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クリスティアーノ・ロナウドの一日の食事(食生活)のパターンとは?




【目次】

■クリスティアーノ・ロナウドの一日の食事のパターン

Cristiano Ronaldo

by Jan S0L0(画像:Creative Commons)

クリスティアーノ・ロナウド選手は食事にも気をつけているようです。

クリスティアーノ・ロナウドの食生活

(2012/3/26、サッカーのための筋トレと栄養(from mixi))

(CRISTIANO RONALDO WORKOUT & TRAINING ROUTINEより)

<1日の食事パターン例>

朝食:フルーツジュースとシリアル(小麦・穀物)など。

昼食:サラダと一緒に、鶏肉や色々な肉を食べる。加えて、ジャガイモや小麦パスタ、野菜などから炭水化物を摂る。

間食:ツナロールなどを食べる。

夕食:昼食と同じパターン

<重要ポイント>

・炭水化物をよく食べる

・脂質を控える

・かなりの量のタンパク質

・食生活に厳しい

クリスティアーノ・ロナウド選手はトレーニングにも食事にも厳しい選手であり、そうしたことが現在のパフォーマンスの秘訣なのだと思います。

→ クリスティアーノ・ロナウドの肉体(筋肉・腹筋・体幹)の作り方

●炭水化物

サッカーにおけるコンディショニングの大切さ|栄養補給のポイント(試合前日・試合当日・キックオフ前・ハーフタイム)錦織圭選手のコンディショニング戦略(栄養管理・ピリオダイゼーション・ケガの予防)でも紹介しましたが、アスリートにとって最も重要なのは、試合や練習までに、いかに多くのエネルギー源=糖質を蓄えておけるかであり、そのためには、炭水化物を適度に摂ることは欠かせません。

また、エネルギーに変えるためには、ビタミン・ミネラルが必要になるので、野菜も必要です。

●タンパク質

プロテインとは?|プロテインを摂れば筋肉ができるの?|プロテインを選ぶポイントで紹介しましたが、たんぱく質は、筋肉や皮膚、血管、髪の毛などに必要な栄養素であり、筋肉量が多いスポーツ選手はタンパク質を多く摂取する必要があります。

一般人なら1日に体重1kgあたり1gのたんぱく質で十分ですが、筋肉量が多いスポーツ選手は体重1kgあたりおよそ2gのたんぱく質が必要です。

たんぱく質は肉・魚・卵・大豆製品などの食事から摂取することができます。

しかし、食材によっては多くの脂質も摂取してしまうことがあるため、良質なたんぱく質が手軽に補給でき、高タンパク低脂質食を実現できる「プロテイン」をうまく活用していくとよいのではないかと思います。

筋肉で身体を大きくしたい人は、動物性(牛乳タンパク)の「ホエイプロテイン」を選び、内側から身体を引き締めたい人は、植物性(大豆タンパク)の「ソイプロテイン」を選ぶとよいそうです。

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●脂質を控える

ロナウド選手は脂質を抑えているようですが、これからのスポーツ栄養のトレンドを考えると、良質の油を摂取していく流れになっていくと思います。

スポーツ栄養では魚の油に含まれるDHA・EPAを摂取することが世界的トレンドに!炎症を抑える・疲労回復・持久力に効果によれば、スポーツ栄養では、魚の油に含まれているDHA・EPAを摂取することが世界的トレンドになっているということです。

サッカー選手はオメガ3を摂ってケガしにくい体質を作ろうによれば、ドイツ1部リーグのドルトムントのフィットネス責任者に就任するライナー・シュレイさんによれば、選手のパフォーマンスを向上させるカギは「油」なのだそうです。

オメガ3には炎症を抑える効果があり、ケガを予防するためにも、オメガ3を摂って、それ以外の油を摂らないことが望ましいそうです。

オメガ3脂肪酸はえごま油、シソ油、亜麻仁油、くるみ、青魚、緑黄色野菜、豆類などの食品に含まれています。

なぜ、リオネル・メッシは、今シーズン、ケガしなくなったのか?(2009年)では、チームによるメッシの体質を改善するための特別プログラムの中に、魚を多く摂ることというものがありました。

オメガ3を摂ればケガが予防できるというわけではありませんが、できる限りケガしにくい体質を作っていくということはスポーツ選手にとって大事なことだと思います。

→ オメガ3脂肪酸 について詳しくはこちら




■クリスティアーノ・ロナウドの食事ルール

決め手はあの恩師の助言…C・ロナウド、専門家絶賛の食事管理とは

(2017/2/14、SOCCER KING)

「ファストフードやスイーツは一切食べないし、炭酸や糖分が入った飲料は全く飲まない。また、食べ物にソースはかけず、揚げ物もほとんど口にしない。食事は魚と野菜が中心で、新鮮なものを常に決まった時間に摂る。フィジカルトレーニングが終了してから食事を開始するまで1時間以上は空けない。夕食は極めて軽い物で済ませ、就寝の2時間前には必ず済ませる。彼はこういった細かいことを徹底している」

また、スペインの健康食品グループ『Teresa Healthy Food』のCEOジョルディ・バーリ氏によれば、クリスティアーノ・ロナウド選手は次のような食事のルールを設けているそうです。

このようなアスリートにベストの食事方法を選ぶようになったきっかけというのが、ジョルディ氏によれば、アレックス・ファーガソン監督のアドバイスだったそうです。

アレックス・ファーガソン監督から『食生活は成功するための重要な鍵だ』と言われ、口にする全ての物をコントロールするようになった

良い選手が育つためにはよい指導者が欠かせないものですね。

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スポーツにおいて月経について語ることはタブー?|生理による鉄欠乏症がスポーツでのパフォーマンスに影響している!?

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■スポーツにおいて月経について語ることはタブー?|生理による鉄欠乏症がスポーツでのパフォーマンスに影響している!?

【リオ五輪】中国の競泳選手、生理とスポーツのタブー破る

(2016/8/16、BBC)

「昨日、生理が始まったので。だからすごく疲れていて……でもそれは理由にならない。今日の自分の泳ぎは良くなかった」と傅選手は述べた。

中国競泳の傅園慧(フ・ユアンフイ)選手が生理とスポーツにおけるパフォーマンスとの関係についてコメントしたことについてBBCが取り上げています。

なぜこのことがニュースになっているのでしょうか。

それは、女性アスリートが生理(月経)について話題として触れることは「タブー」なのだそうです。

月経中の競技参加は確かに「紛れもなくタブーな話題だ」と、スポーツ医学に詳しいジョージー・ブルイベルスさんはBBCに話した。
「(世界レベルの)コーチの多くは男性なので、『いま生理中です』と言い出しにくい女性選手にとっては大変だ」と言うブルイベルスさんは、月経と競技の関係について認識を広めて今まで以上に研究を促すためには、傅選手の発言のようなきっかけが必要だと指摘する。

世界レベルのコーチの多くは男性であるため、生理であることを伝えづらいと考えている女性選手も多いでしょうね。

最近では、フィギュアスケーターの鈴木明子さんが月経とスポーツの関係について語っていたことが思い出されます。

鈴木明子さん 月経の悩み・番外編(1)シーズン中は生理止まる

(2015/10/28、読売新聞)

五輪を目指してトレーニングがハードになっていってからは、シーズン中の半年は生理が止まり、シーズン終了とともに戻るという状態でした。シーズンが終わると図ったように生理が戻っていたので、私の場合は、体重の増減というよりは精神的なものの影響が大きかったのではないかと思います。

 生理中には腹痛、体に重さやむくみがあり、終わるとすっきりして体がよく動くように感じていました。生理中よりも、生理前の排卵時の「腰が割れるような」痛みの方がひどく、痛み止めを飲んでいました。生理が止まっている時も、排卵痛だけあることもありました。

このようにしてオープンに生理(月経)とスポーツの関係について語られること自体がタブーに近いことだとは知りませんでした。

女性選手を受け持つ男性コーチならば知っていてほしいことですが、オープンにされていない状況では難しいことだったかもしれません。

【参考リンク】




■女性アスリートには月経不順や無月経と診断される人が多い

Cal Women's Swim

by Ariel Hayat(画像:Creative Commons)

女性アスリートが陥る3つの障害は「栄養不足」「月経(月経不順や無月経)」「骨」で紹介した順天堂大学付属浦安病院の「女性アスリート外来」で婦人科を担当する窪麻由美さんと中尾聡子さんによれば、陸上選手は貧血症状で診察を受けたところ、月経不順や無月経と診断される人が多いそうです。

大会や合宿中に月経になると集中できない、月経前にイライラするなど、一人一人悩みは違います。月経周期が不順の人や、3カ月以上ない「続発性無月経」の人もいます。足に痛みが出たので外来で診察を受けたら月経がなかったとか、初潮がこないまま18歳や20歳になり、ない方が楽だからとそのままにしていたケースもあります。

女子アスリートの5人に一人が疲労骨折を経験、「無月経」の状態の人も多いによれば、日本産科婦人科学会などが、大学などでスポーツに取り組む女子アスリート1600人を対象に調査したところ、月経が3か月以上ない「無月経」の状態の人も多いことが分かっているそうです。

やせすぎも注意 月経異常、骨粗しょう症 子どもの健康に影響によれば、過度なダイエットをすると月経が止まり、低血圧疲れやすくなったり、便秘になったり、思考や記憶力も低下するそうです。

→ 生理不順(月経不順) について詳しくはこちら

初潮がきていない「原発性無月経」になると、オリンピックを目指すようなアスリートでは、骨の成長の面でも競技成績の伸びの面でも、厳しくなる可能性があります。

身体の成長を視野に入れたうえで、アスリートのトレーニングについて考えてほしいと思います。

→ 貧血に良い食べ物・食事 について詳しくはこちら

→ 鉄分|鉄分の多い食品・鉄分不足からくる症状 についてはこちら

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■生理による鉄欠乏症がスポーツでのパフォーマンスに影響している!?

英聖メアリ大学とユニバーシティー・コレッジ・ロンドンの共同研究プロジェクト「女性アスリート健康グループ」に参加するブルインベルスさんは、1800人以上の女性競技者を調査してきた。
「調査した女性アスリートの半数以上が、月経周期が自分の競技内容に影響すると答えた」とブルインベルスさんは言う。
スポーツ選手のプレイに生理がどう影響するのか、まだ研究は不十分だが、ブルインベルスさんはひとつの要因として鉄欠乏症に注目している。
「先進国では月経が鉄欠乏症の最大原因だが、自分がそうだと気づいていない女性が多い。運動できる時間に影響するかもしれないし、(選手が使える)酸素の最大値にも影響するかもしれない」と言うブルインベルスさんは、生理中はどうも調子が出ないと思う女性アスリートは、血液中の鉄の数値を調べてもらった方がいいと促している。

1800人以上の女性競技者を調査してきたブルインベルスさんによれば、生理による鉄欠乏症がスポーツでのパフォーマンスに影響しているのではないかと考えられるそうです。

鉄分不足になると、様々な症状が現れます。

■鉄分不足による貧血の症状

酸素不足(わかりやすく言えば酸欠状態)は体全体に症状が現れますが、身体の部位に応じて貧血の症状が現れます。

 border= 筋肉における貧血の症状

●疲れやすい・体がだるい

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 border= 脳における貧血の症状

●立ちくらみ

●めまいがする

●倒れる・失神

●頭の働きが鈍い

頭痛(頭が痛い)

【関連記事】

 border= 心臓における貧血の症状

●(動くと)動悸・息切れ

【関連記事】

 border= その他の貧血の症状

●イライラする

●顔色が悪い・顔色が青白い

●吐き気がする

●食欲がない

●運動するのがつらい

【関連リンク】

こうした症状を見てみると、生理によって鉄欠乏症に陥ったり、貧血の症状が現れるとすれば、どんなにスポーツでのパフォーマンスに影響するか推測できます。

■プロテニス界の女子選手に対する体のケアへの取り組み

「テニス選手と月経」の関係性 杉山愛が引退後に直面した「女性としての体」の苦悩

(2018/7/8、THE ANSWER)

私が初めて婦人科の検査を受けたのは20代後半。所属していたWTA(女子テニス協会)が設けていた医者との面談がきっかけです。プロテニス界はグローバル社会。欧米諸国の選手も多いため、女性選手に対しての体のケアも進んでいました。

「ちゃんと検査を受けている?」と聞かれ、「受けていない」と言うと、その場でアポイントメントを取り付けてくれ、検診へ。当時27、28歳でしたが「内診は初めて」と伝えたら、とても驚かれました。日本は現在でも、婦人科検診を定期的に受けている方は非常に少ないと思いますが、当時からアメリカなどでは常識だったので、それも当然。以降は、国内の病院で女性の先生を探し、年に1度は婦人科検診を受けていました。

#宇多田ヒカル、「婦人科に定期的に検診に行くことは、すごく大事」では、宇多田ヒカルさんは婦人科に定期的に通うことを勧めていましたが、日本の女性は更年期症状やPMSなどの女性特有の症状に対しての自覚率が低いによれば、日本の女性はアメリカの女性と比較すると、女性特有の症状に対する関心が低く、そうした症状に対する行動(婦人科を受診するなど)をしない傾向にありました。

【関連記事】

■まとめ

「昨日、生理が始まったので。だからすごく疲れていて……でもそれは理由にならない。今日の自分の泳ぎは良くなかった」と傅選手は述べた。

中国競泳の傅園慧(フ・ユアンフイ)選手がこのようにコメントしたことが話題になること自体がそもそも問題なのだと思います。

オリンピックのようなスポーツの大会において、女性が最大限のパフォーマンスを発揮してもらうためにも、生理をはじめとする女性の健康について一度考える必要があるのではないでしょうか。







【貧血関連記事】
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アイススラリーは深部体温の上昇を抑えるアイデア!熱中症対策・夏バテ防止に!/アイススラリーの作り方とは?/おかえりモネ




アイススラリーは深部体温の上昇を抑えるアイデア!熱中症対策・夏バテ防止に!アイススラリーの作り方とは?
アイススラリーは深部体温の上昇を抑えるアイデア!熱中症対策・夏バテ防止に!アイススラリーの作り方とは?

Element5 Digital|unsplash

東京オリンピック2020の男子マラソン代表服部勇馬選手が深部体温40度以上で重度の熱中症の症状だったというショッキングなニュースがありました。

【参考リンク

このタイミングでNHKの朝ドラ「おかえりモネ」では「深部体温とパフォーマンス」の関係が話題になりました。

調べてみたところ、女性アスリートの暑熱環境下における体温調節と水分補給によれば、「暑い環境での運動では、深部体温の上昇や発汗による脱水が促進されることから常温環境よりも特に有酸素系のパフォーマンスが低下する」ことが報告されているそうです。

深部体温の上昇を抑えるアイデアの一つが「アイススラリー」。

アイススラリーとは、微細な氷と液体がシャーベット状に混ざった飲料で、氷が水に溶ける際に体内の熱を多く吸収するため、冷たい飲料を摂取するときよりも高い冷却効果が期待されます。

【参考リンク】

■アイススラリーの作り方

アイススラリーは専用機械で作られていてコンビニや薬局で購入できますが、自作でもアイススラリーに近いクラッシュドアイスで代用することが可能です。

作り方は、氷:スポーツ飲料=3:1でミキサーにかけて、魔法瓶に注いで保存しておきます。

■まとめ

アイススラリーはスポーツをする人にとってのコンディショニングや暑熱対策だけでなく、私たちが炎天下に屋外で過ごすときの熱中症対策や夏バテ防止にも役立ちます。

眠くなる時は体の深部の体温が下がる!就寝前の体温(深部体温)を下げる工夫によれば、良い睡眠のためには、就寝前に深部体温を下げることが重要なのですが、深部体温が高いままだと寝つきが悪く、睡眠不足から夏バテを起こし、熱中症にもなりやすくなります。

【関連記事】

アイススラリーなどのアスリートの暑熱対策から得られたアイデアを参考に熱中症対策・夏バテ防止を行ないましょう。

ただ、注意も必要で、アイススラリーは大量に摂取すると胃腸を壊しやすく、体温も下がりすぎるため、少量ずつこまめに飲むことを心がけましょう!







【クロ現プラス】乳酸革命|乳酸は”エネルギー源”|乳酸トレーニングを取り入れた競泳・萩野公介選手の肉体の秘密とは?【論文・エビデンス】

2018年10月11日放送の「クローズアップ現代+」では「乳酸で持久力アップ!意外なトレーニング法▽萩野公介選手」を取り上げます。




■乳酸トレーニングを取り入れた競泳・萩野公介選手の肉体の秘密とは?

乳酸といえば、昔は「疲労物質」というイメージがありましたが、近年では、乳酸値の高さは「全力を出し切ったかどうか」を示す数値という考え方に変わってきているそうです。

→ 疲れの原因は「乳酸」ではない?|「乳酸」の蓄積と疲労は直接の関係がない!

Jリーグで首位争いを繰り広げるサンフレッチェ広島は、乳酸に精通したコーチを招き、選手全員の乳酸値を測定し、トレーニング方法を一新したところ、スプリント回数(時速24kmのダッシュ回数)が2017年126回→2018年142回で、走行距離は2017年111.2km→2018年113.0kmに上昇し、試合終盤になっても走り負けないサッカーができるようになりました。

2016年9月19日放送の「アスリートの魂」の「水の覇者になる 競泳 萩野公介」では、萩野公介選手の肉体の秘密を取り上げていました。

番組では練習後に萩野選手の乳酸値を測定したところ、その数値は20.5ミリモル(ミリモルは乳酸濃度)で、この数値は他の日本代表選手の2倍に近い数値です。

つまり、萩野選手はそれだけ自分自身を限界まで追い込んでいるということが分かります。

乳酸が一定以上たまると、脳が筋肉の動きを抑制し、10ミリモルを超えるとアスリートでも思うように体を動かせなくなるそうですが、萩野選手は、通常の選手の限界値を超えても体を動かすエネルギーを作り出せるのです。

【参考リンク】

■乳酸はエネルギー源である!

RIMPAC 2012 international swim meet [Image 8 of 13]

by DVIDSHUB(画像:Creative Commons)

番組で解説をされる八田秀雄さん(東京大学大学院教授)の記事によれば、乳酸とは老廃物ではなく”エネルギー源”なのだそうです。

乳酸の基本

乳酸は糖を利用する途中でできるものですから、老廃物ではなくエネルギー源です。スポーツドリンクなどにも乳酸が入っています。肉、魚、ヨーグルト、ワイン、漬け物等、いろいろな食品にも入っていて、乳酸は食事でも多く摂取されています。そして乳酸を摂ることはエネルギー源を摂ることです。乳酸がエネルギー源ということはミトコンドリアで使われるということです。特に運動中には遅筋線維や心筋で多く使われています。一方運動中には速筋線維から乳酸ができています。そこで速筋線維で乳酸ができて、それが遅筋線維や心筋で使われています。また同じ一つの筋細胞の中でもまず糖から乳酸ができて、それがその細胞にあるミトコンドリアに入って使われるということもいわれています。







【参考リンク(論文・エビデンス)】

どうしたらスポーツのコーチングレベルが上がるのか?|アーバンスポーツとトラディショナルスポーツのコーチングの違い|ヒントは「オープンソース」?




■どのようにしたら監督・コーチのレベルが上がるのか(トレーニング理論がより良くなるのか)?

Coach Brad Stevens

by Bradjward(画像:Creative Commons)

バルサも採用するサッカーのコンディショニング理論「ピリオダイゼーション/PTP」という記事は定期的に見ていただいている記事です。

【参考記事】

この記事の元記事はNumberで紹介されており、見たときにはこれほどの内容をウェブで公開するなんて素晴らしすぎると思ったものでした。

昔であれば、本を読んだり、指導者に教えを仰ぐという方法(もちろんこれが一番いい方法だと思いますが)しかなかったもののウェブ上でこうした情報が公開されることによって、このトレーニング理論を試してみようと考える人も出てきていると思います。

また、こうした理論はそのスポーツだけでなく、ほかのスポーツの発展にも役立っていくのだと思います。

先日Twitterを見ていたら、バルサも採用するサッカーのコンディショニング理論「ピリオダイゼーション/PTP」を「ラクロス」に使えるのではないかと考えている方がいました。

このようにして一つのトレーニング理論が他のスポーツに波及するなんて面白いですよね。

そして、このトレーニング理論を試してみた別のスポーツの研究結果をまたフィードバックすることができればよりよいトレーニング理論ができていくのだと思います。

では、アスリートと指導者の情報共有コミュニティを仮に作るとしたら、どうなるといいでしょうか?

●テキスト・画像・動画でトレーニングの様子を公開

アスリート自身が自身のトレーニング風景を動画で撮影して、子ども、学生などのアマチュアからプロまでが、その情報を共有します。

その情報一つ一つに対して価格を設定し、学生向けには低価格で提供したり、プロに対してはある程度の価格で提供できるなど柔軟な価格帯を用意します。

そして、その情報が今後のアスリートの育成費用となっていきます。

【参考リンク】

●コーチ自身のトレーニング理論をプレゼンし、プロのコーチの転職活動や採用活動に活かす

リンクトインのようなスポーツコーチ版の転職SNSも作り、コミュニティ内でコーチ自身のトレーニング理論をプレゼンし、プロのコーチの転職活動や採用活動に活かすことができます。

ウェブで公開しているのはあくまで言葉なので、どうしても伝わる内容には限りがあります。

動画などを活用する方法もありますが、知りたい内容(わからない内容)と教える内容がマッチしていなければいけません。

トレーニングにおいてどういう点で悩んだのかや試行錯誤した点、非言語の部分などやはり文章で伝えるには限界があるのです。

そうなると、その指導者に直接教えを仰ぎたいと思ったチームの採用担当者がオファーをするようになるでしょう。

●スポーツ栄養学コミュニティ

女性アスリートが陥る3つの障害は「栄養不足」「月経(月経不順や無月経)」「骨」によれば、カロリーは摂れていても食事内容がよくなかったり、栄養バランスが悪かったり、体重制限などで食事を減らしていることによって、栄養不足になっているケースがあります。

女性アスリートの三主徴(FAT)等|男女共同参画白書(概要版) 平成30年版によれば、女性アスリートの選手生命に大きな影響を及ぼす徴候として、摂食障害の有無によらないエネルギー不足・無月経・骨粗しょう症が挙げられており、新体操や体操、フィギュアスケート等の「審美系」競技など、体重管理の重要性の高い競技で多く見られるそうです。

このようにスポーツ栄養学が広まっていなかったり、男性コーチが女性アスリートの健康についての関心が低かったために、選手生命に大きな影響を及ぼすエネルギー不足・無月経・骨粗しょう症を起こしていることがあります。

スポーツ栄養学コミュニティができることで、アスリートとコーチが学んでいくと、アスリート、特に女性アスリートの成績の向上につながることが期待されます。

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■まとめ

伝統的なスポーツとアーバンスポーツの考え方の違いは、コーチングシステムの違いにあると考えられます。

伝統的なスポーツではコーチと選手という明確な関係性がありますが、アーバンスポーツでは、選手の動き(の動画)を見て真似することで、誰かが誰かのコーチにいつの間にかなっています。

上手くなるには、単純に時間をかければ上手くなるというわけではなく、目的意識をもってフィードバックをすることが重要です。

適切な問題さえ生まれれば。|ほぼ日では、「Ruby」というオープンソースのプログラムを作ったまつもとゆきひろさんが語った「オープンソースの秘密」の話で、毎日動きを続けていると適切な大きさの問題が次々に生まれ、それを解決する人が現れるそうです。

まるで新聞にクロスワードパズルが載っていたら、勝手に解くように。

大事なことは、何か意味があるからやるんじゃなくて、自分が解決したい問題がそこにあるから解いているだけであって、自分のためにやっていることが結果誰かの役に立つことがあるということです。

「いい」「悪い」といった善悪の判断、利己・利他といったものでもなく、本能的についやってしまう行動が積み重なり、その総体がいい方向に向かうというのが良いプロジェクトなんですね。

そうまるで、アーバンスポーツのコーチングシステムは「オープンソース的」ではないでしょうか?

ただ自分がうまくなりたいと思って、技を習得しようとしてできたことを動画に取ったことは自分のためにやったことですよね。

それが結果誰かにとってのコーチングになっている。

つまり、新しい時代のコーチングは、オープンソース的になることが一つの方法です。

オープンソースのメカニズムにおいて大事なことは「とにかく動き続けること」、そして魅力的な問題を生み出し続けることです。

【追記(2021/4/20)】







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