しょうがと関節痛
しょうがは、昔から漢方薬の原料として使用されてきました。
主として、唾液による消化の促進、嘔吐抑制、胃ぜん動抑制、鎮痛、鎮痙、鎮咳などの作用が認められています。
今、ショウガエキスが、抗炎症・鎮痛の目的で注目を集めています。
1998年頃から「ショウガエキスのリウマチと変形性関節症における抗炎症、鎮痛作用」についての研究発表が、デンマークのモーティン・ワイドナー博士やアメリカのジョン・テイラー博士を中心に、相次いでありました。要約すると、次のようになります。
1.ショウガエキスで、最終的に80%程度の患者の痛みが改善
2.早い人で2〜3週間、遅い人でも3〜4ヶ月で効果が現れた。
3.他の鎮痛剤のように胃かいようなどの副作用がない。
4.安全性が極めて高い。
関節の痛みの原因は様々ですが、炎症の起こっている関節では「プロスタグランジン」、「トロンボキサン」などのホルモン様物質を自ら作り出して、痛みを発生させていることが知られています。
ショウガエキスは、これらの痛みを発生させる物質の、体内での生成を抑える効果があることが確認されています。
しょうがには、辛味成分として、ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロン、香り成分として、ジンギベレン、ゲラニオール、1.8-シネオールなどが含まれていますが、この抗炎症・鎮痛には、辛味成分であるジンゲロール、ショウガオールが主に働いているといわれています。
なぜひざ痛の予防・改善にショウガが効果的なのでしょうか?
1.ジンゲロールの抗炎症作用がヒザ痛に効果がある
ショウガに含まれる辛味成分ジンゲロールには、抗炎症作用があり、ひざの痛みに効くそうです。
マイアミ大学の実験によれば、ショウガエキスを6週間摂取したグループでは変形性膝関節症の人の4割の痛みが和らいだそうです。
また、2014年の国際変形性関節症学会でも、生姜を摂取すると、変形性膝関節症の痛みが軽減させると発表されています。
2.しょうがは軟骨の変形を防ぐ
軟骨の炎症を放置しておくと、痛みが悪化していき、軟骨のすり減りが進んでいくそうです。
そこで、しょうがを摂取すると、炎症を抑えることにより、軟骨のすり減りを防ぐことができるそうです。
一日に食べると効果的な摂取量は、1日60g(しょうが1個分)で、より高い効果を求める場合には、1日120g摂るぐらいではないといけないそうです。
ただ、一日しょうが1個を食べるのは大変なので、おすすめしていたのは「乾燥しょうが」。
乾燥ショウガとは、ショウガを天日干しなどで乾燥させたものです。
しょうがは約9割が水分なので、乾燥ショウガにすると、1日6gでよいそうです。
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