負担が少ないというメリットがあるものの、病気を判断するのは難しいというデメリットがあります。
また、肝生検は、診断には優れているものの、脇腹に針を刺して肝臓組織の一部を採取するため体への負担が大きいというデメリットがあります。
そこで、大阪市立大の徳原大介講師らが開発したのが、「フィブロスキャン」という超音波などを出す装置を腹部に当てると、NASHを判定する指標となる「脂肪の蓄積量」と「肝臓の硬さ」を測定できる方法です。
フィブロスキャンは、肝臓の線維化の程度(肝硬度:LSM)と脂肪の蓄積の程度(肝脂肪蓄積度:CAP)を同時に測定することができる新しい機器で、腹部超音波検査と同様に体表からプローベを当てるだけで、痛みや出血を伴わずに非侵襲的に短時間で肝硬度と脂肪蓄積量を定量化することができます(図1)。
今後は学校の検診でフィブロスキャンを用いて肥満の子供をスクリーニング検査を行うことによって、病気の早期発見・改善指導を行うようになるようになるかもしれません。
【関連記事】
- NASHを超音波など2種類の波を用いて「脂肪の蓄積量」と「肝臓の硬さ」を測定し精度よく診断できる手法を開発|大阪市立大
- 【#主治医が見つかる診療所】Γ-GTPの数値|NASH|フィブロスキャン|肝臓を元気にする食材
■まとめ
by Tony Alter(画像:Creative Commons)
アメリカの子供の10人に1人が脂肪肝によれば、非アルコール性脂肪肝が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に進行することが懸念されています。
NASHは脂肪肝が膨らみ細胞を傷付けるもので、さらに進行すると、肝硬変、肝臓がんになる恐れがあります。
お子さんが肝硬変にならないためにも、大事なことは脂肪肝の段階で食い止めるために食事を見直し、運動する機会を増やしていきましょう。
⇒ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 についてはこちら
⇒ 脂肪肝の改善方法 についてはこちら