「医学」カテゴリーアーカイブ

男性Y染色体はなくならない?|米ホワイトヘッド生物医学研究所

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by Brian Snelson(画像:Creative Commons)




男性Y染色体は不滅? =遺伝子減少に歯止めか―サルと比較し解明・米研究所

(2012/2/23、時事通信)

男性であることを決めるY染色体は小さくなり続け、将来は遺伝子がなくなってしまうとの学説があるが、ヒトがアカゲザルとの共通祖先から分かれた約2500万年前以降は古来からの遺伝子で機能を失ったものは1個しかなく、安定している可能性があることが分かった。

米ホワイトヘッド生物医学研究所などの研究チームが22日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。

世界人口70億人に|なぜ男性過多になっているのか?の中で

「およそ1000年後にはY染色体が跡形も消えてしまうおそれがある」(性の未来)(ネイチャー、2000年)(オーストラリア国立大学 ジェニファー・グレーブス)

だから、男と女はすれ違う―最新科学が解き明かす「性」の謎

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「だから、男と女はすれ違う」より

という説を紹介しましたが、米ホワイトヘッド生物医学研究所などの研究チームによれば、男性であることを決めるY染色体は安定しているようです。







「性教育で興味がわき、子供の性環境が悪化」と保護者クレーム

先日、避妊しない女性たち 調査の6割「大丈夫な気がした」という記事で、妊娠を望んでいないにもかかわらず、約6割の女性が効果的な避妊をしていなかったことがわかったということをご紹介しましたが、現在の性教育はどのようになっているのでしょうか?

 

「性教育増進で興味がわき、性環境が悪化」と保護者クレーム

(2012/2/13、NEWSポストセブン)

ある日の中学校の保健体育の授業。性感染症の種類や、その恐ろしさが教えられていた。例えばエイズ。その予防法は「コンドームを使うこと」が大切だと先生がいう。しかし、実は今の日本では、いつ、どのようにコンドームを使えばいいか──つまり性交そのものに関わる直接的なことは教えることができないのだ。

その理由は、1999年に改訂された中学の学習指導要領に、性教育において「妊娠の経過は取り扱わない」と明記されたことにある。「妊娠の経過」には「性交」が含まれるので、日本の性教育では性交については教えていない。つまり、性交を教えずにコンドームを使うことを教えるという、ねじれが生じているのである。

「性器の名前や、セックスについて教える必要はまったくない」

「性教育を増進することによって、かえって性への興味がわき、子供の性環境が悪化する」

このような、保護者からの批判によって、実際には性教育が全く行なわれていない学校もあるほどだ。

性教育を行うことによって、性への興味が湧くと考えている保護者からの批判により、性教育の自粛ムードが広がっているそうです。

しかし、本当に性教育を行うことで性への興味が湧くのでしょうか。

「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」(著 ニコラス・A・クリスタキス ジェイムズ・H・ファウラー)にこのことに関連したことが紹介されています。

性的に積極的な方が仲間に好かれると信じている若者は、愛情を伴わない気軽なセックスをしがちである。

ネットワーク内で他人とつながる経路が多ければ多いほど、ネットワーク内を流れるものの影響を受けやすくなるのである。

パートナーの多い白人はパートナーの多い白人とセックスし、パートナーの少ない白人はパートナーの少ない白人とセックスする傾向があるのだ。

結果として、性感染症は性行動の活発な白人からなる中核部にとどまる。

また、今回紹介した本によれば、避妊具の使用といったさまざまな恋愛行動や性行為は、自分が属するネットワーク内でそうした行為がなされているかどうかに強い影響を受けるそうです。

大事なのは、仲間・ネットワークだと思うのです。

「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」には、より効果的に性感染症を防ぐためには、どうしたらよいかということも書かれています。

セーフセックスのキャンペーンを展開する場合、コミュニティの全メンバーに平等にメッセージを送るよりも、性行動の活発なメンバー(ネットワークの中核部、すなわちハブ)に直接伝えれば最も効果があがるという結論も得られた。

人々がリスクにさらされるかどうかは、その人がどんな人であるかより、誰と知り合いであるかで決まるのだ。

ネットワークの全体図を描き、社会的ネットワークのハブを見つけ出し、そのハブであるメンバーに対して、メッセージを伝えるというのが最も効果的なのだそうです。

 

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脳内金属の研究、アルツハイマー病などの解明の手がかりに

The question

by Samuel Hearn(画像:Creative Commons)




脳内金属の研究、アルツハイマー病などの解明の手がかりに

(2012/2/2、ウォール・ストリート・ジャーナル)

鉄、銅、亜鉛などの脳内金属の研究が、アルツハイマー病やパーキンソン病といった変性疾患の謎を解き明かす一助となるかもしれない。

こうした病気の患者の脳には、正常なレベルを上回る鉄分と銅が蓄積されているようだ。

先月29日に公表されたオーストラリアの新たな研究では、脳内の過剰な鉄分を減らすことで、アルツハイマー病のような症状を緩和できる――少なくとも実験用ラットについて――ことが示された。

オーストラリアの研究によれば、鉄・銅・亜鉛などの脳内金属の研究がアルツハイマー病やパーキンソン病などの解明の手がかりになるかもしれないそうです。

 

■金属のメリット・デメリット

幾つかの金属は人体で不可欠な役割を果たしているが、病気になることでそのバランスが崩れ、害を及ぼす。

体の健康にとって欠かせないものであっても、病気になることでバランスが崩れることで害になると考えられるようです。

●鉄

正常な機能: 酸素の運搬に関わる。細胞のエネルギー生成に必要。
脳内での影響: 鉄分過多は、アルツハイマー病とパーキンソン病に関連。タンパク質と鉄分の供給や吸収に絡む変異は、ルー・ゲーリック病と多発性硬化症に関連があるとみられる。

鉄分が不足すると貧血のような病気を招きます。

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しかし、脳内で鉄分が多すぎると、アルツハイマーやパーキンソン病に影響を与えてしまうようです。

また、C型肝炎NASHの患者さんの場合も、鉄の摂取を制限する必要があります。

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C型肝炎/NASHの場合は、鉄が過剰に貯まる。=鉄過剰

※鉄過剰

肝臓にたまった鉄が酸化する

⇒肝臓に炎症を引き起こす

C型肝炎/NASHの患者さんの場合には、鉄の摂取を制限する

⇒6mg/日以下に抑える

体にとってどんなに大事な栄養素であっても、その時の状況によって、必要なモノがそうでないモノになってしまうんですね。

 

●銅

正常な機能: 酸素の運搬を助ける。しばしば鉄とともに作用。
脳内での影響:ウィルソン病は、銅の体外排出ができなくなり、言語障害や震え、筋肉のこわばりを生じる。銅の調節の乱れはメンケス病を引き起こし、銅のレベルは異常に低くなる。

 

亜鉛

正常な機能:DNAとRNAの生成を助ける。細胞死を調節する。短期の記憶と学習の役割を果たす。
脳内での影響: 亜鉛のレベルが低かったり、通常みられない部分に亜鉛が存在したりすると、記憶障害を引き起こすと考えられている。

また、ミシガン大学の名誉教授ジョージ・ブルーワー氏とニューヨーク州立大学オルバニー校のエドワード・フィッツジェラルド氏が昨年、「アメリカン・ジャーナル・オブ・アルツハイマーズ・ディディーズ・アンド・アザー・ディメンシアズ」に発表した論文によると、鉄分の増加に加え、正常値を下回る亜鉛のレベルが、アルツハイマー病とパーキンソン病の患者で認められた。

マサチューセッツ工科大学(MIT)、デューク大学、トロント大学で化学の教鞭を取るスティーブン・リッパード教授は、学習と記憶に関わる脳の領域である海馬で、亜鉛がニューロンの伝達を助けていることを発見した。この伝達が妨げられたり、亜鉛が本来存在しないところに導かれたりすると、記憶形成に影響を及ぼしたり、てんかん発作を起こしたりする可能性があるという。

正常値を下回る亜鉛のレベルであったり、本来存在しない場所に亜鉛が存在すると記憶障害を起こしてしまう可能性があるそうです。

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ES細胞により黄斑変性症で失明状態の患者2人の視力改善|米カリフォルニア大学ロサンゼルス校ジュールズ・スタイン眼研究所

Grace - Mirror

by Philip Dean(画像:Creative Commons)

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ES細胞で失明状態の患者2人の視力改善 米チームが発表

(2012/1/24、CNN.co.jp)

人体のあらゆる組織に成長する能力を持つ胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使って、失明状態と認定された患者2人の治療に成功したとの成果を、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校ジュールズ・スタイン眼研究所の研究者らがこのほど発表した。

2人とも視力が劇的に改善したという。

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校ジュールズ・スタイン眼研究所の研究者によれば、ES細胞を使った治療で失明状態の患者2名の視力の改善に成功したそうです。

一人は、黄斑変性症だったそうですが、片方の目を治療した結果、歩行や買い物、料理ができるようになったそうです。

スティーブン・シュワーツ博士によれば、

「暫定的な結果であり、失明の治療法が見つかったとはいえないが、再生医療における大きな前進だ」

ということであり、まだ失明の治療法が見つかったと大喜びはできないようですが、失明をなおす治療法においては大きな一歩といえるのではないでしょうか。

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緑内障治療へ新たな光明 カルパイン阻害薬で視神経を保護|東北大

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by geir tønnessen(画像:Creative Commons)

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緑内障治療へ新たな光明 投薬で視神経を保護

(2011/11/27、河北新報)

東北大大学院医学系研究科の中沢徹教授(眼科)らの研究グループは、特定のタンパク質分解酵素の活動を抑制する薬が網膜視神経を保護し、緑内障の改善に効果があることを確認した。

緑内障は40歳以上の約5%が発症し、失明の原因でトップの病気。

現在は眼圧を下げる以外の治療がなく、新たな治療法につながると期待されている。

緑内障は視神経の乳頭のねじれや萎縮が原因で網膜神経節細胞が死に至り、視野欠損と視力の低下を引き起こすことに、グループは着目。

この視神経を保護する手法の研究に取り組んだ。

東北大、カルパイン阻害剤が緑内障の治療に効果があることを確認

(2011/11/9、マイナビニュース)

その結果、神経挫滅と同様に、ビンブラスチン投与でも軸索流障害を起こし、網膜神経節細胞死が観察された。Cast-KOマウスや、その培養細胞では、より多くの網膜神経節細胞死が認められたほか、SNJ-1945の投与によって、病態モデル動物の網膜神経節細胞の生存率が有意に上昇し、培養した網膜神経節細胞にも保護効果が認められた。

東北大学大学院医学系研究科眼科学分野の中澤徹 教授らの研究グループは、緑内障モデルのマウスによる実験で、細胞内タンパク分解酵素である「カルパイン」の活性を抑制するカルパイン阻害薬「SNJ-1945」を投与してその神経保護効果を確認しました。

SNJ-1945が緑内障病態モデル動物に神経保護効果があることから、カルパイン阻害剤が緑内障の新しい治療薬となる可能性があるかもしれません。

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