> 健康・美容チェック > 糖尿病 > 気温が高くなるにつれて糖尿病の発症率が高くなる!?|オランダ・ライデン大学
【目次】
■気温が高くなるにつれて糖尿病の発症率が高くなる!?|オランダ・ライデン大学
by Annie Jackson(画像:Creative Commons)
(2017/3/22、CNN)
チームは米疾病対策センター(CDC)の報告を基に、1996年から2009年にかけて全米で発生した2型糖尿病のデータを分析。また米海洋大気局(NOAA)から、州ごとの気温の中央値を入手した。
さらに世界保健機関(WHO)のデータベースから、世界の人々の空腹時血糖値や肥満に関する情報も集めた。空腹時血糖値が高い人は、糖尿病の疑いが濃いと判断される。
その結果、米国ではこの期間、屋外の年間気温が摂氏1度上がるごとに、糖尿病の発生率が4%前後高くなっていたことが分かった。世界でも気温1度ごとに、糖尿病予備軍とされる「耐糖能異常」が0.17%増えていたという。
オランダ・ライデン大学の専門家が率いる研究チームによれば、気温が高くなるにつれて糖尿病の発生率が高くなるという結果が出たそうです。
気温の高さと糖尿病の発生率にどのような関係があるのでしょうか?
チームはひとつの仮説として、脂肪の燃焼を促し糖尿病を防ぐ作用のある褐色脂肪細胞は、気温が低い時に活性化するという点に注目した。
気温が低い時に脂肪燃焼を促す褐色脂肪細胞が活性化するため、気温が高くなるにつれて糖尿病の発生率が高くなるのではないかというのがチームの一つの仮説なのだそうです。
【関連記事】
- 痩せる脂肪!褐色脂肪組織BAT(褐色脂肪細胞・ベージュ脂肪細胞)を活性化させる方法・食べ物【美と若さの新常識~カラダのヒミツ~】【たけしの家庭の医学】
- 脂肪燃焼体質を作るには寒さの感知とエピゲノムの変化が重要|ベージュ脂肪細胞に誘導することで肥満や2型糖尿病、生活習慣病の治療や予防につながる期待
- 低温ジム「BRRRN」|コンセプトの原点|どんなトレーニングメニュー?|7~16℃の低温下でトレーニングをするとカロリーも体脂肪も減る!
その他の仮説として考えてみたいと思います。
【仮説】気温の高さと糖尿病の発生率にどのような関係があるの?
●気温が高くなるにつれて、糖分の摂取量が増えたのではないか?
気温が高い地域で食べられている食べ物、つまり、南国の食べ物は甘いものが多い。
●肥満と貧困の関係
アメリカ人の肥満傾向は拡大(2009/7/8)によれば、最も肥満率が高かったのは南部ミシシッピ(Mississippi)州で、成人の32%以上、10-17歳では驚くべきことに44%が肥満だったそうです。
ミシシッピ州は全米で最も経済的に貧しい州とされており、貧困と肥満の関連があるのではないかと考えられています。
経済的に貧しい地域と肥満の地域に関連がある理由としては、栄養バランスのとれた食事の重要性を知らなかったり、どんな食品をとれば健康になれるのかということを知らないということが考えられます。
どんなに栄養バランスのとれた食事の大切さを知っていても、手軽にとれるファストフードがあると、健康と手軽さ・安さを天秤にかけ、手軽さ・安さをとってしまいかねません。
ミシェル・オバマ大統領夫人が推奨する「ダイエット・プロジェクト」とは?
ミシェル・オバマ夫人が、記者団に語るシカゴ時代の自分自身のエピソードにこんなものがあります。
「弁護士の仕事を持つ母親として、会議と子供たちのサッカーやバレー教室と駆け回った日の夜には、簡単で安いファーストフードのドライブスルーや、電子レンジで温めるだけの栄養バランスのとれていない食事を子供たちに出していた」--。
自分がそうだったからこそ、多くのアメリカ人が、栄養バランスのとれた食事の大切さは知ってはいるものの、新鮮な野菜や魚などを買うための支出と、手に入れた素材を調理する手間と時間を考えるとき、それよりも数百円で手に入れることができる完成したファーストフードの魅力が大きいと感じてしまう。
健康について関心がある人は、新鮮な魚や野菜を買って、料理を作った方が良いということはわかっていると思います。
しかし、仕事・家事をして疲れてしまうという生活をしていると、調理する時間や家計のことを考えてしまい、手軽で安いファストフードや冷凍食品に頼りがちの生活になってしまいがちです。
肥満問題については、個人のライフスタイルに影響を与えている、家計や知識、意識、社会の影響が大きいかと思います。
今回のケースでいえば、1996年から2009年の間の景気・経済との関係はどうなのかが気になるところです。
【関連記事】
●デスクワーク
座る時間が増えると、糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが増える!?で紹介したオランダの研究チームによれば、対象者のほとんどが1日に少なくとも9時間は座って過ごしていたが、これがあと1時間増えると2型糖尿病にかかるリスクが22%、メタボリック症候群のリスクが39%も増大することが分かったそうです。
つまり、座る時間が増えると、2型糖尿病の発症リスクやメタボリックシンドロームのリスクが増大することがわかったそうです。
座る時間を1日90分短くすることで、糖尿病を防げるかもしれない!?で紹介したレスター大学の研究者によれば、「糖尿病のリスクを患っている人は、座っている時間を1日90分短くすることで、糖尿病を防ぐことができるかもしれない」ということでしたので、近い考え方ですよね。
長時間座ることはどのくらい健康に悪いのか?によれば、長時間座ることの健康への影響は次のようなものが挙げられています。
- 脂肪を分解する酵素が90%減少
- インスリン値は下がる
- 善玉コレステロール減少
- 血圧は上がる(高血圧)
- 脚の筋肉で支えていた体重は首と背骨にかかり、座ることで脳の血栓ができやすくなる
- 肥満、糖尿病、心循環系の病のリスクも高まり、心臓病のリスクも2倍になる
- 乳がんにも悪影響を与える
長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいによれば、座っているときは、体の代謝に必要な仕組みがストップされているそうです。
普段からよく歩く人達に歩く量を減らしてもらう実験を行うと、糖分や脂肪の代謝機能が低下し、体脂肪率が増加したそうです。
加齢とエネルギー代謝によれば、身体活動を活発に行なうことは、エネルギー消費を高く維持させることに加えて、筋肉量の減少を遅らせることにもつながるそうです。
出典:Roberts SB, Dallal GE, Energy requirements and aging. Public Health Nutr, 8, 1028-36,2005
ただその他の研究では、定期的に運動していれば、「座る」と「立つ」に健康リスクへの差はない!?という意見もあります。
エクセター大スポーツ健康科学部のメルビン・ヒルズドン(Melvyn Hillsdon)さんによれば、「座っていようが立っていようが、同じ姿勢で動かないことは、エネルギー消費が低く、健康に有害である可能性がある」そうです。
つまり、座る姿勢に問題があるということではなく、同じ姿勢で動かないことが健康にとっては良くないということなのです。
【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!によれば、長時間座り続けること=「耳石があまり動かないこと」が全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起こしてしまうということがわかりました。
耳石は、全身の筋肉や内臓・血管をコントロールしている自律神経とつながっています。
耳石が動いている状態だと、全身の筋肉や自律神経の働きが良くなることによって、心臓などの働きが良くなって血流がよくなったり、コレステロールや糖の代謝も良くなるそうです。
耳石を効率よく動かす方法は「立ち上がること」なのだそうです。
立ち上がるという動作は、頭が前後左右上下に動くため、耳石を効率よく動かすことができるそうです。
ちなみに、研究によれば、32回立ち上がる動作をするとよいそうで、それを一日の中で計算をすると、30分ごとに立ち上がるとよいそうです。
もう一つ、重要なことは、日常生活の運動を増やすことにあるのではないでしょうか。
ニートをしないから太る?!(森谷敏夫)|たけしのニッポンのミカタ 1月28日
今、世界各国の研究者から注目されている「ニート」とは、“ノン・エクササイズ・アクティビティ・サーモジェネシス”の頭文字を取った言葉で、日本では「非運動性熱産生」、つまり日常生活でエネルギーを消費する運動以外の身体運動のこと。実は“ニート”は、人間の1日のカロリー消費の約4割を占めるという。
身体活動とエネルギー代謝 – e-ヘルスネット
近年、家事などの日常生活活動が該当する、非運動性身体活動によるエネルギー消費、別名NEAT(non-exercise activity thermogenesis)と肥満との関連が注目されています。
Levine et al., は、肥満者と非肥満者を比べると、非肥満者は歩行なども含めた立位による活動時間が、平均で1日約150分も少なかったと報告しました(図1)。
つまり、なるべく座位活動を減らして、家事などの日常生活活動を積極的に行なうことも、肥満予防のキーポイントといえます。
出典:Ravussin E. A NEAT Way to Control Weight- Science, 530-531, 307, 2005
このページによれば、肥満の人とそうでない人を比較すると、肥満の人は、立位または歩行活動が平均で1日約150分も少なかったそうです。
現在の研究では、細切れ時間でもいいので、体を動かすことによって、筋肉が動かされ、糖や脂肪が使われることがわかっています。
ためしてガッテン(NHK)5月12日 AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる
・宮下政司 次席研究員 (早稲田大学スポーツ科学学術院)が、有酸素運動 の効果に関して画期的な研究成果を発表したそうです。
自転車こぎ 3分間の運動を一日に10回をしてもらいます。
翌日、脂肪を多く含んだ食事をとってもらい、血液中の中性脂肪 の量を詳しく調べたところ、前日運動しない場合に比べ、中性脂肪値が下がっていることがわかったそうです。
運動後1日たっても筋肉に脂肪がたまりにくくなっていたということです。
脂肪を燃やす有酸素運動は、一般的に長い時間行わなければいけないといわれていますが、3分間細切れに行なった運動でも中性脂肪を低下させる効果が出るということです。
・藤井宜晴教授(首都大学東京)
筋肉を動かすと、AMPキナーゼが活性化し、糖や脂肪を効率良くエネルギーに変えてくれることがわかったそうです。
インスリンと同等くらい強力なのだそうです。
・宮地元彦 (国立健康・栄養研究所 運動ガイドラインプロジェクトリーダー)
どんな運動でも筋肉に刺激が入るので、筋肉に刺激が入れば、好ましい結果が得られる。
大事なことは、ちょっとの時間でも体を動かせば、糖尿病予防につながるということです。
今回のケースでいえば、人々が運動する時間が増えているのか、減っているのか、また、座っている時間の長さは関係していないのか、が気になるところです。
■まとめ
本当に気温が高くなるにつれて糖尿病の発生率が高くなるのかどうか、気温の高さと糖尿病とどのような関係があるのか、研究してほしいですね。
→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら
→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら
【関連記事】
続きを読む 気温が高くなるにつれて糖尿病の発症率が高くなる!?|褐色脂肪細胞は気温が低い時に活性化する|オランダ・ライデン大学