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「AI野々村真」が介護施設で高齢者の話し相手になり認知機能が改善するかの実証実験




高齢者の認知機能改善に向け、「野々村真」氏のAIキャラクターを活用する実証実験に全研ケアが参画!~AI技術を活用し介護施設で有名人と会話を楽しめる実験に協力~(2024/6/17、Zenken)によれば、AIキャラクターに野々村真さんを起用し、「AI野々村真」を介護施設で活用し、施設利用者の認知機能の改善やサービス満足度の向上を目指す実証実験を行なうそうです。

野々村真AI・デジタルヒューマンプロジェクト開始!撮影裏側&製作の途中経過を大公開!

12の危険因子を知って認知症を予防しよう!には認知症を予防する方法として「社会的交流・社会的接触を増やして社会的孤立を防ぐ」があります。

つまり、今回の実証実験ではデジタルヒューマン(AI野々村真)との会話も社会的交流の一つになり得るかというのがポイントになります。

オキシトシンで痛みやストレスが和らぎ、血圧が下がる|簡単タッチケアの方法|#ガッテン(#NHK)によれば、安心できる人と電話をするだけでもオキシトシンというホルモンが出てストレスが軽減するそうです。

有名人というのは全く知らない誰かではないため、もしかすると「安心できる人」に含まれるかもしれません。

そう考えると、AIを活用したデジタルヒューマンとの会話によっても、オキシトシンが出てストレスが軽減されることになれば、介護の現場でも役立ちそうですね。

■まとめ

今回もう一つ気になったポイントは認知症の改善効果が期待されるコミュニケーション用ロボット「テレノイド」が宮城県の介護施設に導入という記事との比較です。

2017年のニュースによれば、大阪大学の石黒浩教授が開発した、認知症の予防や症状の進行を抑える効果が期待されるコミュニケーション用ロボット「テレノイド」が宮城県の介護施設に導入されました。

デンマークと日本における存在感対話メディアの実証的研究によれば、ほとんどの認知症高齢者がテレノイドに強い愛着を示し、うつ傾向がある人や無反応な人が自ら話しかけるようになるそうです。

また、テレノイドには積極的に身体的接触を図る傾向があるそうで、これには「触れ合い」によるストレス軽減効果があると考えられるそうです。

オキシトシンで痛みやストレスが和らぎ、血圧が下がる|簡単タッチケアの方法|#ガッテン(#NHK)によれば、カラダに触れられると脳から出てくる「オキシトシン」というホルモンは、痛みやストレスを緩和し、血圧を下げたり、認知症にも効果的だったり、ストレスや不安も軽減してくれるそうです。

乱暴な言動や徘徊をしていた認知症の人にタッチケアをすると、乱暴な言動が減り、徘徊もしなくなったそうです。

痛みやストレス、強い不安に襲われると脳の中では、扁桃体が興奮します。

前頭前野が扁桃体の興奮を抑えているのですが、慢性的にストレスや痛みがかかり続けると、前頭前野では扁桃体の興奮を抑えることができずに、血圧が上がったり、不眠になってしまうそうです。

そこで、身体に触れられることによりオキシトシンが出ると、扁桃体の興奮を鎮めることにより、血圧が下がったり、痛みが治まるそうです。

オキシトシンは触れられることによってだけ出るわけではなく、安心できる人と電話をするだけでもオキシトシンが出てストレスが軽減するそうです。

オキシトシンを効果的に出す方法として紹介されたのは、抱き枕を抱きながら安心できる人と電話をすることで、声+触り心地によって、オキシトシンが出るそうです。

声を聞くだけよりも、抱き枕など抱えて抱き心地が加わると、より相手の存在を強く感じるため、安心の効果が大きくなるという研究結果があるそうです。

この研究と先ほどの実証実験を組み合わせて考えると、抱き枕など触れられるものを抱えて行えば、より安心の効果が大きくなるではないでしょうか?

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







約1300万人が過活動膀胱に悩む!一番の悩みは「夜間頻尿」/男性は「チョイ漏れ」、女性は「力み漏れ」、高齢者は「腹圧性尿失禁」に悩み




■約1,300万人が過活動膀胱

20歳以上の約1,300万人が過活動膀胱に罹患していることが判明! 尿に関する様々な症状の有病率や生活の質(QOL)への影響を調査(2024/4/17、日本排尿機能学会)によれば、20歳以上の約1,300万人が過活動膀胱にかかっていることがわかったそうです。

過活動膀胱とは、急に尿がしたくなって我慢できないといった尿意切迫感を伴って「尿が近い」「トイレに間に合わない」といった症状の病気のこと。

今回の調査によれば、有病率は加齢とともに上昇し、50歳以降急激に伸びてくることがわかりました。

■過活動膀胱とは?

頻尿の原因となる病気|男性の前立腺肥大症や過活動膀胱・女性のぼうこう瘤や慢性ぼうこう炎・糖尿病・腎機能低下・更年期障害

糖尿病が原因の頻尿と通常の頻尿(トイレが近い)の見分け方|糖尿病の症状チェック

過活動膀胱は、蓄尿(尿を溜める)という膀胱機能の障害です。

過活動膀胱になると、膀胱の柔軟性が低下し、膀胱が過敏に反応して、少量の尿でも尿意を感じ、我慢できなくなります。

「急に尿意をもよおす(尿意切迫感)」、「ひんぱんにトイレに行く(頻尿)」、「我慢ができず漏れてしまう」といった症状があります。

■みんなが一番困っている尿は「夜間頻尿」

一番困っている症状を挙げていただくと、夜間頻尿が男女とも高い傾向にありました。

夜間頻尿(夜にトイレに行きたくなり頻繁に目が覚める)の問題は良い睡眠が得られないこと。

室温を2.5度上げると頻尿・過活動膀胱4割減!によれば、頻尿になると、夜寝ていても尿意を感じて目を覚ましてしまい眠れなくなったり(睡眠の質が悪くなる)、何度もトイレに行く必要があるなど生活の質が低下します。

睡眠の質を向上させることは生活の質の向上が期待されるため、夜間頻尿を予防させる方法として室温を高くする方法を採用することは非常に重要になってきます。

また、この記事によれば、世界保健機関(WHO)が18年に出した「住宅と健康に関するガイドライン」に、冬季の最低室温は18度以上とするよう勧告しているそうですが、今回の調査で、国内では九州に冬季18度以下の家屋が多いということが確認されているそうです。

健康的なライフスタイルをおくるためにも、家屋に対する考え方を今一度見直すことが必要ですね。

■男性は「チョイ漏れ」、女性は「力み漏れ」、高齢者は「腹圧性尿失禁」に悩み

男性は「チョイ漏れ(排尿後尿滴下;排尿が終わった後に、尿で下着を濡らしてしまう)」、女性は「力み漏れ(腹圧性尿失禁;くしゃみをしたり、重いものを持ったりした際に、尿が漏れてしまう)、高齢者では半分近くの方が腹圧性尿失禁を経験していることがわかりました。

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■まとめ

今回のポイントは下部尿路症状のQOLへの影響について、12.4%が日常生活に影響があると回答していたものの、「下部尿路症状は加齢に伴うもので病気ではない」と考えている人が多いと考えているためか、医療機関への受診率は極めて低かったことです。

更年期の症状を経験したと答えた40代・50代の女性のうち病院を受診した人は31%!65%の人は更年期症状があっても医療機関を受診していない!で紹介したNHKがインターネットで行ったアンケート(「更年期と仕事に関する調査2021」)によれば、更年期の症状を経験したと答えた40代と50代の女性のうち病院を受診した人は31%で、65%の人は更年期症状があっても医療機関を受診していないそうです。

日本の女性はアメリカに比べて更年期症状やPMSなどの女性特有の症状に対しての自覚率が低い!によれば、日本とアメリカの20~50代の有職女性それぞれ300名ずつを対象にインターネットで調査したところ、アメリカの女性の方が日本の女性よりも更年期症状やPMS(月経前症候群)、月経痛、子宮内膜症といった自覚している女性特有の症状に対しての自覚率が高かったそうです。

これらに共通するのは夜間頻尿や尿漏れ、更年期症状、PMS・月経痛・子宮内膜症のような女性特有の症状はQOLの質を低下させているとわかっていても、実際には病気であるという自覚はなく、医療機関への受診率が低い傾向にあること。

このような症状に関することへの関心の低さであったり、恥ずかしさというものが背景に隠されているのではないでしょうか?

日本の女子中高生の8割超が無月経などに陥る「フィーメール・アスリート・トライアド(FAT)」のリスクを抱えている!|順天堂大学女性スポーツ研究センターによれば、日本の女子中高生の8割超が「フィーメール・アスリート・トライアド(FAT:運動量に対するエネルギー不足から、女性が無月経や骨粗しょう症などに陥る)」のリスクを抱えているそうです。

女子アスリートの5人に一人が疲労骨折を経験、「無月経」の状態の人も多いで紹介した女性アスリートを対象としたアンケート調査|日本産科婦人科学会によれば、次のような特徴があることがわかります。

●競技レベル別の無月経の頻度は、トップを目指して頑張る、全国・地方大会出場レベルのアスリートに、無月経が多い

●年齢別に見た疲労骨折の件数によれば、16~17 歳の件数が(全体の 40.2%)が最も多い

●競技系列別での無月経の頻度は、持久系(21.7%)と審美系(12.2%)が多い

●競技系列別での既往疲労骨折の頻度は、持久系で(49.1%)が高い

●BMI 低値群で無月経頻度や既往疲労骨折頻度が有意に高い

女性アスリートが陥る3つの障害は「栄養不足」「月経(月経不順や無月経)」「骨」で紹介した順天堂大学付属浦安病院の「女性アスリート外来」で婦人科を担当する窪麻由美さんと中尾聡子さんによれば、陸上選手は貧血症状で診察を受けたところ、月経不順や無月経と診断される人が多いそうです。

泌尿器系の症状であったり、女性特有の症状に関して理解が深まれば、医療機関で受診する人が増えて、QOLの質が向上していくようになるのではないでしょうか?







プロテインの摂取は腎臓に悪い!?プロテインについて改めて調べてみた!




フィットネスクラブで怖い腎臓病が増加中…健康と美容のために摂取するとかえって”死を早める粉”の正体(2024/6/8、プレジデントオンライン)では、簡単にまとめると、プロテインの摂取が腎臓に悪いということでしたので、プロテインについて改めて調べてみることにしました。

間違いだらけの“プロテイン”摂取!?(2023/10/11、NHK)で解説されている鈴木志保子さん(神奈川県立保健福祉大学大学院 研究科長)の意見をまとめてみます。

1)たんぱく質が重要だという情報が広まったことにより、必要のない人が、必要以上に摂っていることにより、プロテインの摂り過ぎ(過剰摂取)が問題になっている

2)たんぱく質がないと人は生きていけないが、私たちの体に必要な栄養素には適正な摂取量があり、少なくても多くても困るという特性を持っている。(多すぎると過剰摂取、少なすぎると低栄養)

3)たんぱく質の処理は肝臓でしかできない

4)たんぱく質(プロテイン)を摂るからマッチョになるのではなく、いいトレーニングを前提に、足りない栄養素がある際に補充するという考え方

5)たんぱく質を含む食事をきちんと食べれば運動後にプロテインは必要ない(昔は言われていたが今はエビデンス上なくなっている)

例:体重1kgあたり1gのたんぱく質が必要で、体重60㎏の人の場合一日60gのたんぱく質が必要となり、3食で割ると1食20gとなる。

朝ごはんの場合、食パン6枚切り1枚(たんぱく質6.2g)、卵1個(たんぱく質7.3g)、牛乳1杯(たんぱく質6.6g)→合計20.1g

この知識をベースに先ほどの記事に戻ってみます。

おそらく反感を買いやすいのは「プロテインによい効果は一切ありません」「プロテイン由来のタンパク質が筋トレの効果向上に寄与することはない」というところではないでしょうか?

適切な言葉に置き換えると、3食の食事できちんとたんぱく質を摂取しているので、プロテインを必要のない人までもが過剰摂取をしていることにより、逆に肝臓や腎臓に負担をかける結果になっているから、肝臓・腎臓の数値を検査し、改めて食事を見直しましょうということですね。

たんぱく質を摂ることは重要なんだけれども、3食の食事の中にたんぱく質を含む食べ物が入っていれば、決してプロテインを摂る必要がないのに、たんぱく質を摂らないとよくないよーということを過剰に宣伝してしまって、誤ってプロテインを摂ってしまうことには注意が必要ということなんだと思います。

ただもう一つの見方として、フレイル・サルコペニアの人にとってのたんぱく質摂取の重要性の話があります。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

ここで1つ考えなければならないことがあります。

それは、中高年における生活習慣病対策・メタボ対策とフレイル対策ではぶつかってしまうところがある点です。

例えば、これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する「低栄養」の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省によれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

それは、肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるからです。

つまりは、中高年(メタボ対策)から高齢者(フレイル対応)への食習慣の移行ができていないことが低栄養の原因の一つになってしまっているのです。

【ガッテン】大豆たんぱく質で筋力アップ(二川健)&心疾患予防(家森幸雄)!必要摂取量!によれば、筋委縮(サルコペニア)が進む寝たきりの方たちに「大豆たんぱく質8g」を30日間摂取してもらう実験を行ったところ、約7割の方に筋力改善(筋力が約40%アップ)の傾向が見られたそうです。

年代や性別で食事のやり方を変えていく必要があるという視点が大事であり、「たんぱく質は大事な栄養素」といっても、誰に言うかによって全然意味合いが違ってきます。

読者側(メッセージの受け取り手)も自身の健康状態を把握した上でこうした健康に関する記事を正しく読む姿勢が必要なのではないでしょうか?







SOMPOがRIZAPと資本業務提携!介護施設併設型の「チョコザップ」展開もある?




介護施設併設型の「チョコザップ」展開も SOMPOがRIZAPに300億円出資(2024/6/7、産経新聞)によれば、SOMPOとRIZAPは資本業務提携をするそうです。

この記事で興味深いと思ったのは2024年4月から店舗内にカラオケや洗濯乾燥、健康診断(MRI検査・CT検査)など計7種のサービスを追加し、またアウトドアに関連した新サービスの展開も検討しており、さらに今回の資本業務提携でSOMPOの傘下企業が運営する介護施設に併設したチョコザップを展開する可能性もあるという点です。

ライザップが作ったコンビニジム「chocozap」のサービスについて考えてみた!(2022年)の時点では、チョコザップはフィットネスジムと運動に対するハードル(会費が高い、時間がない)を取り除いて、簡単にできて、便利で、安いフィットネス環境を提供するサービスを目指していました。

しかし、今回のニュースでは、簡単・便利・安いフィットネス環境を提供するサービスからさらに範囲を広げて、カラオケなどエンタメを楽しんだり、コインランドリー的な機能を付けたり、健康診断ができるようにしていくそうです。

チョコザップのキャッチコピーは「コンビニジム」というもので、フィットネスジムを身近なものにしていくというイメージでしたが、ワンストップでいろんなサービスが受けられる場所、サービスのコンビニに近いイメージへと変化してきています。

さらには介護施設との併設まで可能性が広がっています。

SOMPOホールディングスが目指すは「保険が必要ない世界」!?では保険会社自身が安心・安全・健康な暮らしを支えるサービスを提供する企業への形を変え、自ら「保険のいらない世界」を作り上げようとしていることを紹介しました。

2030年代には健康寿命を5歳延伸|新産業構造ビジョン
2030年代には健康寿命を5歳延伸|新産業構造ビジョン

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

健康寿命を延ばす方法|2030年代には健康寿命を5歳延伸|新産業構造ビジョンで紹介した新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、2030年代の⽬指すべき将来像における「健康を維持する」という課題に対して、健康寿命の延伸(健康寿命を5歳延伸、平均寿命と健康寿命の差を短縮)に取り組むことが掲げられています。

健康寿命を延ばすために重要だと思うこと|平成28年版厚生白書
健康寿命を延ばすために重要だと思うこと|平成28年版厚生白書

参考画像:健康寿命を延ばすために重要だと思うこと|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

手軽に通えるフィットネスジムと介護施設の併設によって、健康寿命を延ばす取り組みへと向かっているように感じます。







『マツケンサンバII』の振付師・真島茂樹さん(77歳)が虚血性心不全のため死去。虚血性心疾患のリスクを下げるには?

『マツケンサンバII』の振付師・真島茂樹さん(77歳)が虚血性心不全のためなくなりました。

虚血性心疾患の代表例は、狭心症や心筋梗塞です。

→ 心筋梗塞 について詳しくはこちら

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の4大危険因子は、糖尿病高血圧脂質異常症・喫煙です。

→ 糖尿病 について詳しくはこちら

→ 高血圧 について詳しくはこちら

→ 脂質異常症高脂血症) について詳しくはこちら

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■心不全とは?

心不全とは、心臓の働きが不十分なことが原因で起きている体の状態のことで、病名ではないそうです。

心不全の症状としては、血液を送り出す能力の低下による症状と血液のうっ滞によって起こる症状があります。

血液を送り出す能力の低下による症状としては、心拍出量が減ったことが原因で、「疲れやすい」「だるい」「動悸がする」などの症状があります。

血液のうっ滞によって起こる症状としては、血液を送り出す能力が低下すると、心臓から前方へ血液が進みにくくなり、心臓の後方、血液を受け取る側で血液のうっ滞が起こります。

心不全の種類、程度、原因が様々あるように、その症状も多様で、紹介した症状が全ての患者さんに当てはまるわけでもなく、また、紹介した症状があるからといって心不全と判断できず、また他の病気の可能性もあるそうです。

息切れや動機、疲労感というのは年齢のせいかなとも思ってしまう症状ですので、自己判断が難しいようですね。

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■心不全になりやすい人とは?

●血糖値が高い糖尿病患者

血糖値高い糖尿病患者ほど心不全にー国循研究センターで紹介した国立循環器病研究センターによれば、血糖値が高い糖尿病患者ほど心不全で入院する割合が多いということから、血糖値と心不全には関係があることがわかったそうです。

「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」は、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、赤血球の寿命が長いため、過去1~2カ月の血糖状態を把握できます。

HbA1cが8.4%以上のグループでは心不全入院が多かったそうです。

また、心筋梗塞の持病をもともと持っている患者では、HbA1cが 8%以上と6.9%以下で心不全の危険性が高まる傾向にあり、心筋梗塞の持病をもともと持っていない患者では、HbA1cが低い方が心不全が少ない傾向がわかったそうです。

●メタボリックシンドローム

慢性心不全患者:メタボの人の割合、一般の2倍--厚労省が全国調査で紹介した厚生労働省研究班の全国調査によれば、慢性心不全患者の人は、メタボリックシンドロームの人の割合が一般の人の2倍以上であることそうです。

メタボを放置すると心筋梗塞(こうそく)を発症し、慢性心不全へと移行する可能性が示唆されています。

●高血圧

心不全の原因は様々で、心筋梗塞などの心臓病だけでなく、高血圧で心臓に負担がかかっている場合も心不全の原因となるそうです。

高血圧以外にも、動脈硬化やアルコール、遺伝、感染症が原因となって心臓病になり、過労やストレス、暴飲暴食、風邪などの因子が加わって、心不全の症状が現れるそうです。

●鉄分不足

心臓は1日に約10万回鼓動していて、加齢とともに心臓機能は落ちていきます。

心臓では収縮や拡張が繰り返されていますが、心臓の機能が弱くなると、十分な血流を送ることができずに、心不全に陥りやすくなってしまいます。

いま心臓が衰えた人が増えているそうで、例えば、体を動かすと息切れを起こす、疲れやすいという方は、心不全の一歩手前の心不全の予備軍の可能性があります。

心臓の機能が低下・衰えている理由として、心臓に必要な栄養素が足りていないのではないかという説があるそうです。

その栄養素とは、「鉄分」。

身体の中には、3~5gの鉄分(釘1本分)が含まれていて、鉄分を含むヘモグロビンが全身に酸素を送っています。

また、鉄分は筋肉を動かすエネルギー源になり、鉄分が不足することによって心臓も動きが悪くなると考えられます。

スタミナアップ!ミトコンドリアを増やす2つの方法|ためしてガッテン 8月26日によれば、「鉄」はミトコンドリアがATP(エネルギー)を作り出すのを助ける働きをしてくれるそうです。

そこで、鉄分を補給することによって、心不全を予防できるのではないかという説が立てられたのです。

→ 鉄分の多い食品 について詳しくはこちら

●新型コロナウイルス感染

コロナ感染が心不全のリスクを高める?によれば、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の持続的な感染が心不全のリスクを高める可能性があることを、ヒトiPS細胞を用いた実験で明らかにしました。

■心不全のサイン

【たけしの家庭の医学】握力を鍛えて血管年齢若返り!NO分泌入浴法のやり方!によれば、握力を維持できていない人は心血管疾患による死亡リスクが高いと考えられ、反対に握力が維持できている人は心血管疾患による死亡リスクが低いそうです。

【補足】

握力が強いほど長生き?|循環器病の発症リスクも低い|厚生労働省研究班(2012/2/20)

厚生労働省研究班の約20年間にわたる追跡調査によれば、握力が強いほど長生きする傾向があり、死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていたことがわかったことで、健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるそうです。

”#血圧サージ”が危ない~命を縮める血圧の高波~|タオルグリップ法(ハンドグリップ法)|#NHKスペシャル #ガッテンで取り上げたカナダ・マクマスター大学の研究者によれば、8週間のアイソメトリックハンドグリップ(IHG)トレーニングをしてもらったところ、血圧が低下し、動脈の拡張能力が増加することがわかったそうです。

高血圧の代替療法として効果的なのはウォーキングなどの「有酸素運動」と「ハンドグリップ法」であるとして、その理由として、有酸素運動やハンドグリップ法をすると、血管の内皮細胞から血管の壁を柔らかくして血管を広げる作用がある一酸化窒素が出てくるためと紹介されています。

握力は健康のバロメーター!?|握力低下は心臓発作・脳卒中リスク増加に関連(2015/5/15)

カナダ・マクマスター大学(McMaster University)が主導した国際研究チームは、握力が健康のバロメーターになる可能性についての研究を行ない、その結果、握力が低下すると、心臓発作や脳卒中の発症リスクの増加に関係していることがわかったそうです。

具体的には、握力が5キロ低下するごとに、何らかの原因による死亡リスクが16%増加する関連性が認められ、この握力低下は、心臓発作リスクの7%増、脳卒中リスクの9%増にそれぞれ関連していたそうです。

■虚血性心疾患のリスクを下げるには?

食事からのマグネシウム摂取量が多いグループは虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の発症リスクが低い|#国立がん研究センター

食事からのマグネシウム摂取量と循環器疾患発症との関係(男性・女性)
食事からのマグネシウム摂取量と循環器疾患発症との関係(男性・女性)

参考画像:食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患発症との関連-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果-(2017/9/8、国立がん研究センター)|スクリーンショット

国立がん研究センターと国立循環器病研究センターの共同研究によれば、食事からのマグネシウム摂取量と循環器疾患(脳卒中及び虚血性心疾患)との関連を検討したところ、マグネシウム摂取量が多いグループは虚血性心疾患の発症リスクが低いことがわかったそうです。

●魚、果物、大豆による循環器疾患の発症リスク

多目的コホート研究の先行研究では、魚、果物、大豆による循環器疾患の発症リスクの低下が報告されています。

魚・n-3脂肪酸摂取と虚血性心疾患発症との関連について|多目的コホート研究

魚を多く食べるグループで虚血性心疾患のリスクが低下

n-3系多価不脂肪酸摂取量が多いグループで虚血性心疾患のリスクが低下

多目的コホート研究によれば、魚やオメガ3脂肪酸の摂取量が多いと、虚血性心疾患に予防的な効果があるということが示されています。

【関連記事】

野菜・果物と全がん・循環器疾患罹患との関連について|多目的コホート研究

果物で循環器疾患のリスク減

果物の摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループより循環器疾患リスクが19%低いという結果が出ましたが、野菜と循環器疾患リスクとの関連はみられなかったようです。

イソフラボンと脳梗塞・心筋梗塞発症との関連について

大豆をよく食べる女性グループで脳梗塞・心筋梗塞のリスクが低下

大豆を週に5日以上摂取するグループで、週に0-2日摂取するグループに比べて、脳梗塞のリスクが0.64倍、心筋梗塞のリスクが0.55倍、循環器疾患による死亡リスクが0.31倍と低いことがわかっています。

なぜ喫煙によって虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)リスクが上がってしまうのか?

喫煙は、糖尿病高血圧脂質異常症と並び、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の4大危険因子の1つなのだそうです。

なぜ喫煙によって虚血性心疾患リスクが上がってしまうのでしょうか。

喫煙によって、直接血管の壁が傷害され動脈硬化が促進されます。

それだけでなく、喫煙は、血清脂質に悪影響を及ぼし、善玉のHDLコレステロールを減少させ、悪玉のLDLコレステロールを増加させたり、ニコチンを介して血圧上昇させたりすることによって動脈硬化促進を助長させます。

また、フィブリノーゲンなどの凝固因子を増加させ、血小板の粘着及び凝集を高め血栓が形成されやすい(血が固まりやすい)状態となり、血管も収縮しやすくなるので、心筋梗塞の引き金となります。

血管がぼろぼろになる、血液がどろどろになるというのは、決して食事や運動などだけの問題ではないのです。

喫煙が健康への影響について記事の中から簡単にまとめてみました。

喫煙により虚血性心疾患のリスクは約3倍になるそうです。

また、1日の喫煙本数が多いほど心筋梗塞のリスクが増加することがわかったそうです。

逆に、禁煙すると、2年以内で虚血性心疾患の発症リスクが低下したそうです。

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