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糖尿病になると、認知症の発症リスクが2倍高くなる!?

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■糖尿病になると、認知症の発症リスクが2倍高くなる!?

World Diabetes Day

by Oskar Annermarken(画像:Creative Commons)

糖尿病患者、認知症リスクが2倍に

(2015/11/13、読売新聞)

糖尿病を患うと、認知症の発症リスクが2倍高くなるという最新の研究報告を紹介。予防には血糖値を上げないことが大切で、そのための工夫として、「間食はなるべく避け、食事は野菜、魚・肉、ご飯の順で食べる。筋肉が衰えないように運動も行う」などと説明した。

東京大の植木浩二郎特任教授によれば、糖尿病になると認知症の発症リスクが2倍高くなるそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら

駆け込みドクター 5月17日|認知症|認知症チェック・認知症予防にアマニ油・デジタル認知症によれば、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクの高さと認知症(アルツハイマー病)には関係があり、アルツハイマー病の発症リスクは、糖尿病だと2倍、高血圧だと2倍、脂質異常症だと3倍になると紹介していました。

糖尿病がアルツハイマーのリスク高める?

(2015/5/26、WSJ)

ミズーリ州セントルイスのワシントン大学の研究者らは、マウスの実験で血糖値を異常に高い値に引き上げたところ、脳内のアミロイドベータの生産も増加し、双方に何らかの相関性があることを突き止めた。

ピッツバーグ大学で実施された約180人の中年の成人を対象とした試験では インスリン依存型(1型)糖尿病の患者は、この疾患を持たない被験者と比べ、はるかに多くの脳内病変が認められ、認知機能は低下していた。

血糖値の高さが脳に影響を及ぼす可能性があることが、2つの研究で示されています。

なぜ血糖値が高いとアミロイドβが生産されアルツハイマーのリスクが高まるのでしょうか。

インスリンはアミロイドから脳を守り、ニューロン(神経単位)と記憶の形成のつながりを改善するとされる。

<中略>

セントルイスのワシントン大学のマウスの実験で医師のデビッド・ホルツマン氏は、糖が脳内のニューロンに刺激を与え、さらにアミロイドが作られると示唆している。

インスリンには血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を調節する働きがありますが、今回の記事によれば、インスリンはアミロイドから脳を守る働きもあるそうです。

アルツハイマー病は、アミロイドβタンパクが脳にたまることで、神経細胞が死滅し、萎縮し、認知機能が低下することから起きると考えられています。

つまり、インスリンの分泌が低下したり、生成されなくなるということは、アミロイドから脳を守ることができなくなり、認知機能が低下してしまうと考えられます。

今回紹介した記事にもある通り、この2つの研究は決定的なものではないので、一つの説として受け止めるべきですが、血糖値をコントロールすることが認知症予防につながる可能性があるというのは覚えておいた方がよさそうです。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







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糖尿病が循環器疾患(心臓病・脳卒中)の危険因子であることを知っている人は5割未満|滋賀医科大

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【目次】

■糖尿病が循環器疾患(心臓病・脳卒中)の危険因子であることを知っている人は5割未満|滋賀医科大

循環器疾患の危険因子の認知度|心筋梗塞または脳卒中の原因として正しいと思うもの
循環器疾患の危険因子の認知度|心筋梗塞または脳卒中の原因として正しいと思うもの

参考画像:糖尿病が心臓病や脳卒中を引き起こすことを認知している国民は5割未満 (2017/3/27、滋賀医科大学プレスリリース)|スクリーンショット

糖尿病が心臓病や脳卒中を引き起こすことを認知している国民は5割未満

(2017/3/27、滋賀医科大学プレスリリース)

高血圧、高コレステロール血症、喫煙、不整脈、糖尿病、HDL コレステロール低値を循環器疾患の危険因子であると正しく回答した割合は、それぞれ 85.8%、72.6%、58.5%、49.8%、45.1%、38.5%であった。

2010年に実施した国民健康・栄養調査に全国から参加した20歳以上の男女2,891人を対象に行った調査結果を分析したところ、高血圧高コレステロール血症は循環器疾患の危険因子であることが広く認知されているものの、糖尿病や喫煙は強い危険因子だとは知られていないことがわかりました。




■心筋梗塞や脳梗塞のリスク要因

循環器疾患リスクチェック|心筋梗塞や脳梗塞の10年先の発症リスクがわかる|国立がん研究センターや藤田保健衛生大など循環器疾患リスクチェック|心筋梗塞・脳卒中(脳梗塞・脳内出血・くも膜下出血)の発症リスクを診断・血管年齢の推定|国立がん研究センター・第一生命保険によれば、循環器疾患リスクチェックツールが提供されていて、循環器疾患(心筋梗塞・脳梗塞・脳卒中)の発症リスクを診断することができます。

循環器疾患リスクチェックでは、次の項目を入力する必要があります。

つまり、これらの項目が循環器疾患のリスク要因となるわけです。

心筋梗塞や脳梗塞の原因は動脈硬化が進行することや血管内のプラークと呼ばれる脂肪などの固まりが破れて血栓ができてしまうことにあります。

動脈硬化は、動脈硬化の危険因子である高血圧脂質異常症高脂血症)、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、偏った栄養バランスの食事、アルコール、加齢、ストレスの有無などについて確認し、生活習慣を見直し、予防することが大切です。

動脈硬化は加齢とともに進行するため、一種の老化現象ともいえます。

しかし、動脈硬化は、急にあらわれるわけではなく、若いころから始まり、40歳を過ぎる頃に症状があらわれてくることが多いとのことです。

若いからといって安心してよいわけでなく、若いうちから動脈硬化にならないようにする生活習慣に変える必要があります。

■まとめ

糖尿病や喫煙は循環器疾患(心筋梗塞・脳卒中)のリスク要因ですので、みなさん注意してくださいね。

→ 心筋梗塞の症状・原因・前兆・予防 について詳しくはこちら

→ 脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら

→ 脳卒中の前兆・原因・予防 について詳しくはこちら

また、健康診断のデータを入力するだけで今後10年間の心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中の発症リスクを予測する手法が開発されていますので、みなさんもぜひ一度チェックしてみましょう。

【参考リンク】







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微量血液でアルツハイマー病を早期診断|国立長寿医療研究センター、島津製作所のノーベル賞・田中耕一さんらと開発




【目次】

■微量血液でアルツハイマー病を早期診断|国立長寿医療研究センター、島津製作所のノーベル賞・田中耕一さんらと開発

Checking Blood Sample

by National Eye Institute(画像:Creative Commons)

アルツハイマー、血液で早期検査=治療薬開発に貢献へ―長寿医療研など

(2018/2/1、時事通信)

研究グループは、アミロイドベータに関連し、脳から血液中にわずかに漏れ出した3種類の物質を調べ、異常な蓄積の有無を判断する方法を確立した。この方法で日本とオーストラリアの計232人を調べたところ、PETの結果と9割が一致した。

 検査する物質3種類のうち1種類は脳に蓄積しやすいため、異常な蓄積が起きると血中に出る量が減る。他の2種類は蓄積しにくく、血中の量はあまり変わらない。これらの比率を調べ、異常な蓄積の有無を判断する。

国立長寿医療研究センターと島津製作所などの研究グループによれば、アルツハイマー病の原因とされる物質を早い時期に血液を使って検査する方法を開発したそうです。

以前、血液検査で認知症の兆候を精度80%で識別することに成功―筑波大など(2015/6/29)によれば、内田和彦筑波大学医学医療系准教授らのグループが正常な認知機能と、認知症予備軍とされる軽度認知障害(MCI)を血液検査でバイオマーカーを使って識別できる方法の第一歩となる技術を開発したと紹介しましたが、アルツハイマー病の早期発見に向けての研究が進んでいるようですね。

 研究グループによると、アルツハイマー病患者の脳には、認知症が現れる20年以上前から異常なたんぱく質「アミロイドベータ」が蓄積され始める。蓄積を検出するには陽電子放射断層撮影(PET)などが必要だが、高額の費用などが問題だった。

これまでにもアミロイドβとアルツハイマー型認知症の関係について取り上げてきました。

しかし、アミロイドβの蓄積がアルツハイマー病の原因の一つと考えられていても、その蓄積を検出するには陽電子放射断層撮影(PET)などが必要だったのですが、高額の費用など問題がありました。

今回の研究では、脳から血液中に出た3種類の物質を調べ、一種類は脳に蓄積しやすく、他の2種類は蓄積しにくいということを基に、これらの比率を調べ、異常な蓄積の有無を判断したところ、PETの結果と9割が一致することがわかったことから、アルツハイマー病を早期発見する方法に一歩近づいたといえるようです。




■質量分析が医療研究に欠かせない!

田中耕一さんの技術、アルツハイマー早期診断への道開く

(2018/2/1、朝日新聞)

今回開発された手法は、2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんの技術を活用し、代表的な認知症であるアルツハイマー病を「超早期に診断」する技術につながる。

ノーベル賞と質量分析 10の質問|島津製作所

2002年のノーベル化学賞は、タンパク質などの生体高分子を調べる技術に焦点が当てられました。そして、田中さんの受賞理由は、質量分析のための「ソフトレーザー脱離イオン化法」を開発したことです。田中さんを含む5人の研究チームが、1985年2月に、それまで不可能とされていた、「タンパク質を壊さないでイオン化すること」に世界で初めて成功しました。つまり、質量分析でタンパク質を研究する道を開いたのです。その後、多くの研究者の努力によりその技術が発展して、今では病気の診断や薬の開発になくてはならない技術となりました。

タンパク質の構造のわずかな違いが病気を引き起こすことがあります。ですから、からだの中のタンパク質を調べることによりかなりの病気の診断ができます。最近では、質量分析で細胞や血液の中のタンパク質を調べることにより、「がん」の早期発見もできるようになってきました。

今回の研究では血液中のたんぱく質を調べることにより、アルツハイマー病を早期発見することを目指す研究ですが、その研究も2002年のノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんの質量分析でたんぱく質を研究するということがわからなければ、現在の研究には至っていないわけですから、すごいことですよね。

この記事を読むと、質量分析は医療の研究にとって欠かせないものとなっていますが、以前日経デジタルヘルスが行なった田中耕一さんへのインタビューを読むと、そうでなかったことを知り、さらに驚かされます。

機は熟した、今こそ医療に飛び込もう 田中 耕一氏 島津製作所 フェロー 田中最先端研究所 所長

(2012/3/15、日経デジタルヘルス)

電子の性質を利用する技術であるエレクトロニクス技術が進歩したことによって、より高精度に、高感度に観察することができるようになり、それを医療に活かすことによって信頼性を高めることにつながっているそうです。

■病気の超早期発見がキーワード

そして、2012年のインタビューで今回の研究にもつながるキーワードが挙げられています。

ターゲットとなるキーワードは、やはり病気の超早期発見です。

病気の超早期発見によって、生活習慣を少し改善したりするだけで治る可能性があり、そしてそのことは医療費の削減にもつながることが期待されます。

さらに、遺伝子情報などをベースにした個別化医療(テーラーメイド医療)に注目が集まり始めています。

【未来予測】遺伝子検査+健康・医学関連情報を詳しく書き込んだ家系図を作る方法で自分自身の健康を守る|#遺伝子は変えられる

遺伝的に特定の病気になりやすい体質、よくいわれるのが、家族歴とかある病気になりやすい家系というものは存在していて、そうした遺伝情報がゲノムに書かれており、ゲノムを解析することによって病気の原因を知ったり、私たち一人一人の体質にあったオーダーメードの医療・治療法を選んでいくことを「ゲノム医療」と呼ぶそうですが、こうした分野での活躍も期待されます。

■まとめ

一滴の血液から、がんや認知症を早期に発見できる、低侵襲な早期診断技術を確立すれば、患者の満足度が高い医療の実現につながることから、こうした先制医療の実用化・産業化に向けた研究開発等が必要。
一滴の血液から、がんや認知症を早期に発見できる、低侵襲な早期診断技術を確立すれば、患者の満足度が高い医療の実現につながることから、こうした先制医療の実用化・産業化に向けた研究開発等が必要。

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最⼤化に向けて、個⼈の健康・医療データを活かす新たなシステムが必要であるとして、患者⾃らが納得して選択できる医療、患者の満⾜度の⾼い医療、時間・場所を問わず、必要な医療が提供される環境の実現が必要とあり、その中でも、より早く、より効果的で、より優しい医療の実現に資する、先制・個別化・再⽣医療等の先進医療や、先端技術を⽤いた医療機器の開発等取り組みが重要となるとあります。

その一つが、今回取り上げた、血液一滴から病気を早期発見できる診断技術です。

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、1滴の⾎液から、がんや認知症を早期に発⾒できる、低侵襲な早期診断技術を確⽴すれば、患者の満⾜度が⾼い医療の実現につながることから、こうした先制医療の実⽤化・産業化に向けた研究開発等が必要とあります。

今後ますます「先制医療」への注目が集まるのではないでしょうか?







【アミロイドβ 関連記事】
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積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センター

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■積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い

haensel&gretel adventure tour

by Theater der Künste(画像:Creative Commons)

積極的に計画・実行する人“がん死亡リスク低い”

(2016/3/5、NHK)

日常的な出来事に対して積極的に解決するための計画を立て、実行する人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低くなるとする研究成果を、国立がん研究センターなどのグループが発表しました。

<中略>

脳卒中にかかるリスクは15%、脳卒中や心筋梗塞などで死亡するリスクは26%低くなっていました。

国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下している可能性があるようです。

こうした結果を受けて、ますます予防医療にスポットが当たっていくのではないでしょうか。




大腸がん予防

1975年型食事が健康によい!?|世界一受けたい授業 4月25日によれば、2000年代は脂質が多くなってくるのですが、肉を多く食べると大腸がんになるリスクが高いによれば、肉を多く食べる日本人は大腸がんになるリスクが高いことが、約8万人を対象にした約10年におよぶ国立がん研究センターの追跡調査でわかっています。

また、長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいで紹介したアメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌に発表された研究によると、デスクワーク(長時間椅子に座ったままでの仕事など)は大腸がんのリスクを増加させる可能性があるそうです。

その他にも、糖尿病の人の大腸がんになるリスクは1.4倍、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も高いによれば、日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会の報告では、糖尿病の人はそうでない人に比べて大腸がんになるリスクは1.4倍なのだそうです。

糖尿病の患者数の増加に伴い、大腸がんになる人も増えていると考えられないでしょうか。

→ 大腸がん について詳しくはこちら

→ 大腸がん危険度チェック について詳しくはこちら

■ピロリ菌除菌と胃がん検診で胃がん予防

胃がんの原因としては、最近の研究によって、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)が大きく関わっているのではないかと考えられています。

胃がん検診、内視鏡検査の追加を提言 厚労省検討会によれば、胃の内視鏡検査は胃がんの死亡率を減らす効果が認められているそうです。

早期の胃がんには、自覚症状はほとんどありません。

40歳を越えたら、自覚症状はなくても、年に一回は胃の定期検査を受けましょう。

→ 胃がんの症状・原因・手術・食事 について詳しくはこちら

【関連記事】

■肝臓がん予防のために「肝炎ウイルス」の検査

肝臓がんになるほとんどの原因はウイルス性肝炎から肝硬変になったものであるため、肝臓がんの予防するためには、肝硬変になる前に、肝炎を早期に発見し、治療を行うことが第一です。

→ 肝臓ガン について詳しくはこちら

■歯周病予防で生活習慣病予防

歯周病から糖尿病が悪化する?|そのメカニズムと歯周病予防のポイントによれば、歯周病菌の出す毒素が歯肉や歯を支える骨を侵す作用の研究が進むにつれて、これらの毒素は、全身をめぐって糖尿病や心臓血管系の疾患など生活習慣病にも影響を与えていることが明らかになってきています。

歯周病ケアをすることが生活習慣病予防につながります。

→ 歯周病の症状・歯周病とは・歯周病予防 について詳しくはこちら

■舌の汚れを清掃してがん予防

舌の汚れを清掃をすることがガン予防につながる!?によれば、舌の上に付く白い汚れ「舌苔(ぜったい)」の面積が大きいほど、呼気に含まれる発がん性物質アセトアルデヒドの濃度が高いことがわかったそうです。

■まとめ

保険とIoTを融合した健康増進サービスの開発に注目!|ウェアラブルデバイスをつけて毎日運動する人は生命保険・医療保険の保険料が安くなる!?では、医療費削減は健康保険料の多くを負担する企業にとっては重要な問題になっており、健康に関するデータをウェアラブルデバイスで集め、それを保険契約に盛り込むというような、保険とIT(IoT/ウェアラブルデバイス/AI)を融合した健康増進サービスの開発は今後ますます活発になるのではないかと書きましたが、現在すでにそうした取り組みを行う企業が増えてきました。

最近では、病気になるリスクが高い原因を検査することで病気の発症リスクを下げることができるようになっていますので、国としても企業としても、医療費を削減するためにも、これからますます予防医学・予防医療の重要性が高まっていくものと思われます。







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KDDIの自宅でできる血液検査「スマホ de ドック」|動脈硬化・糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞など病気のリスクがわかる

【目次】




■KDDIの自宅でできる血液検査「スマホ de ドック」

KDDIの自宅でできる血液検査「スマホ de ドック」
KDDIの自宅でできる血液検査「スマホ de ドック」

参考画像:おウチでできる血液検査 スマホ de ドック|スクリーンショット

KDDI、自宅で“健康診断”ができる「スマホ de ドック」を夏から–第1弾は血液検査

(2015/3/16、cnet)

KDDIは3月16日、自宅にいながら自分の健康状態を調べられる「スマホ de ドック」を夏に提供することを発表した。

KDDIは自宅で血液検査を行ない健康診断ができるサービスの提供を始めるそうです。

価格は1回4980円(税別)で、ターゲットは、子育て中の専業主婦や自営業の人など、健康診断へなかなか行くことができない人のようです。

■サービスの仕組み

スマホ de ドックは、ほんのわずかな血液(0.065ml)で検査できます。
スマホ de ドックは、ほんのわずかな血液(0.065ml)で検査できます。

参考画像:おウチでできる血液検査 スマホ de ドック|スクリーンショット

どのような仕組みなのでしょうか?

スマホ de ドックを利用するには、ウェブサイトから検査サービスを申し込む。自宅に届いた検査キットを使って微量の血液を採取し検査センターに郵送すると、1週間ほどでサイト内のマイページで結果を確認できる。脂質や肝機能、血糖、痛風など14検査項目の結果を閲覧できるという。

血液検査キットを使って、血液を採取し、検査センターへ郵送すると、1週間ほどで脂質や肝機能血糖痛風など結果が確認できるそうです。

従来の血液検査の約200分の1の血液、わずか0.065mlの血液で、同等の検査結果が得られる「即時血漿分離技術」を採用しているそうです。




■血液検査でわかること

 脂質代謝

これらの数値が悪化すると、血管内の炎症が起こりやすくなり、動脈硬化などのリスクが高まります。

動脈硬化が進んでいるかどうかの目安として、LDLコレステロールとHDLコレステロールの比率「LH比」と呼ばれる新しい指標が注目されています。

→ コレステロールの比率のLH比(LDLとHDLの比率)とは について詳しくはこちら

 肝機能

これらの数値が悪化すると、肝機能が悪化し、急性肝炎・慢性肝炎肝硬変などの肝臓の病気(肝臓病)のリスクが高まります。

→ 肝臓の数値・検査値|ALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTP について詳しくはこちら

 糖代謝

これらの数値が悪化すると、糖尿病が進み、合併症である心筋梗塞脳梗塞糖尿病網膜症糖尿病性腎症糖尿病性神経障害などのリスクが高まります。

→ 糖尿病の診断基準|血糖値・HbA1c(ヘモグロビンA1c) について詳しくはこちら

 腎機能

  • クレアチニン
  • 尿素窒素

これらの数値が悪化すると、腎臓の機能(腎機能)の悪化が進むことで、急性腎炎、慢性腎炎、腎不全などのリスクが高まります。

→ 腎臓の病気 について詳しくはこちら

→ 腎機能の数値|尿たんぱく・クレアチニン・糸球体ろ過量(eGFR) について詳しくはこちら

 栄養状態

  • 総タンパク
  • アルブミン

これらの数値が悪化すると、栄養不良状態となり、体力の低下や免疫力低下などのリスクが高まります。

 尿酸

  • 尿酸

これらの数値が悪化すると、高尿酸血症や痛風発作などのリスクが高まります。

→ 痛風の目安となる尿酸値の数値 について詳しくはこちら

■感想

Person looking at smartphone in the dark

by Japanexperterna.se(画像:Creative Commons)

遺伝子検査をするユーザーのような健康に関心が高い人はこうした自宅で健康診断ができるサービスに対して関心がありそうです。

糖尿病の発見につながる血糖値への意識が低い!?によれば、糖尿病診断アクセス革命事務局が30~60代の主婦300人を対象に行った「主婦の健診受診状況調査」によれば、5割以上の主婦が検診を受けていないということで、子育て中の専業主婦は今回のサービスのターゲットとしてふさわしいと思います。

ただ、健康診断を受けてほしいというサービス提供側の思いと、実際健康診断に関心があるかどうかについてはギャップがあるかもしれません。

自分の健康で心配なことについての質問では、乳がんや子宮がんなどの「女性特有の病気」が71.3%、「血糖値」は27.3%、「コレステロール」が45.0%となっており、糖尿病の発見に繫がる血糖値への意識が低い結果となっています。

女性特有の病気については関心が高いものの、糖尿病に関連する血糖値への関心は低かったそうです。

そう考えると、血液検査で女性特有の病気が発見できるかどうかについてはわかりませんが、総合的な健康診断サービスというよりも女性特有の病気に絞ったサービスのほうが関心が高まりそうな気がします。







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