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AHEI(代替健康食指数)とは?積極的に食べるべき食品と控えるべき食品




健康的な加齢に最も効果的だった食事は健康に良い食品を積極的に食べ、悪い食品を控える食事パターンだった!で紹介した「Nature Medicine」に掲載された研究によれば、健康的な加齢(老化)に最も効果的だった食事パターンとして紹介されたのが、健康に良い食品を積極的に食べ、悪い食品を控えることを目指した食事パターン「AHEI(Alternative Healthy Eating Index)」です。

【参考リンク】
Tessier, AJ., Wang, F., Korat, A.A. et al. Optimal dietary patterns for healthy aging. Nat Med 31, 1644–1652 (2025). https://doi.org/10.1038/s41591-025-03570-5

■AHEI(代替健康食指数)とは?

AAHEI(Alternative Healthy Eating Index)は、健康的な老化に最も効果的だった食事パターンとして、Nature Medicine(2025年)の研究で注目された食事指針です。

この食事は、バランスが良く、特定の食品や栄養素を重視することで、心臓病や糖尿病、認知症などの予防に役立ち、70歳以降も元気でいる可能性を高めます。

■AHEIの基本ポイント

AHEIは、健康に良い食品を積極的に食べ、悪い食品を控えることを目指した食事パターンです。

研究では、AHEIをしっかり守った人は、健康的な老化(認知機能・身体機能・メンタルヘルスが良好で、慢性疾患がない状態)の確率が、守らない人に比べて約2倍(オッズ比1.86)でした。

1. 積極的に食べるべき食品

AHEIでは、以下の食品を多く取り入れることが推奨されます。これらは栄養価が高く、体や脳の健康をサポートします。

●野菜(Vegetables)
推奨:1日5回以上(1回=1/2カップ程度)。
例:ブロッコリー、ニンジン、ほうれん草、トマト、レタスなど。
コツ:サラダやスープ、炒め物でカラフルな野菜を。コンビニのサラダやカット野菜も便利!
注意:ポテト(特にフライドポテト)は栄養価が低いのでカウントされません。

●果物(Fruits)
推奨:1日4回以上(1回=中サイズの果物1個や1/2カップ)。
例:リンゴ、バナナ、ベリー類、オレンジ、キウイなど。
コツ:朝食にフルーツを加えたり、スムージーにしたり。缶詰やジュースは糖分が多いので避けて。

●全粒穀物(Whole Grains)
推奨:1日90g以上(例:全粒パン2枚、玄米1膳)。
例:玄米、オートミール、全粒パン、キヌア、全粒パスタ。
コツ:白米や白パンを玄米や全粒パンに変える。コンビニの玄米おにぎりも選択肢!

●ナッツと豆類(Nuts and Legumes)
推奨:1日1回以上(1回=ナッツ30g、豆類1/2カップ)。
例:アーモンド、クルミ、ひよこ豆、レンズ豆、豆腐、納豆。
コツ:スナックにナッツ、食事に豆腐や納豆を。安くて栄養満点!

●不飽和脂肪酸(特に多価不飽和脂肪酸:PUFA)
推奨:総エネルギーの10%以上をPUFAから。
例:青魚(サバ、イワシ、サーモン)、オリーブオイル、亜麻仁油、アボカド。
コツ:週2回の魚料理や、サラダにオリーブオイルを。コンビニのサバ缶も手軽!

●低脂肪乳製品(Low-Fat Dairy)
推奨:適量(1日1~2回、1回=牛乳200mlやヨーグルト150g)。
例:低脂肪牛乳、プレーンヨーグルト、チーズ(少量)。
コツ:朝食にヨーグルトや牛乳を。砂糖入りヨーグルトは控えめに。

2. 控えるべき食品

AHEIでは、以下の食品を減らすことが重要です。

これらは健康的な老化の確率を下げる要因です。

●赤身肉・加工肉(Red and Processed Meats)
推奨:1日0.5回以下(1回=赤身肉85gやハム2枚)。
例:牛肉、豚肉、ハム、ソーセージ、ベーコン。
コツ:肉は週1~2回にし、鶏肉や魚、豆類でタンパク質を補う。

●トランス脂肪酸(Trans Fats)
推奨:総エネルギーの0.5%以下。
例:マーガリン、揚げ物(フライドポテト、ドーナツ)、市販の菓子パンやスナック菓子。
コツ:揚げ物やコンビニスイーツを控え、原材料表示で「トランス脂肪酸」をチェック。

●ナトリウム(Sodium)
推奨:1日2,000mg以下(塩分約5g、食塩小さじ1程度)。
例:インスタントラーメン、漬物、加工食品、ファストフード。
コツ:外食やコンビニ食を減らし、調味料を控えめに。自炊で塩分を調整!

●加糖飲料(Sugar-Sweetened Beverages)
推奨:1日0~1回(1回=缶ジュース1本)。
例:炭酸飲料、スポーツドリンク、甘いコーヒー飲料。
コツ:水や無糖のお茶に切り替え。コンビニで「無糖」を選ぶ!

3. 適度にOKなもの

●アルコール
推奨:女性は1日1杯以下、男性は2杯以下(1杯=ビール350ml、ワイン120ml)。
コツ:飲むなら適量を守り、飲みすぎない。飲まなくても健康には問題なし!

■AHEIが健康的な老化に効く理由

研究結果:AHEIをしっかり守ると、認知機能(記憶力や集中力)、身体機能(動ける体)、メンタルヘルス、慢性疾患予防が向上。

特に75歳まで健康に生きる確率が2倍以上!

なぜ効果的?:野菜や果物、全粒穀物の抗酸化物質や繊維が体の炎症を抑え、ナッツや魚の健康的な脂肪が脳や心臓を守る。

一方、加工肉やトランス脂肪酸、糖分の多い飲料は炎症や血糖値を悪化させるので、控えることでリスクが減る。

■まとめ

AHEIは特別な食事をするわけではなく、バランスよい食事をすることが大事です。

野菜や果物を毎日食べるというところから始めませんか?

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健康的な加齢に最も効果的だった食事は健康に良い食品を積極的に食べ、悪い食品を控える食事パターンだった!




「Nature Medicine」に掲載された研究によれば、健康的な加齢(老化)に最も効果的だった食事パターンとして紹介されたのが、健康に良い食品を積極的に食べ、悪い食品を控えることを目指した食事パターン「AHEI(Alternative Healthy Eating Index)」です。

【参考リンク】
Tessier, AJ., Wang, F., Korat, A.A. et al. Optimal dietary patterns for healthy aging. Nat Med 31, 1644–1652 (2025). https://doi.org/10.1038/s41591-025-03570-5

■概要

アメリカの看護師や医療従事者約10万5千人(女性66%、平均年齢53歳)を30年間(1986~2016年)追跡し、70歳以上まで健康に生きるための食事のポイントを明らかにしました。

健康的な老化とは、認知機能(頭の働き)、身体機能(体を動かす能力)、精神的健康(メンタルヘルス)が保たれ、慢性疾患がない状態を指します。

この研究では、8つの食事パターンと超加工食品(UPF)の摂取が健康的な老化にどう関わるかを分析しました。

■調査した8つの食事パターン

AHEI(代替健康食指数):最も健康的な老化に効果的。バランスの良い食事がポイント。
aMED(代替地中海食):地中海式の食事(野菜、果物、オリーブオイル、魚など)。
DASH(高血圧予防食):ナトリウムを控え、野菜や低脂肪乳製品を重視。
MIND(脳の健康を守る食事):認知症予防に特化した食事。
hPDI(健康的な植物性食品中心の食事):野菜や豆類中心の食事。
PHDI(惑星健康食事指数):環境にも優しい食事。
rEDIP/rEDIH(炎症やインスリン問題を抑える食事):体の炎症や血糖を抑える食事。

■結果

どの食事パターンも健康的な老化の可能性がアップしたことがわかりました。

その中でも特にAHEIが一番効果的で、AHEIの食事パターンの人の健康的な老化の確率はそうでない人の約2倍(OR=1.86)で75歳まで生きる場合、効果はさらに強い(OR=2.24)ことがわかりました。

■どんな食事をするといいの?

【健康的な老化を助ける食品】

  • 果物、野菜、全粒穀物(玄米や全粒パン)
  • 不飽和脂肪酸(オリーブオイルや青魚の脂肪)
  • ナッツ、豆類、低脂肪乳製品

【健康的な老化を妨げる食品】

  • トランス脂肪酸(揚げ物や加工食品に多い)
  • ナトリウム(塩分の多い食品)
  • 赤身肉、加工肉(ハムやソーセージ)
  • 加糖飲料(ジュースや炭酸飲料)

植物性たんぱく質の役割: 研究では、果物、野菜、全粒穀物、豆類などの植物性食品を多く摂取し、赤肉や超加工食品を控える食事が、健康的な老化の確率を向上させることが強調されています。動物性食品(魚や低脂肪乳製品)は低〜中程度の摂取が推奨。

■超加工食品(UPF)は要注意!

スナック菓子、インスタント食品、ファストフードなどの超加工食品(UPF)をたくさん食べる人は、健康的な老化の確率が32%下がることがわかりました。

特に、認知機能や身体機能、メンタルヘルス、慢性疾患予防に悪影響を及ぼすことがわかりました。

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■まとめ

健康的な食事パターンをすることによって、女性・喫煙者・BMIが高い人(25以上)・運動量が少ない人に効果が特に強くみられたそうです。

「野菜や果物を毎日取り入れる」
「全粒穀物を選ぶ(白米よりも玄米、白いパンよりも全粒粉のパン)」
「不飽和脂肪酸(オリーブオイルや青魚の脂肪)を含む食品を選ぶ」
「加工食品や甘い飲み物を減らす」
「お菓子の代わりにナッツや豆類を選ぶ」
「超加工食品に気を付ける」

バランスの良い食事をすることが健康にとって欠かせないことと言われてきましたが、やはり実際にそうだということがわかりました。

ただ実際にバランスの良い食事をするというのはあいまいで難しいこと。

「バランスの良い食事にしましょう」は最も正しいメッセージであり、最も伝わりづらいメッセージ?
まずは「野菜や果物を食べる」というようなわかりやすいものから始めるといいのではないでしょうか?

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ある動画で「グルテンが腸にへばりつくというのは嘘で、小腸には絨毛があって構造的につかないようになっている」という解説がありましたが、どうなの?




Q. ある動画で「グルテンが腸にへばりつくというのは嘘で、小腸には絨毛があって構造的につかないようになっている」という解説がありましたが、どうなのでしょうか?

A.グルテンが腸に「へばりつく」という表現は、一般的には誤解を招く可能性があります。

科学的には、グルテンそのものが腸の壁に物理的に「くっつく」わけではありませんが、特定の条件下で腸に影響を与える可能性があります。

以下に詳しく解説します。

1. グルテンと腸の関係

グルテンは、小麦や大麦などに含まれるタンパク質(グリアジンとグルテニン)です。

通常、消化酵素によって分解され、腸で吸収されるか、便として排出されます。

健康な人の場合、グルテンが腸の壁に「へばりつく」ことはありません。

小腸の絨毛(じゅうもう)は、栄養吸収のために表面積を増やす構造であり、粘液層や腸の蠕動運動により、食べ物の残渣が滞留しないようになっています。

2. セリアック病やグルテン過敏症の場合

セリアック病や非セリアックグルテン過敏症(NCGS)の場合、グルテンが小腸に炎症や損傷を引き起こすことがあります。

セリアック病では、グルテンに対する免疫反応により小腸の絨毛が平坦化(萎縮)し、栄養吸収が妨げられることがあります。

ただし、これも「へばりつく」というよりは、免疫系の過剰反応による組織のダメージです。

非セリアックグルテン過敏症では、グルテンが腸の透過性を高める(いわゆる「リーキーガット」)可能性が議論されていますが、科学的証拠はまだ不十分です。

3. 「へばりつく」という誤解の背景

「グルテンが腸にへばりつく」という表現は、グルテンを含む食品(特に加工食品や粘り気のあるパン類)が消化しにくい、または腸内で「重い」感覚を与えることからくる誤解かもしれません。

また、グルテンが粘性のある生地を形成するため、腸内で同様に「粘着質」になると想像されることがあります。

しかし、実際には腸の粘液層や蠕動運動により、こうした物質が長期間滞留することはありません。

4. 小腸の絨毛と構造

小腸の絨毛は、表面を覆う粘液層と腸の運動により、食べ物の残渣が付着しにくい構造になっています。

絨毛の役割は栄養吸収であり、異物や不要な物質は便として排出されます。

健康な腸では、グルテンが特別に「へばりつく」メカニズムは存在しません。

ただし、腸の健康状態(例:腸内細菌叢の乱れや炎症)が悪い場合、消化がスムーズに進まないことがあり、グルテンが不快感を引き起こす可能性はあります。

5. 結論

健康な人:グルテンが腸に「へばりつく」ことはなく、小腸の構造(絨毛や粘液層)や蠕動運動により、適切に処理・排出されます。

セリアック病やグルテン過敏症:グルテンが腸に直接「へばりつく」わけではありませんが、免疫反応や炎症により腸にダメージを与える可能性があります。

誤解の解消:「へばりつく」という表現は、消化の遅さや不快感を誇張したものと考えられます。科学的には、グルテンが物理的に腸壁に付着して残るという証拠はありません。

つまり、「グルテンが腸にへばりつくというのは嘘で、小腸には絨毛があって構造的につかないようになっている」という解説には正しいものもありながら、十分な解説はできておらず、健康な人の場合には小腸の構造や蠕動運動によりグルテンが腸にへばりつくことはありませんが、セリアック病やグルテン過敏症の場合はへばりつくことはないものの、免疫反応や炎症によって小腸の絨毛が平たん化し、腸にダメージを与えるということはないんですね。

これって実はすごく解説が難しい文章だったというわけなんです。

「へばりつく」という部分は嘘なのですが、セリアック病やグルテン過敏症の方の場合にはグルテンが炎症の原因となって腸にダメージを与えることがあるときちんと伝えないと誤解を生んでしまうからです。

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1日1万歩は古い!?世界が注目!ジャパニーズウォーキング「インターバル速歩」とは?歩くことで脳若返り!【ミスターサンデー】




2025年8月17日放送のフジテレビ系「Mr.サンデー(ミスターサンデー)」では「歩く新常識で健康に?日本式ウォーキング」を取り上げました。

■1日1万歩は古い!?

1日1万歩を歩くことが推奨されてきましたが、実はこの常識が変わってきています。

ある研究によれば、1日15分の速歩きで全死亡リスクが約20%低下することがわかりました。

一方で、3時間以上のゆっくり歩きでは効果が限定的と報告されています。

【参考リンク】

  • Wen CP, Wai JP, Tsai MK, Yang YC, Cheng TY, Lee MC, Chan HT, Tsao CK, Tsai SP, Wu X. Minimum amount of physical activity for reduced mortality and extended life expectancy: a prospective cohort study. Lancet. 2011 Oct 1;378(9798):1244-53. doi: 10.1016/S0140-6736(11)60749-6. Epub 2011 Aug 16. PMID: 21846575.

    低活動量群(週平均92分(95%信頼区間71~112分)または1日平均15分(SD 1.8)の運動をしていた)は、非活動群と比較して、全死亡リスクが14%低下し(0.86、0.81~0.91)、平均寿命が3年延長した。1日15分の最低限の運動量を超えて15分運動するごとに、全死亡リスクが4%低下し(95%信頼区間2.5~7.0)、全がん死亡リスクが1%低下した(0.3~4.5)。

つまり、ここから考えられることは「歩数」や「歩く時間」ではなく、「歩き方の質」を変えることにより、得られる健康効果が違うということなんです。

一日1万歩を実際に達成するのは難しく、厚生労働省の2023年「国民健康・栄養調査」によれば、日本人の1日あたりの平均歩数は男性6628歩、女性5659歩にとどまっています。

【補足1】

運動したいけど運動する時間がない女性に2つのアドバイス|72.5%の女性が「運動する時間が不足」|63.6%が運動によって健康が改善されたと回答によれば、定期的に運動ができていないと回答した女性に、定期的に運動ができない理由を尋ねたところ、71.3%もの女性が「時間が取れないから」と回答しています。

この回答から、運動をするためにはまとまった時間が必要だと考える傾向が強いのではないかという仮説が立てられます。

1日1万歩歩かないといけない、脂肪を燃焼させるには20分運動しないといけないというようなことが無意識に刷り込まれているからかもしれません。

しかし、「時間がない」という言い訳はできない?1分間の激しい運動が45分間の穏やかな運動と同じ効果がある!?で紹介したカナダのマクマスター大学の研究チームによれば、1分間の激しい運動を継続すれば、軽めの運動を45分間したのと同じくらいの効果があるそうです。

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つまり、「まとまった時間がとれないから運動しない」というよりも1分でも時間があれば運動するといいということができます。

【補足2】

1日7千歩で死亡リスクが47%低下!心血管疾患・がん・2型糖尿病・認知症・うつ病も抑制!で紹介したランセット誌に掲載された1日あたりの歩数と健康の関係を調べた研究によれば、1日2,000歩と比べて、7,000歩で死亡リスクが47%低下し、また死亡率、心血管疾患、がん、2型糖尿病、認知症、うつ病、身体機能、転倒なども抑制することがわかりました。

これまで一日一万歩が健康の目安と言われてきましたが、この研究によれば7000歩でも十分な健康効果が得られることがわかりました。

■世界が注目するジャパニーズウォーキング「インターバル速歩」

インターバル速歩のやり方・コツ・注意点!なぜインターバル速歩は老化防止に効果なの?によれば、信州大学大学院医学系研究科、スポーツ医科学講座の能勢博教授の研究チームが提唱しているインターバル速歩とは「速い」「普通」を交互に繰り返すウォーキングのことで、世界的に注目が集まっている運動法なのだそうです。

なぜ、注目が集まっているのでしょうか?

普通のウォーキングと比べると、インターバル速歩をすると、体力が向上し、血圧、血糖値、中性脂肪BMIといった生活習慣病に関わる指標の全てで改善することが確認できたそうです。

具体的にインターバル速歩のやり方は「速歩3分」「普通歩行3分」を繰り返す、自分の最大運動能力の7割ぐらいの強度で行うことがポイントです。

「1日1万歩」は効果が無かった…!ついにわかった「ジムに行かなくても体力がつく」すごい方法(2024年9月26、現代ビジネス)によれば、7300名の中高年者を対象に5ヵ月間のインターバル速歩トレーニングの効果を検証したところ、5ヵ月間の継続率が95%、体力が最大20%向上、高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病指標が20%改善、膝痛・腰痛などの症状が50%改善、そのほか、うつ症状、認知機能も有意に改善したそうです。

■歩くことで脳若返り!?

スタンフォード大学の実験によれば、歩きながら考えることで創造性が座っている時より約1.6倍高まることがわかりました。

イリノイ大学の研究では、1年間のウォーキングを継続した人の記憶や学習に関わる「海馬」が大きくなっていることが確認されてそうです。

【補足3】

軽い運動でも脳の認知機能は向上する|筑波大によれば、筑波大学体育系の征矢英昭教授らの研究で、ジョギングに相当する運動を短時間行うと脳の中の判断力や注意力を支配する部分の活動が活発になることがわかっていましたが、今回のプレスリリースによれば、ウォーキング程度の軽い運動を短時間行なっても脳の前頭前野が担う実行機能(注意・集中、判断、計画・行動を調節する高次認知機能)が高まることがわかったそうです。

一日に歩く時間が長い人ほど認知症になりにくい!40代・50代は認知症予防のためにも運動する時間を増やそう!|東北大で紹介した東北大の遠又靖丈講師の研究グループの研究によれば、一日に歩く時間が長い人ほど認知症になりにくく、仮に「30分未満」「30分~1時間」のグループが歩行時間を増やして、一段階上のグループに移ると、認知症になる割合が低く抑えられることが分かったそうです。

中年期の運動によって脳の萎縮や認知機能の低下を予防できる!?によれば、米ボストン大学などの研究チームによるランニングマシンで運動してもらうテストによれば、運動成績が悪かった人は脳が萎縮していることがわかったそうです。

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デスクワークの危険性とは?散歩しながら会議しよう!によれば、「ウォーク&トーク・ミーティング」という会議室やカフェなどでのビジネスミーティングをやめ、散歩をしながら会議を行う方法を提案しています。

歩きながら会議をするということを実践している日本の企業もありましたが、実際外の空気を吸って街の景色を見ながら会議するというのは面白い試みだと思います。

■まとめ

インターバル速歩を取り入れてみませんか?







新型コロナ変異株「ニンバス」の特徴は「“カミソリを飲み込んだような強烈な喉の痛み」!




カミソリを飲み込んだような“強烈な喉の痛み”を感じたら…新型コロナ変異株「ニンバス」に要注意! お盆明けにコロナ患者急増の恐れ 医療機関は60人待ちの混雑状態に(2025年8月19日、中京テレビ)によれば、東京歯科大の寺嶋教授によると、ニンバスはオミクロン株から派生した変異株で、“カミソリを飲み込んだような強烈な喉の痛み”が特徴なのだそうです。

■まとめ

新型コロナ「ニンバス」はかかっているときも“カミソリを飲み込んだような強烈な喉の痛み”で大変で、治ってもその後の後遺症も心配です。

コロナ後遺症「クラッシュ」ってどんな症状?なぜ慢性疲労症候群になってしまうの?によれば、新型コロナの後遺症「クラッシュ」とは、一般的な医学用語ではなく、倦怠感などの軽いコロナ後遺症が残っている状態で、仕事を頑張りすぎたり、激しい運動を続けることで、ストレスが許容範囲を超えてしまい、ほとんど動けなくなり、3日以上寝込んでしまう慢性疲労症候群のことを言います。

コロナ感染で慢性疲労リスク4倍に!で紹介した米CDCなどのチームによれば、新型コロナウイルスに感染した人はしなかった人に比べ、その後に疲労感の症状が現れるリスクが1.68倍に、慢性疲労に発展するリスクは4.32倍に上ったそうです。

コロナ後遺症「クラッシュ」の原因についてはっきりわかっているわけではありませんが、コロナ後遺症で悩まされている人の中には慢性疲労の人が多くなる傾向にあるようです。

対策としては新型コロナに感染しないことが一番ですが、もう一つの対策としては日ごろから体のケアを行なっておくこと、具体的に規則正しい食事と運動、そして休息をとること。

食事の中にはミトコンドリアを増やす食品・栄養を取り入れ、そしてちょっときつい運動をすることにより、疲れにくい体になっていくかと思います。