■座りすぎによる健康への悪影響が問題になっている!
参考画像:SitTight – Get Fit While You Sit|YouTubeスクリーンショット
座りすぎによる健康への悪影響について以前から関心が高まっています。
座りすぎが病気の原因になる!?|1日11時間以上座っている人は死亡リスクが1.4倍|#あさイチ(NHK)で紹介したオーストラリア・シドニー大学による20万人以上の調査によれば、1日11時間以上座っている人は4時間未満の人と比べて、死亡リスクが40%以上高いことがわかっています。
座りすぎが健康に悪いと考えられる問題での大事なポイントは、「下半身の筋肉がほとんど動かないこと」。
長時間座る
→下半身の筋肉が動かない
→血流速度が低下し、全身の血行が悪くなる
→代謝機能(筋肉が働くときに栄養を消費する)が低下
→血液中の糖や中性脂肪が消費されにくくなる
→(長く続くことで)糖尿病などの病気になる
長時間座ることはどのくらい健康に悪いのか?によれば、長時間座ることの健康への影響は次のようなものが挙げられています。
- 脂肪を分解する酵素が90%減少
- インスリン値は下がる
- 善玉コレステロール減少
- 血圧は上がる(高血圧)
- 脚の筋肉で支えていた体重は首と背骨にかかり、座ることで脳の血栓ができやすくなる
- 肥満、糖尿病、心循環系の病のリスクも高まり、心臓病のリスクも2倍になる
- 乳がんにも悪影響を与える
座る時間が増えると、糖尿病やメタボのリスクが増える!?で紹介したオランダの研究チームによれば、座る時間が増えると、2型糖尿病の発症リスクやメタボリックシンドロームのリスクが増大することがわかったそうです。
座る時間を1日90分短くすることで、糖尿病を防げるかもしれない!?で紹介したレスター大学の研究者によれば、「糖尿病のリスクを患っている人は、座っている時間を1日90分短くすることで、糖尿病を防ぐことができるかもしれない」のだそうです。
その解決方法としては、立ち上がる時間を作るというものだったり、立ち机(スタンディングデスク)で立ちながら仕事をしたり、というようなアイデアが出ていました。
Loctekスタンディングデスク、わずか3秒で昇降、座り立ちをより快適に変換 、腰痛対応エルゴ椅子より安い
例えば、座りすぎが病気の原因になる!?|1日11時間以上座っている人は死亡リスクが1.4倍|#あさイチ(NHK)によれば、最新の研究では、座ることをこまめに中断し、立ち上がって動くことで、血液中の糖や中性脂肪の値が改善することがわかってきているそうです。
最近よく目にするのは、「座りながら運動ができるイス」というアイデアです。
■座りながら運動ができるイス
■ing(イング)
「日本人の座りすぎ問題」解決へ コクヨ、“揺れる”椅子発表https://t.co/POf1vynXHS
4時間座ると、おにぎり半分ほどのカロリー(約85キロカロリー)が消費できるという。https://t.co/KeeAwttmZc— ハクライドウ (@hakuraidou) 2017年11月6日
“座りすぎ大国”日本のワークスタイルを進化させる 座るの概念を変えるイノベーティブなイス「ing(イング)」を11月7日に発売
(2017/11/6、コクヨプレスリリース)
「ing」で揺れながらデスクワークを4時間すると、ウォーキング約1.5kmに相当。消費カロリーに算出すると、おにぎり約1/2個相当(約85kcal)。
「ing」で60分揺れることで7割の人のα波、6割の人のβ波が増加。
コクヨは“座るを解放する”というコンセプトのもと、「ing」という座っている状態でも体の動きを止めないイスを開発しました。
長時間着座の問題にコクヨが取り組んだ背景にあるのは、こちらのデータ。
日本人成人の平日の総座位時間の中央値は1日7時間もあり、世界の主要20カ国との比較で“日本人の座位時間が最も長い”という調査結果※1があります。“長時間の着座で健康リスクが高まる”という調査データ※2も存在し、海外では既に深刻な社会問題になっています。
【参考リンク】
- ※1 Bauman AE et al. The descriptive epidemiology of sitting: A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ). Am J Prev Med, 2011; 41: 228-235.
- ※2 van der Ploeg HP et al. Sitting time and all-cause mortality risk in 222,497 Australian adults. ArchIntern Med, 2012; 172: 494-500.
「ing」に座って揺れながら4時間のデスクワークで約1.5kmのウォーキングに相当する運動となる効果や、創造的で有用なアイデアの発想数が13%アップするなどの実験結果が出ているそうです。
■HOVR
HOVR – 座ったままウォーキング|YouTube
座りながら「貧乏ゆすり」のように足を動かしてカロリー消費を増やしてむくみを予防するデバイス「HOVR」によれば、「HOVR」は「NEAT」(Non Exercise Activity Thermogenesis、「非運動性熱産生」のことで日常生活でエネルギーを消費する運動以外の身体活動)を増やして健康に役立てようというものです。
開発チームによれば、座りながらでも「HOVR」を使って足を動かしていれば知らず知らずのうちにウォーキングに近い運動量(カロリー消費が座っている場合に比べ17%以上多い)があるそうです。
■Bauhutte エクササイズデスク
インテリアブランド「Bauhutte」(バウヒュッテ)からフィットネスバイクがデスクが一体になった「エクササイズデスク」が発売されるそうです。
■SitTight
「SitTight」はバランスボール(フィットネスボール)のように重心を維持することでコアの筋肉を鍛えることができるというものです。
【参考リンク】
■まとめ
長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいによれば、座っているときは、体の代謝に必要な仕組みがストップされているそうで、普段からよく歩く人達に歩く量を減らしてもらう実験を行うと、糖分や脂肪の代謝機能が低下し、体脂肪率が増加したそうです。
定期的に運動していれば、「座る」と「立つ」に健康リスクへの差はない!?で紹介したエクセター大スポーツ健康科学部のメルビン・ヒルズドン(Melvyn Hillsdon)さんによれば、「座っていようが立っていようが、同じ姿勢で動かないことは、エネルギー消費が低く、健康に有害である可能性がある」そうです。
つまり、座るという姿勢に問題があるということではなく、同じ姿勢で動かないことが健康にとっては良くないということなのです。
長時間座り続けることがなぜ健康に良くないのかということについて、これまでは体を動かす時間が少なくなることでエネルギー消費が減ってしまうためとか、座ることによって代謝に必要な仕組みがストップしてしまうためなどと考えていましたが、【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!によれば、「耳石があまり動かないこと」が全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起こしてしまうということがわかりました。
耳石を効率よく動かす方法は「立ち上がること」なのだそうです。
立ち上がるという動作は、頭が前後左右上下に動くため、耳石を効率よく動かすことができるそうです。
研究によれば、32回立ち上がる動作をするとよいそうで、それを一日の中で計算をすると、30分ごとに立ち上がるとよいそうです。
※(一日(24時間)-睡眠時間(8時間))÷32回=30分
今回番組では、座る時間が長い方に30分に1度立ち上がることを2週間続ける実験を行なったところ、中性脂肪が15%減少・悪玉コレステロールが5%減少、善玉コレステロールが11%増加するという結果が出たそうです。
イスに長時間座らなければできない仕事をしている人は、座りながら運動できるイスを活用しながら、できるかぎり定期的に立ち上がることを心がけてみてはいかがでしょうか。
長時間座る仕事をしている人はパソコン作業をしている人も多いことだと思います。
20-20-20ルール|目の疲れから守る方法や座り過ぎを防ぐ方法やまばたきで「疲れ目」解消!?眼精疲労回復エクササイズでも紹介した、米テキサス大学サウスウェスタン・メディカルセンターのEdward Mendelson医師が発案したのが、「20-20-20-20」という眼精疲労回復エクササイズは、20分おきに20フィート(約6メートル)離れたところを20秒間見つめながら、20回連続で瞬きをするという方法を以前紹介しましたが、定期的に離れた場所を見ながらまばたきをするということに加えて、「立ち上がる」という動作を加えると、目のリフレッシュと同時に、身体のリフレッシュにもつながりそうですので、試してみてはいかがでしょうか。
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