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KDDIの自宅でできる血液検査「スマホ de ドック」|動脈硬化・糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞など病気のリスクがわかる

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■KDDIの自宅でできる血液検査「スマホ de ドック」

KDDIの自宅でできる血液検査「スマホ de ドック」
KDDIの自宅でできる血液検査「スマホ de ドック」

参考画像:おウチでできる血液検査 スマホ de ドック|スクリーンショット

KDDI、自宅で“健康診断”ができる「スマホ de ドック」を夏から–第1弾は血液検査

(2015/3/16、cnet)

KDDIは3月16日、自宅にいながら自分の健康状態を調べられる「スマホ de ドック」を夏に提供することを発表した。

KDDIは自宅で血液検査を行ない健康診断ができるサービスの提供を始めるそうです。

価格は1回4980円(税別)で、ターゲットは、子育て中の専業主婦や自営業の人など、健康診断へなかなか行くことができない人のようです。

■サービスの仕組み

スマホ de ドックは、ほんのわずかな血液(0.065ml)で検査できます。
スマホ de ドックは、ほんのわずかな血液(0.065ml)で検査できます。

参考画像:おウチでできる血液検査 スマホ de ドック|スクリーンショット

どのような仕組みなのでしょうか?

スマホ de ドックを利用するには、ウェブサイトから検査サービスを申し込む。自宅に届いた検査キットを使って微量の血液を採取し検査センターに郵送すると、1週間ほどでサイト内のマイページで結果を確認できる。脂質や肝機能、血糖、痛風など14検査項目の結果を閲覧できるという。

血液検査キットを使って、血液を採取し、検査センターへ郵送すると、1週間ほどで脂質や肝機能血糖痛風など結果が確認できるそうです。

従来の血液検査の約200分の1の血液、わずか0.065mlの血液で、同等の検査結果が得られる「即時血漿分離技術」を採用しているそうです。




■血液検査でわかること

 脂質代謝

これらの数値が悪化すると、血管内の炎症が起こりやすくなり、動脈硬化などのリスクが高まります。

動脈硬化が進んでいるかどうかの目安として、LDLコレステロールとHDLコレステロールの比率「LH比」と呼ばれる新しい指標が注目されています。

→ コレステロールの比率のLH比(LDLとHDLの比率)とは について詳しくはこちら

 肝機能

これらの数値が悪化すると、肝機能が悪化し、急性肝炎・慢性肝炎肝硬変などの肝臓の病気(肝臓病)のリスクが高まります。

→ 肝臓の数値・検査値|ALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTP について詳しくはこちら

 糖代謝

これらの数値が悪化すると、糖尿病が進み、合併症である心筋梗塞脳梗塞糖尿病網膜症糖尿病性腎症糖尿病性神経障害などのリスクが高まります。

→ 糖尿病の診断基準|血糖値・HbA1c(ヘモグロビンA1c) について詳しくはこちら

 腎機能

  • クレアチニン
  • 尿素窒素

これらの数値が悪化すると、腎臓の機能(腎機能)の悪化が進むことで、急性腎炎、慢性腎炎、腎不全などのリスクが高まります。

→ 腎臓の病気 について詳しくはこちら

→ 腎機能の数値|尿たんぱく・クレアチニン・糸球体ろ過量(eGFR) について詳しくはこちら

 栄養状態

  • 総タンパク
  • アルブミン

これらの数値が悪化すると、栄養不良状態となり、体力の低下や免疫力低下などのリスクが高まります。

 尿酸

  • 尿酸

これらの数値が悪化すると、高尿酸血症や痛風発作などのリスクが高まります。

→ 痛風の目安となる尿酸値の数値 について詳しくはこちら

■感想

Person looking at smartphone in the dark

by Japanexperterna.se(画像:Creative Commons)

遺伝子検査をするユーザーのような健康に関心が高い人はこうした自宅で健康診断ができるサービスに対して関心がありそうです。

糖尿病の発見につながる血糖値への意識が低い!?によれば、糖尿病診断アクセス革命事務局が30~60代の主婦300人を対象に行った「主婦の健診受診状況調査」によれば、5割以上の主婦が検診を受けていないということで、子育て中の専業主婦は今回のサービスのターゲットとしてふさわしいと思います。

ただ、健康診断を受けてほしいというサービス提供側の思いと、実際健康診断に関心があるかどうかについてはギャップがあるかもしれません。

自分の健康で心配なことについての質問では、乳がんや子宮がんなどの「女性特有の病気」が71.3%、「血糖値」は27.3%、「コレステロール」が45.0%となっており、糖尿病の発見に繫がる血糖値への意識が低い結果となっています。

女性特有の病気については関心が高いものの、糖尿病に関連する血糖値への関心は低かったそうです。

そう考えると、血液検査で女性特有の病気が発見できるかどうかについてはわかりませんが、総合的な健康診断サービスというよりも女性特有の病気に絞ったサービスのほうが関心が高まりそうな気がします。







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循環器疾患リスクチェック|心筋梗塞や脳梗塞の10年先の発症リスクがわかる|国立がん研究センターや藤田保健衛生大など

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■循環器疾患リスクチェック|心筋梗塞や脳梗塞の10年先の発症リスクがわかる

Communication

by Anne Worner(画像:Creative Commons)

脳梗塞や心筋梗塞 10年先の発症リスク、ネットで予測

(2016/5/24、朝日新聞)

国立がん研究センターや藤田保健衛生大などのチームが血圧やコレステロールなどの値から心筋梗塞(こうそく)と脳梗塞の発症リスクを計算する予測式を開発し、23日からウェブサイト(http://www.fujita-hu.ac.jp/~deppub/risk.html)で公開を始めた。

国立がん研究センターや藤田保健衛生大などのチームは、現在40~69歳で、今まで心筋梗塞・脳卒中を発症したことがない方が、 今後10年間に心筋梗塞脳梗塞脳卒中を発症する確率を健康診断のデータを入力するだけで予測する手法が開発したそうです。

入力項目は次の通り。

※身長・体重は脳卒中の発症リスクの計算にのみ使います。

つまり、この入力項目が心筋梗塞や脳梗塞のリスクに関わる要因であるということですよね。




■心筋梗塞や脳梗塞のリスク要因

心筋梗塞や脳梗塞の原因は動脈硬化が進行することや血管内のプラークと呼ばれる脂肪などの固まりが破れて血栓ができてしまうことにあります。

動脈硬化は、動脈硬化の危険因子である高血圧脂質異常症高脂血症)、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、偏った栄養バランスの食事、アルコール、加齢、ストレスの有無などについて確認し、生活習慣を見直し、予防することが大切です。

動脈硬化は加齢とともに進行するため、一種の老化現象ともいえます。

しかし、動脈硬化は、急にあらわれるわけではなく、若いころから始まり、40歳を過ぎる頃に症状があらわれてくることが多いとのことです。

若いからといって安心してよいわけでなく、若いうちから動脈硬化にならないようにする生活習慣に変える必要があります。

■まとめ

健康診断のデータを入力するだけで今後10年間の心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中の発症リスクを予測する手法が開発されましたので、みなさんもぜひ一度チェックしてみましょう。

【参考リンク】

多目的コホート研究(JPHC Study)の調査結果にもとづいて、今後10年間の心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中(脳梗塞と脳出血)の発症リスクを計算します。

→ 心筋梗塞の症状・原因・前兆・予防 について詳しくはこちら

→ 脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら

→ 脳卒中の前兆・原因・予防 について詳しくはこちら







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食物繊維で脳卒中や心筋梗塞のリスク減|厚労省研究

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■食物繊維で脳卒中や心筋梗塞のリスク減|厚労省研究

Vegetables

by Martin Cathrae(画像:Creative Commons)

脳卒中や心筋梗塞…食物繊維でリスク減 厚労省研究

(2011/8/4、朝日新聞)

野菜などに含まれる食物繊維を多く食べる女性ほど脳卒中や狭心症、心筋梗塞(こうそく)などの循環器病のリスクが低くなることが、厚生労働省研究班(主任研究者=津金昌一郎・国立がん研究センター予防研究部長)の調査でわかった。

男性でも、非喫煙者には同じ傾向がみられた。

厚生労働省研究班が、45歳以上の男女約8万7千人を約10年間追跡調査を行なったところ、食物繊維の摂取が多いグループは、そうでないグループに比べて、脳卒中心筋梗塞などの循環器病の発症リスクが低かったそうです。

→ 脳卒中 について詳しくはこちら

→ 心筋梗塞 について詳しくはこちら

海藻類に含まれるような水溶性の食物繊維より、ゴボウなどに含まれる水に溶けない食物繊維の方が、脳卒中のリスクを下げる効果が高いこともわかった。

水溶性の食物繊維よりも不溶性食物繊維のほうが脳卒中のリスクを下げる効果が高かったそうです。

食物繊維摂取と循環器病発症リスクとの関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

水溶性よりも不溶性の方で、摂取量が多いグループで脳卒中発症リスクがより低いことがわかりました(図2)。

不溶性食物繊維は、それ自体が水に溶けない分、水を多く含み数倍に膨らみ、これが腸を刺激して大腸の働きを促します。また、凝固因子を減少させ、炎症反応を下げる働きもあります。一方、水溶性食物繊維の働きは、それ自体が水に溶ける分、小腸での栄養吸収を和らげ、血糖値の急な上昇を抑え、コレステロールを減少させる働きをします。今回、不溶性食物繊維のほうで脳卒中の予防効果がみられたのは、凝固因子、炎症反応の改善などの効果が見られたものと思われます。しかし、本研究では凝固因子や炎症反応を測定していないため、その関連性は不明です。

多目的コホート研究によれば、食物繊維の摂取量が多い女性は循環器病発症リスクが低いことがわかり、また、水溶性食物繊維よりも不溶性食物繊維の方が脳卒中の発症リスクが低いことがわかりました。

→ 食物繊維の多い食品 について詳しくはこちら







低血糖でも脳梗塞リスクがある?|ヘモグロビンA1cが低くても脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がる|国立がん研究センター

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■低血糖でも脳梗塞リスクがある?|ヘモグロビンA1cが低くても脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がる

World Diabetes Day

by Oskar Annermarken(画像:Creative Commons)

低血糖でも脳梗塞のリスク? 国立がんセンターなど発表

(2015/6/12、朝日新聞)

チームは全国約2万9千人(46~80歳)の9年間の経過を調べ、心筋梗塞や脳梗塞など心血管疾患になった935人を解析した。HbA1cが6・5%以上の人は、5・0~5・4%の人に比べ、心血管疾患になるリスクが1・8倍。逆に5%未満の低い人でもリスクが1・5倍と出た。

国立がん研究センターなどのチームによれば、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が高い場合だけでなく低くても脳梗塞心筋梗塞のリスクが上がるそうです。

HbA1cと虚血性心疾患、脳梗塞、脳出血リスクとの関連|多目的コホート研究|国立がん研究センター
HbA1cと虚血性心疾患、脳梗塞、脳出血リスクとの関連|多目的コホート研究|国立がん研究センター

参考画像:ヘモグロビンA1c (HbA1c)と心血管疾患リスクとの関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター|スクリーンショット

心血管疾患を虚血性心疾患、脳梗塞、脳出血に分けて分析したところ、虚血性心疾患はHbA1cが高いほどリスクが高くなるのに対して、脳梗塞や脳出血ではHbA1cが低い群と高い群においてリスクが高くなっていることがわかりました(図2)。

虚血性心疾患はHbA1cが高くなるほどリスクが高くなっており、脳梗塞や脳出血ではHbA1cが高い場合だけでなく低い場合においてリスクが高くなっています。




■ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは?

HbA1cは、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、赤血球の寿命が長いため、過去1~2カ月の血糖状態を把握できます。

糖尿病の診断基準の一つには、ヘモグロビンA1c6.5%以上があります。

低血糖値も注意 リスク1.5倍 東京女子医大などチーム調査

(2015/6/12、毎日新聞)

研究チームの後藤温・東京女子医大助教は「HbA1cが低いとリスクが上がる仕組みは解明されておらず、さらなる研究が必要だ。血糖値が低いことで発症リスクが上昇したとは考えにくく、他の要因がHbA1cに影響している可能性がある」と話している。

HbA1cが低い場合の脳梗塞の発症リスクが明らかになったもののその原因はわかっておらず、その他の要因がかかわっているのではないかと考えられる段階のようです。

→ 血糖値(正常値・食後血糖値・空腹時血糖値)・血糖値を下げる食品 について詳しくはこちら

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら







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アルツハイマー型認知症はアミロイドベータタンパク質(Aβ)を除去することによって回復する可能性がある|国立精神・神経医療研究センター

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■アルツハイマー型認知症はアミロイドベータタンパク質(Aβ)を除去することによって回復する可能性がある|国立精神・神経医療研究センター

アルツハイマー型認知症の病態の回復可能性
アルツハイマー病の初期には、病原的因子Aβオリゴマーによってタウ異常、カスパーゼ活性化、シナプス異常などが引き起こされる。病態が進行すると、老人斑、神経原繊維変化、シナプス減少、神経細胞脱落などの病理変化が現れる。早期にAβオリゴマーの蓄積を抑制することにより、病態が回復する可能性がある。

参考画像:アルツハイマー型認知症の病態の回復可能性が実験モデルで明らかに(2017/1/31、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP))|スクリーンショット

アルツハイマー型認知症の病態の回復可能性が実験モデルで明らかに

(2017/1/31、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP))

結果としては、2日間のAβオリゴマー処理後の細胞では、無処理の細胞(対照)に比較して、①カスパーゼ3の活性化などのアポトーシス(細胞死)誘導性の変化が現れるとともに、②リン酸化、分子内切断の増加といったタウタンパク質の異常変化が認められました。さらに、③シナプスの形成・維持などに重要な役割を持つβカテニンの異常変化(タンパク質レベル低下、及び局在異常)も観察されました(図2)。これらの変化はアルツハイマー病の脳で観察される特徴的な病的変化に関連するものといえます(図3)。

アルツハイマー型認知症は、脳内に異常タンパク質であるアミロイドベータタンパク質(Aβ)が蓄積し、その影響によって記憶などの脳の認知機能の異常といった症状が現れる病気ですが、国立精神・神経医療研究センターなどの研究グループによれば、Aβが2~30個程度集合した凝集体であるAβオリゴマーによって引き起こされる神経細胞の異常な変化を、Aβオリゴマーを除去することによって回復する可能性があることを実証したそうです。

今回の研究結果は、細胞モデルで得られたものではありますが、脳内の病態を間接的に反映していると考えられ、何らかの手段によりAβオリゴマーを除くことができれば、病態が回復する可能性を示唆するものといえます(図3)。
 現在、Aβオリゴマーの蓄積に対する抑制作用を持つ薬剤の開発が進められています。たとえば、Aβオリゴマーに対する抗体療法や、Aβ産生酵素BACE1の阻害薬などがあげられます。

この研究をヒトの脳でも応用ができれば、早い段階で蓄積したアミロイドβオリゴマーを除去できれば、アルツハイマー型認知症の予防や治療ができる可能性があるということですね。

→ 認知症の症状|認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







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